写真の「八割下駄」は片足の底が4つに割れており、両足合わせて8つに割れていることが名前の由来。下駄が足に合わせてしなり、通常の下駄よりもフィット感があり人気だ。(1万2400円)
画像提供:わとみ
花火大会や盆踊りなど、浴衣を着る機会が増える夏。足元に合わせる下駄や草履を履くと「姿勢がよくなる」「水虫になりにくくなる」なんて話を聞くことがありますが、実際のところどうなんでしょうか?
「確かに、靴に比べればそういえます。靴の底は歩き方の癖で左右の減り具合が異なり、その偏った減り方が体の負担になります。しかし、下駄や草履は特に左右差がないため入れ替えて履くことができます。つまり底の部分が偏って減ることを避けられるため、体がゆがみにくいのです。また、靴と違って開放的ですし、下駄に使われるヒノキや桐、草履のわらには殺菌効果や吸汗作用があるため、水虫にもなりにくいといえるでしょう」
と教えてくれたのは、新潟県立看護大学の加城貴美子教授。下駄・草履を履くことの効果はほかにもあるようで…。
「足指が自由になりますから、外反母趾などにはまずなりません。また、足の親指と人差し指で鼻緒をつかむため、拇指球(親指のつけ根の部分)の発達がよくなり、土踏まずの形成を促します。さらに、足指のあいだや甲、足裏には、末梢神経が集まる『反射区』が数多くあります。特に鼻緒が触れる親指と人差し指のあいだと指の部分には、脳や視神経、聴覚神経などを刺激する反射区があり、歩くたびに鼻緒がその部分を刺激してくれるので、脳の活性化にもつながります。また、かかとを1cmくらい下駄や草履からはみ出すように履くことを心がけると、生殖器の反射区が刺激されるため活力が湧いてきますし、もともとの原因にもよりますが、男性のEDにも効果が出るという話もあります」(同)
ちなみに加城教授が大学生を対象に行った共同研究によると、被験者に、下駄を履いてウォーキング、靴を履いてウォーキング、このそれぞれをさせて、その後に「百ます計算」を行わせたところ、下駄を履いた方が作業能率や集中力が増すことが確認できたそうです。こうした効果が指摘されたこともあり、最近では下駄や草履を取り入れる幼稚園や学習塾が増えていて、なかには会社での導入例もあるのだとか。
では“初心者”におススメなのはどんなタイプのものなのでしょう? 下駄や草履の通販を行う「わとみ」に聞きました。
「足への負担がかかりがちな下駄・草履ですが、『長木保育下駄・草履』は、鼻緒を幅広に仕上げてあるため、負担が少なく、初心者の方におすすめしています。また2013年の新商品では、下駄の台の部分に市松模様を入れてあり、脱いだときにも玄関を華やかにしてくれる『日光下駄 市松柄入』や、底が分割されているため通常の下駄よりもフィット感がある『八割下駄』なども人気です」(わとみ広報)
下駄や草履もずいぶん進化を遂げているんですね。あなたも涼と健康効果を狙って、普段履きに一足いかが?
(成田敏史/verb)
※この記事は2013年8月に取材・掲載した記事です
識者プロフィール
加城貴美子教授 新潟県立看護大学教授。医学博士。主な研究テーマは、姿勢に関する研究、人間関係コミュニケーションに関する研究、新生児の知覚に関する研究。近年は下駄や草履の効用に着眼し、研究・調査を進めている。