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●2008年5月7日、日本を公式訪問した胡錦濤国家主席と福田康夫総理(肩書きはいずれも当 時)は、「戦略的互恵関係」の包括的推進に関する日中共同声明に署名し、日中関係が両国の いずれにとっても最も重要な二国間関係の一つであり、今や日中両国が、アジア太平洋地域及 び世界の平和、安定、発展に対し大きな影響力を有し、厳粛な責任を負っているとの認識で一 致した。
●しかし、その半年後の同年12月8日、中国公船(中国政府に所属する船舶)2隻が突如とし て尖閣諸島周辺の我が国領海内に初めて侵入し、度重なる海上保安庁巡視船からの退去要求及 び外交ルートを通じた抗議にもかかわらず、同日夕刻までの約9時間にわたり我が国領海内を 徘徊・漂泊する事案が発生。中国公船が我が国の主権を侵害する明確な意図をもって航行し、 実力によって現状変更を試みるという、尖閣諸島をめぐり従来には見られなかった中国の新たな 姿勢が明らかになった。
●2010年9月7日の尖閣諸島周辺の我が国領海内での中国漁船衝突事件以降は、中国公船が従
来以上の頻度で尖閣諸島周辺海域を航行するようになり、2011年8月に2隻、2012年3月に1
隻、同年7月に4隻による尖閣諸島周辺の我が国領海への侵入事案が発生した。
●2012年9月11日に我が国が尖閣諸島のうち3島(魚釣島・北小島・南小島)の民法上の所有 権を、民間人から国に移したことを口実として、同月14日以降、中国公船が荒天の日を除きほ ぼ毎日接続水域に入域するようになり、さらに、毎月おおむね5回程度の頻度で領海侵入を繰 り返すようになっている(詳細は上図参照)。このような事態は我が国として全く容認できる ものではなく、領海侵入事案が発生した際には、その都度現場において退去要求を行うととも に、外交ルートを通じて中国政府に対して直ちに厳重に抗議し、即時の退去及び再発防止を強 く求めている。
●尖閣諸島は歴史的にも国際法上も我が国の固有の領土であり、現に我が国はこれを有効に支
配している。中国による「力」を背景とした現状変更の試みには、関係省庁が一体となって、
我が国の領土・領海・領空は断固として守り抜くとの決意で毅然かつ冷静に対処している。
(外務省ホームページより)