【辛坊持論】マスコミは間違った「人権配慮」をやめよう
ひどい事件ですが、マスコミと警察にも、こうなった責任の一端はあります。新潟県新発田市の連続強姦・殺人事件です。
今のところ4つの事件で「喜納尚吾」という男が立件されているんですが、これ以外にも2件、強姦殺人を犯している疑いが出てきました。
強姦罪は親告罪ですから、事件になっていないだけで、他にも余罪があるかもしれません。悪いのは100%この男ですが、これだけの連続犯罪を止められなかったことについて、警察とマスコミにも責任があるって思うんです。
何せ、すべての事件は犯人の自宅から歩いて数時間以内という狭い範囲で起きていて、最初の2つの強姦事件は1か月の内に連続して起きています。警察とマスコミが、被害者を特定できる情報を慎重に避けながら、同じ地域で連続して拉致・強姦事件が発生していることを住民に伝えていたら、3件目以降の犯罪は止められたかもって思うんです。一人歩きの女性を車に引っ張り込む手口がすべての事件で共通していますから、十分警戒していれば防げる可能性もありますし、もっと早く犯人を逮捕できていたかもしれません。
私、この事件を聞いてすぐに思い出したのが、2007年に埼玉県で起きた連続強姦・殺人事件でした。このケースでは、犯人は若い女性の住むアパートに押し入って暴行していますから、ドアにチェーンロックしていれば防げた犯行なんです。ところが、同じアパートで3か月の間に連続して同じ手口の強姦事件が発生して、2件目では襲われた女性が殺されてしまうという悲惨な結果になりました。
逮捕された犯人はなんと事件があったアパートの住人で、1件目の強姦事件は一切報道されなかったばかりか、アパート住民にも知らされていなかったんです。2件目の被害者は、警察とマスコミに殺されたようなものです。
マスコミは、「被害者の人権配慮」を理由に、米兵が加害者である場合を除いて性犯罪を報道しません。その結果、何が起きているか? ネットにはびこる「連続強姦事件多発中」のデマの原因もここにあります。
大新聞さん! 間違った「人権配慮」はやめにして、マスコミ本来の責任を果たしましょうよ。((株)大阪綜合研究所代表・辛坊 治郎)