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【文化部記者が選ぶベスト3】書評 「沖縄は独立して当然」後押しして、危うさも突く 『琉球独立論』朝日掲載書評が“刺激的”

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【文化部記者が選ぶベスト3】
書評 「沖縄は独立して当然」後押しして、危うさも突く 『琉球独立論』朝日掲載書評が“刺激的”

『ガルパンの秘密』(先行初回限定版)。この書評が月刊「正論」に掲載されたのには驚かされた

 ガルパンでは日独米ソなど、先の大戦当時の戦車が軒並み登場する。各国の軍歌(に類するもの)も多数紹介されており、極め付きは女子高生が軍歌「雪の進軍」を歌いながら雪の中を偵察に行くシーンであろう。某新聞が「右傾エンタメ」などとレッテルを貼りそうな作品だが、『正論』と対極にある『週刊金曜日』(4/25・5/2合併号)でも、サブカルチャーに詳しいジャーナリストに、「売れ筋とされていますが、戦争を煽(あお)る内容とは限りません」「作品にどんな意味や意義を持たせるかは、作り手ではなく受け手に委ねられています」と冷静に分析させていた。

 戦車といえば11月末に公開されたブラッド・ピット主演・製作総指揮の戦争映画「フューリー」が好調だ。この映画、世界で1台だけ現存する走行可能なドイツの「ティーガー」戦車を登場させた迫真の映像が注目された。ティーガーといえばガルパンで主人公の姉・西住まほが乗っていた戦車でもある。

 ガルパンはまだ続いており、平成27年夏に劇場版が公開される予定となっている。今度はどんな戦車道が描かれるのか、興味は尽きない。

 最後に3月30日の産経新聞に掲載された『護身武道空手概論 女性のための武道への招待』(朝霧華刃、神橘美伽著・現代社白鳳選書)の書評を全文紹介して締めくくりとしたい。

《か弱い子供が狙われる事件も多発している昨今の日本は、万人に護身術が必要な時代になってきているといえる。しかし、それほど運動経験のない女性がどのように学んでいけば護身術を身に付け、本当に身を護ることができるようになるのか。よく目にする「やさしく学べる」護身術の書物は本物なのか。そもそも、護身とは何なのか-といった大問題が、初心者にもわかりやすく説かれていく、史上初の女性による武道理論書。本物の武道とはいかなるものかも垣間見える。「読者の人生において必ずや有益となりうることを説き進めていく」と宣言する入魂の書》

 戦車道に空手…。「女性の時代」が本格的にやってきたという思いを改めて抱いた。

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