エボラ熱:西アフリカから帰国の邦人男性、感染疑いで検査

毎日新聞 2014年12月29日 11時39分(最終更新 12月29日 14時40分)

国立感染症研究所村山庁舎(東京都武蔵村山市)に整備されている危険性が最高レベルの病原体を扱うことができるBSL4相当の施設=国立感染症研究所提供
国立感染症研究所村山庁舎(東京都武蔵村山市)に整備されている危険性が最高レベルの病原体を扱うことができるBSL4相当の施設=国立感染症研究所提供

 厚生労働省は29日、エボラ出血熱が流行する西アフリカのシエラレオネから帰国した東京都内の30代の男性が、同日未明に発熱したため、国立国際医療研究センター(東京都新宿区)に搬送したと発表した。男性は現地でエボラ熱患者の埋葬に立ち会い、遺体を入れた袋に触れたことがあったため、健康監視に加えて外出自粛要請を受けていた。同省は男性の血液を国立感染症研究所村山庁舎(東京都武蔵村山市)に運び、エボラ熱に感染していないかを検査する。

 エボラ熱感染の疑い例は4例目になる。厚労省によると、男性は今月14〜21日にシエラレオネに滞在し、23日に成田空港に到着。29日未明に38.2度の発熱があったため保健所に連絡し、午前9時過ぎに自宅から救急搬送された。明け方には37.2度まで熱が下がったという。

 男性は現地滞在中の17日に患者の遺体が入った袋に素手で接触。このため地元自治体から外出自粛要請を受けていた。帰国後、1日2回、検疫所に体温を報告し、自宅から外出していなかったという。厚労省は男性について、国や国連などの機関に所属せず医療従事者でもないとした上で、「現地の支援をしたかったと言っている」と説明している。【桐野耕一】

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