3 ウミヘビの脂質について
脂質は我々にとって必要な栄養素です。脂質は体内で脂肪酸に分解され吸収されて、エネルギーの元となります。また、私達の臓器の細胞膜を構成する成分としていろいろな役割を果たします。脂肪酸には、牛や豚などの脂肪に含まれる飽和脂肪酸と植物、魚やウミヘビなどの脂肪に含まれる不飽和脂肪酸などがあります。飽和脂肪酸は体のエネルギーとなり、不飽和脂肪酸は体の調子を整えるなどの働きをします。なかでもDHA、EPA、リノール酸、α −リノレン酸などの不飽和脂肪酸は、我々の体内では作れない栄養素で食品から摂取しなければならない必須脂肪酸です。この必須脂肪酸は、リン脂質に組み込まれ、細胞膜の成分として機能し、体内の代謝機能を正常に保つことから、私たちの体に欠くことができない大事な成分です。また、血清のコレステロール濃度を低下させる働きもありますので、動脈硬化の予防にもなります。
ウミヘビ脂質に含まれる成分
食物をとらずに半年近くも生きつづける驚異的な生命力を持つラチカウダですが、その秘密は内臓に存在する脂肪組織にあると考えられています。体重700グラムのウミヘビ一匹の脂肪組織からわずか15グラムしか抽出できない貴重な脂質の中には、必須脂肪酸、ビタミン、ミネラル、リン脂質などがバラエティーに富んで含まれています。海蛇脂質には、必須脂肪酸であるEPA、DHA、DPA、リノール酸、リノレン酸などの高度不飽和脂肪酸、ビタミンA・Eや魚よりも多くのビタミンD3が含まれています。
海蛇脂質の含有成分表
EPA
2.9%
DHA
14.4%
DPA
2.7%
α-リノレン酸
1.0%
POA
5.9%
リノール酸
1.4%
ビタミンD3
5620IU/100g
ビタミンA
5830IU/100g
ビタミンE
21.80mg%
カリウム
0.43mg%
マグネシウム
0.14mg%
鉄
0.13mg%
ヨウ素
0.80mg%
ビタミンA・D3・EやEPA,DHAなどの高度不飽和脂肪酸が多く含まれています。
ビタミンD
3
の比較表
ウミヘビ
5,620IU
イワシ
3,840IU
カレイ
2,720IU
イナダ
2,045IU
サバ
2,000IU
(IU:International Unit)
ビタミンDが多く含まれる青背の魚サバやイワシの油の1.5倍以上ものビタミンDがウミヘビの油には含まれています。
1 ウミヘビについて
2 ウミヘビの薬効についての歴史
3 ウミヘビの脂質について
4 ウミヘビに関する学会発表等
5 臨床におけるウミヘビの服用目的
代替医療取扱品目について に戻ります