事件【衝撃事件の核心】「もう動けない」 スニーカーで富士山に挑んだ男性の呆れた“衝動”+(4/4ページ)(2010.7.18 12:00

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【衝撃事件の核心】
「もう動けない」 スニーカーで富士山に挑んだ男性の呆れた“衝動”

2010.7.18 12:00 (4/4ページ)

遭難が多発するのは夏山シーズン

 県警のまとめでは、平成17年に11件だった富士山での遭難件数は年々増加し、昨年は過去最高の41件に上り、7人が命を落とした。

 昨冬、元F1ドライバーの片山右京さん(47)が同僚の宇佐美栄一さん=当時(43)=、堀川俊男さん=同(34)=と遭難し、宇佐美さんと堀川さんが死亡した。憔悴(しょうすい)しきった片山さんがカメラの前で「2人は寒さで体力を消耗した。(遭難は)全部自分の責任です。力不足だった」と声を詰まらせていたのは記憶に新しい。

 富士山での遭難は冬山の印象が強いが、実際は遭難事故の3分の2は7~8月にかけての夏山シーズンに発生している。遭難者のほとんどの場合、日程や道順、装備の内訳を事前に県警に報告する登山計画書を提出していない。

 県警山岳遭難救助隊の真田喜義隊長は近年の登山ブームが遭難増加の一因になっているとみる。

 「登山者ではなく、観光客が山に入るようになった。例えば『せっかく来たんだから、少し天候が悪いくらいで帰れない』といった心理が働き、遭難するケースもある」

 夏山シーズンに富士山を訪れる登山客は約30万人に上る。1日当たり平均5千人が登っている計算になるが、これに対し悪天候時に避難する山小屋は計48軒で、収容人数は計6835人だが、「7~8月の登山シーズンの大半では山小屋の収容能力を超える登山者が山へ入っている」(真田隊長)。

 山小屋の予約なしに山に入って急に豪雨に見舞われたら、避難場所の確保に苦労することになる。

 野口さんは「夏の富士山は初心者でも十分に登ることができる。だが、自分の体力や体調を見極めた上で、念入りに装備を整えて余裕のある登山計画を組むことが必要」と警鐘を鳴らしている。

このニュースの写真

山開きに合わせ 頂上目指す登山者ら =山梨県・富士山8合目付近(三尾郁恵撮影)
水田の向こうに美しい姿を見せる富士山
 春の風物詩「農鳥」(中央右)が現れた富士山。残雪が羽ばたいている鳥のように見える
富士山の夏山開きを山頂で迎えようと山頂を目指す登山者ら(川口良介撮影)
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