『¥マネーの虎』名物社長、詐欺で訴訟に ゴッドハンド吉川からノウハウ奪い、追放の疑い
まず、以下のようなケースは果たして合法か違法か、どちらに該当するかを考えていただきたい。「吉川朋孝オフィシャルサイト」より
【事例】
ある日、骨董品店に男が訪れた。いかにも大切そうに、桐箱入りの壺を持参している。そして、次のように言い残して去っていった。
「短期の海外滞在で少し留守にするので、その間この壺を預かっていただきたい。もちろん、預かり賃は前払いで支払う。ただ大切な品であるから、扱いは慎重にしていただきたい。また展示する分にはよいが、非売品として、誰がなんと言おうが絶対に売らないでほしい」
骨董品店の主人もそう言われると気になり、よくよく壺を見てみると確かに良い品のようである。そこで男に言われたとおり非売品として店頭に出してみた。すると間もなく、身なりのいい紳士が訪れてきて「これは渥美窯のものではないか? おそらく重要文化財級のものだろう。ぜひ購入したいのだが、いくらなら譲ってくれる?」と迫ってきた。主人は「持ち主から売るなと言われている」と断ったが、紳士はあきらめずに「600万円ならすぐに出せる。ぜひ持ち主と交渉して、譲ってもらえるように説得してほしい。私の連絡先を伝えておくから」と粘る。主人は「そんなに価値があるものだったとは……」と驚き、交渉を引き受けた。
海外から戻ってきた男が壺を受け取りに来た際、主人は「手元に置くうちに愛着がわいてしまって……」などと言いくるめて、結局男から壺を300万円で買い取ることに成功した。濡れ手で粟と喜んだ主人が、くだんの紳士に壺を売却しようと連絡をとったが、その紳士が伝えた連絡先は偽のもので、もう二度と連絡がつくことはなかった。調べたところ、壺もまったく無価値だとわかった。
(事例、以上)
普通に考えれば、「最初に壺を持ち込んだ男と、後から訪れた紳士はグル。骨董品店の主人を騙してお金を巻き上げた詐欺だ」と推察される。
しかし、この主人が詐欺被害を訴えて警察や裁判所に訴え出たとしても、「ごく一般的な売買契約が成立しただけ」と判断され、「合法」になってしまうのだ。骨董品店の主人は「壺を買いたい」と言い、男は「売ってもよい」と考えて取引した。確かに、それ自体はまったく違法でもなんでもない。