前置き
先日、お客様からの質問で「ABCメール使ってメールを送信しているときは迷惑メールに入らないのに、普段顧客との個別メールとして使っているロリポップのメールが迷惑メールに入る時があるので調べてほしい」と、いうのがあり調べて対応した時のことを書いていきます。
(アドレス情報等の保護のため、モザイク多めです。。。)
調査
まず、メールのヘッダを見ることによってどのような状況なのかを調査しました。
Gmail だと、このようにしてメールヘッダを見ることができます。
この箇所が、
この記事で説明した SPF、DKIM などの認証がしっかりできているかの結果が書かれている箇所です。
このように 「spf=none」となっていますね。これは、SPFの情報が全くないという状況でSPFの対策がされていないことを示します。つまり、「なりすまし対策していない」ということになります。
一方、ABCメールを利用した際のメールヘッダは
このように「spf=pass」となっており、「なりすまし対策ができていて、認証を通過した」という結果です。
今回は、ロリポップからメールを送る際にSPFの認証を通過できるようにしていきます。
対応
SPF認証は、DNSの設定をすることで比較的簡単に導入することができます。見て行きましょう。
今回のお客様は独自ドメインを使用されていました。
ロリポップで独自ドメインを使用されている場合は、ムームードメインで独自ドメインを取得することが多いと思います。
まず、ムームードメインのコントロールパネルで独自ドメインを取得したアカウントでログインします。
ドメイン管理 > ムームーDNS から該当のドメインを選択し、変更をクリックします。
このように設定2の個別にエントリを書くところがあるので、そこに設定を入れていきます。
SPF認証はそのドメインのメールを送るメールサーバーを指定することによって導入できます。
今回は、ロリポップのメールサーバーを使用しますので、ロリポップのメールサーバーのIPアドレスを調べます。
ロリポップでは以下のアドレスからメールサーバーからメールが送られているようです。
- 210.172.144.0/24
- 210.157.22.0/25
- 203.189.109.0/24
- 112.78.119.173
/24 とかはIPアドレスの範囲を指定しているネットマスクと呼ばれるものです。
v=spf1 +ip4:210.172.144.0/24 +ip4:210.157.22.0/25 +ip4:203.189.109.0/24 +ip4:112.78.119.173 ~all
このような文字列にして設定します。
具体的にムームードメインの設定では
- 名前:(空欄)
- 種別:TXT
- 内容:v=spf1 +ip4:210.172.144.0/24 +ip4:210.157.22.0/25 +ip4:203.189.109.0/24 +ip4:112.78.119.173 ~all
- 優先度:(空欄)
以上を記入し、セットアップ情報変更をクリックします。
これで、設定は完了です。
DNSの設定を変更すると、一定時間経過すると世界中のDNSで設定が反映されますので、ちょっとお茶しながらでも待ちます(最大1時間ぐらい?)
その後、もう一度、ロリポップを使ってメールを送ってみます。
このように「spf=pass」と変わっていますね。
これで SPF認証の設定ができました。
めでたし、めでたし。
まとめ
具体的な設定は
- 名前:(空欄)
- 種別:TXT
- 内容:v=spf1 +ip4:210.172.144.0/24 +ip4:210.157.22.0/25 +ip4:203.189.109.0/24 +ip4:112.78.119.173 ~all
- 優先度:(空欄)
でした。
この記事はこの記事はABCメール開発者 山本 が書きました。