タイトルの通り。
7000字近くと長いので、珍事件に興味がない人にはオススメしないです。
12月15日月曜
午前3時
始まりは、先週月曜日の早朝のことだ。
常日頃、僕らスタッフから「ブログに余計なことを書いて周囲に迷惑をかけるな」と口酸っぱく言われているにも関わらず、
社長の齊藤貴義がまた炎上記事を書いた。
http://b.hatena.ne.jp/entry/netcraft.hatenablog.com/entry/20141215/1418580879
午後3時
その後、この炎上が理由なのか、身辺で何かがあったのかは分からないが、
彼はブログを閉鎖し、twitterやfacebookなどのソーシャルアカウントも削除した。
彼の音信不通自体は珍しいことではないのだが(それにも周囲がいつも困らされているが)、
彼がソーシャルアカウントを消去したのは、僕が彼と知り合った今年の3月以来で初めてのことだ。
しかも、彼はリストカットやオーバードーズの経験をブログで自慢気に語っている。
http://b.hatena.ne.jp/entry/netcraft.hatenablog.com/entry/20140927/1411752301
上記のように9月末にも自殺をほのめかす記事を書き、12月初旬にも「死を覚悟した」という記事を書いている。
そのため、自傷行為の可能性を心配した僕は、彼にLINE発信し、出ないのでメッセージを送った。
「齊藤さん、今日、後で家に行きますねー」15:01
僕と彼は今年になってからの短い付き合いでしかないのだが、
実家とは疎遠で、奥さんとは離婚したという彼にとって、
家に行って様子を見る人間としては、僕が一番近い者のひとりのようだった。
そのため彼の自殺騒動以後、僕は週に1度くらいは機会を作って彼の家を訪れ様子を見るようにしていた。そうして食生活や金銭管理や会社経営やブログ記事についてあれこれと口出しをするお節介おばさんのようになっている僕の様子を知る者は、その状態を揶揄して、「介護ヘルパーかよwそのままだと葬式まで責任取らされるぞ」と言うこともあった。
たしかに、彼に対して次のような言葉を発したこともある自分は、行き過ぎているようにも思っていた。
「病院が合ってないようにも思うので、変えたらどうですか? 会社を畳んでやり直すのだってアリだと思いますし、入院して治療に専念するのも良いと思います。もし良ければ一緒に付き添いますよ」
これに対しても彼は、いつも通りの表面的な「そうですねー考えてみます」という返事で話を打ち切っただけだったが。
しかし僕の不安は杞憂に終わったようで、LINEの返信が来る。
「ちょっと一人になりたいので今日はご勘弁ください。家にいらしても開けません。」15:39
「かしこまりました。18の忘年会まで予定がないので、ゆっくりされてください。ネットで騒ぐ人が多いようなので、テキトウに鎮火しときます」16:01
*1
ひとまず安堵した僕は、ネット上で「齊藤貴義のアカウントが消えたけど何があった?」と騒ぐ人に向けて、簡単なコメントをして鎮火することにした。
http://b.hatena.ne.jp/entry/235924394/comment/Rlee1984
「とりあえず1人になりたいってことらしいです。」
12月16日火曜
早朝
ところが翌日、事態は一変する。
朝起きてスマホを見ると、アラートが出ている。会社で用意されている自分のメールアカウントにログインできなくなっているようだ。何があったのだろう、と社内チャットツールのslackで聞いてみようと思うも、こちらもログインできない。
その他、社内の情報共有ツールとして利用していたqiitaや進捗管理ツールであるbacklogにもログインできない。
qiitaでは「お探しのページは見つかりません。」
slackでは「This team has been deleted.」
backlogでは「ユーザIDかパスワードが間違っています。」
と表示されるだけ。
慌てて他の社内スタッフと連絡するskypeグループを作成し、連絡をとる。
「メールも使えないし、ぜんぶの社内アカウントが使えないんだけど?」
「え!?嘘でしょ?いま確認してみます。。。うわ、ほんとだ」
他のスタッフも同じ状況になっているようで、みな愕然とする。
これは、間違いなく、社長でありそれぞれのツール管理者である彼の仕業だ。
いったい何てことしてくれたんだ…!
この会社は在宅勤務が基本なので、今の状況は「会社機能が完全に死んでいる」に等しい。昨日には、受託が決まったばかりの取引先をbacklogに招待したところで、今にも連絡が来ている可能性がある。しかし、会社メールもbacklogも閲覧できない。
営業担当がこれまでまとめていた顧客情報も見れず、プログラマがこれまで書いてきたソースコードがどうなったかも分からず、プランナーが調べてqiitaなどに蓄積してきた知識にもアクセスできない。
どうするべきか。。。
しかし、それよりもまずスタッフが心配したのは彼のことだ。
僕が再度、昨日のLINEメッセージについて説明する。
「昨日、『1人になりたいので今日はご勘弁ください』ってメッセージもらったんです。それが、一夜明けたらこんなことになってるなんて;」
そもそも1人になりたいからといって、会社アカウントを全て消す必要などない。
1人になりたいなら勝手になってくれればいい、ただ、周りを巻き込んで迷惑をかけるな…!!!
スタッフ全員がその怒りを感じながらも、自傷行為の可能性を疑って心配する。
「1人になりたい」に含まれる、別の意味の可能性について。
取引先への連絡はどうすんのさ?
これまでスタッフが貯めてきたqiitaやbacklogはどうなったのさ?
それよりまず、安否を確認しなければ
昼
様々な人から連絡してみるも、やはり音信不通。
先ほどは気付かなかったが、どうやら広報用の会社ブログも削除されている様子。
こうなると、外部から見ても「会社に異変があった」ことが明確に分かる。
何してくれてんだよ;
内々に済ませることが出来なくなってくるじゃないか。
16:30
様々な人から様々な手段で連絡してみるも、やはり音信不通。
埒が明かないので、秋葉原にある彼の自宅を直接に訪問する。
会社スタッフとして12月から働くことになったばかりのid:tenku65820が、雨の中を神奈川から駆けつけてくれる。
僕ひとりでは心細かったので、とてもありがたい。もしかしたら、最悪の状況確認をしなければいけないかもしれないのだから。
何度かインターホンを押すが、やはり応答なし。
会社スタッフや株主など関係者に再度連絡して合意を得た上で、警察に通報する。
17:00
警察に事情を説明。
これまでにブログで何度も「自殺しようと思った」と書いていること。
つい2ヶ月前にもオーバードーズを武勇伝のように語っていること。
昨日、「1人になりたいから今日は放っておいて」と言われたこと。
その後、昨日深夜か今日早朝に会社機能を停止させていること。
今日、いまだ音信不通であること。
「12/15の15:39、1人になりたい」警官が大きくメモをする。こういう騒動での典型的な台詞なのだろう。
僕らの身元を確認した上でこれら事情説明を聞いた警察判断により、親族と大家の許可を得た上で鍵を開けて入ることになった。
警察の力は凄い。1時間ほどで大家と親族の連絡先を探し当て、それぞれに承諾を得る。もちろん個人情報保護の観点から、それぞれへの連絡は全て僕とtenku65820の目前からいない状態で行われた。通報してマンションの1階エントランスで事情説明する僕やtenku65820が悪意を持っている可能性を考慮してのことだろう。
17:51
警官5~6名が4階にある彼の自宅に突入。もちろん個人情報保護の観点から、僕らは1階エントランスで待つのみ。
もどかしい。
大丈夫なのか?
そして大丈夫なら、思いっ切りブチ切れてやりたいが。
心臓が不穏な音を立てている。
17:59
10分と経たずに、1人の警官が降りてきて簡単に説明してくれる。
薬は飲んでいたものの、命に別状はなさそうとのこと。スカイプで様子を見守るスタッフにも報告。
一同、胸をなでおろす。
僕らは話をさせてもらえるのか? 話せるなら、話したい。
しかしその数分後、また1人の警官が降りてきて言う。
「離れて下さい!暴れてるから気を付けて!」
うわー、どうなってんだ;;;
そう思いながらも、1階エントランスを出て、マンション入口脇で待つ。
18:11
複数の警官に羽交い絞めにされながらエントランスを出てきた彼は、半狂乱の様子だった。
周囲の目もはばからずに、ひたすら絶叫しつづける。
エントランスの2メートル前に停められたパトカーの横で、まだ乗車拒否しようと暴れ続ける。普段、温厚に振る舞おうと努めている彼を知るだけに、胸が痛くなる。
彼が叫ぶ様子をスマホのようなもので撮影する人がいたので、制止しなければと慌てて話しかける。
「すみません、警察の方ですか?(怒)」
警察なら許されるが、一般人に面白半分でこの様子を撮影されたらたまったもんじゃない。
もし公開されれば会社の評判などというレベルではないだろうし、何より彼を知る者として許せない。
ネットでは彼を面白おかしく弄る人も多いため、ネット上で自宅住所まで公開している状態だと何があるか分からないのだ。
「はい、警察です。証拠のために撮影しました」
そう言って警察手帳を見せられる。
他の警官と服が違うから勘違いしてしまいました、すみません。恥ずかしい。
こういう時って撮影係みたいな人もいるのか。
そうこうする間に、パトカー前での絶叫は、数名に抱きかかえられるようにして車内に押し込まれた。
気付けば、マンションの階段で様子をうかがう住人が2人いる。今の様子をパッと見れば、誰がどう見ても「暴れ狂う犯人逮捕!」という感じだ。
「お騒がせしてすみません、少し薬を飲み過ぎてしまったみたいで。犯罪があったとかではないので、ご安心ください。すみません」
それを聞いて安心したのか、住人は階段を上っていった。
18:18
僕とid:tenku65820は、別の車で警察署までの同行を要請されていた。
これまで部屋での様子をきちんと聞いていなかったので(警官にもそんな余裕はなかった)、僕はまだ先ほどの光景が信じられない。車を運転していたで、自宅に入ったと思われる女性警官に話を聞く。
「どんな感じだったんですか?」
「話にならないw」と軽く一蹴。
どうやら、まともな受け答えすら出来ない状態だったようだ。そのため、病院への強制移送を決断したのだという。
あらためて聞いて、そりゃそうだ先ほどの狂乱ぶりを見れば警察が強制的に病院へ連れて行く判断をしたのも頷ける、と納得する反面で、残念に思う気持ちが止まらない。
18:32
神田警察署で、再度別の警官から説明を受ける。
おそらくこの方が、全体を統括するボスだ。
「ずっと呼んだんですが、応答がないから、番号を入力して、扉を開けて。でも玄関の内鍵があるでしょ? で、それを切りますよーって呼び続けたら、出てきて。でも、聞いてみても話がおかしくて。それで病院へ連れて行くことにしたんですけど。あのー。彼、けっこう良いカラダしてるでしょ?1人だとヤラれちゃうから、ね。暴れるから、私1人だとヤラれちゃうくらいね、良いカラダしてるし」
羽交い絞めにして強制的に連れ出したことの説明だ。
犯罪を犯したわけではないので、公権力の暴走ではないことを説明しているのだ。とはいえ、僕ら関係者に向けてあの光景を説明するために気苦労している様子が窺える。
「彼は今、どこにいるんですか?大丈夫なんですか?」
「1人でいられる場所にいてもらっています、今は落ち着いているようです」
暴れてはいないようで、安心する。
このあと、保険局(?)に連絡して、診断してもらう病院を決めて移送、となるらしい。病院では、今すぐの入院が必要かを判断されるようだ。僕らが病院まで付き添う必要があるかどうかは、まだ分からない。
「分かったらお知らせするので、待ってて下さいね」
20:14
移送先の病院が決定し、僕とid:tenku65820は行く必要がないと先ほどの警官から告げられる。
できれば事情説明のためについて行きたいが、それも叶わないようだ。入院するかどうか分かれば連絡ください、と伝えて神田警察署を出て帰宅する。
22:29
先ほどの警官から電話。
「病院の先生からは、すぐの入院が必要かは分からないとのことでした。ただ、主治医の判断を仰いだ上で入院を勧めるということのようです。そういうわけで、いま自宅まで送り届けました」
このとき、僕の電話番号をご家族に伝えて下さいとお願いする。
その後かかってきた電話でご家族に僕からも経緯を説明。
13:31
昨夜に帰宅したハズの彼からは、いまだに連絡がない。
株主と連絡を取り合いながら、スタッフは今後の対応を相談しつづけていた。そんな中、はてな匿名ダイアリーに彼の記事が投稿されているのを発見。
http://anond.hatelabo.jp/20141217133122
netcraftです。メール、電話、はてな、facebook、Tumblr、Twitter、slack、Backlogなど個人や仕事の全てを絶って、薬を飲みながら自宅で療養していました。
昨日コウモリさんが警察に通報したようで、神田警察署から6人くらい警察官が来て、「開けなければ鍵を破壊します」と迫ってきました。
鍵を開けたら6人くらいに無理やり押さえこまれて、神田警察署に車で運ばれました。その後、独居房のようなところにしばらく閉じ込められました。(~略~)
いやいや;
あなたが全てを断つのは自由にしてくれ。ただ、スタッフ全員の会社アカウント消す必要ねーだろ!
つーか、なんで自分からこの事を公開してんの?
通報されてムカついたから書きましたってこと?
更に内々で済ませらんない事態になるし、会社の信頼下がるとか考えないわけ?
つーか、まず関係者に直で連絡してこいよ!!!ネットで書いてんじゃねーよ!!!!
ひとまず、これは匿名ダイアリーでの投稿だから、いまは何の反応もせずに、真偽不明で済ませられるならそうしよう。
会社スタッフの意見はそれで一致。この間に会社体制をどうするのかなど株主への相談を続ける。
12月18日木曜
お昼
はてな匿名ダイアリーの投稿は本人だ、と主張する写真付き記事を彼が投稿しているのを発見。
http://miraihack.hatenablog.jp/entry/2014/12/18/075929
これで真偽不明として済ませることも出来なくなった。
本当、どうしてくれんだよ。
いまだスタッフや株主などへの直接連絡はなし。彼の、周囲の身近なネット優先の態度は相変わらず。
ネット上での衆人環視で言わない限り埒が明かないのだろうと、仕方なくid:soRaがコメント欄でスタッフへの連絡を要請。
またこの記事で彼は、自宅前が監視されている、とも発言。
急いで神田警察署に問い合わせるも、監視の事実はないとのこと。
また、実家から家族が会いに行ったとは聞いているがインターホン押しても出なかったので会えていないと聞いている。
そのため、おそらく彼の被害妄想なのだと思われるが、
面白がったネット民が見に来ている可能性もあるため(彼はネットで大々的に住所を公開していた)、
確認のため秋葉原へ行くことに。
僕の家からは電車で30分、スタッフの中で彼の自宅に一番近いし仕方ない。
玄関前で確認するも、人影なし。インターホンを押しても応答なし。
念のためご家族や株主にも再度確認。
この頃、株主や業務委託先や取引先など関係者への連絡や意見調整でスタッフの疲弊はピークに。
なす術なく彼の愚行に翻弄されるばかりで、それぞれに頭痛や胃痛や口唇ヘルペスなどのストレス症状が止まらない。
16:40
id:soRaがコメントに付した連絡先に、彼から「昼夜対応に追われることはないと思います」という内容のメール。
いまだスタッフ全員が会社ツールへのログインすら出来ない状態に変わりなく、
昼夜それらへの対応協議と関係者への連絡調整に追われており、本来の業務は完全に停止していた。
そのため、このメールを見た関係者一同、大いに呆れる。
12月19日金曜
お昼
彼がツイッターアカウントを復帰。
ネット民と楽しく会話しているようだが、いまだスタッフ等への詳細な連絡説明はなし。
https://twitter.com/miraihack/status/545602999775551488
死のうか生きようか4日間ほど風呂に入らずに考えていたので、体中が痒いです。
https://twitter.com/miraihack/status/545626448954810369
@taka18782 ありがとうございます!4日間生死をさまよっていました。
今はだいぶ気持ちも落ち着いています。
https://twitter.com/miraihack/status/545751769226047488
@kfunatsu ありがとうございます!地獄の入り口から引き返してきました!
夕方
スタッフのプライベートのメールアカウントに、彼から会社アカウントへのメール招待。
また、復帰した会社のメールアカウントに、backlogへの復帰招待。
これでメールとbacklogが復帰。
ただし、メール履歴は残っておらず、backlogも一部のみ利用できるがログは殆ど閲覧できない状態。
その数時間後、彼から解雇通告のメール。
そして会社アカウントのメールとbacklogが再びログインできない状態に。
12月23日火曜
結局スタッフへのまともな説明もないままに、ネット依存の彼が楽しそうにtweetしています。
https://twitter.com/miraihack/status/547163978850246656
@syusoretujitu ありがとうございます!地獄に行くにはまだ早すぎたようですw
今回は自殺未遂じゃなかったのに、自殺未遂級の扱いをされていますねw
お元気そうで、何よりです。
(関係者の皆さま、本当にお疲れ様でした。)
余談
その後、彼の会社スタッフは僕を含めて全員が解雇や退職となったようです。
彼については、自称しているようなただの鬱病ではなさそうで、双極性障害なのか人格障害なのか、もう何なのか素人には分からないけど、とにかくすぐ適切な専門家の治療を受けるべき状態だ、という所感でみな一致しています。
また僕の手元には、僕に貸与しているPCを返却要請する旨のメールと12月分の給与を支払わない旨のメールが届いています。
次の記事では、彼の虚言一覧か、彼が隠蔽している不正(使い込み云々ではない)について書く予定です。
前回記事
人を信用できないという齊藤貴義へ - コウモリの世界の図解
次回記事
年明けを予定
また、関係スタッフが関連記事を書いているようです。
oceoさん
今回の一連の騒動について - oceoのブログ
tenku65820さん
netcraftこと参謀本部代表取締役齊藤 貴義に対する反論 - 考えたことについて書いていく
soRaさん
退職エントリ - soRa note.
*1:彼のネット上の発言によれば「しばらく一人になりたい」とLINEで書いたそうですが、それは嘘です。ここにある内容は全てスクリーンショットやログを元にしているものであり、もしご確認されたい方は、lee1984ryo0213@gmail.comまでメール下さい。