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小林強化部長、町田の電撃引退に「気持ちよく送りたい」

スポーツナビ 12月29日(月)0時14分配信

 日本スケート連盟は28日、来年3月に開催される世界選手権(中国・上海)の日本代表選手を発表したが、選出された町田樹(関西大)が現役引退を発表し、世界選手権の代表も辞退した。

 以下は、日本スケート連盟・小林芳子フィギュア強化部長の町田についてのコメント。

「(町田の引退については)全く知りませんでした。代表選手を送り出して、裏で事務処理をしていたら(スタッフに)『芳子さん、大変大変!』と言われて、並び方を間違えたかと思ったら(笑)、町田選手が引退を宣言したということで。

 今シーズンに入ってから、とにかく今年卒業するということを聞いていましたし、スケートアメリカ、フランス杯、(グランプリ)ファイナルはずっと勉強道具を持ってきていました。勉強というか、卒論を書いたり、すごい本の量を持ってきていたので、フランスから失速したのは否めないなと思ったのですが、(引退は)びっくりしました。

 ただ、その(引退発表の)あと彼が出てきて話しましたが、本当に晴れやかな顔で、『僕はこんなに素晴らしいスケート人生を送れて、本当にありがとうございました』と。

 彼が世界ジュニアに行った時から関わらせていただいて、『最後にソチで、最高のいい舞台を用意してくれたというか、道を拓いてくれてありがとうございました』と。彼の晴れやかな顔を見ていると、彼も私たちを引っ張っていってくれたなと思いましたし、彼が無良くんに『いいライバルでいてくれてありがとう。崇人がいたから僕もここまで頑張れた。いつかこいつを抜かしてやるぞと思って頑張ったんだ』と言って、2人で泣き合っていましたし、それを見て涙が止まらなくなりました。

 高橋(大輔)選手、織田(信成)選手と引退しました。いつもそのような形で、たすきを次の選手に送っている姿、これが日本の男子が、この少ない人口の中でつなげていってくれているんだなと思います。

 彼は次の人生プランがしっかりできてますので、気持ちよく送りたいですし、その人生がスケートで頑張ってきた、この30×60mというところ(リンク)で、たった1人で、リンクに出てドアを閉められたら誰も助けてくれないところで何年も何年も、いいときも悪いときも歯を食いしばったり喜んだりした、その経験を生かして、次の人生をしっかり歩んでほしいなと、エールを送ります。

 私たちの立場になるのか、コーチになるのか分かりませんが、また何らかの形で『僕はスケートにしっかり何かお手伝いをしたい』ということも言ってくれましたので、その日が来るのを心待ちにしております」

最終更新:12月29日(月)0時14分

スポーツナビ

 

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