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日中韓外相会談の年内開催見送り 中国が早期開催に消極的
日本、中国、韓国が年内にソウルで開催する方向で調整していた3カ国外相会談が来年に先送りされることになった。外務省幹部が27日、明らかにした。年内は中国の王毅外相の都合がつかず日程が折り合わなかったとされるが、「中国側が早期開催に消極的な姿勢を示している」(外務省幹部)との指摘もある。
日中韓外相会談をめぐっては、アジア太平洋経済協力会議(APEC)首脳会議に合わせて北京で11月10日に会談した中国の習近平国家主席と韓国の朴(パク)槿恵(クネ)大統領が「年内に開催する必要がある」との認識で一致し、安倍晋三首相も早期開催の意向を示していた。
しかし「議長国」である韓国の李(イ)京秀(ギョンス)次官補が今月7~8日に来日し、日本の外務省幹部に「中国側の事情」を理由に年内開催は困難との見通しを伝えていた。李氏は中国側が安倍政権の歴史認識問題への対応を見極めた上で判断する姿勢を示しているとも説明したという。
日本政府は年内に3カ国外相会談を行い、来年1月にも首脳会談を開催する道筋を描いていたが、その実現は遠のいたようだ。
日韓両国は、週明けにソウルで外務次官級協議を開く方向だ。日韓関係に加え、日中韓3カ国外相会談も議題になる見通しだ。
日中韓3カ国は平成20年から毎年議長を持ち回りで外相会談と首脳会談をそれぞれ開催してきたが、24年を最後に途絶えている。