(修行中)

いつかその血から花が咲きますように

グリザイアの果実 天音ルート「エンジェリック・ハウル」補足解説 いち

多分アニメだと、サブキャラがそれぞれどういう性格をしていて、どういう人間関係で、どういうことを考えて、最後どういう風に死んでいったのかが漠然としかわからないんじゃないかと思います。それだと、ちょっと死んでったキャラがかわいそうかな、と思ったので、補足してみます。

ということで、とりあえず「いち」ではストーリーに関する疑問点について自分なりに補足をして、「に」でキャラの補足解説をしようと思います。記憶違いやうろ覚えのところも多くあると思うのでどんどん指摘お願いします。後でプレイし直しますので頂いたご指摘含めてまとめて修正します。

あと、結局一姫はどうなったの?最後まで生き残った人はどんな風に全滅していったの?ってのが知りたい人がいるかもしれませんので、そのあたりはアニメ13話が終わった後に「さん」で書く予定。めんどくさくなって挫折したらごめん…。

(1)なんで救助全然来なかったの?

これについてはWikipedia参照

事件発生日は2005年8月14日という設定。
バスが本来の帰路ではなく、渋滞回避目的から、既にほとんど利用されることが無くなっていた旧道へ入っていたため、捜索は難航。2週間後には、生存は絶望的として捜索が一旦打ち切られた。しかし、事故発生から18日後、衰弱しきった天音唯一人が自力で下山してきたことで状況が一変。天音の情報を元に捜索隊が事故現場へ到着した際には、損傷が激しくバラバラになった複数の遺体が発見され、その後は各メディアで話題となった。

つまり、捜索する側としては、そもそもどこを探して良いかも分からない状態だったということですね。ということで一応了承していただきたく

もちろん、だからといって不自然で有ることに変わりはないですが。バスのような大型車両が通れるような道で、ガードレールつっきって車が転落したんだから、2週間もあればその間に他に通りかかった車があって、それを発見し、通報されてたでしょうし。ちなみに原作ではちゃんと火を付けて煙上げてたはず。

まぁこれは、原作中でも「日本国でこれはありえない」「とんでもない失態」とボコボコに叩かれ、「陰謀論」とかいろいろでる展開になってます。その分余計に世間の好奇心を集め、生き残った天音に注目が集まってかなりつらい展開になったようですからみなさんが違和感感じるのは当然です。

あと、これは原作プレイヤーでも意見が別れるところですが、「果実」の続編「楽園」の設定を知った後だと、もし早期に見つかっていたとしても救助に対して妨害が発生していた可能性があります。このあたりはアニメでは全く描写ないので特に気にしなくてもいいかな。興味がある人はプレイしてみてくださいませ。


(2)最後あっさり脱出出来てたけど、そんなに簡単にできるんだったらもっと早く行動してればみんな助かったんじゃね?あと越智先生なんで脱出ミスってるの?馬鹿なの?

えーっとこのあたり描写不足かもしれませんが、整理します。

まず、普通に考えれば日本でバスの事故で遭難したら2週間以内に助けが来ると考えるべきです。(1)の事情で結局助けが来なかったのですが、待つという判断をするほうが普通です。そのために、わざわざ他の人が「助けをもとめて行動しよう」といっていたのを一姫自ら演技をしてとどめていましたよね。しかし、実際にはもろもろの不幸があって助けが来なかったということを考えるべきです。

次に、脱出の難易度について。
天音が脱出に成功した時ですが、一姫とはぐれた後から脱出成功まで「最低」5日間かかってます。(原作では日をまたぐ描写が4回ある。アニメだとわかりにくかったかも)
山道で、歩いて5日間かかる距離を迷わずに済ませることはかなり困難です。日本の山道の場合は傾斜が有るためそうでもないらしいですが、イギリスなどの森林の場合は、ほぼ平地が続く上、明かりが全くささない暗い森であることが多いため、ほぼ絶望的と言ってよいそうです。

天音が脱出に成功したのは、描写がありませんが、天才である風見一姫が事前にかなりの手間をかけて脱出のルートを検討し、さらに天音に対して細かい指示を紙に書いて渡していたからです。さらに、もうギリギリまで追い詰められていたせいか、迷わず直進したのが結果として功を奏した形になっています。かなり幸運だったと言えるでしょう。

一姫ひとりで脱出目指してたらもっとはやく出られて何とかなったんじゃない?という説もありますが、アニメの描写でもあったとおり、結構石壁登ったりしないと進めない場所が多く、左腕を骨折した一姫では不可能だったと思われます。そうでなくても一姫は最初みんなを助けたいと思ってより確実な方法を取ろうとしてたようです。結果としては大失敗だったわけですが。

一姫は最初、腕が折れた時点で万が一を考えて誰かサポートになる人を必要としていたのですが(根っからの女王様気質)、当初想定していた以上に天音に情が移ってしまったように思われ。空腹や疲労のせいもあるのでしょうが、わざわざ危険を犯して天音にカニバの現場を見せに行ったところとか、天音がらみで一姫らしくないミスが散見されます。

ちなみに越智先生が荷物持って出かけた時は、アニメでも描写があった通り天候がかなり悪く、本来通れる道が通れなくなって、結局グルグル回っている間に元の場所に戻ってしまったということになっています。あとは越智先生自身のメンタルが弱かったこと、引き返せばなんとかなるという甘えがまだあった、かもしれませんがあんまり責めては可哀想、かな?


「俺ならもっと簡単に脱出できたぜ!」っていう人がいたら、
公式が12月27日に「脱出ゲーム企画」してくださってるみたいなので、是非挑戦されてみるといいのでは。

滝園学園バスケ部同窓会~再会~ ‐ ニコニコ動画:GINZA

くっそーめっちゃ参加したいぞ!


(3)一姫さんなんでそもそもバスケ部に所属してたの? 天音と会話したのも初めてっぽかったけどほんとに部員なの?バスケ上手なの?

ゴメン覚えてない。後で確認。とりあえず今はこちらの方のツイートを。



(4)食料配給制になった時に全部の食料は坂下部長が管理してたはずだけど、どうやって食料隠しておいたの?

時々くすねてました。もちろんつまみぐいするためではなく、万が一に備えてです。冒頭部分でニンジン盗んだのは一姫だったような気もするし、犬飼ってた子だったような気もする。どっちだっかかは後で確認。

ちなみに他にも転落時に死んだ人が持っていたお菓子を真っ先に回収し、それを夜中に穴をほって埋めて保管していました。アニメでも天音が寝ている時に一姫が目を覚まして何かしている描写有りましたね。
一姫が天音に託したメモには、くすねていた食糧を埋めていた場所が書いてあり、万が一天音が一度脱出に失敗してももう一度だけチャレンジ可能な準備をしてました。

(一姫さんどんだけ天音に対して過保護やねんって思うかもしれませんが、一姫さんの雄二に対する過保護はこの程度では収まらないのでした)

(5)明らかに坂下部長と越智先生やばいのに様子を見に行ったの?放っといて逃げるべきだったんじゃないの?一姫さんちょっとうかつなんじゃないの?

これは、アニメと原作の描写の違いが大きく影響していると思います。

アニメだとどうしても俯瞰視点のため引いた感じで見れたと思いますが、原作だと常に天音視点です。全く自信なんてなくて、一姫に依存するしか無い状態で、常に不安を抱えていて、何度も絶望に飲み込まれそうになる天音視点に沿ってこの展開を体験すると、だいぶ印象が違うのではないかと思います。

アニメの場合「鹿肉」が何の肉かてのはすぐ分かったと思います。そして、それを調達している二人が明らかにやばいことも。 ところが、原作だと天音視点に沿って読んでるせいもあって、その時はむしろ一姫の不審な行動に注意を取られるし、他のキャラももっと動いていて気にすることたくさんあるんですよね。坂下部長も気丈そうに見えて、問題が有るように感じなかった。そもそも確か「鹿肉」じゃなくて「ウサギ」かなにかもっと現実味が有る動物の肉だったはず。その分一姫に強く肉を食うなとたしなめられて「あっ」てなるわけですが。

そもそも二人を覗きに行く展開がだいぶ違うので、そのあたりからしてちょっとアニメは不自然さが出てしまったかと思います。とはいえ、あのシーン回避せずにちゃんと描写いれてきたアニメスタッフまじ勇者。すげえ。


(6)坂下部長と越智先生は手遅れだとして、他の人はどうだったの?佐久間さんはなんで襲いかかって来なかったの?

ここが、原作での描写カットが露骨に響いている所ですね。

皮肉屋で世話やきの佐久間さんは、疲労と空腹のため無気力ではあったけれど、ほかのみんなほどは狂っていなかった。狂ったほうが楽だったのにそうしなかった。その結果、****なことになるわけですがこのシーン、アニメでは全カットされています。だからちょっとつながりが悪い。これについては別記事で説明します。

あとね、原作ではあんなに元気にかけっこしてないからね!あのアニメオリジナルはシリアスなところなのに遊びすぎでしょwww無駄なパンチラシーンと同じくわけがわからん。面白かったけど。

ちなみに部員の名前わからんという人がいると思うので登場人物リスト貼っておきますね。
グリザイアの果実 公式サイト -character- サブキャラクター
f:id:tyoshiki:20141223204748j:plain
原作プレイしたら、どのキャラの名前も忘れないくらい印象に残りますよ(ステマ


(7)生存者に対する露骨ないじめってほんとにあるの?

しらんがな。ただ「からくりサーカス」では露骨にそういう描写があったし、最近でも「彼女がフラグを折られたら」でも同じような描写あるらしいです(未確認)


(8)なんで無駄にパンチラ多いの?シリアスシーンでもパンチラしないといけない理由あるの?興ざめするんだけど!

すまん、、、それは私にもわからん。


(9)一姫さん生きてるの?生きてるんだとしたらなんで出てこないの?

13話終わった後に書くっす。
ただ一つだけネタバレしておくと、死体切断→つなぎあわせというトリックが紹介されていたからといって、一姫が残りの人間を殺し、それをバラバラにしてつなぎあわせて生き残ったとかそういう話ではないです。

(10)EDのザクロの意味は?

これは他の人のツイートから引用。(あえて引用元ツイートを示しませんがどっちのほうがいいでしょうか…)

鬼子母神伝説ではお釈迦様が鬼子母神に「どうしても人が食べたくなったら代わりにこれを食べろ」といってザクロを与えたって話がある。それが由来でザクロは人肉の味がするとも言われてる。
鬼子母神


他に質問あったらどうぞ。










余談。ergやってる人にしかわからない「エンジェリック・ハウル」に特徴について。

アニメでシナリオのダイジェストだけみて「なーんだこんなものか」って思われた方がいるかもしれませんが、正直、シナリオだけならめっちゃすごい、ってわけではないと思います。「からくりサーカス」でも見たし、もっと過激なやついっぱい読んだこと有ります。ただ、やっぱりこの「エンジェリック・ハウル」すごいなって思うのは、やたらと手間ひまかけてじわじわ作品の舞台にのめりこませ、その後で一気に突き落とす、というまさにergならではの手法がココ最近で一番ばっちりハマった例だからだと思う。

このシナリオ、一般的なergの常識では考えられないくらい手間とコストがかかってると思います。グリザイアはそもそも全般的にすごい手間暇かけて作られててボリュームも多い作品なのですが、その中でも「エンジェリック・ハウル」はやたら丁寧です。「みなとそふと」や「TYPE-MOON」という化け物メーカー除いては、多分いちばんコストかけて作られてるはず。

・5人いるヒロインの一人に過ぎないキャラの、回想シーンという、言ってみればサブシナリオにすぎない部分で、最初に死んだ一人を除いて全員に立ち絵、フルボイス。

「そんなの当たり前」って言われるかもしれないけど、ergでは全然当たり前じゃなかったんだよ、すげえ贅沢な話なんだよ!(半ギレ
メインルートの重要キャラですら立ち絵とかボイスがないのが当たり前、って感覚のところで、ただのサブシナリオにここまで気合入ってるのはほんとに珍しいことで、まずそれに驚きました。
実際、体験版は立ち絵や声がなくて、それぞれのサブキャラがどんな感じかあんまりピンと来ない。それをプレイヤー側が一生懸命想像しながらそれを補いながらプレイするのが一般的だったわけです。
グリザイアの果実体験版斜め読み 「エンジェリック・ハゥル」を4倍速 上 ‐ ニコニコ動画:GINZA

ところが、製品版では、一転全キャラに立ち絵、フルボイスですよ。もう驚きましたね。

しかも、誰一人無駄遣いせずに、ちゃんと一人ひとりの設定や性格を丁寧に描き、ちゃんとしっかりしたキャラクターと認識させた上で殺していく。(アニメではどうしても重要でない部分が割愛されてたりしてますが)。そして、誰一人簡単に殺すこと無く、じわじわと追い詰め、ギリギリまであがかせた上で、力尽きて死んでいくまでを丁寧に描く。このライターの執念深さがまたインパクト強かった。


などなど、原作持ち上げてばかりですが、それでもアニメとしてこの作品が見れたのはすごくよかった。越智先生の餓鬼ぶりはアニメならではの迫力で楽しめましたし、他のキャラについてやっぱり声だけでなく動きがあると、細かい表情や感情が強く伝わってきて良いですね。徐々に絶望していく感じが素晴らしかった。どうしても天音視点だと見えない「このシーンでこのキャラどんな顔してたんだろう」なんかがチェックできるのも良かった。

なんといっても12話EDはかなり印象的でしたし。



などなど、アニメ見た後でも原作は違った感じで楽しめると思うので、興味もった人は是非プレイしてみてください。「エンジェリック・ハウル」だけでなく「入巣蒔菜」シナリオなんかもアニメと比べるとだいぶ面白いと思います。


榊由美子シナリオ…?えーと、そっとしておいてやってください(※個人の感想です)