くらし☆解説「打ち上げ迫る はやぶさ2」 2014.11.27


生字幕放送でお伝えします岩渕⇒こんにちは。
「くらしきらり解説」。
小惑星探査機はやぶさ2の打ち上げが3日後に迫りました。
初号機のはやぶさは相次ぐトラブルに見舞われながらも、小惑星の微粒子を地球に持ち帰ることに成功しました。
その奇跡の帰還を可能にした熟練の技が、今回後継機はやぶさ2の新たな挑戦を支えています。
担当は水野倫之解説委員です。
水野さん、打ち上げもうまもなくですね。
水野⇒そうですね、もういよいよなんですよね。
はやぶさ2は、現在は発射場があります鹿児島県の種子島宇宙センターで最後の点検を受けているところです。
ロケットに搭載する前には最後のメディア公開も行われました。
初号機のはやぶさがベースになっていますので大きさや外観ははやぶさにそっくりです。
これは、はやぶさ2なんですよね。
そうです。
長時間飛行が可能な4基のイオンエンジンや小惑星の粒子を入れて地球の大気圏に再突入するための金色の耐熱カプセルなどもはやぶさの技術が応用されています。
でも、はやぶさはトラブルの連続でしたよね。
確かに小惑星に着地した衝撃で燃料が漏れて機体が回転し始めて行方不明になりましたしイオンエンジンも寿命が尽きて最後には全基停止するなど何度もピンチに陥りました。
このため、はやぶさ2では装置の予備を増やしたりイオンエンジンも長寿命化を図るなどさまざま改良されていますがはやぶさが満身創いになりながらも致命的なトラブルが避けられたのは熟練の技がベースにあったからなんですね。
今回、はやぶさ2でもその熟練の技が新たな挑戦を支えています。
この熟練の技は、どういうものなんでしょうか。
はやぶさや、はやぶさ2の組み立てには長年ロケットや衛星の製造に関わってきた熟練の人が多いんですけれども中でも、卓越した技能を持ちその道の第一人者とされる現代の名工に選ばれた技術者も2人います。
このうち、今年度の現代の名工に選ばれた斎藤克摩さんメーカーに入社以来探査機などの電子機器の基板のはんだ付け一筋26年のすご腕の持ち主です。
探査機のはんだ付けを人がやっているということですか。
パソコンや携帯などの基板は機械ではんだ付けされているんですが宇宙の過酷な環境にさらされる探査機のはんだ付けは、確実さが求められますので、微妙な調整が必要なんです。
ですので今でも人手に頼る部分が多いんです。
電子部品は、小さいものですと数ミリそれを0.25ミリ間隔で付けていかなければなりません。
斎藤さんは顕微鏡をのぞき込みながら手際よく付けていきます。
微妙な調整が必要だというはんだ付けのコツはどういうところでしょうか。
はんだを付けすぎると、探査機の重量が重くなってしまいますし逆に少なすぎると、打ち上げのときの激しい振動で取れてしまうことから適度な量にしなければならないんです。
斎藤さんは失敗を繰り返す中からノウハウを学びはんだごての温度や当て方を微妙に調整して付けていくんです。
このように、富士山のすそ野のようにきれいに付けるとひび割れなどが起きにくいということです。
すごい技術ですね。
斎藤さんのはんだ付けによってはやぶさでは電子機器が外れてしまうというような致命的なトラブルはなく奇跡の帰還につながったわけです。
今回はやぶさ2でも主要な部品のすべて、斎藤さんがはんだ付けを行っています。
そして、はやぶさ2にはもう1人現代の名工が関わっています。
その方は、どんな技能を持っているんでしょうか。
斎藤さんと同じメーカーで、探査機のケーブルの配線一筋42年の飯吉政春さんです。
探査機に使われるケーブルには電気や信号を送る線などが30種類ほどあるんですがその本数は1基で1万本に上るんです。
飯吉さんは設計図をもとに、まず探査機の本体を模擬した模型をつくりましてその中でケーブルの配置や長さを決めていきます。
その配線にもコツがあるということですか。
どれくらい遊びを持たせるかがポイントだということです。
機器はこことここにあった場合に最短距離でつなぐとピンと強く張ってしまうと打ち上げの振動で外れやすくなるので余裕、遊びを持たせるということなんです。
飯吉さんがこれまで手がけた衛星や探査機は50基に上りまして振動試験などで試行錯誤を繰り返して、遊びをどの程度にしたらいいのかというノウハウを身につけていったということなんです。
遊びの程度も絶妙なわけですね。
こうした現代の名工の技術に支えられたはやぶさ2ですが、どんな小惑星を目指すんでしょうか。
地球と火星の間にあるこちらの小惑星1999JU3です。
直径は900メートルほどでしてはやぶさが着地したイトカワです。
これよりもかなり大きい小惑星になります。
イトカワの微粒子の分析では小惑星は46億年前に太陽系ができた直後に誕生したことなどが分かっているんですが今回はやぶさ2は、小惑星と生命誕生の関係を探るためにこの1999JU3をターゲットとすることにしたんです。
小惑星と生命と、どう関係があるんでしょうか。
1999JU3には、有機物や水が含まれることが分かっているんです。
有機物の中には、生命を作るたんぱく質のもととなる成分も入っていまして地球上の生命は、有機物のある小惑星が隕石となって地球に運ばれそこから進化して誕生したとする説が最近注目されているんです。
はやぶさ2がうまくいけば、生命誕生のメカニズムの解明の手がかりが得られる可能性があるんです。
それを確実にするためにはやぶさ2では弾丸を小惑星の表面にぶつけて破壊します。
クレーターを作って内部から新鮮な粒子を取るということも計画されているんです。
いよいよ打ち上げは3日後に迫ったわけですけれども、打ち上げられたあとの予定はどうなっているんでしょうか。
打ち上げ後、しばらく地球の周りを回ったあと2018年6月に1999JU3に到着します。
1年半にわたって、観測や粒子の採取を行いまして全体、50億キロを旅したあと2020年、東京オリンピックの年に地球に帰還する予定です。
楽しみですね。
はやぶさ2は、すでにかなりの盛り上がりを見せておりまして宇宙機構のもとには子どもたちなどから多くの応援メッセージが寄せられていますしこちらは大漁旗ですねこういったものも送られてきています。
なぜ大漁旗なんでしょうか?初号機はやぶさのときはトラブルもありまして取れた微粒子は非常に少なかったんです。
今度こそ大量に取ってきてほしいというファンの願いが込められているわけです。
それで大漁旗なんですね。
打ち上げが予定されます今月30日、あさっては日曜日です。
はやぶさを応援したいという人が大挙して種子島に来て打ち上げを見ようということを計画しています。
すでに島内の宿はほぼ満室ですし交通機関もほとんどがキャンセル待ちだということです。
それぐらい盛り上がっているということです。
多くの人の応援があるわけですのでぜひそれに応えて今度こそ大量の粒子を取ることに成功して、小惑星探査を日本がリードしていくことを目指してほしいと思います。
水野倫之解説委員でした。

(テーマ音楽)2014/11/27(木) 10:05〜10:15
NHK総合1・神戸
くらし☆解説「打ち上げ迫る はやぶさ2」[字]

NHK解説委員…水野倫之,【司会】岩渕梢

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【出演】NHK解説委員…水野倫之,【司会】岩渕梢

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ニュース/報道 – 解説
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