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政府が100%保有する日本郵政株が来年度、売り出される見通しになった。…
政府が100%保有する日本郵政株が来年度、売り出される見通しになった。郵政民営化計画の一環である。しかし、まだ郵政グループの将来像には不確かな点が多い。政治に翻弄(ほんろう)されてきた郵政民営化をどう着地させるのか、政府は早急に具体像を示すべきだ。
日本郵政の傘下には、日本郵便と金融2社(ゆうちょ銀行とかんぽ生命)がある。日本郵便は上場せず、金融2社については上場させて全株を売却することになっている。
計画では、持ち株会社の日本郵政と、金融2社の計3社の株を同時に上場するという。まず親会社を上場させるのが一般的なのに、親子同時上場となった背景には、郵政グループならではの事情がある。
問題は、郵便事業は電子メールの普及で経営が厳しく赤字続きで、グループの収益の大半を金融2社が稼いでいることだ。親会社の日本郵政だけを上場させようとしても、将来、金融2社を手放すことが決まっているため、稼ぎ手から切り離された日本郵政にどれだけの価値があるのか判断できないのだ。
同時上場となったことで、投資家は金融2社と日本郵政のそれぞれの企業価値を判断することになった。金融2社については、日本郵政の持ち株比率が50%程度になるまで段階的に売り、時間をかけて「グループ内の有機的な結合が担保されているか検証したうえで」(西室日本郵政社長)、残りの株を売っていくという。
上場後、当面は金融2社が郵便事業を支えることになる。それなら、郵便事業を今後、どうするのか、将来像がほしい。金融2社株を100%手放した後のグループの姿もわからない。
政府は現在、郵便・金融ともに全国一律の「ユニバーサルサービス」を日本郵政に義務づけている。その費用を、上場した後も郵政グループ内で負担するのが適正なのか。議論の残るところだ。
グループの収益を担う金融2社の改革も喫緊の課題だ。郵政民営化の狙いの一つは、肥大化した公的金融の縮小だった。しかし今もゆうちょ、かんぽ合計で資産規模は約300兆円と、メガバンクや大手保険会社を大きく上回る。その巨額の資金の7割を国債で運用している。
2社の上場を急いだのは、「民業圧迫」という批判を受けずに新規事業などに進出し、収益力を高めるためでもある。
スリム化も含め、市場の評価に耐えられる体質改善が欠かせない。
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