きょうの健康 目を守りたい「白内障 眼内レンズの選択」 2014.11.20


(テーマ音楽)皆さんの毎日の健康に役立てて頂きましょう。
「きょうの健康」です。
今週はこちら。
今日はまずこんな目の症状があるかどうかチェックしてみて下さい。
こちらです。
ええ〜!細かい文字見えにくいですけど…。
あ…あれ?駄目…?実はこうした症状というのは白内障でよく見られる症状なんです。
ですから当てはまるものがありますと白内障かもしれないんです。
気になってきましたね。
白内障というと治療は…?ちょっとこちらをご覧下さい。
早期のうちは点眼薬目薬を使っていくんですが進行してきますと眼内レンズを入れる手術をする事になります。
このレンズにいくつか種類がありましてその選択に迷う人も多いんです。
…という事で今日のテーマはこちらです。
どういうふうに選んでいけばいいんでしょうね。
今日も専門家に分かりやすく教えて頂きましょう。
ご紹介致します。
眼科主に白内障やレーシックなどの診断治療がご専門でございます。
どうぞよろしくお願い致します。
さて白内障。
身の回りによく聞きますがやはり多いんでしょうか?はい。
初期のものも含めますと…しかしながら見え方に影響するかどうかはかなり個人差がありますので全員の方が手術が必要という訳ではございません。
…という事は今のお話では年が重なるほど増えてくる訳ですからひょっとすると年を取ると避けられないという事でございましょうか?そうですね。
最も多い原因は加齢という事になります。
そのほかこちらに示しますようにアトピー性皮膚炎であるとか糖尿病の方それから目のおけがをされた事がある方そして長くほかの目の病気を患っていらっしゃる方それからステロイド薬で長く治療をされている方などこういった方はお若くても白内障になる可能性があります。
また非常に頻度は低いんですが先天的にお子さんの頃から白内障があるという方もいらっしゃいます。
この白内障という病気は目の中でどういう事が起きているという事なんでしょう?こちらをご覧下さい。
目は大体カメラと同じような構造になっておりましてこの黒目の部分と水晶体という部分この部分はカメラでいうとレンズにあたるところです。
そして通常はここの黒目の部分から目に光が入っていきましてこの光のピントが網膜というカメラでいうとフィルムにあたるところですね。
ここに合いますとその情報が神経を伝わって脳に伝わって見えるという仕組みになる訳です。
ところが白内障が起きると…?はい。
白内障は水晶体というレンズの部分が混濁する濁ってしまうという事になりますのでこのために目の中に入る光の量が減ったりあるいは濁りによって光が散乱を起こして見え方に異常が出てくると。
例えばかすむであるとかまぶしいといった症状が出てくる訳です。
さて今日のお話レンズの選び方が大切という事ですがどういう方にどんなレンズをという事を見たいですね。
では白内障になった2人の例で見ていきましょう。
こちらです。
レース編みが趣味の75歳のAさん。
めがねは嫌いなんですが近視と老眼があってしかたなく遠近両用めがねを使っています。
最近白内障が進行しめがねをかけても見えにくくなりました。
主治医に手術を勧められましたがどのレンズを選べばよいか迷っています。
そしてタクシー運転手をしている老眼の65歳Bさんです。
白内障が進行して主治医に手術を勧められBさんも自分に適したレンズがどれなのかという事を悩んでいるんですね。
それぞれ生活もしかたが違うし迷っておられるようですがAさんBさんいずれも手術を勧められていますね。
どんな手術なんでしょうか?こちらの方お二人ともですね。
こちらのようなアクリルという素材で出来ている眼内レンズを目の中に入れるという手術になる訳です。
どういうふうにして入れていくかというと…?まず非常に小さな傷口から機械を目の中に挿入致しまして濁っている水晶体を取り除きます。
そしてそのあとに代わりに眼内レンズというものを入れる事になります。
この眼内レンズですがいくつか種類があるという事なんでしょうか?はい。
眼内レンズ大きく分けて2つの種類があります。
一つは単焦点眼内レンズ。
もう一つは多焦点眼内レンズです。
単焦点眼内レンズは読んで字のごとく焦点が1つしかないレンズですのでそれぞれの生活に合わせて度数を選んで頂いて30センチから40センチの近距離に合わせるか50センチから1メートルの中距離に合わせるかあるいは2メーター以上の遠方に合わせるかという事でそのほかの距離はめがねで調整して頂くという形になります。
どの辺の距離にピントを合わせるのかという単焦点ですよね。
多焦点とありますよね。
多焦点レンズというのは複数の焦点を持つレンズですのでめがねをかけなくても遠距離から近距離まで比較的見える事ができるレンズです。
しかしながらレンズの種類によって遠方は大体見えるんですがレンズの種類によっては近方が見やすくて中間が少し弱いタイプ。
そしてまた逆に中間が強くて近方が少し弱いタイプとありますのでその辺りはご自身の生活に合わせて選んでいくという事になるかと思います。
この辺いろいろタイプがあるんですね。
種類が…。
それでは具体的にAさんBさん出ましたので見ましょう。
Aさんという方は趣味がレース編みでございました。
そして近視・老眼めがねが嫌いというこういった要素がありますがどういうレンズを選んでいきましょうかね?Aさんの場合は単焦点多焦点どちらも選ぶ事ができるかと思います。
まず単焦点の場合ですがAさんはレース編みが趣味という事ですのでレース編みは近方という事になりますので近くが見えるような単焦点眼内レンズを入れられると便利かと思います。
そのほかの距離はめがねをかけて頂くという事ですね。
お好きなレース編みはめがねなしでできますけどほかはめがね要る訳ですね。
めがねお嫌いでしたよ?そうですね。
その場合にはやはり多焦点というのも選択肢になってくるかと思います。
そして多焦点の中でもレース編みですから遠方とそして近方にピントが合うようなタイプですね。
こちらの多焦点を選ばれるといいかと思います。
レース編みの時の近方も見えてますよと。
遠方もめがねなしでいけますよという事ですよね。
よい事ずくめじゃないですか。
最初から単焦点なんか考慮に入れずに多焦点という事でどうですか?確かにそうなんですが多焦点眼内レンズやはりメリットばかりでなくデメリットもあるんです。
ですのでよく考えて頂きたいんですが…。
どんな事でしょう?まずメリットは遠・近ともにある程度めがねなしで見えるという事がメリットになります。
しかしデメリットと致しましては単焦点レンズと比較して見え方の質が落ちるという問題があります。
具体的に申し上げますとピントがややあまくなるという事。
そして薄暗い場所とかそういった光の条件が悪い場所ではすぐに見えにくくなってしまうという事があるかと思います。
あともう一つなじまない人がいるという事があります。
どういう事でしょう?多焦点眼内レンズというのは遠くのものと近くのものを網膜の上に同時にピントを合わせてる状態になります。
そしてその方がどちらを見たいかによって遠くが見たい時は脳が遠くを見るように使い分けるという脳で使い分ける形になります。
ですので慣れてくる方はちゃんと使い分けができて遠くも近くも見えるようになるんですがなかなか順応できない方もいらっしゃいまして順応できない場合はいつまでも二重に見えたりとかあるいは全体的に遠くも近くもかすんでしまうというような症状が出ますのでそういうなじまない方がいるという事はやはりデメリットかと思います。
なかなか慣れられないという事なんですね。
こういう方は…。
そして費用が高いとありますがどのくらいかかるんでしょうか?手術費用ですが単焦点眼内レンズは保険が適用できますので3割負担の方の場合ですと片目で約6万円から8万円ぐらいという事になります。
一方多焦点眼内レンズは先進医療というものに承認されていますが大体平均の費用としては30万円から40万円ぐらいという事になるかと思います。
こうして比べますと多焦点はかなりお金がかかりますから高いものを入れてよく見えるようになりたいと期待が高まりますよね。
そうですね。
期待は高いと思うんですが例えばせっかく高いお金を出して多焦点眼内レンズを入れたのに照明が暗いようなすてきなレストランに行っていざメニューを見ようと思ったら実はめがねなしでは見えなかったというような事もありますのでやはりこういったデメリットというものをよく理解して頂いてから選んで頂くのがいいかと思います。
レンズの特徴をよく理解しておかないとね。
過度な期待をするとがっかりしますもんね。
さてもうお一方いらっしゃいましたね。
Bさんですね。
タクシーの運転手がお仕事でございます。
老眼でいらっしゃいますがどんなレンズを選んでいけばいいのかという事ですね。
Bさんの場合は単焦点眼内レンズを選択して頂いてあとはめがねをかけて頂くのがいいと思います。
多焦点眼内レンズは基本的にお勧めできません。
多焦点は向かないというのはどういう理由でしょうか?実は多焦点眼内レンズの場合もう一つデメリットがありまして夜間の運転に不向きという事があります。
それはなぜかと申しますと夜の運転ですと対向車のヘッドライトとかそれから看板のネオンサインとか光るものをご覧になった時そういう時は多焦点眼内レンズですと少し光がにじんでまぶしく見えたりして運転に支障が出る場合があります。
ですので運転手さんという事ですのでやはり夜間も運転する事があるかと思いますからあまりお勧めできないという事になります。
ではBさんの場合は単焦点レンズですね。
遠くの方にピントが合うといいという事ですか?そういう事です。
そうしますと近くの新聞を読む時とかそういう時はめがねをかけて見て頂くという事になります。
運転の時は…。
お仕事中はめがねなしでいいという事です。
近くを見る時だけめがねを使っていくと。
補助するという事になりますね。
そうしますとAさんBさん見ますと単焦点の時に近距離それから遠方というのがありますがこの中距離というのはどういう人に向いていると…?中途半端ですがどういう事でしょう?中途半端なようですがこの50センチから1メートルの距離これは家の中で生活をする時に非常に重要な場所になります。
例えば主婦の方が家事をされる時具体的にはお料理とかそれからお洗濯をする時その時にはこういった距離の視力が重要になりますのでそういった家の中で過ごされる時が多い方は中距離を選んで頂いてあとは外出されて遠くの舞台をはっきり見たい時とかあるいは逆に近くの新聞まあ見出しぐらいは問題ないですが細かい字を読みたい時は両方めがねをかけて頂くという事が必要になります。
しかし両方めがね要るじゃないと思うかもしれませんが家の中でよく見えるという事は感じます?めがねなしで見れるというのはそれはそれで便利かもしれませんよね。
でも久田さん嵐を見に行く時はステージ…。
その時だけはね。
めがね要りますよ。
年に1回ぐらいかもしれませんからね。
しかし事ほどさようにどういう生活でどういうところがはっきり見えるのが便利かという事これ非常に迷いますよね。
今ご説明をずっと受けてきましたがいざ自分がとなった時に決めにくいですね。
どう考えていけばいいでしょうか?そのとおりですね。
非常に迷われる方も多いと思うんですがやはりご自身が生活の中で一番何を重視して生活されているかという事によってそれでレンズを選択して頂くのがいいと思います。
もちろんよく分からない場合は担当医の先生によく聞いて頂いてメリットデメリットを考えて最終的に決めて頂くのがいいかと思います。
そうですね。
遠くが見えた方がいい…?…という事ですがそれにしても大勢の白内障の手術を受けられた方の感想として受けてよく見えるようになったという方も多いでしょうね。
手術後はとてもよく見えるようになったとおっしゃる方が非常に多いですのでもしよく見えないというふうに思った場合はご自身で悩まれずに手術自体も安全性の高い手術ですから是非眼科の先生にご相談頂きたいと思います。
どうもお話ありがとうございました。
(2人)ありがとうございました。
2014/11/20(木) 13:35〜13:50
NHKEテレ1大阪
きょうの健康 目を守りたい「白内障 眼内レンズの選択」[解][字]

目の水晶体が濁る「白内障」。手術で使う眼内レンズは複数。メリット・デメリットが違う。特徴を考慮し、自分に合う眼内レンズを選択できるかが重要。あなたはどのレンズ?

詳細情報
番組内容
目の中の水晶体が濁って、かすんで見えるなどの症状が起こる「白内障」。手術では、自分に合った眼内レンズを選択できるかが重要に。眼内レンズには、近距離・中距離・遠距離のいずれかの距離にピントが合う「単焦点眼内レンズ」と、広範囲にピントが合う「多焦点眼内レンズ」があり、特徴が違う。読書が好きな人、室内での生活が多い人、車の運転が多い人…ライフスタイルよってレンズの選択が変わる。あなたに適したレンズは!?
出演者
【講師】慶応義塾大学准教授…根岸一乃,【キャスター】濱中博久,久田直子

ジャンル :
情報/ワイドショー – 健康・医療
福祉 – 高齢者
趣味/教育 – 生涯教育・資格

映像 : 1080i(1125i)、アスペクト比16:9 パンベクトルなし
音声 : 2/0モード(ステレオ)
日本語
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