突然のゲリラ豪雨や台風に備えるための気象予報。
いずれ訪れるかもしれない未来の地球温暖化を予測するシステム。
更に旅の計画に役立つ渋滞シミュレーター。
あらゆる分野でより正確な未来予測が求められている。
実現すれば我々が暮らす社会はより便利で快適なものになる。
そこで今回の挑戦はこれだ。
起伏や風などさまざまな条件を見極め決める。
これこそ正確な未来予測が必要だ。
5メートルですらプロでも一発で決めるのは難しい。
しかし「凄ワザ!」が挑むのは無理難題。
1964年帝王ジャック・ニクラウスが打ちたてたロングパットの世界記録だ。
その距離…桁外れの記録は半世紀たった今も破られてはいない。
おはようございます。
お世話になります。
この大記録に日本の技術者が結集して挑む。
ボールの軌道を完全に読み切る…そして正確無比にパッティングする…それぞれの技を極めその力を結集。
伝説の記録を打ち破れ!どうかどうか?お〜!さあ始まりました「超絶凄ワザ!」。
MCの千原ジュニアです。
今回のテーマは「最長のパット」です。
世界記録33.5メートルに挑みます。
半世紀破られていない記録。
そうなんですよ。
そうでしょうね。
まさかのたぶん「たなぼた」的な事だったかもしれないですよね。
そうでしょう。
そのパットの難しさをですね今回はちょっとこの方に協力して頂いて実際にやってみました。
私がギネスに挑戦します。
プロゴルファー東尾理子。
得意とするクラブはパターだ。
パットを得意とするプロならば入る可能性があるのか?強いな。
強いけど…強くはないか。
そこでフックする予定。
あ〜フックしないんだ最後。
まっすぐか…。
もう少し左に打てば入るはず。
いやいやそんなに甘くはない。
あ〜惜しい!右に左に翻弄されるボールの軌道。
この微調整が極めて難しい。
あ〜惜しい。
結果40回打ってもボールはカップに沈む事はなかった。
攻略の鍵は起伏芝目そして風を完璧に読み切る事だ。
実現なるか?プロの皆さんでも苦しむというこのパット。
だからそれを入れるってすごい事ですね。
すごい事なんです。
今回パットを成功させるためのポイント大きく2つ上げます。
1つ目がですね…。
もう1つのポイントがですね…。
それを確実に実行できるすごい技術者を探してきましたので今回は手を組んで頂いてコラボで行おうというものです。
対決ではなくて。
そうなんです。
「凄ワザ」チームがジャック・ニクラウスの記録に挑むという事ですね。
はいそういう事です。
さあ今回このコラボ企画に挑んで頂く技術者の皆さんの登場です。
まるで現実そのものの高性能ゴルフシミュレーター。
高速で撮影した2枚の画像を解析。
ボールの正確な軌道を再現する。
特殊な撮影機器の開発から映像の分析までを一手に請け負うエンジニア集団だ。
深海に泳ぐあのダイオウイカ。
これを撮影できたのも彼らの技術力があってこそだ。
映像解析の力でボールの軌道予測に挑む!リーダーは数々の映像装置を発明してきた凄腕エンジニア…。
そしてプログラミングを行うのは具志大輔。
鍛え上げたバランス力で繊細かつダイナミックなバーチャル空間を生み出す。
目指すのはボールの軌道を完璧に予想する究極のシミュレーター。
カップに通じる一筋の道を描き出せ!そしてその予測を正確に再現するのが超精密ロボットチーム。
その司令塔山田透。
パターを作り続けて30年。
日本を代表する名工だ。
山田の作るパターはゴルファーたちの垂涎の的。
あのオバマ大統領もその1人。
日米首脳会談の記念品として大統領自らリクエストしたという。
群を抜く技術力。
独自で編み出したパッティング理論。
世界記録を塗り替えられるのは自分しかいないと今回の挑戦を決めた。
山田がマシンの製作を託したのは信頼する熟練工平井繁幸。
精密部品を作り続けて40年のベテランだ。
その腕はピカイチ。
ロケットや航空機などの緻密で複雑な部品加工も難なくこなすと評判だ。
正確無比なロボットで世界記録を塗り替えろ!あのパットすごいですね。
分かってるでしょ自分でも。
あれオバマさんが「山田さんのパターどうしても欲しい」って向こうから言うてきたんですか?日本政府が買い上げてくれたんですね。
それでオバマさんに持っていかれたんじゃないですかね。
…ずっと黙ってたんですけど。
「黙ってろ」言われたんですか?そうそう。
そしたらテレビでどこもかしこもやってるしね。
やってるんですねもう。
ほんでもうさんざん黙ったしもう今回はええかなと。
今回初めてかなテレビは。
ありがとうございます。
ありがとうございます。
これでも33.5メートル先の穴にボール入れるってすごい難しい事じゃないですか?そうですね。
普通のドライバーで打った場合は空気の中飛んでいくのでどこの場所でも同じ条件なんですけどパットの場合は状況が刻一刻と変わるのと同じ地形の所が存在しないので今までほとんどやられてこなかったというところがありますね。
やっぱ芝目じゃないですか?芝目もそうですね。
だってそのライン全部向こう向いてますって事じゃないですもんね。
そうですね。
ですのであっちこっち向いている芝目も読み取れるようなこれまでにない超精密なシミュレーターが必要になるんです。
そうですね。
中村たちがまず向かったのは挑戦を行うゴルフ場。
グリーンの形状を計測する必要がある。
決戦の舞台は全長42メートルに及ぶ巨大なグリーンだ。
ここで33.5メートルの大記録に挑戦する。
グリーンは大きく3つの段で構成され高低差もうねりも激しい。
この複雑な地形を捉えるために用意したのは測量などで使う特殊なスキャナー。
レーザーをグリーンに照射。
反射された情報をもとに全体の起伏を測定する。
あっという間に広大なグリーンが3D画像に。
お見事!早速バーチャル空間でボールを落としてみよう。
何だ?ボールが地面の中に消えた?そう実はまだ全くの未完成。
3D画像をよくよく見ると無数の点の集まりにすぎない。
これをつなぎ合わせ面にする。
そのプログラムを作るのがエンジニア具志だ。
彼のおかげでグリーンの上をボールが転がるようになる。
順調順調!何だ何だ?ボールが勝手にジャンプしたぞ?光の反射でグリーンの起伏を捉えるレーザースキャン。
だが空中に舞うチリまで捉えてしまう。
これが見えない障害物として再現されボールがぶつかったのだ。
ノイズを消す新たなプログラムが必要だ。
具志よインナーマッスルで乗り切れ!そして次なる課題は芝目。
芝の生える向きの分析だ。
カップ周辺ではボールのスピードが落ちる。
すると平坦な所でも芝目により軌道が変わる。
芝目の影響。
プロでも難しいこの読みをコンピューターで解決するのだ。
はて?カップに蓋をしてしまった。
そしてそれを中心にぐるり360度から撮影。
これが手がかりとなる。
この画像を持ち帰り分析にかける。
撮影した位置によって芝の明るさが違って見える。
実は反射する光の具合は芝の生え方によって変化をする。
例えば最も明るく見える時芝は手前から奥に向かって伸びているという訳だ。
この方法でカップ周辺の芝目を割り出す。
芝目の影響が矢印の方向と長さで表されている。
これでバーチャル空間は現実に一歩近づいた。
2週間後。
シミュレーターの試作品がようやくできた。
シミュレーターが正確なら予測どおりに打てば実際のグリーンでも入るはず。
精度を確認するため再び決戦の地を訪れた中村たち。
シミュレーションを始める前にまず必要な作業がある。
実はゴルフ場ではカップの位置を毎日変更している。
そこでこの日のカップの位置を正確に測定しなければならない。
その位置をシミュレーター上に設定。
これで準備完了だ。
この日のテストは10メートルのロングパット。
プロでも1発で決めるのは難しい。
シミュレーションで打ち出すスピードと角度を解析する。
やや右に打ち出したボールは最後の2メートル付近で左に曲がりカップインするという予測だ。
さあ成果を見せてくれ!予測どおりに打ち出せなかったのか?念入りに確認し再び挑戦。
何度やってもボールはカップから40センチ左を通過していく。
いきなりのピンチ!どうする?シミュレーションチーム。
なるほど〜前途多難ですねこれ。
だいぶずれてましたけど。
そうですね。
実は計測中にちょっとしたミスがあったんです。
こちらに注目して下さい。
はい。
実はこのメジャーがちょっとだけたわんでるんですね。
起伏に沿わせてメジャーを置いた結果正確な直線距離が出なかったんだそうです。
はあ。
ほんのちょっとした事なんですけれどもこの数センチというミスがロングパットにおいては大きな誤差になってくるんですね。
難しいですよね。
実際に本当に小石が落ちてる場合もあるでしょうし。
そうですね。
ねえ?それこそ…自然との闘いという部分も…。
そうですよね。
風もそうですけど。
風もそうですし。
難しい事に挑戦してますよこれ。
そうなんですよ。
起伏や芝目精密さを求められる測量。
課題にぶつかりながらも進んできたシミュレーションチーム。
だが新たなる高い壁がまたも彼らに立ちはだかろうとしていた。
決戦の日まで残り半月。
シミュレーターの精度を更に高めるための改良が続く。
方向や距離を狂わせる風の影響を分析できるように改良。
更に注目したのは摩擦だ。
実は芝の長さや湿り気で摩擦抵抗は変わる。
摩擦が違えばボールの転がる距離も当然変わってしまう。
そこで一定の力で転がしたボールがどれくらい減速するか観察。
摩擦抵抗を読み取りバーチャル空間に反映する。
大失敗のテストから1週間後。
再び決戦の地に赴く。
今回は本格的な測量機を持ち込みカップの位置を計測。
これならミリ単位で正確な位置が出せる。
そして風の強さと方向を調べる。
すると…。
この日は台風が通過した直後。
しかし難しい条件だからこそ成果を試すチャンスだ。
芝は一晩降り続けた雨で水を大量に含んでいた。
ボールはあまり転がらない。
この日の条件をシミュレーションに全てインプットする。
結果打ち出すスピードは秒速2.5メートル。
角度は右に4.5度と弾き出された。
何かがおかしい。
中村がおもむろにメジャーを取り出す。
するとシミュレーション結果よりも1メートル以上長い距離を転がっていた。
台風一過の快晴と風のせいかいつの間にか芝が乾いていた。
「摩擦が減っているのではないか」と推測。
そこで摩擦の数値を見直し再びシミュレーションをする事に。
結果打ち出しの角度は右に0.3度と改められた。
今度こそ!その思いは届くのか?これはいける!カップ寸前で突風!何たる無情!そこで風速を測る位置を風の影響を受けやすい終盤に変更。
発射のタイミングを見極める。
打ち出しの条件は変えずにそのままもう一度挑戦!入った!あらゆる自然現象を計算し尽くし見事カップイン!「凄ワザ」だ!究極のリアルシミュレーター。
その実現は目の前だ!次回ついに運命の瞬間。
シミュレーターの予測を完璧に実行する超精密ロボットを製作。
いざ本番!世界記録33.5メートルのロングパットに挑む。
奇跡は起こるのか?今打ち出されました。
右へフックというラインが…。
どうかどうか?お〜!2014/11/20(木) 11:05〜11:30
NHK総合1・神戸
超絶 凄(すご)ワザ!▽パット世界記録に挑戦!〜超精密シミュレーターを目指せ[字][再]
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詳細情報
番組内容
チーム凄ワザが再び世界記録に挑戦!今回、挑むのは「ロングパット世界記録」。帝王、ジャック・ニクラウスが打ち立てた驚異の超ロングパット記録33.5mだ。成功するには、グリーンの起伏や芝目、摩擦、風など様々な影響を読み切る“超リアル・シミュレーター”の開発が必須。さらに、その予測を正確に実現する“超精密パッティング・ロボット”までも製作。日本の技術力を結集させたとき、果たして世界記録の更新はなるのか?
出演者
【出演】パター職人…山田透,映像解析会社…株式会社フローベル,精密機器製作所…平井製作所,【司会】千原ジュニア,池田伸子,【語り】福島泰樹
ジャンル :
ドキュメンタリー/教養 – その他
スポーツ – ゴルフ
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