生字幕放送でお伝えします岩渕⇒こんにちは10時5分です「くらしきらり解説」きょうはこちらのテーマでお伝えします。
担当は三輪誠司解説委員です。
この人工知能ということばそのものは昔からよく聞きますけれども最近はニュースでもよく話題になりますね。
三輪⇒最近は研究が進みまして以前ではこれは人工知能には無理かなと思われるものも実用化してみようといいますか導入化してみようという動きが進んでいます。
今月、みずほ銀行は顧客からの問い合わせを受けるコールセンターにIBMが開発している人工知能を導入していくと発表したんです。
コールセンターに次のような電話がかかってきたとします。
ヘルプデスク担当の斉藤でございます。
どのようなご用件でいらっしゃいますか?パスワードが分からなくなって…。
人工知能はこのような顧客の音声を聞き取って自動で分析するんです。
そしてパスワードの再発行などの手続きを探し出してオペレーターに示してくれます。
問い合わせに対応する時間が短縮できるということが期待されていまして来年から導入をしていくということです。
また、三井住友銀行もコールセンターに人工知能を導入していくと今月発表しています。
スマートフォンにも音声で質問すると答えてくれる機能がありますがあれも人工知能なんですか?人工知能の一種といえると思います。
そもそも人工知能は何かということですが人間の知能をコンピューターのソフトウェアで実現するというものだといえると思います。
知能というのは?知能にもいろいろあると思います。
1つは知識の中から答えを検索探し出してくれるというもの。
次に多くの情報をもとに学習してくれるという機能も考えられます。
さらにあいまいな情報の中から答えを類推してくれるという機能が知能として挙げられるのではないかと思うんですね。
こうした機能がありますと先ほどのコールセンターの場合は膨大なマニュアルの中から答えを探してくれて、早く提示してくれるということも期待できますし、お客様からあいまいな質問があってもその内容をくみ取って示してくれるということで業務のスピードアップにも貢献できるのではないかということです。
人工知能の話題といいますと最近では将棋やチェスをしたり家電の中で炊飯器や掃除機の中に入っているというものもありますよね。
それも特定の分野をこなしてくれる人工知能といえると思うんです。
それが最近の研究では幅広い分野に対応できる人工知能を作っていこうという研究が進んでいます。
こちらは人工知能に大学入試センター試験の模擬試験に挑戦させようというものです。
国立情報学研究所などのプロジェクトでロボットは東大に入れるか、というキャッチフレーズで話題になりました。
試験としましては国語や英語世界史、日本史数学や物理といった試験に挑戦しています。
この模擬試験はどういう形で受けるんですか?最近の模擬試験、どういった問題が出るのか見たことがないという方も多いと思いますが、例えばこういった問題が出ます。
数学ですとこういう問題です。
数式が出てきたり、図形問題もあります。
国語ですと長文の読解もありますし、世界史ですと幅広い地域の問題の設問もあるんですね。
今回どのようにやっているかといいますと問題自体をデジタル化してコンピューター、人工知能の中に入力していきます。
人工知能の中には、あらかじめ教科書のデータそしてインターネットから取り込んだ文章などのデータが入っています。
このデータをもとに問題を自動で解いていきまして制限時間内に答えを導き出すものです。
教科書が全部入っていたら成績も期待できそうですね。
主催した予備校の分析ですと成績は国公立大学、私立大学合わせて476校で合格率は80%のA判定ということでした。
偏差値は47.3ということで平均的な高校3年生の学力に近づいたと研究チームは分析しています。
東大に入るにはもうちょっと勉強してくださいということですね。
頑張りましょう、というところだと思います。
頑張ってはほしいんですがどうして、そもそも問題を解けるんでしょうか。
もともと人工知能のデータベースの中に教科書などのデータが入っていますのでいわば知識自体はあると言っていいと思うんです。
ここで問題になりますのが設問が何か、つまり何を尋ねているのかということを理解、解釈できるかということなんです。
普通の日本語を解釈することは自然言語処理といいます。
例えば設問があります。
このように尋ねられたとします。
すぐに答えられますか?誰でしたっけ?人工知能になったつもりで一緒に考えてみたいと思います。
人工知能はまずこの文章を単語や品詞などに分割します。
出てきた分割された単語などをキーワードにして例えば今回は、眼鏡、日本伝えた、という内容をもとにデータベースの中から検索していくんです。
今回の場合はこういった内容が出てきたとします。
こういった文章が出てきたとします。
次にやることは設問の中で誰ですか、というところに注目していくんです。
これは固有名詞、人名を尋ねているというふうに分析しまして検索結果の中からフランシスコ・ザビエルという答えを導き出すんです。
賢いですね、負けてしまいました。
こうして尋ねていることをちゃんと理解して答えてくれるというのはどんどん人間に近づいている気がしますね。
そもそもこうした問題を解かせる大学入試の模擬試験を受けさせるというのは何を目指しているんですか?本当に東大に入ろうということではなくてコンピューター人工知能を賢くして人間のサポート役にしようということなんです。
1つは救助ロボットがれきを片付けるロボットでより安全に片づけるロボットということです。
どこに力を加えたらいいかということを物理の知識をもって解決することができるかもしれません。
ほかに電子秘書。
例えば、あいまいな質問きょうは何だっけ、というぐらいの質問があったときにそのあいまいさを分かってくれてきょうは朝から会議です、と言ってくれたりまたは娘さんの誕生日が近づいていますよ、そろそろプレゼントを買わないと間に合いませんよ、と言ってくれると役立つなと思いますね。
便利ですね。
ほかにこういう活用例も考えられます。
防犯、犯罪捜査。
例えば電話機の中に高度な人工知能を搭載することができた場合、オレオレ詐欺の電話がもしかかってきたときに電話機がそれは詐欺じゃないですかと教えてくれたら便利かなと思います。
こうした科学技術が進歩していきますと懸念されるのはこういった技術を軍事用に転用しようという動きが出てくるのではないかということです。
やはり人工知能は人の生命や財産を守る、助けるそういう用途で活用してもらいたいというふうに思いますね。
三輪誠司解説委員でした。
次回のテーマです。
建築、工業製品など、今年度最も優秀なデザインに送られるグッドデザイン大賞を日本製品が獲得しました。
ここ数年、韓国デザインに押されていた日本勢が巻き返した背景と意味を解説します。
担当は中谷日出解説委員です。
ぜひ、ご覧ください。
(テーマ音楽)2014/11/20(木) 10:05〜10:15
NHK総合1・神戸
くらし☆解説「進化する人工知能・その可能性は」[字]
NHK解説委員…三輪誠司,【司会】岩渕梢
詳細情報
出演者
【出演】NHK解説委員…三輪誠司,【司会】岩渕梢
ジャンル :
ニュース/報道 – 解説
情報/ワイドショー – 暮らし・住まい
情報/ワイドショー – 健康・医療
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