沖縄県知事:初上京も首相らと会談設定が難航

毎日新聞 2014年12月25日 21時58分(最終更新 12月25日 23時25分)

翁長雄志・沖縄県知事=和田大典撮影
翁長雄志・沖縄県知事=和田大典撮影

 沖縄県の翁長雄志知事が11月の知事選で当選後初めて上京したが、安倍晋三首相や菅義偉官房長官と会談するめどが立っていない。翁長氏は知事選で、米軍普天間飛行場(沖縄県宜野湾市)の名護市辺野古移設反対を訴え、移設推進を掲げて政府が支援した仲井真弘多前知事を破った経緯があり、政府と沖縄の双方が関係構築に苦慮している。

 翁長氏は今月10日に知事就任後、首相や基地負担軽減担当相を兼務する菅氏と会談する意向を表明。24日には県庁で記者団に「粛々と県民の要望を伝えたい」と述べていた。同日中に上京し、25日は沖縄選出の国会議員などと面会した。沖縄振興策を担当する山口俊一沖縄・北方担当相とは近く会談する見通しだ。

 翁長氏は既に菅氏との会談を首相官邸へ要請しているが、官邸側は応じる姿勢を見せていない。菅氏は24日の記者会見で「(翁長氏から)どのような考え方かを聞くのは必要だ。まず山口氏の所に来られるので、その報告を聞きたい」と述べるにとどめ、25日の会見でも会談を明言しなかった。

 政府関係者は同日、「(菅氏、翁長氏は)会わない。杉田和博官房副長官も会う必要はないだろう」と述べ、当面、官邸側は翁長氏との接触を避ける意向を示した。

 菅氏は、辺野古移設に向けた政府の埋め立て申請を承認した仲井真氏とは頻繁に会談を繰り返していただけに、今回の対応との違いは際立つ。沖縄県関係者は「これまでは知事と官邸でホットラインがあったが、今回はそれがない段階でのスタートだ」と漏らす。【木下訓明】

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