(場内拍手)
(ひで子)ああ〜。
(吉田)うまいねぇ。
(藍)ねえ〜。
(吉田)いいよねほんまにね。
ここのうどんほんまおいしかったなぁ。
(藍)おいしかったね〜。
(宮崎)いやけどカレーうどんにしたからめっちゃ汗かいたな。
(藍)確かに。
見てよ私なんて汗だくだくやもん。
(吉田)ほんまやな。
めっちゃ熱いから冷たいデザートでも食べに行こうか?
(ひで子)行こう行こう!
(吉田)何がええ?
(宮崎)アイスクリーム!
(ひで子)かき氷!冷やし中華!
(吉田)デザートちゃうやろそれ。
冷やし中華はちゃうやんか。
うどん食べたとこやろ?じゃあかき氷食べに行こうか?
(ひで子)うん!
(吉田)じゃあ行こうか。
すみませんすみません!・
(勝則)は〜い!はい。
あっ…。
お客様いや〜どうもすみませんほったらかしで。
いいえ全然。
大将ここのうどんほんまにうまかったですよ。
ありがとうございます。
あなたにうまいと言われたらほんとにうまいんだなと自信が持てます。
えっどういうことですか?馬のあなたにうまいと言われたらうまいんでしょうね。
僕馬じゃないですよ。
いやいやご謙遜を。
いや謙遜してませんよ。
まったくしてませんけど。
存じ上げておりますマキバオー様ですよね?誰がマキバオーやおい!それ馬のアニメでしょ?ええ。
マキバオーと違いますよ。
何バオー?何バオーでもない。
「バオー」残ってしもうてますから。
吉田っていいます。
あっ吉田マキバオー。
下の名前ちゃいますよ。
(藍)まあまあ裕君落ち着いてね。
だいたい馬に似過ぎてる裕君が悪いんでしょ?誰が馬に似てんねんおい!そういう藍ちゃんかってな豚やんか!そうそうそう。
ぶぅ〜ぶぅ〜ぶぅ〜ぶぅ〜ぶぅ〜ぶぅ〜ぶぅ〜ぶぅ〜。
私人間ですねん。
(勝則)なんですか?今のは。
何が起こったんでしょうか?
(吉田)藍ちゃんのノリつっこみです。
すぐ乗っちゃうんですよ。
失礼いたしました。
あっお隣のび太君。
(宮崎)そうそうそう。
もう〜ジャイアンががしょうき者だがらせがねぇしあんじゃねぇっつって…。
なんだべさ!
(勝則)今のどこのなまりですか?群馬弁が。
(勝則)群馬の方ですか。
(ひで子)ちょっと宮崎君そんなになまったらどえりゃあ恥ずかしいがね。
(勝則)あなたは名古屋ですね?おあいそお願いします。
4000円になります。
分かりました。
じゃあ4000円。
ちょうど頂きます。
ありがとうございました。
(勝則)おおきに。
(吉田)うどんはおいしかったのにこんなにいろいろ言われたら腹立つわ。
(宮崎)吉田そんなに怒ったらなっからのめしたおこんじょはしゃあねぇっつって。
なんて言うてんねやおい。
なかなか分からないですね〜。
・
(あき恵)あなた〜!は〜い!
(あき恵)あなた〜!あなた〜。
あな〜た〜!
(勝則)はよトイレに行ってこい。
またお前歩きながらポトンと落とすぞ。
(あき恵)やめなさい!そんなこと1回でもやったことあるか?あほなこと言わんといてあなた!大きい声で「あなた」言うな。
人が聞いたら夫婦や思うやろ。
夫婦でしょ?
(勝則)嫌やねん。
なんでやの?つらいねん悲しいねん死にたいねん。
ええかげんにしぃやほんまに。
このへんでええねやないか。
そんなことよりもお義母さんどこ行ったの?ああお母ちゃんなさっき銀行に行ってくれって頼んだんや。
そうだったん?両替とかいろいろ…。
いてないからびっくりしたわ。
(勝則)だいぶたつな。
大丈夫かな?ああ〜お母ちゃん帰って来た。
お母ちゃんお母ちゃん!・
(和子)は〜い!ただいま〜!
(和子)ごめんください。
どなたですか?銀行からお母ちゃんが帰ってまいりました。
お入りください。
ありがとう。
(場内笑い)
(和子)おおきに。
(勝則)そのけったいな挨拶やめてぇなほんまに。
(あき恵)おかえりなさい。
銀行で振り込んでね両替もしてきたから。
ご苦労さまありがとうな。
疲れたやろ?奥で休憩しておいで。
ちょっと勝則やめなさい。
お母ちゃんの顔見たら年寄り扱いしてから。
でもええ年やがなそんなん。
しんどいやろ?ちょっと動いても。
そんなことありませんよ。
この暑い夏場を乗り越えてきた女ですよ。
ちょっと見てちょうだいこのフットワーク。
シュッ!
(あき恵)すごい!
(勝則)元気やけどな。
シュッ!シュッ!どうや?どうや?どうや?いくでほんまに。
(勝則)なんやほんまに…。
あっ…あっ…。
(勝則)ほら言わんこっちゃない。
無理するから…。
(和子)あっ…あぁ…。
(勝則)大丈夫か!?別に。
(勝則)なんやねん!心配したわ今。
オータムジョークよ。
秋っぽさはいっこもなかったぞ。
スポーツの秋があったじゃない。
うまいこと言うけど。
無理したらあかんよ。
ああ〜ありがとうありがとう。
それより千豊は?千豊は出前に行かしたんやけど何時間も帰って来ぇへんがな。
いつものこっちゃどっかでサボっとんねん。
あいつは外に行かしたらあかん。
(あき恵)困った人ねぇ。
(千豊)ああ〜。
ただいま。
(勝則)「ただいま」やないやろお前どこで油売っとったんや?またサボっとったんやろ?あのな兄ちゃん俺も好きでサボってんちゃうねや。
あえてしゃあなしにサボってんねやこんなもん。
言うてる意味が分かれへんわ。
空気読んでんねや。
みんな一生懸命働いてるやろ?そやから俺ぐらいサボらなあかんかなと思って。
(勝則)俺はお前の兄貴でここの主人や。
主人の言うこと聞け!俺も別にこんな辛気くさいうどん屋を手伝いたくないねや。
俺はもっと派手な人生派手な暮らしをしたいわけよ。
一生懸命働いてほしいんやったらここのうどん屋やめてキャバクラかなんかに改装せぇ。
(勝則)あほかお前は。
(あき恵)ちょっと千豊君。
あんたそういう言い方ないでしょ。
うちはね代々続いてきたうどん屋なのよ。
そういう言い方したら罰が当たるわよ。
「そういう言い方ないでしょ」って言う前にそういう顔はないでしょ。
私の顔がなんやっていうのよ!ブサイクやから向こうに行ってくださいって言うてるんです。
(あき恵)失礼ね!臭いし。
ニンニクみたいな臭いするわ。
(あき恵)ようそんなこと言えるね兄嫁に向かって。
はっきり言っとくけどね私ご近所では倖田來未にそっくりって言われるのよ。
うそつけあほんだらほんま!誰がぬかしとるんじゃ!言うた者勝ちかお前。
お前と倖田來未全然似てへん。
月とスッポンや。
スッポンいうても亀の方ちゃうぞ。
トイレの方のすっぽんや。
あんた…それウンコ吸い出す道具やろが!どっかに行って吸い出してこい!なんで吸い出さなあかんのよほんまに失礼ね!あなたもう〜ほんとに千豊君は誰か真面目な人と結婚でもさせて考え方を改めさせなあかんわよ!
(勝則)こいつは結婚してもな性格は変わらん。
(あき恵)そんなこと分かれへんやないの。
千豊君。
あんた彼女っていてるの?ああ〜今はいてませんけど。
(あき恵)いてないの!?それだったらちょうどよかったわ。
実はねこの間町内会の会長さんからお見合い話1つ頼まれてるのよ。
ちょっと待ってて。
持ってくるわ。
ちょっと見合いなんか辛気くさい。
そんなんええのに。
(勝則)周りの人も心配しとんねや。
見てちょうだいお相手さんすごくすてきな方なのよ。
あのねほら名門の花月女子大学を卒業した方なの。
しかもお父様がNGK銀行の花月支店の支店長さん。
(勝則)お嬢さんや。
(あき恵)そうでしょ。
趣味はお茶とお花ですって。
(勝則)ええなぁ。
(あき恵)すてきなの。
ほら写真見てちょうだい。
べっぴんさんでしょ?地味やがなこんなもん。
なんで?清楚でええやないの。
いやこんなもん小西真奈美みたいな顔してるやん。
(勝則)ええやないか。
ええやないかほんなら。
黒髪で長い…このおとなしい感じ嫌やねん。
若い子でキャバ嬢みたいな髪の毛巻いた乳半分出てるような…。
だからお見合いするとしても俺キャバ嬢だったらやるわ。
それを連れてきて。
(勝則)そんな子が見合いするか?どっかの店で働いてる子おらへんのか?
(勝則)おるかぁそんなもん。
俺は派手な女の子とニャンニャンしたいわけよ。
こんな真面目な子は嫌。
(勝則)何を言うてんねん世の中なめるなよ!「なめるなよ」あれへんがな。
俺がこんな考え方になったのも兄ちゃんのせいやぞ。
兄ちゃんがこんなしょうもないうどん屋で粛々働いてやでしょうもないこんなブサイクと結婚したから。
ちょっと待って!ああなりたくないと思ったからこんな考え方になったんや。
(勝則)お前な言われる俺の身になれ。
(あき恵)ちょっと待ってよ!おかしいでしょあんたも!
(勝則)違うがな。
そういう考え方があかん。
八つ当たりやぞそれは。
(勝則)何が八つ当たりや!
(和子)兄弟ゲンカはやめなさいお母ちゃんのお乳の取り合いで。
(勝則)誰がやねん。
いつしたんや?
(和子)違うの?あのな俺の女の子の好みやねんほっといて。
俺はそういう子とつきあいたいから。
(勝則)言うてもあかんわ。
(あき恵)もうせっかくいいお話だったのに。
(池乃)暑いなぁ相変わらず。
えっ?
(池乃)あれ?えっ大将?かっちゃん入ってきとるで。
(勝則)いや池やん。
入ってくるときにいらんアクションが1つあった。
(池乃)なんかやったかな?俺。
(勝則)いやなんか…こんなんして。
(池乃)暖簾をかき分けたんや。
(勝則)それは当たる人がうっとうしいからこうやるねんけど…。
(池乃)こうしたから当たれへんかったんや。
なっ?
(勝則)こうせんでも当たれへんねん。
(池乃)はあ?
(勝則)こうしようがしまいが当たれへんねん。
ほな何か?俺は普通に入ってきても当たれへんいうの?
(勝則)いやまあそうやで。
(池乃)失礼な人やなぁ。
(勝則)ほんまやねん。
(池乃)これやで。
もういっぺんやるからよう見といてや。
なんやねん入ってきて早々気分の悪い…。
(勝則)いらんって!
(池乃)あら?そのまんまやなぁ。
ははっ。
えっ?ということは俺あれより下の世界で生きてるわけ?
(勝則)ははははっ。
泣くな!悪かったごめんなさい。
下ろしといてよ。
ちょっと長めにしとくわ。
そんなことよりなんや…ノイジーな感じやったけどケンカしとったんか?
(勝則)ケンカでもないねんけどこいつがキャバ嬢みたいな派手な女とつきあいたいとか店を改装してキャバクラにせぇとかいらんことばっかりぬかしてるから説教してやってん。
何がやねんな。
俺はパリス・ヒルトンみたいな女の子とつきあいたいねん。
それの何が悪いねん。
(勝則)そんなんどこにおるねん。
ちょっと説教してやってぇな。
千豊君。
若いなぁそういうことじゃない…。
これからの人生…。
スパンが長い…。
なっ。
(和子)何?
(池乃)家のどっかに…。
柱がドンと…。
そしたらバタ〜ン…。
なんて?
(池乃)初めからそ〜っと…。
何言うてるか分からんわほんまに。
身振り手振り大きいけどなんにも伝わってけぇへん。
途中で1回「前立腺肥大」いうのだけ聞こえたけど。
なんや?それ。
(池乃)いやあのな派手な女の子とか人生派手にとかそういうこと考えずに地道に足元を見つめて歩いていかんと世の中えらい目に遭うぞと言うてんねん。
(和子)これは池やんの言うとおり。
千豊あんたな派手好みの彼女欲しそうやけどな違うよ。
女性というものはね地味でしとやかな方が幸せを呼ぶの。
あのなそうとはかぎらへんがな。
キャバ嬢でもものすごいええ子おんねや。
女の好みやねん。
お母ちゃん関係ないからほっといて。
(和子)ああそうか分かった!親の言うことも聞けんのか!もう二度と物言わへんわ!
(勝則)お母ちゃん興奮せんでも…。
今日という今日は腹立った。
向こうで休憩してきますわ。
ほんまにもう…母親として情けないわ。
もうええ。
もう今からお父ちゃんになるで。
(勝則)なんでやねん。
ちょっと待ってくださいよお義父さん。
(勝則)「お義母さん」や。
(池乃)もう年いってんねんからあんまカッカさせたらあかんで。
そんなことよりな派手な女性がどうのこうの言うてるけど何か当てはあんのか?当ては別にないけどな。
ないんかいなもう…。
どうや?うちの娘。
いやどこが派手やねん。
地味なそんな…。
地味?けどええ子やお前のこと好きみたいやしな。
いや…珠代さんはちょっとええわ。
目ぇ線やがな。
(珠代)・ランララララ〜ン
(珠代)・ララ〜ンどうもどうもこんにちは!なんやお前!なんちゅう挨拶やほんまに。
バヒュン!あはは〜!バヒュン?
(珠代)お父ちゃんもう!またこんなとこで油売って。
早くお店に戻ってちょうだい!分かった。
そんなことよりそろそろお前安定剤の時間やぞ。
あははっ!そんなんのんでません。
もう〜ほんまに…。
帰ってもうお仕事に。
分かった分かったはいはい。
(珠代)お父ちゃんはもう!もう〜…好き。
なんやそれ。
なんでいきなり来んねやほんまに。
(珠代)うふふ〜。
はぁ…。
ふふっ二人っきりね。
いやどこがやねん!計四人おるわ。
いやせんでええよおい!二人っきりにするな兄さん!兄さ〜ん!ああ〜ズン!あはは〜!ねえ千豊さ〜ん!なんやそれ。
どんな股関節しとんねん。
もう〜千豊さん。
分かってるんでしょ?私の気持ち。
はあ?ほら私とももうおつきあいが長いでしょ。
そろそろあなたのことふふっ呼び捨てにしてみたいのだぁ〜。
してみたいのだぁ〜!んん〜!40越えてるんでしょ?あははっ!ようするわそんなこと。
ないしょ!うふふっ。
ねえ呼び捨てぐらいいいでしょ?いや呼び捨て…まあ呼び捨てぐらいいいですよ。
こんなんされるよりましですわ。
ははっ。
あはっ!やった〜!うふふっすけろく。
誰がやねん。
誰の下の名前がすけろくやほんま…。
ごめんなさい。
ねえでも私どうしても…どうしても千豊さんが好きなんだもん!ああ…まあ気持ちはありがたいですしいい人なんはすごい分かるんですけども恋愛対象では見れないですね。
や〜だやだ!やだ!つきあって!いやちょっとそれは…。
(珠代)やだつきあって!なあつきあってぇな!どっから顔出しとんねん!どっから顔出しとんねんこれ。
(珠代)最高最高!何が「最高」や。
んん〜〜。
訳分からんわ。
(珠代)最高。
カズと揺れてる〜あはははっ!ねえだめなんですか?おつきあいは無理。
すみません。
(珠代)そうなんだそういうふうにはっきり言っちゃうんだ。
もう少し「考えるわ」とかそういうふうな…そういうふうな優しさとかないわけ!?まあ優しくしてこれですわ。
うわ〜ん!頼むわ〜!相手してる方ですよこれ。
(珠代)うわ〜ん!なあもうちょっと考えてよ!うぅ〜…ああ〜ペロンチ〜ン!何しとんねん!できるだけ皮膚に近づけよう思ってめくりさらして。
なんや?これ。
あははっ。
動きのキレだけあるな。
もう〜好きなんだもん。
やっぱ格好いいんだもん。
無理です無理です。
やだや〜だ!千豊さんふふっ!千豊さんふふふっ!放してよ!自分でやっとるやないか!自作自演やがなこんなもん。
あかんもうお仕置きやじっとせぇへんし。
あのなお仕置きや。
ちょっとあそこ幅狭いけどあの辺いくからな今日は。
幅狭いとかあの辺とか意味が全然分かりません。
準備運動すな。
意味分かっとるやないかこないして。
手を持ってくんなここへやりやすいようにいうて。
もう知らんぞほんま。
(珠代)ちょっと!ちょっと!ちょっと千豊さん!ちょっと…うわ〜!ふふっ男なんてシャボン玉〜。
やかましいわほんま。
何しとんねんほんまに。
(池乃)終わったけ?なんやそれ!見計らって出てくるな。
あんな情熱的な恋愛場面邪魔はできへんがな。
どこが恋愛場面やほんま。
(珠代)お父ちゃん振られた。
(池乃)しょうがないやないか。
なっ?もう諦めぇ。
お父ちゃんええ人紹介したろう。
(珠代)おるんか?
(池乃)おるおる。
お父ちゃんの知り合いでなちょっと年はいっとるけどな。
(珠代)うん。
金は持っとるけども独身。
明るい。
ええ〜!?いっつもね「あ〜りがとさ〜ん」いうて。
(珠代)お父ちゃんそれ坂田利夫さんちゃうか?そういう名前やったかなぁ?お父ちゃん…。
誰紹介すんねん。
独身やけども。
あのなお前もな珠代さんの気持ち分かったれよ。
お前が振るからやな振る度にうちの壁がボロボロになっていくねん。
いやもうあんな人と結婚したら俺の人生がボロボロになるわ。
そんなことない。
やっぱ心やて。
パ〜ンとしたな目ぇぱっちり…。
(安井)失礼します。
(勝則)ああ〜いらっしゃいませ。
客じゃないんです。
私島田開発という会社の者でして。
(勝則)ほう島田開発?声がしたけどお客さんか?
(勝則)あっお客さんじゃないねん。
なんか島田開発…開発会社の方。
(安井)詳しい話は社長から。
(勝則)社長?
(安井)社長!社長!
(一の介)ああ〜ご苦労やったな。
おじゃましますぅ〜。
ああ〜すみませんすみません。
申し訳ございません。
私島田開発の社長で島田一の介と申します。
ええ〜まだ開発途中ですか?いやいや今から開発をするんですよ。
だから一旦さら地にしたんですよね?いやいやあの…。
(和子)基礎工事が終わってコンクリートを張りかけてるんですよね?はあ?コンクリート?あっすみませんおたくどこを見て言ってます?いやどこってあの…ここ。
指をさすな!なんだほんとに失礼ですね。
いやどこって聞かれるから。
おたくは?ここの主人で内場勝則と申します。
ご主人ですか。
まあ汚い所ですがお座りください。
(勝則)えっ?うちの店ですけど。
(一の介)どうもすみません。
(勝則)どうぞどうぞ。
お話ってなんでしょうか?はい。
実はですね…単刀直入に申し上げます。
こちらの土地を我が社に売ってほしいんです。
えっここをですか?そうなんですよ。
我が社はですねこの辺りにレジャービルを建てる予定がございましてその予定地にこのお店が入ってるんですよ。
まあ相場よりも高い値段で買わさせていただきますからお考え願え…ます…か?ふふっ!なんで最後…。
はい…。
最後片言になったんでしょうか?「願え…ます…か?」って。
(一の介)どうでしょう?考えていただけませんか?急な話なんですけども…いやおやじの代からずっとここで店やってますんでね離れる気はないので売る気ないです。
なあお母ちゃん。
そうでございますよ。
言うときますけどねうちは常連さんが日に1万人以上来はる。
(勝則)そんな来ぇへん。
そんなに来ぇへんけど。
気持ちはよく分かります。
でもですねこれは損をする取り引きじゃないと思いますよ。
そういうお金の問題じゃないんで。
ここは離れたくないので。
(一の介)あっ安井君。
例のもの。
(安井)はい。
こちらに頭金としまして300万の小切手を用意しました。
(勝則)いや…分からん人やな。
あのねお金の問題じゃないんですよ。
売りませんから。
(安井)お願いいたします。
(勝則)これ持って帰ってください。
もう帰ってください。
イヤン!
(あき恵)えっ?
(和子)音か?声か?
(安井)お願いいたします。
(勝則)もういいですから帰って…。
(安井)イヤン!
(勝則)なんか鳴りましたけど。
(安井)触られると興奮しまして…。
(勝則)えっ!?
(安井)イヤン!
(勝則)こっちは?
(安井)バカン!
(勝則)「バカン」て…。
えっ?
(安井)ソコン!
(勝則)「ソコン」!?
(安井)イヤンバカンソコンヒザ〜ン!
(勝則)「ヒザ〜ン」もあるの?ほないっぺんにやったらどうなんの?これ。
(安井)イヤバカソコヒザ〜ン!
(勝則)なんやそれ!ものすごい音鳴るやんか。
曲弾けんのちゃうの?これ。
(安井)曲?
(勝則)簡単なやつ。
(安井・「チューリップ」の替え歌)・イヤンバカンソコン…
(安井)・イヤンバカンソコンヒザンイヤンバカンソコン
(勝則)「チューリップ」や今の。
おお〜。
(勝則)「・さいたさいた」や。
あの〜AKB48…。
(安井)AKB?
(勝則)できないですかね?
(安井・「会いたかった」の替え歌)・イヤバカソコ〜ン…
(安井)・イヤバカソコ〜ンヒザン
(安井)・イヤバカソコ〜ンイヤバカソコ〜ン
(安井)・イヤバカソコ〜ンヒザン
(安井)・ツケネ〜
(勝則)なんや?おい。
(安井)今のも含めてお願いします。
(勝則)何を含めんねや!含めません!
(一の介)もう何をやってるんだ君はほんとに…。
すみませんね。
(勝則)いやあなたも…。
ダメぇ〜〜。
(勝則)なんや?おい。
「ダメぇ〜〜」って…。
「ピンポ〜ン」かなと思うたら…。
(一の介)ねえお願いしますよ。
(勝則)いやもう帰ってください。
(一の介)そんなこと言わずに。
(勝則)お金じゃないんで。
おい千豊。
(あき恵)帰ってください。
(勝則)帰れ!帰れ帰れ!
(一の介)ちょっと…あのね…。
(和子)帰ってください。
ええから帰れ。
おい二度と来んなよ!あの〜話だけでも…。
反対になっとるやないかお前!ダメぇ〜〜。
(勝則)そうやねや〜。
(池乃)島田開発が来たんか。
(勝則)そうやねん秘書いうのを連れてきてな…。
結構強引やったな?売ってくれ売ってくれ言うて…断ってんのにやな〜。
知ってる?その島田開発って。
(池乃)島田開発なぁ…聞いたことないなぁ。
(勝則)聞いたことないんかいな。
「僕はあなたのことが好きです」。
(勝則)おい。
「あなたはどうですか?」。
(勝則)何言うとんねんおい。
「お仕事ファイトんだゆ」。
(勝則)おい!お前や!「おい!お前や!」。
(勝則)呼んでんねん!お前!「呼んでんねん!お前!」。
(勝則)お前あほか!?「お前よりましや」。
(勝則・千豊)なんや!
(勝則)なんや?それお前。
変な文面になってるな思うたら横から話しかけて。
(勝則)お前がな人の話聞かへんからや!なんやねんお前ニヤニヤニヤニヤして〜。
ひっひっひっひっ…。
(勝則)やめろ!ひっひっひっひっ…。
(勝則)その引き笑いやめろお客さん来たら気持ち悪がるから。
奥でせぇ奥で。
はいはい分かりましたよ。
(勝則)あいつ気持ち悪いなぁ。
ひっひっひっひっ…。
(勝則)またや。
気持ち悪いなぁほんま。
ひっひっひっひっひっ…。
(勝則)えっ?
(あき恵)うち地下あった?
(勝則)地下なんかない!
(池乃)何があったんや?
(勝則)エスカレーターやないねんから。
(オクレ)こんにちは〜…。
(あき恵)なんや…。
(勝則)あれ?あっ…。
(オクレ)ふふふっ…。
(池乃)なんか笑うてはんで。
ふふふっ。
(勝則)お巡りさんですよね?
(オクレ)見たら分かるやろうがそんなもん。
(勝則)だから言ったんですけど。
(オクレ)ああお巡りや。
(勝則)お巡りさん…。
あの〜何か事件ですか?
(オクレ)いやいや事件やないんよ。
あの〜挨拶に来たんですわ。
(勝則)挨拶?ええ。
私この度花月交番に赴任してまいりました新人警官の岡田と申します。
ふふふっ…。
し…新人!?新人ですか!?
(オクレ)ええ。
来月定年ですけど。
(勝則)おかしいやん!もう?えらい苦労して入りはったんやな。
よろしくお願いします。
(勝則)よろしくお願いします。
あの〜何か変わったことはないですか?
(勝則)いや別にこれといって変わったことはないですけど…。
あなた。
ほら開発会社のこと言うといた方がええのん違う?そんなん大丈夫?言うてみるか。
あの〜3日前なんですけど開発会社の方来られましてねここの土地売ってくれって言うんですけどどうも強引な手口なんですよ。
だから悪徳業者やったら嫌やなぁと思いながらね…。
あの〜警察の方でもちょっと注意してもらえないですかね?
(オクレ)あっ分かりました。
注意しときます。
(勝則)よろしくお願いします。
よかったな。
ああ〜それとね。
(勝則)はい。
最近この辺りにね開発業者がよく現れてるんですよ。
(勝則)えっ?なんやあくどい業者らしいんで注意してください。
ふふっ…。
(勝則)それ私言いましたよね?今の私の情報でしょ?それ。
ふふふっ…。
受けた受けた。
(勝則)えっ?「受けた」って何?「受けた受けた」ってなんですか?ほなこれで私のふふっ…ノルマ達成しました。
(勝則)ノルマだったんか!
(池乃)受けに来はったんですか?
(オクレ)いやいや…もう失礼します。
ふふふふっ…。
あほ〜。
(勝則)なんでやねん。
「あほ〜」ってなんや。
いやパントマイムはええ!パントマイム丸見え!
(池乃)パントマイムかふらついてんのか分からんがな。
(勝則)階段のパントマイムやろたぶん。
(和子)あぁ〜あもう情けないわ。
もうず〜っと携帯打ちっぱなしやがな。
(勝則)また千豊のやつニヤニヤして「ひっひっ…」って笑うとんのやろ?
(和子)あっそうそう。
(勝則)気持ち悪いねんあれ。
しゃがんだり立ったりしてますわ。
(勝則)それは知らんけど。
奥行っとけって言うたんや。
(和子)仕事してくれたらええのに。
(勝則)ほんまにな〜。
なんやろなあいつは。
(安世)やっほ〜!こんにちは!
(あき恵)いらっしゃいませ。
(勝則)いらっしゃいませ。
(安世)ああ〜!私お客と違うんですよ〜。
あの〜カズ君いてますか?
(勝則)カズ君ってひょっとして千豊のことですか?
(安世)はぁ〜いそうで〜す!
(和子・勝則)えっ?
(勝則)待ってください。
千豊〜千豊〜!・はい〜。
けったいなん来てるぞ。
「けったいなん」って何?
(安世)ああ〜!もう〜カズ君〜!安世ちゃ〜ん!
(安世)もう〜!ああ〜安世ちゃ〜ん!
(2人)ん〜ん〜。
(勝則)お前もけったいになっとるぞおい。
(安世・千豊)ん〜ん〜…。
んん〜!あぁ〜〜。
あはははっ!
(勝則)えっ?意味分かれへん。
(安世)ふふっ。
仲よしの証拠や〜ん。
(勝則)あの…誰?ああ〜みんなに紹介するわこれは俺の彼女の安世ちゃん。
はぁ〜い。
(勝則)彼女?
(あき恵)千豊君彼女できたん?宣言どおりかわいい子とつきあうことができました〜。
なあ〜?
(勝則)そんでニヤニヤしとったんか。
(池乃)確かにかわいい子やけどこんな子とどこで知り合うたん?おっちゃん「Twitter」や「Twitter」。
Twitterで知り合ってなそのままつきあうことになってん。
なあ?そうかかわいいがな。
ツイッターかい。
そうかそうか。
(勝則)「ツイッターかい」っておっちゃん分かってんのかい?
(池乃)当たり前やないか!
(勝則)知ってんの?
(池乃)なんでも知っとるわおっちゃんは。
あれやんけお前伊勢へよう行くねん伊勢へな。
(勝則)あっお伊勢参り?
(池乃)で「伊勢まで行ったんや」って言うたら友達がな「伊勢へ行ったんやったらお前隣の…津行った?」と…。
「おう行った行った行った!」。
「おうそうか津行ったか」。
(勝則)それダジャレやないかい!「津行った?」「Twitter」ってなんや。
二人は津行かへんし。
(池乃)えっちゃうの?
(勝則)違うがな。
あのな短いブログやねん。
(池乃)あっ!はいはいブログ…。
(勝則)うんブログ。
分かってる?あれはなまあ気持ちええというかな〜疲れとって風呂へ入ったら湯船ですぐ寝てまうねん。
(勝則)「風呂入ったら寝る」?
(池乃)風呂入ったらグゥ〜…ぶろグゥ〜。
(勝則)いや「ふろグゥ〜」や。
(池乃)ブログ…ばんざ〜い!
(勝則)「ばんざ〜い」やあれへん。
大喜利やないねんから。
(和子)もう〜池やん!あんたも適当なことばっかし言うてるやないの!Twitterで知り合ったということはお互いにフォローし合ってダイレクトメールを送り合うということ!
(勝則)偉いなぁ。
お母ちゃんよう知ってるがな。
知識あるなぁ。
(和子)そりゃあ現代人ですがな。
(勝則)いや現代人ってそんなんなかなか知らんで。
(和子)お母ちゃん言うとくよ。
「iPhone」持ってるよ!
(勝則)「iPhone」持ってんの?
(和子)うん。
「iPad」も持ってるよ。
(勝則)「iPad」も?それに愛川欽也好きよ。
(勝則)いや関係あれへん。
「あい」つながりかいな。
何を言うてんねんなほんまに。
おいそこのトリオ漫才師。
(勝則)誰がや!誰がトリオ漫才師や。
あのな〜そんなしょうもないこと言うてへんと俺の安世ちゃんにみんな自己紹介してぇや!
(和子)ああ〜そうかそうか。
(勝則)あの〜千豊の兄貴で勝則と申します。
(安世)あっどうも。
(あき恵)嫁のあき恵です。
(安世)ふふっ。
母の八千草薫です。
えっ?
(和子)八千草薫!八千草薫?のファン。
なんやそれ。
(和子)和子と申します。
お母ちゃん。
(池乃)いや〜どうも。
お会いできて光栄です。
保安官のロバートです。
なんでやねん。
はあ?
(池乃)今はクリーニング屋をやってますが。
前も保安官やってへんやろそんなん。
ものの3日でクビになるやろが。
(和子)格好いい。
皆さ〜ん発表したいことがあります。
僕はこの安世ちゃんと結婚しま〜す。
(勝則)結婚!?
(和子)早すぎる!もう来年!来年すんねやそんなもんは。
何も早くない。
パッと会うた瞬間ビビッときてんから結婚やんな。
あっねえねえカズ君。
私カズ君のお部屋が見たいな〜。
ええ〜お部屋?行こ行こ。
(安世)行こ〜!お部屋行こ〜!
(和子)汚いでお部屋は。
(池乃)ケツ!
(勝則)なんかある意味ええコンビやけど。
(あき恵)ちょっとお義母さん!あんなど派手な子とつきあわせてていいんですか!?そう言うてもあんたお互いで決めたことやしねぇ。
(勝則)いやそんなのんきなこと言うてる場合かいな。
結婚する言うとるで?あの子がこの店に入ってきてみぃなどないすんねんな?ええ〜?常連さんみんな逃げてまうで。
(池乃)そういうこっちゃな。
(勝則)あんなん困るがな。
(池乃)やっぱりあの子とはつきあわん方がええな。
(あき恵)そうでしょ?お義母さん別れるように言うてくださいよ。
かというてどう言えばええか…。
(勝則)言うこと聞かんからな。
お義母さんが言われへんなら私が言うわ。
(勝則)おいあき恵大丈夫か?
(あき恵)もう我慢できひんもん。
(勝則)頼むわ。
ビシッと言うて。
(あき恵)千豊君!千豊君〜!・は〜い。
なんですか?忙しいのに。
(あき恵)千豊君。
この際やからはっきり言わせてもらうけどねあの派手な女の子とつきあうのはやめてほしいんやけど。
ちょっとなんてこと言うんですかやっと見つけたかわいい彼女に。
そうかてうちの家とそぐわないのよ。
あんな子が嫁入りしてきてごらんうちの店の評判が落ちるでしょ!俺はあの子と結婚しようと思うてますねん。
なんでそんなやいやい…。
(あき恵)そやから結婚相手もちょっと考えてやってちょうだい!考えたけども考えた末にあの子ですねん。
なんであの子やの!あんな子どうでもいいでしょ!いいから黙っといてくださいよべっぴんさんは。
結婚しなさい。
(勝則)えっ?おい。
べっぴんさんって言われたわ。
(和子)やかましい。
(池乃)あんたがべっぴんさんなら世の中ブスはおらん。
ちょっと待ってよ!どういうことよ。
そんなことよりあかんもうわしが代わりに言うわ。
こういうことは案外家族でない方がええ場合がある。
(勝則)他人が言うた方が聞くかも分かれへんわ。
(池乃)年寄りの説得やからね。
(和子)頼むよ。
千豊君!千豊君〜!・はい。
何?次おっちゃんかいなもう。
(池乃)ああ…まあええからそこへ座りぃ。
なんで急に年いったん?そない年いってたか?年寄りの言うことは聞くもんやぞ。
わしら…年いったら目は見えんようになってくるけどしかしまだまだ世の中はよう見えとるぞ。
反対にあんたは世の中のことが見えとらん。
なっ?悪いことは言わんあの女の子とつきあうのやめといた方がええ。
おっちゃんまでそんなこと…。
俺があの子がええ言うてんねんそれでええがな。
自分だけの目ではまだまだ…。
向こうもそれがええ言うてる。
周りに祝福されて結婚した方が…。
世界中みんなが反対したとしても俺ら二人がええ言うたらそれでええがな。
それでは生活はできません。
みんなの協力を得て…。
それだったら協力なんかいらん。
みんな力を…。
俺は結婚すること決めたから。
二人がよかったらそれでええやん。
二人がよかっても…。
ああ〜もういい!えっ?もういい!もういい。
もういい〜。
もういい!もういい!はぁ…。
もういい。
一体いつからだ?はあ?言ってみろ!いつからそんなつまらん人間になっちまった?昔のあんたはそうじゃなかった。
私は今でも覚えてる。
近所でも評判のよくできた少年だった。
末は博士か大臣か恐ろしいほどの頭脳の持ち主だった君はいつからそんな平凡な人間になっちまった?悲しいよ。
情けないよ。
今のあんたなんかは世の中に生存する権利はない!この地球上の空気を吸う権利はない!早い話がいっそ死んじまえという話だよ。
あの世へ逝け!なんなら地獄へ落ちろ。
場合によってはこのわしがそっと後ろから押してやってもいいぞ。
はははっ。
地獄もそれなりにオツなもんだ。
ははははっ!黙ってないでなんとか言ったらどうなんだ?ピッコリーノ。
誰がピッコリーノやねん。
(あき恵)そんなこと言ってとは…。
黙ってろガーリック。
(あき恵)誰がガーリックや!
(池乃)ああ〜その後千豊君は変わったか?
(勝則)変わるかいな。
(和子)姿を見んねや。
(勝則)もう〜おっちゃんの変な説教でやな…。
(池乃)ええっ?
(勝則)あれ以来反発して…。
(池乃)えっ?あの…。
(和子)ピッコリーノとガーリックや!
(勝則)あれから「何言うとんねん」って反発してしもうて余計仕事せんとデートやデートやって毎日毎日デートに出かけとるがな。
それだけやない無駄遣いして。
(あき恵)そうよ!もうお金遣いもほんまに荒くなって大変なんですよ!
(和子)まさかお店のお金…。
(あき恵)そうですよ!ええ〜仕事はせんわ金遣い荒くなるわ?
(勝則)そうやがな。
ただでさえ派手なのがええ言うてたやろ?それがやなあの女の子に感化されてしもうてファッションやアクセサリーやいうてもう無駄遣いばっかりしてんねん。
ほんで遊びほうけて毎日毎日出かけて…。
・ああ〜。
あはははっ!あははっ!
(あき恵)あっ。
ああ〜これはこれはヌードルショップの皆さん。
(勝則)誰がヌードルショップや。
そんな言い方すんなお前。
「うどん屋」でええねや。
派手な格好してなんやチャラチャラすんなお前。
(和子)千豊!その服脱いで仕事着に着替えなさい。
ばか野郎このやろうクソばばあ。
(勝則)おい!母親に向かってなんちゅうこと言うねん。
何言ってんだよ。
俺はさこんなヌードルショップで働きたくねぇんだよ。
これからはホストになるんだよホスト!
(勝則)ホストってお前…。
なんやええ格好ばっかりして…。
ホストになるためにささっき職安に行ってきたんだよ。
(勝則)なんで職安に行くんや。
ホストになるのに職安に行くんか。
そしたら「直接店に行け!ばか野郎!」って言われたんだよ。
(勝則)そらそうやろ。
なんでわざわざ遠回りしたんや。
職業だからさ!結婚するからよ。
(勝則)ええっ!?「ええっ!?」って…いいんだよばか野郎!おい向こうのガーリックも下がれ。
(あき恵)誰がガーリックや。
もういいよ。
おいこんなやつほっといてさ俺の部屋に行ってイチャイチャしようぜ安世ちゃん。
(安世)しよう〜!
(和子)ちょっとちょっと…。
イチャイチャしようぜ。
(池乃)イチャイチャってどの程度や!場合によったら見に行くぞ。
(和子)待て!
(勝則)楽しいんかいな…。
(池乃)いやそんなことはない。
(勝則)もう〜誰か怒ってくれる人おらん?ビシッと…。
懲らしめなあかんわ。
(烏川)じゃまするで。
(勝則)邪魔すんねやったら帰って。
(烏川)はいよ〜。
なんでやねん。
なんで帰らなあかんねん。
(勝則・あき恵)いらっしゃいませ。
(烏川)客やないねん。
(勝則)あっ…。
え〜っとご旅行ですか?お忍びで?
(烏川)別にお忍びやあらへん。
(勝則)お父さん今なんかロシアかどっかに行ってはる…。
ロシア?行ってへんよ。
後継者争い終わったんでもうごゆっくりされて?お前誰の話してんねん?えっ金正男さんでしょ?違うよ!違う違う。
(勝則)テレビで見たんですけどね。
(烏川)金正男やない。
何して…。
おい拍手をすな。
(勝則)あんな感じで…。
(烏川)あんな感じちゃうわ。
関係ない。
おい行進すな!行進すな!おい!
(烏川)いつまでやっとんねん。
そやから正男やない言うてんねん。
えっ何男?何男でもない。
(勝則)えっナムル?食べ物やないかそれ。
えっでも正男…あっ正恩?それ三男坊やろ?
(勝則)えっ何番目?長男や。
正男やん!違う言うてんねん!
(勝則)「正しい」「男」…「正男」と書いて「ジョンナム」さん。
そうや。
字はそうや。
そうでしょ?「正男」。
そうそう「正男」と書いて「ジョンナム」と読むけど俺は正男でも正男でもないねん。
えっ?日本人。
あっすみません日本の方ですか。
あっひょっとこ?違うよそれも。
ひょっとこちゃうって。
何してんねん?えっ「火男」と書いて「ひょっとこ」…。
読み方は合うてる。
あっそっちの方か。
だから違うって。
「火男」と書いて「ひょっとこ」と読むけどひょっとこでも火男でもないねん。
ほな正男?だからそれ「ジョンナム」やろ!ええ。
だから正男でもないねん。
ほな何男?いや男やないねん。
(勝則)ええ〜っ!?
(烏川)ちゃうちゃうちゃう!そういうことやない。
(勝則)おばちゃん?見に来るな!男や。
いやだからどう言うたらええねん…。
烏川いう名前あんねん。
あっ!えっ…烏川様?
(烏川)そうや。
それ先言っていただかないと。
言う間なかったやろお前!いろんな…。
いろんなの言うたのお前や。
どうでもええんや。
わしらな金融屋の者や。
(勝則)金融屋?ここに井上安世いう女おるやろ?出してくれ。
(あき恵)あっ彼女よ。
(勝則)ああ〜。
シャンパン買いに行こうぜ〜!
(安世)うん行こう行こう!
(烏川)安世!やっと見つけたぞ。
(安世)烏川さん…。
いつまでもコソコソ逃げれる思うたら大間違いやぞ。
はよ借金返さんかい。
借金?えっ?
(烏川)おいにいちゃん。
なんや?安世の彼氏か?うんそやけど。
わしらな安世のおやじに金貸しとんねん。
えっ?そのおやじがトンズラしてしもうたからな娘に払うてもらおうと思うてこうやって来たんや。
300万耳そろえて払うてもらおうか。
300万!?
(安世)そんなお金私には無理だって言ってるじゃないですか!おい借用書のな保証人の欄にあんたの名前が書いてあるんやけどな。
それはお父さんが書いたんです。
往生際の悪い女やで。
さっさと払わんかい!ああ〜失礼。
(勝則)また来たんですか。
(一の介)あっお取り込み中ですか。
何かありました?
(烏川)関係ない人間は口挟まんといてくれ。
わしらなそのにいちゃんの女の借金300万取り立てに来とるんや。
(一の介)えっ借金の300万?だからそんな大金すぐには払えません!
(一の介)ああ〜お困りですなぁ。
どうでしょうその借金私が立て替えましょうか?えっ?
(一の介)いやただしこちらのお店を売っていただくというのが条件ですけどね。
その話だったらお断りしました。
いやいやこの状況をね解決するにはそれがいちばんいい方法だと思いますけどね。
(勝則)はぁ〜…。
まっにいちゃん例えば一旦この土地売ってみてさくっと解決するっていうのもありっちゃありちゃう?
(勝則)なしやわあほ。
何勝手なこと言うとんねん。
おやじからもらった大事な土地売れるかぁ!
(烏川)あんたあのにいちゃんの兄貴か?
(勝則)はい。
(烏川)それだったら弟のために300万用意したれや。
(勝則)はぁ〜…。
(烏川)なんや?弟の女助けたくないんかい?
(勝則)いや…。
(烏川)こっちもいつまでも下手に出てへんぞ!
(一の介)ご主人悪い話じゃないと思いますけどね。
(安井)そうですよここを売ったお金で烏川さんの借金を返したとしても相当な金額が残るんですから。
ちょっとお待ちください。
ちょっとお聞きしますけどあなたこの人の名前が烏川さんってなんで知ってるんですか?
(あき恵)ほんまや!
(安井)いやそれはその…。
(烏川)それ以上しゃべるな。
それ以上しゃべったら俺らが全員グルやいうことバレるやろ。
あんたら全員グルか?なんで知ってんねん?
(勝則)あんたが言うたやん。
(安世)もう!ちょっとウーやん!
(勝則・千豊)「ウーやん」!?はあ?あの人のこと「ウーやん」?えっなんで?安世ちゃん。
もしかして知り合い?っていうかあの人らと安世ちゃんもグルとか言うんちゃうやろうな?なあ…なんとか言うてや安世ちゃん。
あぁ〜あ!もうちょっとだったんやけどなぁ。
えっ?
(安世)ふっ…。
そうよ。
私はあいつらの仲間よ。
えっ…。
(安世)うどん屋のあほな次男坊だまくらかして地上げのサポートするっていうのが私の役目だったのよ。
ちょっと信じられへんっていうか…。
えっ?ってことは借金300万あるっていうのは?うそに決まってるでしょ。
ええ〜!俺のこと好きって言ってくれたんは?
(安世)うそに決まってるでしょ。
ええ〜!俺の顔が福山雅治にそっくりって言ってくれたのは?
(安世)うそに決まってるでしょ!
(勝則)そのうそは分かるやろ。
何信じたらええねや。
全部うそかいな!そもそも私は面食いなの。
あんたみたいなやつとつきあうわけがないでしょ!ねえ〜!いやそれはええんかい!
(一の介)烏川さんもうこうなったらね力ずくで店を売るようにしてくださいよ。
(烏川)分かりました。
佐藤ちょっとびびらしたれ。
(佐藤)へい。
おいさっさと社長の言うとおりにせんかい!あんたなこんなことやってほんまにええと思ってんのか?今からでも遅くない。
足洗え。
(佐藤)なんやとこら。
やんのかい!「やんのか」とかちゃう。
俺の言うこと聞け。
やめて帰れ。
(佐藤)帰られへん言うてるやろ。
痛っ!お前…。
ええから落ち着けお前。
落ち着け!暴力とかしてる場合ちゃう。
なあ。
お前こんなことやっててええんか。
将来見据えて考えたらあんな悪いことするのやめた方がええんちゃうんか。
(佐藤)社長の言うとおりせぇや!痛っ!お前…。
ええから!ええから落ち着け。
カッとなるな。
すぐにそういうふうなことをする。
人間話し合いや。
なあ!どんなことがあったとしてもみんな同じや。
話し合えば通じるはずやねん。
(佐藤)ええから売れや!お前!ええから!暴力やめろ!
(佐藤)お前や!お前が暴力振るっとんねん!ははっ…。
何がおもろいねん。
人をさんざんどついて何がおもろいねんお前。
ええかげんにせぇやこら!
(勝則)ああ…えっ?
(和子)おやめなさい!
(佐藤)なんや。
(和子)「なんや」やありませんよ!親の目の前で息子が殴られて倒れて黙っとられますかあんた。
えっ!
(勝則)お母ちゃんやめとき…。
(和子)ええの。
こういうときは立ち上がらなほんとに…。
(佐藤)ばばあやるっちゅうんか。
(和子)やりましょうよ。
やるためにちゃんと準備してんねやないか。
えっ?なんやのその目つき。
いやらしい目つきして。
ははっ。
どうぞ。
(佐藤)何してんねん!ピュッ!ピュッピュッ!
(佐藤)ピュッピュすな!なんも出ぇへんやろ。
(和子)飛んだやろ。
(佐藤)出るかぁ!もうええからはよ直せや。
もうええの?
(佐藤)挟むなおい!痛くないんか?神経ないねん!
(佐藤)ないんかい。
神経のない乳見しただけや。
(佐藤)知らんわ!ええから下がってろ。
おい!どないすんねん!あの…。
おっちゃん。
(勝則)危ないで。
(池乃)チンピラが粋がるんじゃねぇ。
(佐藤)なんや?次はちっこいおっさんかい。
ふん!小さいおっさんで悪かったな。
今でこそ俺はクリーニング屋やっとるけど若い頃は文房具屋やっとったんや。
(佐藤)どうでもええわ!おっさんの経歴どうでもええねん。
悪い仲間に入っとったんじゃい!
(佐藤)ほ〜う。
(池乃)自慢じゃないけど人間も7人あの世へ送っとる。
(和子)えっ?
(佐藤)7人も殺したんか?みんな病気で死によったんや。
(佐藤)なんやねん!葬式出ただけやないか!
(池乃)お前をこの場であの世へ送ったってもかまわんぞ。
(佐藤)おもろいやないか。
(池乃)はははは〜!ははっ…ああ〜ははっ…俺の回し蹴りが受けれるか〜!?あ〜ははははっ!
(佐藤)何が楽しいねん!
(池乃)俺が1回転くる〜んと回ったらははっ…お前のこめかみが…ははっ砕けるで〜!あ〜はははっ!
(佐藤)何言うてるか分からんわ。
(佐藤)俺のこめかみここか?
(池乃)冗談も分からんのかい!
(佐藤)おら!おら!おら!バキ!バキ!バキ!
(佐藤)ボケ!カス!こら!よっしゃ今日はこれぐらいにしといたらぁ。
(烏川)なんや。
(勝則)よっしゃ今や!バシバシバシ…
(佐藤)あ痛っ!痛っ…。
(和子)おい!ちょっとぐらいお乳触ってくれてもええやろ!
(佐藤)触るかぁ!
(勝則)よっしゃ!観念せぇよ警察突き出すからな。
こんにちは〜。
(勝則)お巡りさんええとこに…。
こいつら捕まえてくださいよ。
(オクレ)なんですか?
(勝則)開発業者のやつですけどヤクザ使ってね無理やり…暴れるんですよ。
ほなお巡りさん呼んできますわ。
(勝則)あんたや。
おたくでしょ。
おい!お前ら逮捕する。
(一の介)おい逃げるぞ!
(あき恵)ああ〜!
(勝則)おいおい…。
ちょっと!逃げましたよ!待て〜。
走れ!
(あき恵)でも助かりましたね。
(勝則)ほんまやわもう。
(あき恵)千豊君大丈夫?うん…。
お前なほんまにええかげんにせなあかんぞ。
お前のせいでなこの土地取られるとこやったやないか!お前がフラフラしてるからつけ込まれんねや!気持ち切り替えて一から出直せ!兄ちゃん…そのとおりや。
ごめんな。
(和子・池乃)えっ?みんなも…ほんま悪かった。
今回のことはなほんまに反省してる。
俺もうすうす気付いとったんや真面目にせなあかんな思うて…。
そやけどてれくさいというか甘えてたというかな…。
これからは派手な生活なんか望まんとつつましく生きていくことを誓うわ。
ごめん。
(あき恵)よかったわぁ。
(和子)千豊…あんた今の言葉信じてええんか?お母ちゃんごめんな。
(和子)ありがとう〜。
もううれしいわぁ。
うぅ…こんなうれしいこと…。
よかったね。
ほんまによかったよかった。
千豊。
お店のために頑張ってちょうだいよみんな期待してるんやから。
真面目にするわ。
(和子)ああ〜そうか。
こういういい結果になった…そういう教訓を頂いたあの方にも感謝せないかんよ。
「あの方」?
(和子)あの方ですがな。
あの方に感謝しなさい神様です。
えっ?神様に感謝しましょう。
神様ありがとうございます神様。
神様〜〜〜!
(和子)ありがとうございます。
あなたの御心でこんなすてきな結果が生まれました。
本当にありがとうございます。
息子は立ち直れそうです。
本当にありがとうございます。
それにも増してうれしいのは神様…神様もご覧になってお分かりでしょう。
こんなにたくさんの方に吉本新喜劇を見ていただいております。
本当にうれしいかぎりです。
これからも吉本新喜劇みんなで力を合わせて一生懸命頑張っていくつもりです。
ご来場の皆様そしてテレビをご覧の皆様どうか末永く温かいご声援で吉本新喜劇を見守ってやってください。
このとおりよろしくお願い申し上げます。
(和子)ありがとうございます。
ありがとうございます。
なんと言ってお礼を言えばいいんでしょうか…。
ううぅ…。
ご静聴ありがとうございました。
(池乃)えっ?
(勝則)えっ?いやいやでも伝わったと思うで。
でもななんにしても一件落着や。
そうそう。
しっかり仕事頼むぞ。
よっしゃ頑張るわ。
ほんでななんかこんなんもあほらしくなったし派手な女の子にもこりごりやわ。
もうそろそろ身ぃ固めてなそれこそお母ちゃんの言うとおりおとなしい女の子と結婚して幸せな家庭つくるわ。
(勝則)ほんまか?おい。
おっちゃん。
今更ながらやけどちょっと珠代さんとデートさせてもろうてええかな?えっ珠代でええんか?あの子だったらええ子やしな派手な生活も望まへんしぴったりかなと思って。
いやいや気持ちは十分ありがたいんやけどな珠代のやつなちょっとあの…雰囲気変わりよったんや。
雰囲気?はあ?気に入ってもらえるか…。
ちょっと呼ぶわ。
珠代!珠代〜!・
(珠代)は〜い!はいはいは〜い!ええ〜!
(珠代)はいは〜い。
(池乃)派手なんが好きや言うたやろ?派手すぎるがなこれ。
いや〜ん!
(勝則)なんや分かれへんやんか。
はるな愛やんか。
2014/12/25(木) 09:55〜10:50
MBS毎日放送
よしもと新喜劇[再][字]【「僕のカノジョを紹介します」】
「僕のカノジョを紹介します」
詳細情報
お知らせ
この番組は2011年10月8日に放送されたものです。
出演者
小籔千豊
内場勝則
池乃めだか
桑原和男
浅香あき恵
島田珠代
ほか
ジャンル :
劇場/公演 – 落語・演芸
バラエティ – お笑い・コメディ
福祉 – 文字(字幕)
映像 : 1080i(1125i)、アスペクト比16:9 パンベクトルなし
音声 : 2/0モード(ステレオ)
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