シリーズ世界遺産100「フランドルのベギン会修道院〜ベルギー〜」 2014.12.25


(テーマ音楽)
(江守徹)13世紀に女性の社会進出を目指しベギン会が生まれました。
神に仕えながら彼女たちが求めたものは封建社会からの自立でした。
ベルギーフランドル地方にあるブリュージュです。
中世の面影をとどめた古い建物が軒を連ねその横を流れる運河に観光船が行き交います。
運河に架かる橋の先に重厚な門があります。
門の中に歩入ると静かな世界が広がります。
緑の木立に囲まれたベネディクト修道院です。
修道女たちが神に仕える生活を送っています。
しかしかつてここはベギン会の女性たちが暮らす修道院でした。
ベギン会が生まれたのは13世紀。
創設したのはこの地方の貴族フランドル伯爵夫人です。
中世女性は従属的な生き方を強いられ人生の選択肢は限られていました。
ベギン会はこうした女性たちの自立を助ける修道院として生まれたのです。
ベギン会の日はミサから始まります。
日中は自立のためにレース編みの作業をしたり家事の手伝いや家庭教師の仕事で町へと出ていきました。
従来の修道院とは違い世俗の中で働くことが許され財産の所有も認められていたのです。
ベギン会は女性の新しい生き方としてヨーロッパ各地に広がっていきました。
当時使われていた生活用品です。
生活は決して貧しくはありませんでしたがあくまでも質素で虚飾を慎むことを旨としていました。
施療院今でいう診療所です。
病人や老人の身の回りの世話だけでなく貧しい人への救済も行われていました。
奉仕する彼女たちの姿が絵に残されています。
ベギン会は福祉団体としての性格を強く帯びていきました。
ベギン会のマルセラさんは生涯を病人の看護にささげてきました。
幼い頃から目が不自由でしたが20歳の時にベギン会に出会い自立の道が開けたのです。
20世紀に入ると女性の社会進出が進みました。
ベギン会はその役目を次第に終えていきます。
フランドル地方には13のベギン会の建物が世界遺産として残されています。
今そこにベギン会の女性の姿を見つけることはできません。
さまざまな境遇を背負った女性たちが自立を目指してひたむきに生きた時代。
その記憶をとどめた町は静かに昔を語り続けていくのです。
2014/12/25(木) 04:15〜04:20
NHK総合1・神戸
シリーズ世界遺産100「フランドルのベギン会修道院〜ベルギー〜」[字]

自立をめざした女性たち ▽文化遺産 【語り】江守徹 【テーマ音楽】久石譲

詳細情報
番組内容
自立をめざした女性たち ▽文化遺産 【語り】江守徹 【テーマ音楽】久石譲
出演者
【語り】江守徹
音楽
【テーマ音楽】久石譲

ジャンル :
ドキュメンタリー/教養 – 歴史・紀行
ドキュメンタリー/教養 – カルチャー・伝統文化
ドキュメンタリー/教養 – 自然・動物・環境

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