(一之瀬)ハシバの製品は売れなくなってしまった。
でもハシバのテクノロジーはまだまだ世界で勝てる。
(松木)君たちに会社の再生プランを考えてほしい。
現地で製造できないなら設計をライセンスすればいい。
松木氏の代表取締役解職を提案します。
これがあなた方のやり方か。
君は5人の取締役を味方につけ私を社長にもう一度就任させる。
そしてライセンスビジネスで会社を再生させるんだ。
瀧さんあなたが本社の役員に迎えられたのは島田がつかんだ不正経理のネタのおかげですよね。
それもあんたが手回したんだろ!一之瀬。
イスミ製造との交渉どうなってる?もう一押し頑張ります。
トランジスタ絶対に15円を割るな。
今までの12円じゃ売り上げの減少に歯止めがかからん!分かってます。
行ってきます。
(掛川)松金電機へのTOB資金は250億。
一株でも多く買い集めろ!
(一同)はい。
(掛川)まさかお前が日本に残るとはな。
思うところがあってね。
いつも何を調べてるんだ?まあお前が顧問になってくれて助かってる。
多少の事は多めに見るか。
持つべきものは大学時代の悪友だな。
ハハハハハ…。
ご迷惑を承知でなんとかお願いします。
(井澄)何度来てもらっても駄目なもんは駄目なんですよ。
先日御社の社史を読ませて頂きました。
創業30周年の時のか。
はい。
5年前倒産の危機の中技術畑出身の井澄社長が陣頭指揮を執って社運を懸けて開発された太陽光発電計測器が大当たり。
赤字からのV字回復は業界での伝説だそうですね。
死に物狂いだったからなあのころは。
社長のものづくりへの姿勢尊敬しています。
しょうがない。
いいよ一個15円で。
よろしいんですか?そこまで言われちゃ断れない。
ありがとうございます。
懐かしいな。
このころはうちの瀧もよく伺っていたんでしょうか。
どうだったかな。
(ノック)
(神山)失礼します。
あっ失礼しました。
(井澄)ああちょっと待て。
すまんね。
ひずみ計か?はい。
最終チェックをお願いしたくて。
本当か?お忙しいようなので私はこれで。
悪いねバタついて。
今度飯でも行こう。
ありがとうございます。
あっ…ひずみ計って何ですか?地盤の伸び縮みを高感度で観測できる装置です。
今うちで力を入れて開発してる製品なんです。
そうなんですか。
瀧について何か分かったか?いえまだです。
井澄社長に瀧さんの事を話してもいつもはぐらかされてしまって。
瀧は5年前ハシバの金を不正融資してまで倒産しかけたイスミ製造を救ったのは間違いない。
(吉田)うちのスタッフにその後5年間の瀧と井澄の関係を調べさせましたが何も出ませんでした。
瀧は裏金の事実を知っている君を目障りに思っているはずだ。
瀧から目を離すな。
この度はおめでとうございます。
(瀧)ああありがとう。
先日は失礼な事を言ってしまい申し訳ありませんでした。
瀧さんのおっしゃるとおり島田はやはり追い詰められてあのようなうその手紙を書いたんだと思います。
もういい。
気にするな。
これからも私の力になってくれるか?もちろんです。
お役に立てるよう頑張ります。
(井岡)では初めに新たな代表取締役に選任されました羽柴浩伸新社長ひと言お願いします。
(羽柴)え〜羽柴でございます。
これからも羽柴の伝統を守り精進してまいる所存でございますので何とぞよろしくお願いします。
(井岡)ありがとうございました。
では本日の議題ですが…。
(加賀)ああ井岡さん。
瀧君が今日初めての取締役会です。
ああそうでした。
瀧君ご挨拶を。
瀧でございます。
よろしくご指導頂きますようお願い申し上げます。
(御園)期待しています。
はっ!では来年発売の次世代型テレビFビジョンの海外展開に関する議題に入りたいと思います。
ごめん遅くなって。
(番場)すいません急に呼び出して。
いや。
(小宮)こうして集まるのも久しぶりだな。
(安城)このところ社内も騒がしかったからな。
(志桜里)ビールでいいですか?ああありがとう。
今夜はとことん飲もう。
…でいいんだよな?番場。
何か言いたい事でもあるの?もう一度みんなで頑張れないっすか?頑張るって…もうライセンスビジネスは潰されたんだろ?なぜ松木社長は解任されたんですか?松木社長が役員会を無視して突っ走ったって会社でも世間でも批判されてるけどライセンスビジネスはハシバ再生の切り札だったはずです。
なのにいきなり解任なんておかしいっすよ。
知りたいんです。
どうして松木社長があんな理不尽な辞めさせられ方をしたのか。
どうしてあの計画が潰されたのか。
もうライセンスビジネスは諦めなくちゃいけないのか。
一之瀬は取締役会に出ただろ?何か知らないか?どうした?諦める事ないよ。
何か知ってるんすか?知ってる事があるなら言って下さい。
僕にとっては大事な事なんだ!この計画が駄目になってから何に希望を持ってこの会社にいたらいいのか分かんないんだよ!分かったよ。
全部話す。
この話を聞いたら今後一切俺に関わらないで下さい。
(最上)少しは慣れたか?いえ…まだ。
フフッ。
初めて君に会った時は驚いた。
(瀧)部下がハシバ営業サービスの過去5期分の財務諸表契約書類を調べて気付きました。
子会社の製造コストの金額が操作された痕跡があります。
これはどういう事でしょう。
本当なら利益はその15倍のはずです。
告発する気かね?いえ私はこんな書類は知らないですし口外する事は決してありません。
ハシバグループがこのような事をするのは何か深い理由があるのではないでしょうか。
私にもそのお手伝いをさせて頂けないでしょうか。
必ずお役に立ちます。
(最上)君が調べたようにハシバの裏金は本社と子会社との取り引きの陰で作られてる。
だが今のハシバの経営状態では裏金作る事は徐々に難しくなってる。
君は何か新しい方法で金を作ってみてくれ。
やってくれるか?遅くにすまない。
君に頼みたい事があるんだ。
ごめんな。
あんまり見舞いに来られなくて。
(美砂子)平気平気。
全然元気だもん。
先生もいい治療法考えてくれてるしなんとかなるって。
大丈夫。
美砂子は治る。
絶対。
ごめん。
私の番だね。
え?この流れでここ?勝負の世界は厳しいの。
参ったな。
完全に手詰まりじゃん。
目の前の道が塞がれても別の道がある。
え?諒私がへこんでるとよく言ってくれるよね。
だから私もそう信じる。
必ず別の道がある。
一之瀬。
はい。
経理でイスミ製造がウチダテクニカルと合併したって聞いたぞ。
本当か?何も聞いてませんが。
何で担当のお前が知らないんだ!とにかくすぐにイスミに行って確認してこい。
はい!合併は本当です。
そうですか。
すいません。
何も伺っていなかったので慌ててしまいました。
一之瀬さんどういう事ですか?え?ウチダテクニカルとの合併に当たってお互いの取り引き状況を照らし合わせたんです。
そしたらあのトランジスタうちには15円で買わせてウチダには12円で買わせてるじゃないですか。
ほかにもうちの方が高い価格で買わされている製品が山ほどあった。
この件はきちんと調べて対応させて頂きます。
その必要はない!調べて頂いてもうちがハシバに損害を与えられていた事実は変わらない。
お願いします。
詳細を調べる時間を下さい。
いや!イスミ製造はハシバ本社に賠償金を請求します。
(羽柴)今回は価格の差によってイスミ製造に生じた不利益に対し賠償金の請求に応じるべきか否か是非を問いたいと思います。
(塩崎)1億ですか…。
1億円の支払いに賛成の方挙手を。
(羽柴)では満場一致によってイスミ製造への賠償金の支払いを可決します。
言っただろ。
俺に関わるなって。
とにかく来て下さい。
役員会の決定はおかしいと思います。
販売価格の違いなんてよくある事だ。
取引先に知られて嫌な顔されたりこじれて裁判になる事もある。
でも1億なんて考えらんない。
お前が地方に飛ばされるってうわさもある。
恐らくそうなると思います。
何でお前一人が責任取らされるんだ。
上司の指示で動いただけなのに。
心配かけてすまない。
でもこれは俺一人の問題です。
井澄社長!何のご用ですか。
今回の合併瀧はいつから存じ上げていたんでしょうか。
私は瀧さんとあなたに陥れられた。
違いますか?合併なんて大がかりな事して瀧さんの本当のねらいは何ですか?君に話す事は何もない。
帰ってくれ。
(神山)社長!どういう事ですか。
どうしてひずみ計の開発が中止なんですか。
ウチダ側からの取り決めだ。
しかたないだろ。
こんな決定納得できません。
私だって諦めたくないよ!だがこの開発中止は合併の条件だ。
内田社長を説得できるひずみ計で利益を出すプランがない以上諦めるよりほかないんだよ。
松木君はどうしていますか?私は何も存じません。
申し訳ありません。
そうですか。
ごめんね。
瀧は一体何をたくらんでるんだ?井澄社長は何かを知っているはずです。
でも井澄は瀧に恩があるんだろ?井澄をこっちの味方につけられるような交渉材料なんてあるのか?ひずみ計。
ひずみ計?井澄社長が社運を懸けて開発に取り組んでいたのがひずみ計です。
合併の条件としてウチダから開発の中止を求められたらしいんですが井澄社長は諦めきれてないらしくて。
ひずみ計の開発を復活させられたらもしかすると…。
ひずみ計の開発を復活させるプランが必要だって聞きました。
利益が低いのが中止の理由なら利益を大きくする方法を考えればいいですよね?私たちも手伝います。
大丈夫。
自分でなんとかする。
一之瀬さんが潰されたらライセンスビジネスの復活もなしになるから言ってるんですよ。
私もこの封建的なハシバで女子が上に行くには一之瀬さんに専務たちをやっつけてもらうのが手っ取り早いかなって。
安城さんと俺はこの2人があんまりにもしつこいから今回限りのお手伝いだよ。
ねえ安城さん。
まあ役に立つか分かんないけど。
一之瀬さんのためじゃない。
自分がやりたいからやるんです。
よろしくお願いします。
もう勘弁してくれ。
今日はこれをお渡しに来ただけです。
御社で開発途中だったひずみ計を事故や災害時以外にも活用するビジネスプランを立ててみました。
ひずみ計を構造性能評価モニタリングシステムとして活用するんです。
これで地震や老朽化で建物に発生したクラックをモニターすれば火災保険や地震保険と組み合わせて補償の範囲を決められ大きなビジネス展開ができる。
これで早期に黒字転換できます。
よろしければご検討してみて下さい。
ウチダとの合併の取り決めはもう終わってるんです。
こんなものもらっても何にもならないんですよ!これはすばらしいアイデアです。
ありがとうございます。
でも内田社長はイスミのひずみ計には興味がないですから。
うちの井澄社長だって合併後の新会社の経営戦略作りに夢中なんです。
コンサルティング会社に5,000万もつぎ込んで…。
コンサルティング会社に5,000万も払ったんですか?ええ。
確か海信コンサルティングとかいったかな。
海信コンサルティングの所在地を訪ねましたが会社は存在しませんでした。
(吉田)架空会社か…。
ハシバの取引先に確かそんな名前の会社があったな。
キックバックですか?恐らく。
ハシバはイスミに1億円を支払ってそこから5,000万円を戻させたんだ。
瀧は最初からそうして裏金を作るつもりだったんだろう。
あの不自然な1億円の支払いは役員会も裏金作りだと知っていて加担したって事ですか?そうでなければあんなに簡単にイスミに1億円が支払われる事はなかっただろう。
何か証拠があれば…。
イスミの所に何かあるかもしれませんがそれを井澄社長から手に入れる事は不可能です。
打つ手なしか。
すいません。
(志桜里)瀧さんの事で耳に入れておきたい事があって。
何?瀧さんは今新型テレビの新興国への販路拡大の方法について急ピッチで部下に調べさせています。
Fビジョンか。
瀧さんが重点的に調べさせているのは中国の現地業者への賄賂です。
賄賂?ありがとう。
また何か分かったら教えて。
瀧さん中国への賄賂工作を考えているようです。
中国か。
(吉田)何か心当たりがあるんですか?今TOBを検討している松金電機という会社が同じように賄賂工作を進めてるんだ。
その中国側の仲介人が松金電機以外にもう一件別の日本の企業と賄賂の受け渡しを話し合ってるらしい。
瀧さんは5,000万円を賄賂に使うって事ですか?その可能性は高いな。
すぐに詳細を調べる。
「やはり瀧とその仲介人は接触するようだ。
仲介人の名前は宋。
彼は来週来日する。
月曜の朝日本に到着し土曜の朝帰国する。
宋はいつも決まって演劇の夜公演が行われる劇場を賄賂の受け渡し場所に指定する。
来週月曜から金曜までの瀧のスケジュールを調べて受け渡しの日時と場所の特定をしてくれ。
受け渡しの現場を押さえてキックバックの事実をその場で認めさせるんだ」。
(ノック)うちの一之瀬がまだ君を訪ねているそうだね。
もう大丈夫です。
ちゃんと追い払いましたから。
彼は何か言ってたか?今回の件が瀧さんと私が仕組んだ事だとつかんでいました。
この分だと例の受け渡しの情報も知ってるんじゃないですか?
(瀧)心配ない。
ちゃんと手は打ってある。
いいよお祝いなんて。
・いえいえ是非やらして下さい。
島田の事があってお祝いできませんでしたので。
来週あたりご都合いかがですか?金曜日なら大丈夫だが。
では金曜の夜7時開始でお願い致します。
では失礼します。
はぁ〜…金曜がいいって。
課長を使ってしまい申し訳ありません。
来週の瀧さんのスケジュールですか?うん。
秘書室の洋子ちゃんなら分かるかと思ってさ。
分かりますけどどうしてですか?うちの部長が瀧さんとお近づきになりたがっててさ行きつけの店とか知りたいらしいんだよ。
こっそり教えてもらえないかな?瀧の秘書の平井と申します。
お問い合わせ頂いた瀧へのインタビューの日取りですが…。
・
(秋山)ありがとうございます。
今度の月曜日19時あたりはいかがでしょうか。
(秋山)月曜日。
はい。
よろしくお願い致します。
ハシバの瀧さん月曜19時アポ取れました。
そろそろカードがそろったかな。
待たせたね。
ご無沙汰しております。
吉田さん番場君と高根沢さんです。
どうも吉田です。
本当にあの吉田さんなんですね。
で瀧のスケジュールは?はい。
月曜は吉田さんの取材。
火曜は経済研究会の会食。
水曜木曜は不明。
金曜はハシバ営業サービスの人間と役員就任祝です。
これでいくと受け渡しは水曜か木曜か。
場所は?まだ特定できていません。
月曜の取材で手がかりつかむぞ。
分かりました。
それは貴重なお話でしたね。
では瀧さんのご活躍これからも期待してます。
ありがとうございました。
ありがとう。
(ディレクター)はいOKです。
ありがとうございました。
(秋山)上に席をご用意しますので一杯いかがですか。
(瀧)ではお言葉に甘えて。
貴重品だけで大丈夫ですよ。
鍵を掛けて出ますから。
分かりました。
あっ携帯忘れた。
先に行ってて下さい。
いいぞ。
あった。
「水曜19時銀座明光倶楽部富田化学矢島専務会食」。
何だ?この「椿」っていうのは。
さあ…。
誰かの名前か店の名前かな。
吉田さん。
これだな。
そうか木曜日か。
すぐに同じ公演のチケットを押さえる。
ご苦労だった。
いらっしゃいませ。
あの人だ。
あの〜矢島洋二郎さんでいらっしゃいますよね。
この本を書かれた。
(矢島)そうですが。
大手町の講演伺いました。
実務の話がすごい分かりやすくて。
あっリリーちゃんの話面白かったです。
それはありがとうございます。
あの〜サインお願いできますか?いいですよ。
今日はお仕事でここに?いや古くからの知人と会うんです。
遅れるって連絡があったんで。
そうですか。
ありがとうございます。
どうでした?知人に会うらしい。
瀧さんの事だろう。
じゃあ今日も予定どおりですね。
・いらっしゃいませ。
経理の種田部長。
え?あの〜。
ああさっきの。
申し遅れました。
私ハシバ営業管理部の一之瀬と申します。
(矢島)ハシバの方だったんですか。
すいません。
種田経理部長をお見かけしたので。
(矢島)彼は私の講演に来てくれたそうでね。
実は私に矢島さんの著作を教えて下さったのは役員の瀧さんなんです。
種田部長をお見かけしたのでもしかしたら瀧さんもご一緒かと思いまして。
瀧さんも見えるはずだったんですけど。
いらっしゃらないんですか?
(種田)すいません。
急な用事という事で。
何ですかね急な用事って。
まさか…。
もしもし。
(瀧)私だ。
君のデスクにプレゼントを用意した。
これ明日の受け渡しの…。
やられた。
クッソ!申し訳ありません。
今はどう巻き返すか考えよう。
もう一度井澄社長を説得してみます。
井澄を?井澄社長からキックバックの証拠をもらうんです。
不可能なんじゃないのか?でも…今できる事はこれぐらいしかありません。
もう一度あのプランを?ああ。
井澄社長に見てもらおうと思ってる。
でも同じもの持ってっても駄目だと思うんだよな。
(小宮)あれ以外のプランなんて考えつかないな。
目の前の道が塞がれていても別の道がある。
何ですか?それ。
嫁さんが言ってたんだ。
俺がよく使う言葉だって。
遅くなってすいません。
秘書室に届け物があって。
こっちこそ昼休みにごめん。
あの〜関係あるかは分からないんですけど私役員フロアで「椿」見つけたんです。
見つけた?役員フロアに椿の花の絵が飾ってあったんです。
で聞いてみたら椿は御園会長の好きな花なんですって。
日陰でも咲いてガクを残して一気に落ちて散るのが潔いって。
お見舞いに持っていくと縁起が悪いっていわれてますけど。
いいんじゃない?受け取る人がいいと思えば。
受け取る人…。
どうかしました?そうか…。
どうしたんすか?椿を好きになってもらえばいいんだ。
(神山)一之瀬さん!急いで下さい。
会議始まってます。
(内田)ではこれで最終確認という事でよろしいですね?結構です。
(ノック)失礼します。
一之瀬さん!私ハシバ営業管理部の一之瀬と申します。
同じく製品開発部の番場です。
ここは君たちの来る所じゃない。
早く出ていってくれ。
神山!これはイスミウチダ両者にとって大きな利益を生む重要なお話です。
内田社長はイスミさんとの合併の取り決めでひずみ計の開発の中止を求められたと伺っています。
ええ。
合併するに当たっては利益の見込みの低い事業は切り捨てておくべきですから。
ですがひずみ計の開発をやめたら合併後の御社は大きなビジネスチャンスを逃す事になります。
ウチダテクニカルでは高性能のスポーツ用インナーを製造されています。
ですが売り上げは思わしくありません。
資料をご覧下さい。
イスミさんの光ファイバーを使用したひずみ計の技術をウチダさんのスポーツ用インナーに応用すれば体に直接取り付ける医療機器すなわちウエアラブル測定器の開発が可能になります。
それはイスミのひずみ計の技術がなければ実現できないものです。
ウエアラブル端末は今後市場が6,000億円規模まで拡大する見込みです。
イスミの技術をもってすれば他社に先んじてトップシェアを狙える可能性があります。
内田社長。
そのためにもひずみ計の開発を復活させて頂けないでしょうか。
突然来て何を言いだすんだ。
会議の邪魔だ。
出ていってくれ。
おはようございます。
一之瀬さん。
瀧さんの秘書の方から連絡があって瀧さんが会いたいとおっしゃってるそうです。
何かご用でしょうか?君も私に盾ついたところで得にならない事が分かっただろう。
今後は余計な事は考えず職務にまい進してくれたまえ。
これは余計な事はするなという脅しですか?では気を遣わずにはっきり言おう。
君はもう終わりだ。
瀧さんに大事なお願いがあります。
お願い?どういうつもりだ?こんな所に呼び出して。
どうしてあなた方が?私の協力者です。
すいません。
インタビューまでさせてもらって。
ここがどこだか分かりますか?島田が首をつったビルです。
瀧さんあなたは手帳の受け渡し日に「椿」と書きましたよね。
椿は御園会長がお好きな花です。
「椿」とあなたが書かれたのは御園会長への忠誠心。
悪事に手を染めるのも全て御園会長のため。
そういう意味ではないかと私は思いました。
あなたのその忠誠心を役員たちは利用した。
あなたはミッションを無事に完了させたと思っているかもしれないがこれは役員たちが仕掛けた罠だ。
罠?ハシバの役員たちはもしもあの賄賂工作が摘発された時はあなたが首謀者だと全ての罪を押しつけようと考えている。
フッでたらめを言わないでくれ。
中国に帰った仲介人の宋を追いかけて聞き出した確かな情報です。
あなたはだまされていたんです。
あなたが5,000万円のキックバックを受け取った時井澄社長に渡した領収書です。
(瀧)どうしてそれを君が持ってるんだ?井澄社長から頂きました。
井澄が?井澄社長はキックバックは確かに行われたと証言してもいいと言ってくれています。
言い逃れできませんよ。
あなたの忠実な部下は一之瀬の味方についたんです。
君たちの行為は役員会に報告する。
この事は役員たちも承知の事だ。
君がどこへリークしようとハシバが全力をあげてもみ消す!いやあなただけが悪者にされますよ。
あなたをだました役員たちはあなたの事を守ろうとはしない。
瀧さんも分かってるんじゃないですか?嫌というほど分かってる。
子会社の人間なんて本社の人間からしたら使い捨てのパーツにすぎない。
私が管理職になったばかりの頃だ。
営業の時大口の顧客より個人の顧客を尊重して本社の人間から利益損失だと罵倒された。
個人の顧客も変わらず尊重するのがハシバの伝統だ。
本社の人間たちは何も分かってない!ハシバの精神を理解せず損失を拡大している今の役員たちの無力がずっと許せなかった。
いつか本社に行き御園会長の傍らでハシバの改革を行うのが私の目標になった。
そして島田が裏金の証拠を見つけてきた。
まさか死ぬなんて思わなかったんだ。
ふざけんな!島田はあんたを信じてた。
裏切られて追い込まれてあいつは行き場を無くしたんだ!私たちが今回の事を公表すればあなたは社会的地位を失う。
そうなりたくなかったら我々に協力して下さい。
俺は8人の取締役のうち過半数の5人を味方にし今のハシバを変えるつもりです。
あなたがその1人目だ。
ハシバの技術を世界規模でライセンスして収益を出すんです。
これがハシバの未来を切り開くと思っています。
ライセンスなんて子会社を切り離す口実じゃないか。
子会社の人間はどうなってもいいのか?瀧さん。
あなたの立場は少しも盤石じゃない。
いつ不正の首謀者として首を切られるかも分からない危うい存在だ。
我々に協力してくれるなら我々もあなたをできる限り守ります。
俺は島田を死に追いやったあなたを一生許せない。
でもハシバを救いたい気持ちはきっと同じだ。
お前に俺の気持ちが分かるか?お前に俺の気持ちが…!どうするかはあなたが決めて下さい。
ありがとうございました。
いやいやこちらこそ。
一之瀬さんのおかげでもう一度内田社長を説得しようという気になりました。
いえ私は提案をさせて頂いただけです。
しかし一之瀬さん大丈夫なんですか?こんな事して。
異動になるといううわさを聞きました。
ご心配なさらないで下さい。
瀧さんは昔は取引先の立場を理解していつも我々を助けてくれる人でした。
瀧さんが昔に戻ってくれればいいんですが。
(部長)一之瀬異動の内示だ。
本社の秘書室に行ってもらう。
秘書室ですか?今回の件で一之瀬一人に責任を問うのはおかしいと瀧さんが役員たちに言って下さった。
感謝しろよ。
(瀧)私に裏金の仕組みを教えたのは最上だ。
(瀧)本社と子会社の取り引きの陰で裏金が作られているという事以外私は何も詳しい事を知らない。
だが最上は私の知らない事を知っている。
裏金はハシバのために使われる金だ。
私がお前に教えてやれるのはそれだけだ。
(ノック)
(三雲)失礼致します。
役員会開催の前に本日配属されました新任の秘書をご紹介させて下さい。
営業管理部より異動してまいりました一之瀬諒です。
何とぞよろしくお願いします。
あっ。
その手があったか。
フフフ…。
おかしいのよね。
何がですか?松木さんいくら調べても中学生までの記録がないの。
たまたまじゃないですか?何か引っ掛かるんだよなぁあの人。
(チャイム)
(寿々子)お帰りなさい龍之介さん。
ただいま。
最上専務。
何だ?一之瀬です。
よろしくお願い致します。
やる気のある若手が来てくれてうれしいよ。
頑張りますのでよろしくお願い致します。
それで君はここに何をしに来た?役員たちに絶対服従を誓えないのなら今のうちにここから去った方がいいよ。
・「君と見つめていたあの赤い夕陽が」・「冷たい朝陽に変わり」・「そっけなく僕を照らす」・「『こんなはずじゃない』」・「そんなことは一度や二度じゃない」・「誰かを守るために傷つけあう」・「涙も枯れて力も尽きて」・「途方に暮れて」・「それでもどこか出口を見つけ」・「歩いて来たんだよ」こんにちは〜赤ちゃ〜ん!2014/12/06(土) 00:25〜01:23
NHK総合1・神戸
土曜ドラマ ダークスーツ(2)「技術者たちの勝利」[解][字][再]
一之瀬(斎藤工)はハシバグループが本社と子会社のあいだの仕事の受注発注の陰で裏金を作り続けていたことを知る。一之瀬は瀧(榎木孝明)を抱き込むため、彼に近づき…。
詳細情報
番組内容
一之瀬(斎藤工)はハシバグループが本社と子会社のあいだの仕事の受注発注の陰で裏金を作り続けていたことを知る。かつての自分の上司である瀧(榎木孝明)もまた裏金の事実を知り、口外しないことと引き換えに本社の取締役の座を手に入れる。一之瀬は8人いる取締役の過半数である5人を自分の味方につけることで、ハシバを変えようと決意する。一之瀬は瀧を打倒するために変わらぬ忠誠を誓いながら彼に近づき、そして…。
出演者
【出演】斎藤工,満島真之介,倉科カナ,市川由衣,大鶴義丹,神保悟志,戸次重幸,榎木孝明,大杉漣,石丸謙二郎,柴俊夫,大和田伸也,深水三章,竜雷太,石丸幹二
原作・脚本
【作】荒井修子
ジャンル :
ドラマ – 国内ドラマ
映像 : 1080i(1125i)、アスペクト比16:9 パンベクトルなし
音声 : 2/0モード(ステレオ)
日本語
サンプリングレート : 48kHz
2/0モード(ステレオ)
日本語(解説)
サンプリングレート : 48kHz
OriginalNetworkID:32080(0x7D50)
TransportStreamID:32080(0x7D50)
ServiceID:43008(0xA800)
EventID:21570(0x5442)