亀田音楽専門学校 第12回「サビサビ大作戦」 2014.12.25


J−POPの名曲に隠された秘密を解き明かす亀田音楽専門学校。
ゲスト講師は…今回は名曲のサビの仕組みを分析しながらサビの作り方を学びます。
そして「亀さんぽ」のコーナーでは日本で唯一のレコード工場を訪ね番組テーマ曲をレコードにします。
更に…それでは亀田音楽専門学校開講です。

(拍手)こんばんは。
亀田音楽専門学校校長の亀田誠治です。
どうぞよろしくお願いします。
助手の中村慶子です。
そしてピアノ演奏は助手の斎藤有太さんです。
(拍手)よろしくお願いします。
そして前回に引き続きゲスト講師はクレイジーケンバンドの横山剣さんです。
よろしくお願いします。
(拍手)亀田音楽専門学校。
この番組のテーマはズバリ「J−POP」です。
私たちが愛してやまないJ−POPは音楽のあらゆる魅力が詰まった総合芸術です。
この番組ではJ−POPがなぜ人々の心を捉えるのか時代を彩った名曲を題材にその核心に迫っていきたいと思います。
さあ校長今回のテーマは?さあ今日はいくよ!いきますか!来ましたね大作戦。
大作戦俺好きだね!でもそもそもこのサビって何なんですか?これね諸説あるの。
いろいろあって昔先輩にねワサビのサビだよと言われたの。
え〜?ワサビ食うとツンと来るだろ?それがサビなんだよって言われたけどそれ怪しい。
イマイチ腑に落ちないです…。
俺は全然腑に落ちてない。
でもサビとは僕は曲の一番の聴かせ所というふうに思っているけど。
グッとこうギヤが入る所ですね。
今日はこの大作戦なんですか?そうなんです。
まあある意味サビの作り方教えますよみたいな。
分かっちゃうんですか?はい。
そんな感じでいきたいと思います。
そんなサビ作りに欠かせない3つの大事な要素があるんです。
亀田校長が考えるサビに欠かせない3つの要素がこちら。
まずはサビの高い音が印象的なこちらをお聴き下さい。
サビっぽいよねこの…。
サビに欠かせない1番目の要素「高い音」。
高い音ってねよく届いて埋もれないんだよ。
いろんな周りの音が鳴っていても。
例えばさ居酒屋とか行くとさ「生ビール一丁!」とかって言うでしょ。
あれさ「生ビール一丁」って言わないでしょ?確かに。
厨房に向かって言わないですよね。
あとはあの…。
電車とか。
「次はどこそこ。
どこそこでございます」。
どこそこ!でもそうだね。
何かすごい渋い声で「次はどこそこ。
どこそこ。
吐息が混じっております」とかありえないもんね。
どこ行くんですかって感じですもんね。
この曲本当によく出来てて入り口のこの…。
ここも「こなゆき」なんですね。
そう歌詞はさ同じでござるのよ。
ござるんですね。
はい。
これちょっとAメロ弾いてもらっていい?いろいろあってサビに来ると…。
この音のこのねこれからオクターブ。
この上がるこの音の高低差。
すごい上がってますね。
そう。
これがやっぱりドラマを生むんだね。
何かもうここで既にちょっと悲しいというか切ない気持ちになってるんですけどここですごい心情爆発という感じがしますね。
そう。
爆発させるためには…いい事言った!中村君。
爆発させるためには高い声でカ〜ンと出さないとやっぱり届かないんだね。
あとは歌い手さんとしては高い声を出す時って声を張りますよね?はい。
ちょっと何か剣さん自慢の…。
・「俺の話を聞け!」
(拍手)アカペラで聴けちゃった!やっぱりそれ小さな声じゃ歌えないですよね?・「俺の話」そうですね。
フニャッとなっちゃいますね。
フニャッとなっちゃうでしょ?伝えたい事っていうのはやっぱり大きい声で言いますよね?そうですね。
ふだんの会話から。
会話でもそうじゃないですか。
やっぱり高い音を使って強くそして音量も大きく伝える。
高い音っていうのはまずサビの一番大事な条件。
マストなんですね。
こちらをお聴き下さい。
もうだってここここ!一目瞭然ですね。
・「ああ」伸びてますね。
伸びてます。
・「ようにー」ここも。
2回伸びてるんですね。
そう。
このAメロはほらこんなに細かなメロディー。
全然伸びてないですね。
何か一個一個の音符に対応していくっていう感じで。
ところがサビに来たらばいきなりそれまで詰まっていた言葉がまず・「ああ」っていうね。
長く伸びる。
実は長く伸びてるだけじゃなくて高くもある訳だ。
ああそうですね。
ここからこういうふうにして。
という事でもうサビに欠かせない3つの要素のうちの2つをこの曲は満たしている。
そりゃみんなカラオケで歌いたくなるしやっぱり国民的な日本を代表する曲になりますよね。
横山先生は長〜く伸びる音ってお好きですか?年末ディナーショーやるんですけどディナーショーではそういう長くロングトーンみたいなのがすごい気持ちいいというかそのシチュエーションに合ってる訳ですね。
わざとマイクなんかこんな…。
「どうだ?出るだろ!」みたいな感じで…。
「どうだ?出るだろ!」ね。
高くて長い声が出るだろ出るだろまだ聞こえてるぜ。
あれすごいですよね。
みんなやりたくなるんですよね。
でもあれみんな見せびらかせてる訳じゃなくてマイクの音量を…。
やっぱり長く伸ばすためにはど頭にすごく強く歌わなきゃいけないから距離感を自分で計って音量調節をしてるんですよ。
そういう事なんですか!そのかわり思いっきり歌えるんです離す事で。
それぐらい思いがこもったり大きくなったり強い声になるという事なんですね。
へえ〜。
こちらをお聴き下さい。
いいよね!ちょっと目がチカチカするのは僕だけですか?これ。
一回多かったり少なかったりしても気付かないかもしれないですね。
ねえ。
すごいですねこれ。
まあ何と言っても…あとは面と向かってこんだけ言われれば…。
あっあれじゃない?「かわいいかわいいかわいいかわいい」と言われると女優がきれいになるみたいな。
なるほど!俺のこのしぐさは何なんだろうね?ちょっとよく分かんないけど。
(笑い声)言われた側みたいですね。
言われた側になってた今ね!でも剣さんの曲にも…。
かなり多いですね。
かなり多くないですか?・「中華街中華街」中華街って言いっ放しで・「そんな中華街」・「チャンチャンチャンチャンチャンチャン」という曲もあるんですけど。
それは「中華街大作戦」。
大作戦!今大作戦って見て…。
まさに?はい。
それで思い出しました。
どうしてそれは?横浜の港で仕事をしてた頃に昼休みですねランチ。
もう心ワクワクしてたから。
・「中華街」もう気持ちをそのままに…。
そのまんまですね。
クレイジーケンバンドの「タイガー&ドラゴン」にもここで紹介したサビに欠かせない3つの要素これがね巧みに取り入れられてるんですよ。
サビのもうこれだよね。
これは最後のサビ?そうですね。
3連発。
まずこの「おれのおれのおれの」がさっきやったリフレインですよね。
しかも横山先生最高音じゃないですか?曲の。
最高音です。
「きけー」の「けー」もですね。
・「きけー」しか〜も伸ばしてる。
長〜く。
伸ばす長く。
伸びてる。
全部入っている。
全部入ってるんですね。
たったのサビの頭の1行に全部入っている。
どうやってこのサビを作ったんですか?このリフレインに関してはですね偶然のたまもので。
「おれのおれのおれの」に関しては?はい。
レコーディングのミックスをしている時にエンジニアの方がそこ「おれのおれのおれのおれの」何か気になるところがあったみたいでそこばっかりをループしてたんです。
ああ歌なのかリズムなのか何かが。
問題があったらしくて…。
問題があったらしくてここばっかり繰り返してエンジニアの方が手を加えてらっしゃったと?ちょっと待ってちょっと待って!それ「おれのおれの」これやってそのまま使って「おれのはなしをきけ」につなげらんない?というふうに言ってつないでもらって。
それでこうなったんです。
じゃあ最初の時は「おれのはなしをきけ」だけだった?だから声は同じ所歌ってる所を貼ってる感じなんです。
これには驚がくの事実だね!かなりヒップホップ的な…。
すごい!もうヒップホップですねこれ。
DJのテクニック。
DJテクニックが入ってた!じゃあここは同じ「おれのおれのおれの」?オリジナル曲なのに最初からリミックス。
(笑い声)すごい!でもその結果サビを作る3大要素を全部含んだ形になったって事ですよね。
すごい!知らないうちに取り入れてたっていう。
ここからはゲスト講師の横山剣さんが即興でサビの作曲に挑戦します。
横山先生に向けて贈る歌詞です。
横山先生っぽいですね。
あっもう始まりました!マイナーかな。
これ何も仕込みやってないからね本当に。
本当に今考えて頂いて…。
(ハミング)・「俺のかわいい」・「待ってる」・「パッパラパ〜ラパラパッパラパラパラパ〜ラパラパ」俺帰ったら歌詞書かなきゃ!出来ちゃった!
(拍手)すご〜い!カッコいい!テレレだ。
ちょっとメロディー変えてもいいですかね?・「きっと待ってる」にします。
ンファッファンファッファファレド。
今何を考えて弾いてるんですか?もう考えないですね。
考える間もなくこの詞がいい歌詞なんで絵が浮かんで絵と共にメロディーが…。
(ハミング)みんなすごい。
すごいっていうか圧倒されているんですけど…。
・「ツクツッタブンブンブブンブンブブンブンブン…」・「ツツタツクツクツツタツッタツクツクツッタ」・「ブンブンブンブブン…パパッパーパパパパラッ」オーケストラ。
(拍手)すごい!横山先生もうサビとして大合格だと思います。
本当ですか!え?いつの間にか立たれてますけど。
ここで・「タータタタタタタタタラララ」基本的に・「タータタタタタタタタタタタタッタター」ここでちょっとフックがついてんですけど結局ここからはほら同じ音型でしょ。
大きなリフレインがここで繰り返しあるんです。
本当だ。
まあこれはちょっと…。
これは歌詞もそういうふうに来る事を想定してるんですけどね。
だからメロディー浮かびやすかったんですね。
横山先生は歌詞に合わせてほぼ同じ形のメロディーを繰り返し更に歌詞の最後の音を伸ばしてサビを作りました。
これはある意味横山剣さんらしい世界観で僕は歌詞を書いてきました。
はい。
サビっぽくない歌詞でもサビが作れるのではないかな横山先生なら!いやプレッシャーかけてくる…。
すごいプレッシャーです。
この歌詞どう?え〜?
(笑い声)校長いくらなんでもこれはないんじゃないですか?ねえ?横山先生今考えてます。
なります?サビに。
なります!
(ハミング)・「カレー」・「カレーライスじゃない」いや違う違う。
・「カレーライスじゃない」
(観客)剣さん!「カレーライスじゃねえ」。
あっ「ねえ」でしたね。
・「カレーライスじゃな…」あっ「ねえ」!あ!・「アーアーアーアーアアアー」すごいすごい!
(拍手)すごい!
(拍手)今日一番大きな拍手ですね!ちょっと怪しいコードあったんですけど。
歌詞がメロディーを呼ぶっておっしゃってたじゃないですか。
この歌詞からどうしてこのメロディーが出来たんですか?レストランの…レストラン感っていうか。
(2人)レストラン感!高度成長期のスカイレストラン。
割とそんな昔は…。
あんまりファミレスとかない時代の…。
時代背景みたいなものまで一瞬で今考えた?そうですね。
その「ナポリタン」というので。
何がすごいか。
この曲のね今魅力になってるかっていうとカレーライスの文脈とナポリタンの文脈をちゃんと変えてんだよね。
これ有太君もう一回弾いてもらっていい?この「いったんだ」のリフレイン。
リフレイン出てきましたね。
なのでさっき僕らがおさらいしたリフレインもそうだし長い音ね。
そんなに高い音は使ってないですね。
そうですね。
でも全部を使えばいいという事ではないから。
すごいこれは!サビに欠かせないリフレインと長い音を使って横山先生が即興で作ったこの曲。
もう一度お聴き下さい。
「カレーライスじゃねえナポリタンって言ったんだ」がサビになる。
これはもう歴史的な日ですね音楽の。
音楽の日ですよ今日は。
ですよね。
お楽しみに!J−POPの聖地を訪ねる課外授業「亀さんぽ」。
これまでに数々のJ−POPゆかりの地を紹介してきました。
前回は日本で唯一のレコード工場を訪ねレコードがプレスされる様子を見学しました。
そして最後に校長からこんなお願いが!という事で今回は校長が作曲した亀田音楽専門学校のこのテーマ曲をレコードにしてもらいます!ではこちらの方どうぞ。
こちらの部屋でレコードに音を刻み込むカッティングという作業が行われます。
ああ原盤を作っている…。
元になるものですね。
こちらが…ラッカーの樹脂がコーティングされたツルツルした盤面にルビーの針先で音を刻んでいきます。
何かミクロの世界だね。
ですね。
音楽の信号…信号?そうです。
ああ何か不思議です。
魔法ですよね。
では実際にこちらの音源を聴かせて頂きまして実際にカットの方を行っていきます。
どうぞよろしくお願いします。
頑張ってこいよ!それではいよいよCDに入った音をレコードに刻み込みます。
回ってる音。
今これでカッティングの方をしております。
もう始まってる?だってほら線が…線?溝?入ってる!溝入ってる入ってる!お〜!ツルツルだったのにどんどんどんどん溝が刻まれていきますね。
あっもう出来たって事ですか?出来ました。
うわ〜!というか結構あっという間ですね。
はい。
彫られたばかりのレコードの溝を校長専用カメラ亀カメで記念撮影!こちらでカッティングの方が終わりましたら…あっほらほらこれだほら!中村君これだよ!すごい!これとじゃあ45度になってる訳ですね角度が。
こことここで違うのさ。
こっちとこっちで。
え〜どういう事!?すごい事が…。
このセンターから見て左右の音の幅が違いますよね。
あ〜なるほど。
ステレオは左右で音が違うためこのように左右で幅の違う溝が刻まれるのです。
これ一枚のレコードの中でも線が太かったり細かったりするんですか?この太い所は音が大きい。
ちょっとこの細い所は音が…。
静かな。
静かになっている。
というかレコード見ててそんなの考えた事もありませんでした。
ただたくさん均一な溝がず〜っと彫られてるみたいにぐらいしか思ってなくて…。
この溝の深さとか幅とかってどれぐらいなんですか?
(2人)ミクロン!言葉を失いますね。
そうですよね!たった0.06ミリの溝にこんな世界があるとは!驚きました。
最後にセンターレーベルといわれるシールを貼って完成です。
ありがとうございます。
ではこちらの方どうぞ。
はい。
形になるってやっぱりいいですね。
すごい!これは感無量です。
早速出来上がったばかりのレコードを試聴させてもらいました。

(レコード)
(拍手)といった感じになりますね。
何か味わい深いですね。
丸みを帯びてるみたいな?そうですね。
ありがたく聴かせて頂くっていう気持ちになりますねレコードだと。
こうやってセットして針を落としてみたいな…。
何か一つ一つの作法というか手順を踏まなきゃいけなくてボタンポンって一つ押すだけじゃないので。
ありがたく聴かせて頂くみたいな感じがする。
音楽と向き合う?向き合う。
確かに今聴いてて…ふだんはもうこんなノリノリな感じなんですけど今すっごい真剣に聴いてました私。
西谷さんありがとうございました。
もう我々は感無量です。
よかったです。
ありがとうございました。
ありがとうございます。
講義も後半戦。
ここからは横山剣さんオススメのサビが印象的な名曲をご紹介します。
ここが泣けるね。
どうしてこの曲を選ばれたんですか?僕の思う美メロの極致になりますか。
最高に胸を打つギュッと胸を締めつける感じのメロディーですね。
しかもこの由紀さおりさんの声がもうシルキーというかね本当に美しい歌声で。
すばらしいですね。
・「ああ」でこのサビに飛び込んで。
さっき言ったサビの3要素もしっかり入っていて…。
しかも優しくね。
張り上げる強い形じゃなくてね。
あとは最後の・「いきてるのいつのひも」。
やっぱりリフレインついてる訳ですよ。
入ってましたね。
たまらないですね。
・「あなたあなたあなーーた」・「ああわたしのあなたー」これ来たこれ来た!これだ!・「ルルラルーラー」ノリノリでしたね。
そうですね。
もう情念の渦というか滲みが…やっぱりこれも繰り返す。
「あなたあなたあなたあなた」。
長い音。
あとビブラートとかも満載でしたね。
剣さんこうやって歌ってらっしゃいましたけどね。
ロングトーンもあるし。
ロングトーンもあるし。
あと情念という言葉おっしゃってましたけどやっぱりサビにどれだけ思いを込めるか。
思いっていうのは清く正しいピュアな思いの時もあればちょっとドロッとしたやるせないままならない思いみたいなのもあるし。
何かそういうのがリフレインによってくっきり際立っているというね。
すばらしい楽曲ですね。
続いては曲の構造の中でのサビについて学びます。
まずはJ−POPの基本構造から復習しましょう。
いつも僕がJ−POPの基本構造って言ってますよね。
これ来て次は?Bメロ。
はい。
よろしいようで。
そしたらば?サビ。
サビ。
これがJ−POPの基本構造だと。
この中で日本人はわびさびを表現し泣き笑い人生のいろんな事を歌ってきたと言いました。
しかしこれとは異なる構造のJ−POPが存在するんです。
あるんですか?その構造とは…パン。
Aメロ。
あれ〜?もう一回来ちゃいますか。
…でサビが来ちゃうんです。
Aメロから?そう。
Bメロっていう要するに違うメロディーが入ってこない。
そして不思議や不思議もう一回ここでAメロで締める。
じゃあサビ以外はもうほとんど同じようなメロディーって事ですか?そう。
こういう構成の楽曲がどちらかというと日本の歌謡曲やJ−POPの基本構造はこっちだった。
え〜!?ちょっとこの形の名曲を聴いてみましょう。
・「街の灯りが」・「とてもきれいね」・「ヨコハマブルー・ライト・ヨコハマ」・「いつものように愛のことばを」ほら同じメロディーでしょ?・「ヨコハマブルー・ライト・ヨコハマ」・「歩いても歩いても」・「小舟のように」・「足音だけがついて来るのよ」Aメロに戻った。
・「ヨコハマブルー・ライト・ヨコハマ」・「雨は夜更け過ぎに」・「雪へと変わるだろう」・「きっと君は来ない」同じメロディーだね。
Aメロだね。
・「ひとりきりのクリスマス・イブ」・「心深く」高い長い。
・「秘めた想い」伸びる。
・「必ず今夜なら」戻ってきた。
・「言えそうな気がした」横山先生もこの構造ってお好きですか?はい。
もう大好きですけど。
やっぱりAメロがもうサビを兼ねるぐらいに強いメロディーで印象に残るAメロって事ですね。
なのでまたサビからAメロ戻った時に「そこでサビ来たよ!」なのと同じ構造になってんですかね。
そうなんですね。
ちょっとこの「ブルー・ライト・ヨコハマ」の曲の頭のサビのように印象的だっていうこの部分を歌って頂いたりしてもよろしいですか?はい。
ワンツースリー。
(拍手)いや難しい。
いやでももうこの曲全部聴いちゃった感じしますもんね。
そうですね。
タイトルも2行目で来ちゃってますもんね。
あっ本当ですね!これ大きいですよね。
曲のタイトルがここに来てしまうっていう事自体がもう曲の顔になってる訳。
でも悔しいかなこれはサビじゃないんですよ。
という事でじゃあサビとどういう違いがあるか。
横山先生サビも歌って頂いていいですか?はい。
タッタカドン。
(拍手)これねどういう事かというとやっぱりさっき言ったサビの3要素。
Aメロよりもね全然レンジがまず高くなってる訳。
・「歩いても」の時点で全然高い音になっている。
しかも伸びる伸びる。
長い音ね。
しかもさほら…。
あ!リフレイン。
繰り返されてますね。
もうサビの1行目でちゃんとサビの3要素達成してるんですよ。
やっぱりこちらはすごく印象的なメロディーだけれどもサビのテクニックみたいなものは使われていないんですね。
だからサビではないんですか?サビではない。
Aメロはメロディーの動きリズムの動き楽器音楽の部分ではやっぱりここは盛り上がっていないんですよね。
横山先生はいかがですか?AメロAメロはすごい俯瞰というかすごく景色が出てきて山下埠頭とか山下周辺の横浜の港の情景浮かぶんですけどもサビで急にズームインして横に好きな人いるとかすごい近い距離感が…。
またそれで俯瞰に戻るみたいな。
そんな感じ…。
絵的に言うと。
なのでサビっていうのはやっぱり何か一つ強いフォーカスが当たるんですよね。
ここでキュッと締まった景色になったり心情になったりっていう。
そこがサビのすごく重要な役割。
この形の曲がすごく昭和に多くてAメロAメロで始まってサビで高まったものを何か表現してまたAに落ち着かせてもう一回ここで締めるっていう。
そして剣さん!あの「タイガー&ドラゴン」はまさしくこの作りじゃないですか?・「俺の」あっ本当だ!
(2人)本当だ?ねらってこうした訳じゃないという事ですか?そうですね。
アレンジ的には演奏する時にどうやって古くさい感じになるかというのは考えましたけどメロディーとか歌詞浮かんでる時は何もねらってないです。
僕らもアレンジプロデュースする立場の時にちょっと昭和な感じとか歌謡感とかレトロ風味の曲を作りたい時にあえてこの構成を作るんですよ。
横山先生は体にしみついていらっしゃるという事ですか?そうですね。
さあここから生演奏です。
横山剣さん率いるクレイジーケンバンドの皆さんと校長の共演です。
曲は「タイガー&ドラゴン」です。
横山先生聴き所は?ベースソロです。
校長のですか?クレイジーケンバンドの演奏に僕がベースで参加しているので今回はベースが2人います。
ふだんはなかなか見れない光景編成ですよね。
すごい興奮しました。
もちろん大事なのは…サビよ。
あっそうですよね!サビサビ大作戦ですからね。
サビサビ大作戦だから。
ベースベース大作戦じゃないんで。
サビサビ大作戦でもう全ての要素が「タイガー&ドラゴン」には出てきますからとても楽しい内容になってます。
それではお聴き頂きましょう。
「タイガー&ドラゴン」。
おいいくぜみんな!クレイジーケンバンド!クレイジーケンバンドと亀田誠治。
イイネ!サンキュー校長!のっさん!ツーフォーシックスエイト!Yeah!亀田音楽専門学校。
今回は「サビサビ大作戦」と題してお送りしてきました。
横山先生いかがでしたか?いや非常に勉強になりましたし何かいよいよ作曲で困った時とかこの授業を思い出して「あっそうだ!」って…。
自分のガイドラインにしたいなと。
すぐ作れたじゃないですかさっきね。
困らないでしょ?今は。
いずれ…。
講義はいい感じでしたか?イイネ!
(笑い声)
(拍手)さあ校長総括をお願いします。
やっぱりサビは感動を生む場所感情が高まる場所なんですよ。
だから曲の一番大事な所。
これからもすばらしいサビが若い世代からも生まれてきてくれる事を心から願っています。
そして10月に始まりました亀田音楽専門学校シーズン2。
今回で最後となります。
校長総括をお願いします。
音楽はね楽しいもんだと思うんですよね。
僕らを一瞬にして幸せにしてくれる魔法を持っている。
我々日本人は長い間時間をかけてね豊かで繊細な感性を生かしてたくさんの魔法をJ−POPにかけてきたと思うの。
この亀田音楽専門学校ではそのJ−POPの魔法をみんなと一緒に学んできましたが実はまだまだ魔法があるんですよお話できていない。
という事でまた皆さんにお会いしてこのJ−POPの魔法を一緒に勉強していく機会がきっとある事を信じております。
次の機会を楽しみに待っていて下さい。
それでは亀田音楽専門学校今シーズンの講義を終わります。
亀田校長斎藤さんそして横山剣さんありがとうございました。
(拍手)ありがとうございました。
2014/12/25(木) 00:00〜00:45
NHKEテレ1大阪
亀田音楽専門学校 第12回「サビサビ大作戦」[字][再]

時代の先端を走る音楽プロデューサー・亀田誠治がJ−POPのヒット曲に隠された音楽の秘密を解き明かす亀田音楽専門学校。ゲストにクレイジーケンバンドの横山剣が登場!

詳細情報
番組内容
ゲスト講師はクレイジーケンバンドのボーカル横山剣さん。今回のテーマは、「サビサビ大作戦」。歌のクライマックスである「サビ」に注目し、人を感動させる「良いサビ」とはどんなものか分析する。さらにロケ企画「亀さんぽ」ではレコードプレス工場を訪ね、実際にレコードが作られる現場をリポートする。またクレイジーケンバンドと亀田誠治のコラボレーションで「タイガー&ドラゴン」を生演奏する。
出演者
【ゲスト】横山剣,【出演】亀田誠治,中村慶子

ジャンル :
趣味/教育 – 音楽・美術・工芸
音楽 – その他

映像 : 1080i(1125i)、アスペクト比16:9 パンベクトルなし
音声 : 2/0モード(ステレオ)
サンプリングレート : 48kHz

OriginalNetworkID:32721(0x7FD1)
TransportStreamID:32721(0x7FD1)
ServiceID:2056(0x0808)
EventID:992(0x03E0)

カテゴリー: 未分類 | 投稿日: | 投稿者: