(テーマ音楽)これまでに放送したテーマをぎゅっと一本に濃縮してお送りします。
今回又吉さんがやって来たのは結婚式場。
こんにちは。
こんにちは。
又吉様お待ちしておりました。
ここで大切な人がお待ちかねです。
ではご案内させて頂きます。
はい。
まずは白いタキシードに着替えてもらいます。
えっ!?こちらでございます。
僕が着るんですか?はい是非。
いや絶対似合わないでしょ。
僕が着るとどうも着せられてるというか何かアホそうですよね。
さあ準備万端整いました。
チャペルに向かいましょう。
こういう格好させられたわけですから恐らくこの中には美女がいるんじゃないでしょうか。
行ってみたいと思います。
美女じゃないですね。
美女じゃなくてすいません。
はじめまして。
よろしくお願いします。
今では「オイコノミア」に欠かせないこの2人。
実はこの時が初対面。
今日のテーマは「結婚」。
結婚という人生の大きな選択を経済学で考えると意外な現実が見えてきます。
又吉さん結婚したいですか?そうですねいつかは…。
いつかは。
実は結婚という行動にも経済学が隠されてるんですよ。
そうなんですか。
はい。
中でも結婚式にも経済学で解釈できる事がいろいろあるんです。
結婚式にも。
はい。
結婚式にはお金がかかる。
実は結婚式にかける費用は上昇しているんです。
高額な結婚式の値段も経済学から見ると明快な理由があるのだとか。
今日の「オイコノミア」は盛大な披露宴が行われるこの会場からお送りします。
披露宴の会場で新郎新婦みたいですね。
結婚するのにお金がかかるというのは経済学的にも説明できるんですけどどうしてだと思います?え?何やろ?離婚防止ですね。
なるほど。
かつてイギリスでは新婦が嫁ぎ先へお金を持参しました。
15世紀には花嫁の実家の2年分の年収にあたる金額を持参したという記録もあります。
アフリカのある部族では結婚をする時夫になる男性から妻の家へ牛が贈られる事があるのだそうです。
これらは経済学から見ると離婚防止が一つの理由。
披露宴にお金をかけるとどうして離婚しにくくなると思います?披露宴にお金をかけると?え〜と…次結婚する時にお金が無い。
そうそう。
だから離婚したあと再婚するという事を考えますよね。
再婚する時にまたお金がかかるという事を考えると離婚しない方がいい。
それが離婚防止の役割を果たすと。
そうなんです。
また高額な費用がかかる。
それが離婚に歯止めをかけるというのが経済学の考え方。
又吉さん一度結婚式のプランを立ててみませんか?それでだんだん経済学が見えてくると思います。
僕今先生に口説かれてるわけではないですね。
結婚しませんかって事じゃ…。
そういう事じゃないです。
結婚式はまだまだ経済学でひもとく事ができるようです。
又吉さんが自分の理想の結婚式のプランを立てています。
そこから経済学的な物の見方「オイコノミアポイント」を発見しましょう。
又吉さんの結婚式のプランをご提案させて頂きたいなと思ってますのでよろしくお願いします。
お願いします。
石田純一東尾理子夫妻など有名人の結婚式も数多く手がけたすご腕プランナー。
こういうのって大体…こういうシーンドラマとか映画で見た事あるんですけど1人でこういうの言ってる人いないですよね。
そうですよね。
はい。
人生の一大イベント結婚式。
決める事も多いんです。
まず会場を決めて頂いてゲストのリストアップをして頂いて衣装を決めて引き出物を決めてお料理を決めてケーキを決めて。
いろいろ決めないと駄目なんですね。
そうなんです。
まあ相方。
そうですよね。
できれば呼びたくないんですけど何かふざけそうなんで。
吉本の社長とか。
さんまさんとか来てもらったら同級生とか家族親戚は「あっあいつは芸人になったんだな」って…。
新郎新婦も会った事がない政治家や会社社長が祝辞を述べるこの光景。
結婚式は新郎新婦の家族が自分たちのバックグラウンドを見せ合い信頼感を深める機会でもあるんです。
政治家や社長は信頼感を与えるシンボルなのです。
やっぱりゲストに一番印象に残るのがお料理。
相方は…食に興味がなくて甘ぐりは前菜で…そういうのもできるんですかね?できますねくりを使って。
例えばちょっと秋ぐらいに挙げて頂いて。
というのは究極の…。
それだったら呼びたくないんですけど。
すごく見られるものはお料理とお飲み物プラスギフト。
ギフト?引き出物ですね。
例えば又吉さんらしさを出すのであればこの方に読んでもらいたい本とか。
あ〜なるほど。
綾部さんに読んでほしい本とか吉本の社長さんに読んでほしい本とかそれを又吉さんがセレクト。
その本にブックカバーを添えてギフトにする。
は〜いここにもありましたよ。
経済学で考えると引き出物には贈る側にももらう側にもメリットがあります。
もらう側がいつかは欲しいと思っていたものが引き出物だったらあなたの結婚式はその引き出物と共にいい思い出になるはず。
これはいいかもしれないですね。
浮かびますか?例えば綾部さんに読んでほしい本とか。
そうですね…まあ「人間失格」とか。
ただ結婚式に「人間失格」は内容的にどうなんやろうとは思いますけど。
50項目にわたる結婚式プランが出来上がりました。
気になるお値段は?こちらです。
え〜っ!?650万ですか?はい。
うそでしょ?すごい。
こんな値段するもんなんですね。
又吉さんの場合はこうなると思います。
驚きました正直。
ちなみにこちらが又吉さんのわがままを聞いた結婚式の内訳。
わ〜お…いつかこんな日が来るといいですね。
生々しい話になってきましたね。
大丈夫です。
こんなに高い結婚式を挙げたら又吉さん離婚できないですね。
…ってまだ結婚もしてないか。
これ最近発表された結婚にまつわる数字なんですが何だか分かります?離婚とか?でも離婚やったら数一緒になりますもんね。
これ実は生涯一度も結婚しない人の数なんです。
えっ一度も結婚しない人?そうなんです。
50歳以上の未婚者生涯未婚者の数は2000年に入ってから急上昇中。
すごい伸び方してますね。
5人に1人も男性結婚してないんですか?そう。
というかこれから先も結婚しないという予想。
この1人になるかもしれない。
何でそんな怖い事言うんですか。
急に何でそんな怖い事言うんですか。
でもその可能性結構ありますよね。
まあ珍しい事じゃないという事ですよね。
それじゃあ何でこんなに増えたと思います?なぜ増えたか?結婚しない人が。
一つの理由はねそもそも結婚したくない人が増えたんです。
結婚しない理由の中で結婚自体に魅力を感じないという答えが年々多くなっているのです。
結婚するつもりがない人の数は10年前と比べ男性は3倍。
女性は2倍。
結婚にメリットは無くなってしまったのでしょうか。
いえいえそんな事ないんですよ。
ここで経済学から見た結婚のメリットを探ります。
僕らコンビで言うと2人で仕事する事が多いんですけど僕が調子悪い時相方が調子よかったり相方が調子悪い時僕が調子よかったりすると何とかピースとしてギリギリ成立したみたいな。
2人とも調子悪かったらもう終わりなんですけど。
一種助け合いですよね。
そうですね。
実は経済学的にも結婚のメリットの一番は助け合いなんですよ。
例えば結婚したという場合に1人でも2人になっても結局1個で済むものって何かありませんか?冷蔵庫。
そうですよね。
洗濯機それからトイレとかキッチン。
そうですね。
そういう1人でも2人でも3人でも1個で済むようなものがあったとしたらそれは「規模の経済」が働いているというんです。
規模という言葉はどうつながってるんですか?結婚の場合だったら1人か2人か。
家族の規模。
それが規模の経済。
さて又吉さん大切なもの忘れていません?又吉さん何を得るために結婚したいですか?やっぱり安心感であったりとか愛みたいなとこですよね。
だから幸福ですよね。
愛とか愛によって得られる幸福というのが結婚で一番大事ですよね。
それじゃあ結婚で得られる幸福感というのは値段にするといくらぐらいだと思います?それはでかいでしょう。
いくらぐらい?1,000万ぐらい。
じゃあ考えましょう。
こっちをご覧下さい。
はい。
何ですか?これは。
結婚している状態がどのくらい幸福に値するかというのを示す計算式なんですよ。
年収が1,000ポンド上昇した時の幸福感をベースに結婚する前と後でどのぐらい幸福感に変化があったかを金額で表しました。
タイ出身の若き経済学者ニック・ポータヴィーの研究です。
大体これいくらになると思います?さっき1,000万とかおっしゃってましたよね。
はい。
1,000万もないんですよ。
えっ?大体47万円。
47万円。
幸福感を金額で表す幸福の計算式。
結婚する前と結婚したあとの差つまり結婚によって得られる幸福感は年収が47万円増えた時と同じだそうです。
あなたにとってこの金額高いですか?安いですか?なるほど。
月に換算すると?4万ぐらいですね。
毎月4万円ぐらいの何かが買えるような喜び。
2人で。
そう考えたらだいぶいいかもしれないですね。
結婚の価値を金銭的に評価するってばかげてるって一瞬思いません?ちょっと思いますよね。
思いますけどよく考えると金銭的な要素以外のものを目に見えるようにする事で…目に見えるものしか信じない人たちに…なるほど。
うまく言いますね。
うまく言えたとしたら47万円はちょっと安いんちゃうかなと。
又吉さん結婚したいと言ってましたけれどもそれだったらどうしたら結婚できると思います?やっぱりいい人を見つける。
まあそうですよね。
どうしたら見つかるか?やっぱりそれは行動しないと駄目ですよね。
チャレンジ?チャレンジ精神がないと…。
結婚するためにはどうしたらいいのかというのを経済学の視点で考えてみたいと思うんですよ。
まあ言ってみたら…えっ!?経済学ではどうしたら愛されるのかまで分かっちゃうんですか?私勉強になる…。
結婚の本質だけを捉えると一体何だか分かりますか?家族をつくる。
なるほど生物学的にはそうですよね。
経済の側面から言ったら要するに自分の価値と相手の価値を交換するという事なんですよね。
結婚相手の価値と自分の価値をお互いが比べて交換してもいいという場合に取り引きが成立して結婚が成立すると。
いろんな競争相手がいますよね。
自分が結婚したいと思っても他にもっとライバルが出てきて価値が高い人が来たら負けちゃいますよね。
そうですね。
だから結局価値が同じ者同士が結婚していくという意味で一種経済学で言う「市場均衡」というのに近いんですよ。
又吉さんが例えば…何かだいぶ安く…100円ですか。
まあ例えですから。
それでね500円の価値がある人と結婚できるかというと今の話だと難しいんですよ。
差額がありますから。
差額があるからライバルが500円の人が現れると相手にしてもらえなくなっちゃう。
何か悲しいですよね。
だいぶ悲しいですよね。
ただ商品と違うのは…自分も同じですよね。
だからひょっとしたら自分自身が100円だと思ってても相手が500円に見てくれる人がいるかもしれない。
なるほど。
そこが普通の商品と違う。
だから価値が同じぐらいの人が結婚するわけですけど自分で自分の事を100円やと思ってたけどある人から見たら自分はもっとすごい値段…言ったらもうマニアみたいな。
多くの人から見たらただの古本やけど「これ初版本やからもっと出せる」という人が中にはおるから一概には自分の値段を決めれない人間が決めるものという事ですね。
そうそう。
それが商品と違うところですよね。
取り引き自体は似てるんですけどね。
「美女と野獣」とかありますよね。
でもそれは本人同士がお互い高い価値を見いだしてそれがちょうどマッチしたという事なんですよ。
よくあるのは自分は500円の価値があるんじゃないかと誰しも思いがちなんですよ。
そういう自分の能力や価値を高めに評価するという事を経済学では「自信過剰バイアス」と言うんですよ。
恥ずかしい名前ですね。
本当は100円の価値しかないのに500円だと思い込んで500円の人にばっかり声をかけてるといつまでたっても相手が見つかりませんよね。
そうですね。
よく知られてる例はね例えば…どう答えます?又吉さんだったら。
僕は平均より高いって答えます。
答えますよね。
7割ぐらいの人がそう答えるんですよ。
平均になります?平均にならないですね。
ならないですよね。
平均というのは真ん中の人が…。
だから5割以下になるはずですよ本当は平均よりうまい人は。
そうですよね。
みんなじゃあ自信過剰バイアスなんですね。
かなりの人が自信過剰バイアスです。
さまざまな場面で人の行動に影響を与えると言われている自信過剰バイアス。
先生僕は本当に自信とか関係なく…これももしかしたら自信過剰バイアスかもしれないです?そうですね。
どこでどうやって測ってうまいんですか?まずスピードが半端じゃない。
もちろん淀川とかですよ河川敷をこいでた時…。
誰にも負けない?高校行く時とか速かったです。
競技用のヘルメットをかぶってるこういう人たちいるじゃないですか。
あれをママチャリで抜いていってましたからね。
すごい脚力当時。
それ相当速いですね。
それは自信過剰じゃないですね。
本当に能力が高い。
その話を聞くと恋愛が何か今までと違う角度で見られるようになってきますね。
でもそれを行くのが必要なんですよね?そうですね。
自分の価値を高めに見積もってしまう自信過剰バイアス。
自分とは釣り合わない異性を求め結婚のチャンスを逃してしまう事もあるのです。
しかし…結婚を経済学の視点から見た「オイコノミア」。
又吉さんはどう思ったのでしょうか?今回の「自信過剰バイアス」。
これはやっぱり人間であるかぎり必ず持ってるものですしこれがあるからこそいわゆる高望みという言葉が出てきて失敗したりするんやなと思いましたね。
多くの人が夢破れるわけじゃないですか。
自分が分かってないと自分の状態が多分結婚できないんじゃないですかね。
できたとしてもそれが本当に自分にとっていい結婚なのかどうかが分からない。
結婚とは自分を知る事である。
2014/12/24(水) 23:25〜23:50
NHKEテレ1大阪
オイコノミア ぎゅっ!とオイコノミア「結婚しますか?しませんか?」[字]
結婚を経済学でひも解くと、驚きの事実が浮かび上がる。極端にお金がかかる国は?結婚で得られる幸福度を金額に換算すると?あなたの結婚観が変わる?
詳細情報
番組内容
人はなぜ結婚するのか?経済学で考えると様々な事実が見えてくる。二人一緒に暮らすと家具や家財を共有でき、それぞれ必要だったものが一つで済む。規模の経済が働くのだ。また結婚式の引き出物。もらう側がいつか欲しいと思っていたものを贈る側がチョイスできれば、両者にとっていい思い出になり結婚式の満足度があがる。最近は結婚の前と後で幸福感がどう変わったかを表す「幸福の計算式」を編み出す経済学者も登場している。
出演者
【出演】又吉直樹,【解説】大阪大学教授…大竹文雄,【語り】朴ろ美
ジャンル :
情報/ワイドショー – 暮らし・住まい
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