(醍醐)《あなたに勝った人間がいるとすればそれは私ではない》
(醍醐)《本当の敵は敵のような顔をしていないものです》
(黛)《被告人質問の前日にこの方と会ってますね》
(古美門)《吉永慶子だと?「慶」の字が間違ってる。
偽名だ》
(醍醐)《人たらし》
(古美門)《何者だ?》《この女に何を言われた?》
(羽生)《「乗っている人間がラクダを操っているように見えても実はラクダが人間を導いているのだ」》
(黛)《本当の敵は敵のような顔をしていない…》
(羽生)《ここまでご苦労さまでした》
(古美門)《私が負けた相手は…》《あいつだ》
(貴和)《面会?》《吉永慶子?知らないわよ》《どこの美人さんかと思ったら検察の坊やじゃない》《控訴審のさなかにこんな会い方していいわけ?》《古美門先生はやはり最高の弁護士です》《どうだか》《無罪にするかもしれない》《でもあなたは無罪になるべきじゃない》《私はやってないのよ》《今回はね》《過去に何人も殺してるでしょう》《過去の事件は関係ないでしょ》《ええ。
それでもあなたは徳永光一郎殺害の罪を認めるべきだ》
(醍醐)《鍋に用意してあったスープに毒物を混入》《間違いありませんか?》
(貴和)《あんたね頭おかしいんじゃないの?》《僕は決めたんです》《みんなを幸せにするって》《あなたも含めて》《私も含めて?》《僕の話を聞いた上で犯行を否定するか罪を認めるか考えてください》《決めるのはあなたです》《間違いありませんか?》《はい》《でも罪を認めたら死刑なんでしょ?》《おそらく》
(裁判長)《主文本件控訴を棄却する》《死刑だ。
行け!》《でも僕はあなたを死刑にしたくない》《死刑はウィンウィンじゃないから》《古美門先生と黛先生を信じて任せるんです》《僕もひそかに彼らを援護する》《僕から情報を取ったとバレれば君だって…》《そんな覚悟はとっくにできてる》《大事なメモをうっかり落としたのは僕のミスだ》《そうすれば必ず最高裁で勝ちます》《おそらく一審への差し戻しになるでしょう》《第一審判決を破棄する》《ゼヤ!》《よっしゃ!》《本件を東京地方裁判所に差し戻す》《そんなにうまくいくの?》《分からない》《でもみんなが幸せになるにはこの方法に懸けるしかない》《差し戻しを取ったら?》《僕が差し戻し審を担当し無期懲役に持ち込みます》《無期懲役…》《それで納得してください》《ただそのためには戦いやすい相手にする必要があります》《差し戻し審では弁護人を代えましょう》《古美門先生と黛先生を切るんです》どういうことですか?
(服部)けさ安藤貴和さまから届きました。
お別れのキスだ。
何で弁護人を解任されなきゃいけないんですか?散々苦労してようやく差し戻しを勝ち取って無罪目前だっていうのにどうして!全ては吉永慶子殿の仕業かと。
漢字の苦手な帰国子女のな。
(管理人)こんにちは。
(磯貝)お疲れ。
考えたんだけどさ僕ら全員にキャッチコピーを付けたらどうだろう?取りあえず僕のは「磯貝タフガイナイスガイ」どうかな?磯貝タフガイナイ…。
ない…。
これ捨てちゃってもいいですか?やっとあなたを雇うことができたわ。
(三木)しばらく日本を離れていたもので。
古美門研介と黛真知子は言うこと聞かなくて駄目。
そうでしょう。
私ならどんな依頼にもお応えしますよ。
(沢地)三木先生はかねてより安藤さんの弁護をすることを強く望んでいたのですよ。
この三木長一郎にお任せを。
(井手)この井手…。
(貴和)よろしく。
(裁判官)起立。
(裁判長)開廷します。
裁判長大変異例ながら検察としてはまずは求刑を述べさせてください。
起訴状のとおり被告人に対し殺人および殺人未遂の罪で無期懲役を求めます。
(一同のざわめき)
(三木)では弁護人も異例ではありますが見解を述べさせていただきます。
被告人は罪を認め深く反省しております。
情状酌量を求めます。
・
(一同のざわめき)
(記者)来たぞ。
三木先生!これまでと主張を変えた理由をお願いします!これまでは前任者の弁護人が被告人の意思を無視した弁護を行っていました。
被告人は罪を悔い改めたいと望んでいます。
私はできる限りその思いに応えたい。
それだけです。
(記者)ちょっ…。
(記者)検事!なぜ無期懲役に変更したんでしょうか?
(本田)求刑の変更が異例なのは分かってます。
ですが最高裁の判断を重く受け止め検察として本件を精査し直した結果無期懲役が妥当だと判断しました。
民意とは違うと思いますが!被害者感情に寄り添えば極刑を望むのも分かります。
ですがわれわれはいたずらに扇情的になってはいなかったでしょうか。
どうか冷静に審理を見守っていただきたい。
怒りや憎しみからは何も生まれませんから。
(記者たち)検事!
(記者)もう少し…。
(記者)もう少しお話をよろしいでしょうか!
(記者)お願いします!
(記者)検事!・
(ドアの開く音)
(本田)磯貝先生。
無理言って呼び出してすまない。
いいえ。
事務所の今後についてはちゃんと話し合わないとって思ってたところです。
・磯貝先生とは話し合うんだ。
私の電話ははぐらかすのに。
真知子…ちょっとばたばたしてただけだよ。
ではじっくり話し合おうじゃないか。
ミスター&ミスウィンウィン。
(磯貝)すまない。
どうしてもって頼まれて。
もちろん誰とでも話し合いますよ。
僕らは逃げも隠れもしません。
(磯貝)よし!こんなとこじゃ何だからみんなで飲みに行くか!行かない。
あんたはとっとと消えろ。
磯貝先生ご協力ありがとうございました。
(磯貝)そっ…そっか。
(磯貝)もし手荒なことをされたら大声で呼べ。
この磯貝タフガイ…あっ!あちち…あっ…あっ!あっ!ずっと考えていたんだよ。
生まれて初めて裁判で負けたあのときから私はいったい何に負けたんだろうってね。
シベリアの死に神か気まぐれな悪女かあるいは国家か民衆か。
どれもしっくりこない。
もっとえたいの知れないものだ。
この文言は正しかったわけだな。
あのときだけじゃない。
その後も私は表面的には勝利しながらもその手応えをつかめずにいた。
(服部)《羽生先生が和解を申し入れてきました》《先生が全面勝利したことには変わりありません》《おやじいぬのライセンス使用料などからして25億円を断固として請求いたします》
(水野)《また始めてえな!》
(笠井)《消しゴム1つからね》《これが僕らの勝ち方だ》弱いのか手ごわいのか単純なのか計算高いのか。
負けてもへらへら笑っているゆとりの国の王子こそえたいの知れないモンスターだ。
(蘭丸)お母さんがファンだった女優の名前でも組み合わせたのかな?「吉永慶子」は。
安藤貴和を有罪にした上で無期懲役に持ち込む。
つまりは死刑廃止論者である君の理想の実現のためにわれわれは利用されていたわけだ。
実に不愉快だ。
リンチしたければすればいい。
あなたたちにはもうそれくらいしかできないからね。
僕をたたきのめしたいでしょう。
でもそれはできません。
あなたはもうリングを降ろされたんです。
あなたは僕と戦えないんです。
あなたたちとんでもないことしてるって分かってる?ルールを守ってばかりでは実現できない理想もある。
晴樹にとっても一世一代の大勝負だった。
でもうまくいった。
天が晴樹に味方したんだよ。
誰とも戦わずに一番いい形に導いた。
素晴らしいことじゃん。
古美門先生がおっしゃるとおり民衆は愚かだから。
誰かが危険を冒してでも導かないと。
(本田)あとは私たちに任せて。
それが安藤貴和も含めたみんなの幸せだよ。
録音消去。
(蘭丸)言われ放題でしたね。
腹が立ち過ぎて言葉が出なかったのは初めてだ。
今でも信じられません。
羽生君にあんな裏の顔があったなんて。
それは違う。
あいつに裏の顔なんかないんだよ。
あればとっくに見抜いていたさ。
羽生先生はただひたすら純粋に美しい世界を実現しようとなさっているにすぎない。
つまりは表だけです。
(蘭丸)だから誰も警戒しないしたらし込まれちゃうわけか。
ねっ真知子ちゃん。
君だってだいぶ危うかったじゃないか。
(蘭丸)先生だって最初はあいつのこと大好きだったじゃん。
いやいや皆さまだけではありませんぞ。
「怒りや憎しみからは何も生まれませんから」再生回数は驚異的な伸びを見せておりネット上は人気沸騰。
まあ一般社会に広がるのも時間の問題でしょう。
ウィンウィン教の教祖さまの誕生だ。
ああ人々の心理には教祖さまの出現を待ち望んでる面もありますからな。
あ〜あ晴樹に完敗ってことか。
誰が完敗だって?だって戦わせてもらえない以上勝ちようがないじゃないっすか。
冗談じゃない。
真実を何一つ明らかにしないでうやむやのまま手打ちなんてあり得ない。
真実なんてどうでもいいが私の成功報酬がぱあになることなどあり得ない。
安藤貴和は私の獲物だ。
どんな手を使ってでも奪い返す。
鍵は貴和さんがなぜ羽生先生の言いなりになるのかということでしょうな。
突き止めましょう。
今度こそ薄ら笑いの天パーくそ野郎羽生晴樹の息の根を止める。
最終決戦じゃ。
行け行け行け…!あ〜惜しい。
(男の子)シュート!
(女性たちの歓声)イェ〜イイェ〜イナイスシュート。
仕事柄人間の醜さや恐ろしさに心がすさんでしまうときもあります。
そういうときはこうやって汗を流すんです。
真っ白な気持ちで事件と向き合えるように。
(女性たちの歓声)
(古美門・黛)どうも〜!吉永慶子の使いの者です〜。
ごめんなさい。
こうでもしないと会ってくれないと思って。
羽生君と何を話したんですか?私たちに何を隠してるんですか?何で有罪になろうとするんですか!相変わらずきんきんうるさいね幼稚園児。
質問が多過ぎて答えられない。
答える気はないけどね。
キスマーク1つでお別れなんてさみしいじゃないか〜。
別れは黙って消えんのが一番いいのよ後腐れなくて。
着手金だけは払うからそれで納得しなさい。
報酬の問題ではありません。
報酬の問題でもあるが。
あなたたちには感謝してるわ。
でもこれでお別れ。
バイバイ。
君はやってるんだと思っていたよ。
無罪目前で私たちを切り無期懲役を受け入れようとしている。
理由は1つだ。
君の無実が判明したら真犯人捜しが始まる。
真犯人が見つかったら困るんだ。
私が誰かをかばうような人間だと思う?君は自分の欲望のためだけに生きてきた鬼畜だからな。
そうよ。
だからもしかばうに値する人間がいるとすればそいつが真犯人だ。
必ず見つけだす。
いい目じゃないか。
安藤貴和が過去に関係した男を幼稚園までさかのぼって片っ端からつぶしていけ。
はい!
(さと子)それはもう仲のいい親子で妹が病死したときもさつきは気丈に笑顔を作って振る舞って…。
「私が泣いたらお父さんはもっと悲しむから」って。
お父さんが大好きだったんですね。
そのさつきちゃんから笑顔が消えてしまったのは彼女が現れてからですね。
(さと子)直感的に危険な女性だと感じ取ったようです。
とても賢い子ですから。
それで被告人と別れるよう説得なさった。
光一郎さんは聞き入れましたか?
(さと子)初めは駄目でしたが最終的には「さつきのために別れる」と言ってくれました。
その決断が被告人を逆上させ凶行に走らせた。
(さと子)だとしたら私…。
あなたのせいじゃありません。
事件以来心を閉ざしていたさつきちゃんが少しずつ会話をするようになり学校にも通うようになったのは伯母であるあなたが献身的に支えたからじゃありませんか。
(さと子)ありがとうございます。
さつきちゃんは今も毎日のようにお父さんとお母さんの墓前に手を合わせているそうです。
彼女が昔のような笑顔を取り戻す日が来ることを願ってやみません。
(高木)うちの裏の…まっぼろぼろのうちに住んでいていつもおなかすかしてて…。
父親を早く亡くし母親は自堕落な生活を送り子育てを放棄。
他に知人や友人は?
(高木)いえ独りぼっちで虫かごの虫を眺めてるようなそんな子供でした。
貧困と孤独。
それが被告人の幼少期です。
おなかいっぱい食べたい。
暖かい家で眠りたい。
そして愛されたい。
富と愛情を渇望するようになったのは当然ではないでしょうか。
人一倍愛情に飢えていたのです。
もちろん彼女の犯した罪は許されるものではありません。
しかし同情の余地があるのもまた事実ではないでしょうか。
(沢地)おかえりなさいませ。
お客さまです。
イースター島はいかがでした?
(三木)久しぶりだな。
古美モン。
古美門です。
(三木)イースター島にはな顔の長い巨人の石像が地面からにょきにょき生えていたぞ。
行かなくても知ってる情報ですね。
エジプトには石を積み上げた大きな三角形の建物がいくつも…。
もう結構。
(三木)安藤貴和は諦めろ。
もうお前の出る幕じゃない。
検察と出来レース丸出しのぬるい裁判をして恥ずかしくないんですか?われわれは適切な主張をしているだけです。
古美門先生お気持ちはお察しいたします。
先生と黛先生は今も悪魔を無罪にしようとした悪徳弁護士として世間に嫌われ顧客も減ってらっしゃる。
正真正銘無罪を勝ち取って全てを取り戻したい。
ですがクライアントの意向を無視してはいけません。
差し戻しを取ったんだ。
もう十分だろう。
無敗の私を倒したかったんじゃないんですか?最強の私を地獄に突き落とすのがあなたの悲願でしょう。
なぜその邪魔をするんです?もうそんなことはいいんだ。
過去のことは水に流そう。
何ですって?目が覚めたんだよ。
怒りや憎しみからは何も生まれない。
裁判は勝ち負けじゃないんだ。
大事なことはみんなが幸せになることだ。
あっ沢地君フットサルは何時からだっけ?入信されたようですね。
入信?
(井手)先生自分に拭かせてください。
(三木)アハハ自分でやるよ。
(井手)拭きたいんです。
(三木)手が汚れちゃうからさ。
(井手)いやお願いします。
(三木)じゃあ左をやってくれる?完全にウィンウィン教の敬虔な信者だ。
本日のワイドショー録画しておきました。
大事なことは人間の醜い部分より美しい部分に目を向けることではないでしょうか。
みんながそうできたらきっと世界はがらっと変わりますよ。
与党から出馬要請?200%ありません。
僕は一検察官ですから。
はっ?すいません。
芸能人の離婚について僕がコメントすることはありません。
ベストジーニスト賞受賞?参ったなあ。
あっテレビの前の皆さん検察庁に僕宛てのプレゼントを送るのはやめてください。
うれしいけど検察庁が困ってますので。
無期懲役が妥当なんじゃないでしょうか。
「死刑死刑」ってヒートアップし過ぎだと思ってたんだよ。
(女性)あの検事さん若いのにしっかりしてる。
ね〜。
ああいう若者が新しい波をつくっていくんだろうね。
スーパーブレークですね。
ベストジーニスト賞は私も狙っていたのに。
裁判の傍聴券はプラチナチケット化しててダフ屋が出回ってるよ。
また羽生晴樹ファンクラブが全国に乱立しファン同士のトラブルが多発してるようです。
早くも宗派戦争勃発か。
NEXUSなんか見学ツアーが殺到してますよ。
聖地巡礼というわけか。
それに引き換えこっちは閑古鳥が鳴き協力してくれる人もどんどん減ってますね。
うるさいぽんこつ!お前こそ全然収穫ないじゃないか!やってるけど付き合ってた男の数が多過ぎて回り切れないんですよ!
(蘭丸)それでもほんの一部だよ?ぴんとくるやつから当たれ!そんなの分かりませんよ。
それではこの服部が当たりを付けてみましょう。
昔ボリショイサーカスでナイフ投げをしておりましたので。
ここはちょっと私一人では…。
ちょちょちょっ…どこ行くんですか?何だてめえら!
(男性たち)おいこら!
(男性)ここどこだと思ってんだお前ら!
(男性)あっ?何だてめえらこの野郎!
(男性)歩けおら!お〜…。
どうもどうもどうもどうも…。
これはこれはお忙しいところ相すいません!急に押し掛けてご無礼つかまつりまして!古美門と黛というケチな弁護士でござんす!お控えなすって!
(金崎)あんたらがいつか来るだろうってあいつが言ってたよ。
あいつ?「何にもしゃべらんでほしい」って言われたんだがな変な所から漏れるくらいなら俺からきっちり話す。
女房以外にほれたのは貴和だけだ。
(金崎)《で俺はそっとしといてやろうと決めた》《で検事の若造は「全部腹に納める」と言ってくれた》《事実そうしてる》《だからあんたらもそうしろ》《いいな?》《東京湾の水はまだ冷てえぞ》どう思いますか?つまりそういうことなんでしょうか。
でもそんなことってあるんでしょうか。
でもそう考えるしかないのかも…。
先生?ちょっとおしっこ漏れちゃった。
(裁判長)閉廷します。
(沢地)貴和さん。
奇麗な髪ですこと。
ありがとう。
礼を言うよ。
古美門先生が私を頼るなんてめったにあることじゃありませんから。
君ほど信用できない相手を頼りたくはなかったがね。
少ないが…。
いりませんわ。
これは貸しにします。
それに私はいがみ合ってないお二人になんてぞくぞくしませんもの。
まだちょっとあったかい。
(蘭丸)いつもお参りされて仏様も喜んでおられるでしょう。
ご存じでしょうか。
墓前に髪の毛をお供えするとこの世とあの世の垣根を越えて思いが彼岸に届くとか…。
こんなことって…。
必然的に真犯人は…。
(バイブレーターの音)羽生君からだ。
金崎さんが連絡をくれました。
(本田)分かっちゃったみたいね。
みんなが不幸になる真実。
さつきちゃんなのね?犯人は安藤貴和だよ。
たとえ誰が実行犯であってもそう追い込んだのは彼女。
安藤貴和が犯人だ。
古美門先生。
先生はおっしゃいますよね?「真実なんかどうでもいい。
勝てばいいんだ」って。
僕はこう思う。
真実はどうでもいい。
みんなが幸せになるなら。
僕と先生は実はコインの裏と表なのかもしれません。
(本田)世界中を敵に回しても何とも思わない女が命を賭して秘密を守ろうとしてる。
弁護士の仕事は依頼者の利益を守ることでしょ?死刑を求めていた世論も晴樹のおかげですっかり変わった。
無期懲役。
みんなが幸せになる結末だよ。
さつきちゃんも安藤貴和もあなたたちも。
これ以上動けば金崎親分が黙ってないんじゃない?確かにな。
あとはお二人の気持ちの問題だけです。
でもそれは簡単に解決します。
古美門先生。
戦って勝ちたい相手を負かしたい報酬や名声を得たい…。
その欲望を捨てればいい。
それだけのことです。
なるほど。
僕もジェーンもいずれはNEXUSに戻ります。
先生も来ませんか?私が?服部さんも蘭丸もみんなで。
それ最高。
あなたたちが加わったら史上最強チーム。
もう不可能なんてないよ。
一緒に世界を変えましょう。
それもいいかもしれないな。
WelcometoNEXUS!分かってくれてうれしいです。
先生…いや研介!よ〜し晴樹!ラブ&ピー…あっ!ほほほっ…。
カモ〜ン真知子!カモン!ヘイ!真知子ヘイ!真知子!ヘイ!しょうもない芝居やめてくださいよ。
何がラブ&ピースですか。
キモいですよ。
フッ。
どうやら肝心のNEXUS所属弁護士が反対のようだ。
羽生君ジェーンさん私は真実が大事だと思う。
それを明らかにしたら…。
たとえ誰かが傷ついてもみんなが不幸になってもそれが真実なら仕方ないよ。
面倒くさいやつだろう?初めて会った日から結局何一つ成長してない。
うざくて独り善がりで強情でがに股の朝ドラぽんこつ提灯パンツだ!先生だってお金のためなら人を傷つけることなんて何とも思ってない最低へ理屈げす野郎でしょうが!というわけなのでもう少しあがいてみるよ。
残念です。
あなたたちに打てる手はないわ。
それはどうかな。
われわれは往生際が悪いんだ。
加賀蘭丸さんあなたは長年わが古美門法律事務所の調査員として一生懸命仕事をしてきました。
はい。
それなのに僕の報酬は2年前から正当に支払われていなかったなんて許せません!私も驚いています。
まさか彼がそんなことをするなんて!
(蘭丸)間違いありません。
事務所の会計を預かっている事務員の服部さんが僕の報酬を着服していたんです!着服した全額の支払いを請求します!
(沢地)古美門先生が民事訴訟を提起しました。
ユニホームやっぱり赤でよかったな。
(沢地)それが相手側の代理人がNEXUSの黛先生なんです。
(井手)先生は10番が似合いますね。
加賀蘭丸が服部さんを横領で訴えたんです。
古美門先生が蘭丸の代理人で黛先生が服部さんの代理人です。
(三木)これポケット付いてねえのか。
(井手)あっ先生何で自分は53番なんですか?「ごみ」だからに決まってんだろが。
(井手)あっそういうことか。
全然気付かなかった。
(三木)ハハハハハ…。
つい出来心で…。
しかし私も被害者です!というと?私はだまされたんです!当時交際していた女性に全てを奪われました。
悪いのはあの女です!請求するならば私ではなくあの女でございます!その女とは?安藤貴和です。
何ですって!?あの安藤貴和ですか!?そうです!あの安藤貴和です!あの世紀の悪女にたぶらかされたのであれば彼に罪はないかもしれない!裁判長次回証人として安藤貴和の出廷を求めます!確かにその必要がありそうですね。
裁判に大きいも小さいもない。
断固出廷を要求します!安藤貴和の出廷を求めます!断固出廷を要求します!安藤貴和の出廷を求めます。
断固出廷を要求…断固!求めます。
断固!
(貴和)ちょっ…ちょっとねえ冗談でしょ?何でそんな訳分かんない裁判出なくちゃいけないのよ!拒否よ拒否!あの横分け小僧!安藤さんあそこにいる被告をご存じですか?
(貴和)いいえ。
彼はあなたと交際していたと証言していますが。
(貴和)知らないわよ。
例えば2年前の6月30日の夜あなたと会っていたそうですが。
会ってない。
そうですよね。
その日は徳永光一郎殺人事件が発生した日です。
あなたは事件現場で犯行を行っていたわけですからこれは服部さんの記憶違いでしょう。
ですよね?あなたがもし今嘘をついているなら例の事件の犯人ではないという可能性が出てきてしまいますから。
何これ。
犯人ではないのに有罪を受け入れるなんてあり得ませんもんね?これ何なのよ。
本当は誰かをかばっている。
(一同のざわめき)なんてことあり得ませんよね。
以上です。
ちょっ何なのよこれは!あなたはこれまであまりに多くの男性と交際してきたので被告を思い出せないのかもしれません。
確かめてみましょう。
例えば金崎正宗さんは覚えていますか?13年前に交際していた金崎…。
(貴和)知らない。
彼の子供を身ごもったというのに?裁判長これは不当な証人尋問です。
中止を求めます。
申し訳ありませんが傍聴人はお静かに願えませんか?本件と無関係な質問をしていることは明白です!あなたが決めることではありません。
裁判長私も本件とは無関係の質問に思えるので異議を申し立てようかと思いましたがこの後深く関連してくるのかもしれません。
続けてください。
金崎さんはあなたに産むように言ったそうですね。
(金崎)《うちは女房に子供ができなかった》《組の跡取りにできると思った》《だがあいつは姿を消した》《四方手を尽くして捜し出したよ》《「子供は下ろした」と抜かしやがった》《だがそいつは嘘だった》出産記録です。
13年前の8月3日2,980gの元気な女の子をあなたは確かに出産しています。
金崎さんに取られたくなかったあなたは断腸の思いで里子に出し引き取り先すら聞かなかった。
あくまで捜し出そうとした金崎さんにあなたは包丁を突き付けたそうですね。
「自分たちに関わりのない世界でまともな人生を送らせる」「あの子の邪魔をすれば殺す」と。
以来あなたはわが子のことを記憶から消して生きてきた。
違いますか?安藤さん答える必要はない!答えたくなければ答えなくて結構。
ただ私には質問する権利がありますので質問を続けます。
10年以上の月日がたち新しい獲物としてたらし込んだ徳永光一郎の家であなたは雷に打たれた。
やめろ…。
目の前に同じ生年月日の女の子がいたからです。
《でもあなた長生き…》
(光一郎)《あっ…》《挨拶なさい》その表情面影左手の甲のほくろ…。
何から何までそっくりに思える。
そんなはずはない。
戸籍上は徳永氏と亡くなった奥さまとの実子となっているのだから。
だがあなたは理屈ではなく確信したんだ。
(貴和)黙れ…。
どんな事情があってここに引き取られたのかは分からない。
だが間違いなく彼女こそ13年前に手放したわが子だと。
黙れって言ってんだろうが!
(裁判長)静粛に!何訳分かんないこと言ってんのよ!全部あんたの妄想だろ!私に子供なんていない。
あんなくそ生意気ながき赤の他人よ!ではこのDNA鑑定の結果を皆さんにご覧いただきましょうか?
(貴和)ちょっ…何勝手なことやってんのよ!
(刑務官)おとなしくしなさい!落ち着きましょうよ安藤さん。
私はただ推測を話しているにすぎません。
(貴和)放せよ。
あなたはむしろ彼女に会いたくて徳永家に深く入り込むようになった。
徳永氏と再婚し彼女の母親になりたいと本気で願ったのかもしれない。
だが父親と二人三脚で歩んできた彼女はあなたを激しく嫌った。
(さつき)《出ていけよ悪魔》徳永氏は当然あなたと別れる決意をするかに思われた。
しかし実際はその逆。
彼女を引き取ってくれる親戚を探し始めたんだ。
徳永氏は娘よりあなたを選んだ。
それを知った彼女の絶望はどれほどだったろうか。
ずっと引っ掛かっていたんです。
同じ毒を飲んだのになぜ大人の徳永氏が死亡し体の小さい彼女が助かったのか。
違う…。
非常に頭のいい子のようですね。
致死量をコントロールして飲むということもやってのけるかもしれません。
そうすれば自分は絶対に疑われない。
疑われるのは間違いなくあなただ。
事実そうなった。
お願い…。
まんまとあなたを人殺しに仕立てた彼女は今日もせっせとカムフラージュに墓参りをしている。
そうじゃない…。
まさか自分が罪を着せた女が本当の母親だなんてこれっぽっちも思わずに。
違うのよ。
あの子は犯人じゃないの。
あの子は…。
お父さんが大好きだから。
なるほど。
そうだとすると残る可能性は徳永光一郎だ。
あなたとの結婚を妨害するさつきが邪魔で邪魔でしかたがない。
ついに絶望しさつきとの心中を図った。
あなたに保険金を残して。
だがそれでもあなたはその罪をかぶらなければなりませんね。
自分を殺そうとしたのが大好きな大好きなお父さんだと知ったら彼女は生きていけないだろうから。
彼女を力いっぱい抱き締めたかったことでしょうね。
つやつやの黒髪を触りたかったことでしょう。
何時間でも眺めていたかったことでしょう。
全てを告白したかったことでしょう。
だができるわけがない。
「お前は日本中から嫌われている悪魔の女の娘だよ」と告げることなど。
あなたがかばっているのは実の娘徳永…。
先生もう十分です。
異議あり。
本件とは無関係の質問です。
認めます。
すっきりしたろ洗いざらい全部ぶちまけられて。
マスコミは大騒ぎだよ。
さつきは追い掛け回され学校にも行けなくなったらしい。
愉快だねえ。
さあ安藤貴和もう君が守るべきものはなくなった。
有罪になる意味もなくなったんだよ。
ならばどうするのが賢い?私を再び選任しせめて自分だけでも無罪になることだ。
そして私に成功報酬を払いたまえ。
迷うことないだろう。
娘がどうなろうが知ったことじゃない。
自分の欲望のためだけに生きる。
それが君のはずだ。
さあ1人だけ無罪になって勝ち逃げしよう!言い方がひど過ぎます。
知ったことか。
私を使い捨てるようなまねをするからだ。
安藤貴和観念しろ。
君はもう私と心中するしかないんだよ。
さつきか光一郎に罪を着せて無罪になれ!
(貴和)あの子だけは巻き込ませない。
もう手遅れだ。
あの子に罪はないの。
どうにかしなさい。
どうにもならない。
どうにかしなさいよ!どうにもならねえんだよ!どうせ手放したがきだろうが!見捨てりゃいいんだよ!やめてくださいそんな言い方!真実が大事なんだろう?依頼人が不幸になろうと真実は明らかにすべきなんだろう?全て君が片棒を担いでやったことじゃないか。
そっそうだけど依頼者を守ることも大事です。
じゃあどうすりゃいいんだ?他に手があるとでもいうのか?提灯パンツ!貴和さんを無罪にした上でさつきちゃんも救う。
そんなことができるのか?ここまで来たらやるしかないです。
何を?新しい真実をつくり上げる。
正解だ。
安藤貴和…。
最後の大勝負だ。
2014/11/19(水) 15:53〜16:48
関西テレビ1
リーガルハイ #10−1[再][字]【真実は悲劇か喜劇か!?堺雅人 新垣結衣】
「二転三転する最後の法廷!!執念で救え依頼人!!真実は悲劇か喜劇か!?」堺雅人 新垣結衣 岡田将生・小雪・田口淳之介 黒木華 古〓寛治・小池栄子 生瀬勝久・里見浩太朗
詳細情報
番組内容
古美門研介(堺雅人)と黛真知子(新垣結衣)は、最高裁判所で安藤貴和(小雪)の差し戻し判決を得ることに成功。しかし、直後に古美門たちは貴和から弁護代理人を解雇されてしまう。古美門は、これまでの流れの裏に前回の高裁判決前、貴和と面会した吉永慶子なる人物が関与していたことに気づいた。その吉永が羽生晴樹(岡田将生)であることにも…。
黛が『NEXUS』に行くと、磯貝邦光(古舘寛治)しかいない。
番組内容2
羽生と本田ジェーン(黒木華)は姿を消している。その頃、拘置所の貴和に三木長一郎(生瀬勝久)と井手孝雄(矢野聖人)が面会していた。そこには、沢地君江(小池栄子)の姿も。三木たちを差し向けたのは羽生だった。
貴和の差し戻し審が始まる。検察側には羽生と本田の姿があった。羽生は貴和に死刑ではなく、無期懲役を求刑。三木は情状酌量を訴える。つまり全ては、争いを譲り合いで丸く収めようとする羽生の策略だった。
番組内容3
その夜、古美門と黛は、磯貝を利用して『NEXUS』に羽生と本田を呼び出す。怒りをぶつける古美門。羽生はすでに古美門には何も出来ないと応えた。黛も事実を追求せずにねじ曲げる羽生のやり方に不満をぶつける。しかし、羽生は愚かな民衆は誰かが導かなくてはいけないと悠然と構えていた。
それでも古美門は、引き下がろうとはしない。なぜ、貴和が羽生の言いなりになったのか?古美門と黛は、事件の真実を探り始める。
出演者
古美門研介: 堺雅人
黛真知子: 新垣結衣
羽生晴樹: 岡田将生
☆
安藤貴和: 小雪
☆
加賀蘭丸: 田口淳之介
本田ジェーン: 黒木華
磯貝邦光: 古〓寛治
☆☆
三木長一郎: 生瀬勝久
沢地君江: 小池栄子
井手孝雄: 矢野聖人
☆☆☆
服部: 里見浩太朗
スタッフ
【脚本】
古沢良太
【企画・プロデュース】
成河広明
【プロデュース】
稲田秀樹
山崎淳子
【監督】
石川淳一
城宝秀則
西坂瑞城
【音楽】
林ゆうき
【主題歌】
「SLY」RIP SLYME
【オープニングテーマ】
「Re:」9nine
【制作協力】
共同テレビ
【制作著作】
フジテレビ
ジャンル :
ドラマ – 国内ドラマ
映像 : 1080i(1125i)、アスペクト比16:9 パンベクトルなし
音声 : 2/0モード(ステレオ)
サンプリングレート : 48kHz
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