NHK高校講座 物理基礎「音のちがいを決めるもの〜音波〜」 2014.11.19


私の名前は黒田有彩です。
(音声認識ソフト)これからは黒田有彩とお呼びしますね。
熊谷知博検索。
(音声認識ソフト)ウェブでクマガヤトモヒロを検索しています。
ちゃんと検索された?うんちゃんと検索されたよ。
でもすごいよねスマートフォンの音声認識って。
うんそうだね。
僕の声も有彩さんの声もちゃんと言葉を聞き取って理解してくれてるんだもんね。
そもそも人の声だって認識してる事自体がすごいよね。
そうか。
何で分かるんだ?うん…。
あなたはすごい。
(音声認識ソフト)ありがとうございます。
という訳で今日は音について学習します。
音ってこういう…楽器の音や人の声やエアコンの音や身の回りに必ずあるものだよね。
そこで今日の3つのポイントはこちら。
音の正体って何なのか。
そして音の速さやうなりという現象について学習します。
音の正体を物理的に理解すればスマートフォンの音声認識はどういう仕組みなのか世の中にあるいろいろな音の不思議が分かるでしょう。
私たちはどうやって音を認識してるか知ってる?うん。
鼓膜が音を感じ取っているんだよね。
そう。
その鼓膜が脳に「音ですよ。
次はこんな音ですよ」っていう信号を出してるんだよね。
うんうん。
それでは…音の正体を見てみましょう。
ここに黒いビニール袋をかぶせたボウルがあります。
その上に粒子の細かい塩を万遍なくまきます。
では音の正体を目で見てみましょう。
熊谷君このボウルの上で大きな声で「あ〜」って出してみてくれる?うん分かった。
その時に息で塩が動かないようにこれを使ってね。
うんこれか。
あ〜!お〜。
これは音の振動によって塩が揺れてるの。
つまり…鼓膜は空気の振動を感じてるっていう事。
あ〜振動か。
あ〜!い〜!う〜!あれ?何かちょっと違うなあ。
うん。
あ〜!い〜!う〜!今回音のちがいについてお話頂くのは大津豊隆先生です。
先生よろしくお願いします。
お願いします。
前回までに波のいろいろな性質を学習してきましたよね。
波というのは振動が伝わっていくという事でした。
今日学習する…その波として伝わってきた振動を私たちの耳の鼓膜で感じ取っているという訳なんですね。
では媒質として空気が必要な訳ですがその空気がもしなくなったら音は一体どうなるでしょうか。
聞こえなくなるの?うん?では調べてみましょう。
はい。
こちらに目覚まし時計があります。
この目覚まし時計を鳴らしてこちらのガラスの容器の中に入れます。
そのあとでポンプを使って中の空気を抜いていきます。
その時に音がどうなるかを調べてみましょう。
はい。
では鳴らします。
(目覚まし時計のベル音)あ〜うるさい。
うるさい。
(ベル音)は〜い閉めま〜す。
(ベル音)今蓋をした事によって少し音が小さくなりましたがまだ聞こえてますよね。
はい。
この状態でポンプを使って中の空気を抜いていきます。
この様子を実験に撮っていますのでこちらの映像をご覧下さい。
音が聞こえるかどうか確かめるために容器の中には目覚まし時計と一緒にマイクを入れます。
(ベル音)このマイクの音を注意して聞いて下さい。
では容器の中の空気を抜いていきます。
(ベル音)
(小さなベル音)
(かすかなベル音)ベルが鳴っている事は確認できますがもうほとんど音は聞こえなくなりました。
音を伝える空気が薄くなったからです。
こちらの容器の中も空気を抜きました。
どうですか?音は聞こえますか?
(熊谷)全然聞こえない。
でも目覚まし時計は動き続けてるよね。
ではこの容器の中に空気を戻していきましょう。
はい。
いきます。
(空気が入る音)
(ベル音)おっ聞こえてきた。
本当だね。
空気を戻すと音が聞こえてきた。
という事は…先生さっき塩の振動の様子が言葉によって変化してたんですけれどもその変化が音のちがいですか?そうですね。
私たちの声がそれぞれ違うように一般的に音にはそれぞれ特徴がありますよね。
その特徴をこちらの機械で調べていきましょう。
電気信号の変化を表示する機械です。
一方こちらには電気の振動を出す発信機を準備しました。
これをオシロスコープにつないでいます。
今電気の振動を出すとこのように表示されます。
縦軸が電圧横軸が時間を表しています。
今日は音について調べていきますのでこちらのオシロスコープにマイクをつなぎます。
そして音の振動をマイクによって電気の振動に変換してオシロスコープの画像で調べていきます。
では音の大きさや高さなど3つの特徴について調べていきましょう。
まずは音の大きさのちがいです。
オシロスコープで音波の波形を調べます。
音叉という一定の振動数を発する器具を鳴らし波形を比べます。
ではまずは音叉を小さく鳴らします。
(音叉の音)波形はこのようになりました。
続いて先ほどよりも大きく鳴らします。
(音叉の音)小さく鳴らした時に比べ波の振幅が大きくなりました。
つまり…続いて音の高さのちがいを調べてみましょう。
今度は音の高さの違う音叉を同時に鳴らして波形を比べます。
(音叉の音)高い音の方が波の数が多くなっている事が分かります。
つまり一定時間に振動する…最後に音色のちがいを調べてみましょう。
4つの楽器の同じ440Hzの音を比べます。
まずは…
(オーボエの音)このような波形になりました。
続いては…続いて…同じ高さの音でも全く違う波形がそれぞれ表示されました。
どれも楽器特有の波形です。
つまり…という訳で音が大きいと波の振幅が大きくなる。
逆に小さいと波の振幅も小さくなります。
そして音が高いと波の数つまり振動数が大きくなる。
逆に音が低いと振動数も小さくなります。
そして音色が違うと波形が違うという事が分かったね。
うん。
音を特徴づける大きさ高さ音色。
この3つを音の三要素といいます。
音の三要素と音の波の関係をよく覚えておきましょう。
波形を聞き分けちゃう人間の耳ってすごいね。
うんすごい高性能だよね。
うん。
はい。
その人間の耳と同じものを作ろうとしたのが今日の冒頭に出てきた音声認識です。
これは人の声の波形を判別するなどしているシステムです。
もちろん人それぞれ波形がちがいますので可能な限り多くのサンプルを集めてできる限り言葉を認識できるようにしたシステムと言えますよね。
音に速さがあるっていうのは花火のド〜ンって音が遅れて聞こえたり雷も稲妻が見えてからバ〜ンって音が聞こえたりするから何となく分かってるんだけど…。
う〜んそうだよね。
でも音の速さって一定じゃないって知ってる?実は温度によって空気中の音の速さは変化するの。
では音がより速いのは…どちらでしょうか。
音の速さは温度によってどのように違うのでしょうか。
プラスチックの箱に2本のマイクが入っています。
2本のマイクの間隔はちょうど1m。
箱の左端で風船を割って音を出し2本のマイクがその音を受け取る時間の差をオシロスコープを使って計り音の速さを求めます。
箱の中の空気の温度は25.4度です。
では風船を割ってみましょう。
音波が現れました。
上の波が風船に近いマイク。
下の波は遠く離れているマイクです。
離れたマイクの音波が少し遅れているのが分かります。
この時間の差を計ると2.89ミリ秒。
つまり…空気の温度が25.4度の時音が1mの距離を伝わる時間は…では箱の中の温度を高くしてもう一度実験してみます。
箱の中の空気の温度は45度になりました。
2つの音波の差を計るとおよそ…空気の温度が45度の時音が1mの距離を伝わる時間は…温度が高い方が音が伝わる速さは…実験にあった45度の時の音の速さを求めてみましょう。
はい。
速さは距離÷時間で求める事ができるので1m÷1000分の2.79だから0.00279で…今の実験から分かるように…この時温度と音速にはこのような関係がある事が分かっています。
…と表されます。
例えば温度が15度の時音速を計算すると……と求められます。
という訳ではありません。
ほら水の中でも音は聞こえるでしょ。
空気以外でも音は伝わる。
ただし伝わる速さが違うんです。
音の伝わる速さは媒質によって異なります。
一般的に気体液体固体の順に音の速さは速くなります。
アルミなんて空気のおよそ20倍。
速いですね。
つまり物質を作る粒子が強くつながっているほど振動は速く伝わるという事なんですね。
うん。
例えば除夜の鐘の音ってゴ〜ンオ〜ンオ〜ン…ゴ〜ンオ〜ンオ〜ン…って音が大きくなったり小さくなったりするでしょ。
うん。
あれがうなり。
どういう事?うん。
はいではここに2つの同じ振動数の音叉を準備しました。
振動数は共に440Hzラの音です。
この同じ振動数の音叉を同時に鳴らしてみましょう。
いきます。
(音叉の音)同じ音だね。
うん。
うなりは聞こえないよね。
では片方の音叉におもりを付けて少しだけ振動数を下げます。
もう440ではありません。
この状態で2つの音叉を同時に鳴らしてみます。
(音叉の音とうなり)何かウォンウォンウォンウォンってなってるね。
なってるね。
2つの音叉の振動数が僅かに違うためにうなりが聞こえました。
このうなりが聞こえる時の音の波形を調べてみましょう。
初めに440Hzの2つの音叉を同時に鳴らして波形を見てみましょう。
(音叉の音)きれいな波が現れました。
では1つの音叉におもりを取り付けます。
振動数をはかるとおよそ437Hzです。
この437Hzに調整した音叉と440Hzの音叉を同時に鳴らすと…。
(音叉の音とうなり)うなりが発生しました。
波の振幅が大きく変化しうなりが発生しているのが目でも分かります。
1秒あたりのうなりの様子を調べるためにオシロスコープの時間軸を長くします。
この黄色い線の間が1秒です。
(音叉の音とうなり)1秒の中にうなりの波が3つ入っています。
ちょうど2つの波の振動数の差と同じです。
音叉を439Hzに調整してうなりの回数を見てみましょう。
(うなり)1秒の中にうなりの波は1つです。
これもまた2つの波の振動数の差と同じになりました。
実験の結果から1秒間あたりのうなりの回数は2つの振動数の差で表される事が分かりました。
この事を式で表すと1秒間あたりのうなりの回数fはそれぞれの振動数の大きい方から小さい方を引いた値で表されるという事です。
今日は音のちがいを分析的に学習してきました。
更に工夫を重ねて音声認識システムは人の言葉として認識できる。
そのような形になって普及を始めています。
近い将来さまざまなところで利用されて一般的な光景になるかもしれませんよね。
そうですね。
では…。
さようなら。
(音声認識ソフト)ご一緒できてよかったです。
お〜すごいねやっぱり。
賢いですね。
1秒あたりのうなりの回数は2つの振動数の差で求める事ができます。
(関口)しかしよくももうこうも違った色になれるもんだよ。
2014/11/19(水) 14:20〜14:40
NHKEテレ1大阪
NHK高校講座 物理基礎「音のちがいを決めるもの〜音波〜」[字]

音を特徴づけるものに、音の大きさ、高さ、音色がある。これらの物理的特徴を学ぶ。学習のポイントは、1.音とは何だろう2.音の速さを調べる3.2つの音でつくるうなり

詳細情報
番組内容
ギターの弦などの音源が振動すると、それによって空気が振動し、空気の疎密の変化が、縦波として伝搬する。音を特徴づけるものには、音の大きさ、高さ、音色があり、これらを音の三要素という。音の大きさと振幅の関係、音の高さと振動数の関係、音色と波形の関係について、さらに、音の速さと温度の関係やうなりについても学習する。【講師】大津豊隆(豊島学院高校教諭)【司会】黒田有彩、熊谷知博
出演者
【講師】豊昭学園豊島学院高等学校教諭…大津豊隆,【司会】黒田有彩,熊谷知博

ジャンル :
趣味/教育 – 中学生・高校生
趣味/教育 – 大学生・受験
趣味/教育 – 生涯教育・資格

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音声 : 2/0モード(ステレオ)
サンプリングレート : 48kHz

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