…な理系女子黒田有彩です。
現役高校生の熊谷知博です。
熊谷君まずはことわざの問題。
そのあとは?うん正解。
よく知ってるね。
まあね。
でも今日は違います。
違うの?はいこれを見て下さい。
いや何これ?風が吹けば…。
お〜回った!どうなってるの?これ。
モーターが回ったのは電流が大きくなったから。
え?でも風が吹けば電流が大きくなるの?さあどうでしょう。
電流を大きくしたのは一体何でしょうか。
電流の大きさを決めるものは何か。
それが今回のテーマ。
そこでまず今日はオームの法則を確かめそのオームの法則を使って回路に流れる電流を調べ最後に電気抵抗率について学びます。
ではまずオームの法則から。
う〜んオームの法則って名前は覚えてるんだけどね。
そんな熊谷君のために用意しました。
こちらが乾電池1個と豆電球1個の回路。
そしてこちらは乾電池2個。
乾電池2個の方が明るいよね。
どうしてだろう。
それは乾電池2個を直列につなぐと…うんそのとおり。
こちらの豆電球には…だから明るいんだね。
実はこれがオームの法則なんです。
(ブツリン)オームの法則。
式で書くと…電圧Vは電気抵抗Rに電流Iを掛けたものに等しい。
うん。
オームの法則何だか思い出してきたよ。
うん。
ではこの式を電流と電圧の関係に注目してこのように変形します。
こうすると電流Iは電圧Vに比例するっていう事が分かります。
では電流が電圧に比例する事を実験で確かめてみましょう。
電流が電圧に比例する事を確かめましょう。
…が直列につながっています。
またニクロム線の両端には電圧計がつながっています。
こうすると電流計でニクロム線に流れる電流の大きさが分かります。
また電圧計でニクロム線にかかる電圧の大きさを読み取る事ができます。
電圧を上げます。
ニクロム線にかかる電圧を1Vにすると0.1Aの電流が流れます。
電圧を2Vにすると電流は0.2Aに。
3Vにすると0.3A。
4Vでは0.4A。
電圧を5Vにすると電流は0.5Aになりました。
今の結果をグラフにしました。
電流の大きさは電圧に比例している事が分かります。
今回電流の大きさについてお話頂くのは増渕哲夫先生です。
(2人)よろしくお願いします。
お願いします。
講師の増渕です。
今回は電気の2回目になります。
前の回で電流について少し触れましたけれども今日はもう少し深く考えていきます。
はい。
という事で今実験を見た訳ですが…。
そうですね。
今の実験でオームの法則のこの式電流Iは電圧Vに比例するという事が分かりました。
では次は電気抵抗Rと電流Iとの関係ですが…。
電気抵抗R?そう抵抗っていうのは電流の流れを妨げる事。
電流の流れにくさの事なの。
流れにくさ。
うん。
さっき見た実験ではこのニクロム線が電流を流れにくくしてるの。
はいそうですね。
こちらに太さの違うニクロム線をつないだ回路を用意しました。
2つのニクロム線とも同じ長さになっていますけれども電球の明るさはどうですか?太いニクロム線の方が明るいですね。
そうなんですね。
細いニクロム線っていうのは抵抗が大きいので電球が暗い。
それから太いニクロム線っていうのは抵抗が小さいので電流がたくさん流れて電球が明るくなっています。
この現象をオームの法則を用いて説明するとこんなふうになります。
まず細いニクロム線ですけれども細いニクロム線は抵抗Rが大きくなるので電流Iが小さくなる。
電球も暗くなる。
それとは反対に太いニクロム線だと抵抗Rが小さくなりますから電流Iが大きくなって明るく光ったという訳です。
試してみよう。
今日のガリレオはこれ。
2本のストロー。
こっちが太くてこっちが細い。
じゃあ熊谷君この2本のストローでジュースを飲み比べてみて。
うん分かった。
じゃあまずは太い方からね。
はい。
うんおいしいジュースだね。
よかったです。
じゃあ次は細い方ね。
うん。
ん…これは飲みにくいね。
ジュースが少ししか入ってこないよ。
そうそれが抵抗の違いなの。
太いストローは抵抗が小さいので流れやすい。
逆に細いストローは抵抗が大きいので流れにくいのです。
ふ〜ん。
じゃあジュースを飲むんだったら抵抗の小さい方がいいんだね。
回路での電流の流れ方ってどういう事?電気回路の中で電流がどのように流れてるのかオームの法則を使って調べるって事。
やっぱりオームの法則か。
便利だよね。
まあうんそうだね。
そこでまず回路を作るために用意したのがこちら。
抵抗という部品です。
抵抗?という事は電流が流れにくい部品?そうそのとおり。
そしてこれはその抵抗を2つ並列につないだものです。
上の方は抵抗の大きさが10Ω。
下の方は20Ωです。
じゃあ熊谷君この抵抗をこのように並列につないだ時…う〜ん2つ足すのかな。
オームの法則を使って求める事ができます。
またまたオームの法則。
この式を抵抗を求めやすいようにこのように変形しよう。
すると電圧と電流が分かれば抵抗の大きさが分かるね。
ではこの並列の抵抗に電圧を加えてその時の電流の大きさを測ってみよう。
並列につないだ抵抗に電圧をかけその時の電流を測ります。
今4Vの電圧が2つの抵抗にかかっています。
この電流計は輪の中に導線を挟んで電流の大きさを測る事ができます。
まず10Ωの抵抗に流れる電流を測ると0.4A。
20Ωの抵抗に流れる電流は0.2Aです。
そして回路全体に流れる電流は0.6Aです。
え〜今の実験結果から抵抗を並列につないだ時の全体の抵抗の値を求めてみます。
ちなみにですね抵抗をいくつかつないだ時の合わせた抵抗の事を合成抵抗というふうにいってます。
ではこちらを見て下さい。
今この並列につないだ部分に4Vの電圧がかかっていました。
それから流れている電流は0.60Aでした。
オームの法則の式にそれぞれ4Vそれから0.60Aという値を代入して計算を進めると約6.7Ωという事になりました。
(熊谷)オームの法則って役に立ちますね。
でも熊谷君合成抵抗を式で求める方法があるんだよ。
そうなんですね。
またこちらを見て下さい。
RΩとRΩという抵抗があってその合成抵抗をRΩだとします。
そうすると合わせた抵抗はですね……という式で求める事ができます。
今それぞれRは10ΩRは20Ωでしたから計算を進めてみると20分の3。
Rの値にしてみると6.7Ωという事で先ほどの実験結果と同じ答えが出てきました。
ただ足す訳じゃないんだ。
そうなんですね。
それからちょっと意外な事かもしれませんけれどもこのRΩとRΩ合わせた抵抗は並列につないでみるともともとの抵抗より小さな値になってくるんですね。
では直列の場合はどうか。
抵抗Rと抵抗Rを直列につないだ時合成抵抗Rは…2つの抵抗の大きさを足せばいいんだ。
この式を見ると分かるように直列の場合合成抵抗Rは元の一つ一つの抵抗より大きくなる。
並列と反対だね。
次は立体回路です。
立体回路?うん。
例えば2つの抵抗が直列の回路。
電池の電圧は1.5Vだけど回路の途中で電圧は変化してるの。
この回路のA点を基準にしてそれぞれの点の電圧の変化を見てみましょう。
直流電圧計のマイナス側のクリップをA点に固定します。
まず乾電池のマイナス極のB点は電圧0Vです。
次に乾電池のプラス極のC点はおよそ1.5Vです。
D点も1.5V。
E点も1.5V。
10Ωの抵抗の上のF点も1.5V。
2つの抵抗の間のG点は1.0Vに下がりました。
20Ωの抵抗の下のH点は0V。
I点も0Vです。
最後に電流を測ってみましょう。
およそ0.05A。
電流はどこで測ってもおよそ0.05Aです。
はい結果をまとめてみました。
見て下さい。
回路のどこでも…それから電圧ですけれどもA点を基準にしてそれぞれいろいろな値になりました。
オームの法則V=RIどおりになったね。
うん?どういう事?そうですね例えばここを見て下さい。
これ10Ωの抵抗の所ですけれども電圧は1.5と1.0の差0.5Vかかっています。
抵抗の値は10Ω。
流れている電流は0.05ですから上のオームの法則の式と見比べてみるときちんと式が成り立っているのが分かりますね。
同じように20Ωの所でも同様の式が成り立っています。
オームの法則ってすごいな。
はいではこの回路を立体回路にしてみました。
お〜これですね。
では黒田さん説明をお願いします。
はい。
この回路は抵抗が直列の場合です。
乾電池の電圧で1.5V高くなりこの辺りは1.5Vのまま。
ここの10Ωの抵抗で0.5V下がり続いて20Ωの抵抗で1.0V下がって0Vに戻ります。
うん立体回路にすると電圧の変化がよく分かりますね。
そうですね。
それからこちらには抵抗を並列に接続した立体回路を用意しました。
この抵抗の部分を見て下さい。
立体回路にするとそれぞれの抵抗の所に同じ電圧がかかっているなんていう事もよく分かりますね。
次は物質には……があるというお話です。
はいそうですね。
それを数値で表したものがこちらの電気抵抗率です。
世の中にはいろんな物質がありますけれども断面積とか長さをそろえて電気抵抗の大きさを比較したものです。
例えば銅アルミニウム鉄なんていうものは電気抵抗率が非常に小さいんですね。
導体というふうにいわれている物質です。
それとは反対に例えばガラスであるとかゴムプラスチック。
これは電気抵抗率が非常に大きい。
不導体と呼ばれている物質です。
あと電気抵抗率がこの間にある物質というのもあります。
半導体と呼ばれる物質で例えばゲルマニウムとかシリコンなどというのが有名な半導体の物質です。
シリコンはダイオードとかICとか電子部品に使われている物質ですよね。
そうなんですね。
こちらにシリコンを薄く切ったものを持ってきました。
これはですねシリコンの板というのは温度が変わると電気抵抗率が非常に大きく変わるんですね。
シリコンと銅の電気抵抗を温度を変えて調べてみましょう。
これは電流電圧電気抵抗などを測るテスターという測定器です。
まずシリコンの抵抗を常温で測ります。
単位に注意して下さい。
およそ3.6MΩ。
Mは…電熱器のスイッチを入れ加熱します。
電気抵抗が小さくなっていきます。
シリコンでは1.7MΩまで下がりました。
次に銅の電気抵抗を測ります。
常温で0.1Ω。
電気抵抗はほとんどありません。
加熱します。
銅はほんの少し抵抗が大きくなる傾向が見られました。
でも導体は逆なんですね。
はいここで「風が吹けばモーターが回る」の…これは実は…この部分はフィラメントっていって明るく光る部品。
これとモーターと電池。
この3つで回路ができています。
でもフィラメントは電気抵抗が大きいので回路に流れる電流が小さくてモーターは回りません。
では…え〜っとそれは…。
このフィラメントは導体の金属でできているの。
そこでフィラメントに風が当たって…モーターが回るという訳だったんです。
もちろん息を吹きかけても回るんだよ。
お〜。
回りましたね。
電気抵抗の性質をうまく使った仕掛けでしたね。
はい。
それでは皆さん…。
(3人)さようなら〜。
これをオームの法則という。
RとRを並列に接続した時の合成抵抗Rはこの式で求める事ができる。
直列の場合合成抵抗RはRとRを足した値になる。
電気抵抗率の小さい導体。
電気抵抗率の大きい不導体。
その中間の物質を半導体という。
という事なのだ。
2014/12/24(水) 14:20〜14:40
NHKEテレ1大阪
NHK高校講座 物理基礎「電流の大きさを決めるもの〜電流・電圧・電気抵抗〜」[字]
回路を流れる電流の規則性を実験を通して探っていく。学習のポイントは(1)オームの法則を確かめよう(2)回路での電流の流れ方を調べる(3)導体と半導体の電気抵抗率
詳細情報
番組内容
電圧をV、電流をI、抵抗をRとすると、V=RIという関係が成り立つ。これをオームの法則という。回路において、抵抗の接続の仕方によって直列接続と並列接続の2つがある。直列では各抵抗に流れる電流は等しく、並列では各抵抗に加わる電圧は等しい。電流の流れやすい物質と流れにくい物質があるが、これを数値で表したものを電気抵抗率という。【講師】増渕哲夫(学習院女子中高等科教諭)【司会】黒田有彩、熊谷知博
出演者
【講師】学習院女子中高等科教諭…増渕哲夫,【司会】黒田有彩,熊谷知博
ジャンル :
趣味/教育 – 中学生・高校生
趣味/教育 – 大学生・受験
趣味/教育 – 生涯教育・資格
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