わが子にたっぷりと……などの声も。
親は怒って…子どもは……という悪循環。
こんな親子の関わり方をガラッと変えるエデュカチオ名人がノンフィクション作家の北村年子さん。
北村さんがこれまでに取り組んだテーマは…悩める子どもたちの実態を取材したものや子育て中の母親に向けて親子の関わり方を指南するものなど幅広い。
それらの本にはある共通したメッセージが込められている。
それは…自分に自信が持てず不安を抱える子どもたちに取材を通して実感した自分を好きになる事の大切さを伝えている。
更に自分自身母親として子育てに苦労してきた経験から悩めるお母さんたちに向けた講演会なども行っている。
自分を好きになる極意。
それは「まぁいっか」と力を抜く事だという。
今日はじっくりとお聞きしよう。
興味がありますね今日は。
もうお母さんたちの気持ち私今朝もいろいろあったからすごくよく分かるんです。
いろいろありますよねいつもね。
いつも感じる。
ネタ満載じゃないですか。
日々これですよ日々これ。
でもそんな私含め親たちのために今日のエデュカチオ名人がいらして下さいました。
お迎えしましょう。
北村年子さんです。
(拍手)よろしくお願いします。
こんにちは。
お願いします。
お会いしたかったです。
塚原さんのいろいろを是非聞かせて頂きたいと思います。
今朝もご飯を子どもがなかなか食べてくれなくて1歳半なんで言ってもしょうがないと思いつつもう〜どうしてああっ!ていう。
もう今日楽しみ!よろしくお願いします。
北村さんは…
(北村)そのとおり!ピンポン!そうなんですよ。
ようやく出てきたんですよ。
やっと出てきた。
これが真意でした。
だからね今起こってる現象だけでは…大切なのは母親が…これ奥様方というかママたちすごく多いんじゃない?日頃たまっている鬱憤は一番多いのは8割方夫ですよね。
そうなんですよ!痛いとこ突かれた。
だってVTR見ながら「そういう事か!」と思って。
ほっと一息つける…そうなんです。
そのセリフはよく聞きます。
東山さんはお嬢様とか奥様とかずーっと一緒にいらっしゃってカッとしてそうな雰囲気とかないですか?
(塚原)ああ逃げちゃう!ずるいずるい。
逃げます。
もっといいお母さんにならなくちゃと思っていてこういう講座に参加してくれるんですけど…そっか…ちょっと尾木ママのお考えと似てますね。
似てますね。
いつも言ってる事ね。
塚原さんやったら「まぁいっか」って言ってみるだけでどんどんもっとリラックスして…。
北村さんが自分の本当の気持ちに気付く大切さを伝えているのは北村さん自身も苦しんだ経験があるからだという。
30歳の時男の子を授かった。
いい母親になろう母乳だけで育てようと決めていたが子育ては思うようにはいかなかった。
母乳が足りず結局粉ミルクを使った。
子どもが泣くのは当たり前と分かっていても……という気持ちが湧き起こりイライラしてしまう。
そして息子を保育園に預けた時も「お母さん行かないで」と泣いて追いすがるわが子にいらだちを感じてしまった。
自分は子どもを愛せないダメな母親なのだろうか。
苦しんだ北村さんは懸命に…思い出したのは2歳の時の事。
家庭の事情で祖母に育てられる事になったのだ。
母親といよいよ別れるという時幼い北村さんは……と思い本当は泣きたかったのに泣くのを我慢したという。
それ以来北村さんはどんな時でも泣かずにがんばる子どもになった。
泣くわが子をありのままに受け入れられない心の底にあったもの。
それは…思いを誰にも受け止めてもらえなかった…ご自分の小さな頃の事まで思い出されたんですね。
当たり前ですよね2歳の子なら。
それを思い出したのは30歳過ぎてだったんですけど…あの涙は普通にドラマ見て泣くとかじゃなくて…今度は息子が「お母さん」って追いかけてきても…北村さんが講演会やワークショップで伝えている…イライラして子どものする事につい怒ってしまいそうになる時…我を忘れて子どもをどなってたり…息してない時ありますもんね。
息をのむっていう感じ。
言ったあとにハァー…。
カッとした瞬間の怒りってそう長く続くものじゃないというデータもあって。
せいぜい20秒とか数十秒。
その間を何とかしのげばちょっと冷静になって「ご飯食べる?」って言えるようになったりとか。
その一呼吸ですね。
人がやってる方法でなくても…「とにかく離れてね北村さん私吸っている吐いているだけじゃなくて…」呼吸をして自分を落ち着かせる事ができたら…呼吸法をして自分を落ち着かせたら…あんな事しちゃったとか子どもをどなっちゃったとか必ず出てきますので出てもいいんですね。
一旦許してからいいとこ気付いて褒める。
その段階がいりますよね。
あっそうか。
尾木ママからもセルフケアの方法をご紹介。
おなかに左手を置いてこちらでトントントンと…そういう感じになってくる。
だからカッとしたり焦ったり自信がなくなった時はそれやってみたら?って言うの。
(北村)全く一緒です。
講座の中でも呼吸法をしたら自分の手を自分でマッサージしながらこの手が今まで生きてきて今日までどんな働きしてきた?ってそれを褒めてあげるだけでも子どもを育ててるね包丁握ってお料理してるね洗濯物をパンパン干してるねそれだけで手をさすりながらお母さんたちポロポロポロポロ泣かれたり。
自分の事なんて触れないですもんね。
そうですよね。
(北村)触れて下さい。
自分を許す事ができたら…今のこの自分を許せるようになったところで…頑張れなかったけど今日はお料理作る時間も気力もなかったけど冷蔵庫の残り物でチャッチャッとやったチャーハン偉いね節約できたねとか。
北村さんはラジオを通じて悩みを抱えた子どもや若者たちにも語りかけている。
DJを務めている番組には子どもや若者から誰にも言えないつらい気持ちを聞いてほしいと悩みをつづったメールやFAXが届く。
苦しむ子どもたちに北村さんは…北村さんがこうしたメッセージを伝えなければとの思いを強くした出来事。
それは取材を通して……に出会った事だった。
今も全国で頻繁に起きている…この問題を多くの人が知るきっかけになったのが1995年に大阪で起きた襲撃事件。
北村さんは加害者の若者と面会し何度も手紙を書いた。
なぜ暴行に至ってしまったのかその本心を知ろうとしたのだ。
やり取りの中で見えてきたのは加害者の若者がひどいいじめを受けてきた事。
自分が誰にも認められない価値の低い人間だと感じている事だった。
この取材を通じて北村さんは…弱い者いじめの連鎖の構図に気付かされた。
ホームレスへの襲撃にも学校でのいじめにも親が子どもにつらくあたってしまう事にも同じ構図が隠されているのだ。
北村さんは…ありのままの自分を認める大切さを伝える授業を行っている。
この日は支援活動を通じて知り合ったホームレスの男性に来てもらい高校生に向けて話をした。
ひと言で言うなら…単にハウスの家と違って…そこに帰れば…私が言っている自尊感情というのは…北村さんの考える…東京都内のホームレスの人たちへのアンケートによるとおよそ6割の人たちが何らかの襲撃を受けた経験があると答えた。
更に誰に襲われたのかを聞くと子どもや若者との答えが4割近くを占めた。
東京都墨田区では今年の春からホームレスの人たちの事を知り差別や偏見を取り除いて襲撃をなくしていくための授業が全ての小中学校で始まった。
この日はホームレスの男性2人が6年生の子どもたちの前で話をした。
…などの感想が寄せられた。
こうした取り組みを行っている自治体はまだ少ないが少しずつ広がり始めている。
学校から帰ってきた娘。
何だかイライラして扉を乱暴に閉め弟に八つ当たりしていた。
思わず……とどなってしまった。
これではイライラを受け止められず逆効果。
場を移して静かに……と聞いてみる。
との事。
まずは…つらい気持ちを受け止めてもらえたと感じ子どもは安心するのだ。
これも講座の中でまず子どもが「ただいまI’mhome」「おかえり」って帰ってきて何て言ってますか?と言うと「今日どうだった?」ってほとんどのお母さんがそうやって聞く。
気持ちじゃなくて今日は忘れ物なかった?先生に怒られなかった?友達と遊べた?仲良くやれた?って点検になるんですね。
そうじゃなくて…やっぱり感情の言葉を親の方が誘い水というか何か嫌な事あったの?とか何かつらい事あった?何か悔しい事あった?特に…東山さん上手そうそういうの。
そうですかね。
遊びに出かけた子どもが約束の時間より1時間も遅れて帰ってきた。
思わず……とどなってしまった。
これだと子どもは頭ごなしに否定されたと感じ萎縮したり反発したりしてしまう。
と自分を主語にして…これなら子どもは否定されたと感じずに次はどうしたらいいか自分で考える事ができるのだ。
そのあと冷静にさっき言ったように一呼吸おいて…
(北村)完璧にあのとおり正解をやろうと思ったらそんな無理ですよ。
こっちがストレスたまっちゃいます。
萎縮しちゃうお母さんが。
娘に「宿題を手伝って」と言われ仕事の疲れがたまっていたが見てあげた。
イライラして簡単な問題を解けない事にきつく当たってしまった。
これでは子どもは嫌な気持ちになるだけだ。
無理をせず……と言おう。
まず自分をいたわる事で結果的に子どもを傷つけずに済む。
子どもも親の姿から自分を大切にする姿勢を学ぶ事ができるのだ。
「もう一個おまんじゅう食べたいな」ってあんた4つも食べて5つ目だよとかそれを受け入れるのは甘やかしだと思うんですよ。
あらそうなんだと。
そんなふうになっていくと思うの。
そうすれば子どもの事もありのまま受け入れられる。
東山さん今日はいかがでしたか?
(塚原)親もリラックスして…。
今ここをね。
尾木さんは?意識しなくても。
あれって思うよ。
そうそこがびっくりでした。
そうなんですよね。
子どものために一生懸命やれば自分の事は二の次でいいんだという思いがそれがよくないんだって事を今日知りました。
北村さんは?この「エデュカチオ!」の番組を見てらっしゃる時点でこの視聴者のお母さんお父さんはもう大丈夫と思うんです。
そうしたら自然とこうしなくちゃと思わなくても自然とあるがままの命をまた喜べると思います。
そう考えたら…しっかり者の奥さんがいはりますから。
締めるとこは締めてくれへんと。
次回もお楽しみに!もうすぐ…2014/12/06(土) 12:00〜12:30
NHKEテレ1大阪
エデュカチオ!「“まぁ いっか!”で変わる子育て 北村年子さん」[字][再]
今回の「エデュカチオ!名人」は、作家の北村年子さん。子育てはがんばり過ぎず「まあいっか!」と自分を許すと、わが子に対しても穏やかに向き合うことができるという。
詳細情報
番組内容
子どもの力を引き出す「エデュカチオ!名人」。今回は子育てや教育について長年取材を続けているノンフィクション作家の北村年子さん。母親向けの講演会などを行い、まずは親自身が不完全な自分を認め、ありのまま受け入れることで、わが子にも穏やかに接することができると説いている。自身の子育て経験や、親も子も自分を好きになり、楽になる方法、また、子どもの自尊感情を高める親の関わり方などについて、その極意を伺う。
出演者
【出演】ルポライター…北村年子,教育評論家、法政大学教授…尾木直樹,東山紀之,【司会】塚原愛
ジャンル :
趣味/教育 – 教育問題
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