追悼・菅原文太さん 最後の主演映画「わたしのグランパ」 2014.12.06


(五代謙三)「Mamawon’tgoaway」
この時間は先月28日に亡くなられた菅原文太さんをしのんで最後の主演映画となった『わたしのグランパ』をお送りします
昔となんにも変わっちゃいねえんだな…。
《五代珠子14歳》《もし68歳まで生きるとしたらあと54年ある》《54年なんて永遠のような気がする》
(携帯電話)《これから54年の間に私は一体どんな事を経験するんだろう?》《囹圄の人…》《いろんな事が全部あの囹圄の人という言葉から始まったんだ》囹圄…囹圄…。
囹圄…。
「ひとや。
牢獄。
」刑務所の事?
(五代恵一)荷物出来た?
(五代操)本当に引っ越すわけでもないしさ。
荷物ったってどうっちゅう事ないよ。
でもグランマなんで急に名古屋のおじさんちに行くなんて言い出したの?逃げ出すみたいじゃない。
(五代千恵子)珠子。
逃げ出すんだよ。
嫌いなの?おじいさん。
まあね。
ならおじいさんに名古屋に行ってもらえば?おじいさんの家だぞここは。
寂しいよグランマがいなくなると。
ありがとう。
珠ちゃんだけだそんな事言ってくれるの。
あらお義母さん私だって…。
憎まれ口はよく似てるよ親父と。
あれで変な魅力があるからねあの人。
会うとやばいよ。
惚れてるんですか?まだ。
バカ!ねえおじいさんどんな悪い事して刑務所に入ったの?
(恵一)知ってたのか?南米に行ってるなんて嘘ついてさ私には。
仕方ないわよそりゃ。
囹圄って刑務所の事でしょ?見たな?俺の日記。
机の上に開いてあったんだもん。
囹圄がよくわかったな。
調べたの。
(操)人を殺したんだよ。
ええっ?お義母さんそんな言い方…。
(操)本当の事知っといたほうがいいよ。
13年刑務所にいたんだよ。
13年って私の人生じゃん!生まれたばかりだったあんたは。
まあ相手はヤクザで正義感からやった事だよ。
前科もあったしね傷害事件で。
前科?執行猶予だったけどな。
それも相手が悪かったんだ。
じゃあおじいさんは本当は悪い人じゃないんだ。
ヤクザと戦った人で。
どっちがヤクザだか…。
囹圄の人が今日出てくる。
(扉の開く音)
(京谷カンナ)メガネ変じゃない?
(椛島舞)本当だよねださいんだけど。
ってかスカート何これ?
(花園克美)長すぎて気持ち悪い!
(舞)そうだよバッカみたい!貸して。
貸して。
はい。
(木崎ともみ)これ面白い?っていうかあんたみたいにウジウジした奴見てるとマジむかつくんだけど。
学校来んな。
(ともみ)はい帰れ!
(篠原町子)キャッ!
(一同)帰れ!帰れ!
(克美)どうしようかな?
(舞)きもいけど。
ちょっとごめん!
(克美)何すんだよ?バイキンがバイキン連れてどこ行くの?あいつ関係なくない?うぜえんだけどなんなの?何あいつ?調子こいてんじゃねえよ。
(町子)ありがとう。
町子さああのさなんであんな連中の目の前で夏目漱石なんて読んでんの?見せつけるみたいにさ。
そんな…ただ漫画の原作にしようと思って。
そういうのってむかつくんだよあの連中。
気をつける今度から。
ねえ新しい漫画描いたんだけど今度見てくれる?いいけどさ…。
イエーイ。
イエーイイエーイイエーイ!
(坂下文治)ちょっと反応しろよ反応しろよ。
(文治)靴新しくね?新しくね?いくら?いくら?100円100円。
100円?優しいじゃん先生。
美術部の先輩も…。
前はさもっと厳しかったのに。
ああわかる。
バカ。
なんでバカなんだよ?ともみ。
バカ文治!何つまんねえもん撮ってんだよ。
今日のパンツは何色かなぁ?花柄だったりして。
バラ?バラ?
(カンナ)いや絶対ありえない!
(克美)おかしいよ!
(町子)キャッ!大丈夫?やだ!ちょっとやめて!やだ!やだ!やだ!やめて!
(ともみ)もっとちゃんと撮れよバカ!イテテ…。
(五代謙三)珠子じゃねえかよ。
なんだよもう!もう痛いよもう離せよ!もう離せよもう!離せ…。
いてぇなもう!イテッ!クソじじい!じゃあバイバイ。
ねえ珠子のおじいちゃん?あの人。
…らしい。
らしいって?いいからいいから。
じゃあね。
バイバイ。
やあ。
こんにちは。
こんにちは。
写真で見てたからすぐわかったよ。
五代謙三です。
お前さんの祖父という事になるかな?中学1年か?はい。
お前さんいじめられてるのか?別に…。
いじめられてるだろう。
関係ないでしょ。
放っておいてください。
怖い顔だ。
ばあさんに似てる。
(恵一)すいません迎えに行けなくて。
いやかえって困るよ迎えになんか来られると。
はいはい。
(千恵子)お義父さんすいません。
お前も。
ああ…どうも。
珠ちゃんは…なしだな。
まずはおめでとう。
乾杯。
乾杯。
あ〜。
ビールがね体中にしみていく音がする。
あ〜。
どうぞお義父さん召し上がってください。
あんですね…これから世話になるからこれ千恵子さん使ってください。
あらま!でもそんな事…。
いや所内で働いた報酬だから遠慮なく使ってください。
でもそんな…。
いいじゃないか預かっておけば。
はい。
いったん出したものは引っ込めないよこの人は。
そう?それじゃあお預かりする事に。
そうか…ばあさんやっぱり逃げ出したか。
(恵一)逃げ出したわけじゃないよ。
無理もねえや。
顔に自信がある女だからね年取った顔見られたくねえんだろう。
年取ってないですよ。
今でも若いもん。
そうかい?そんならひと目会いたかったなあ。
ビールは?もういい。
銀舎利を頂く。
はい。
銀舎利…?所内で働いてらしたってどんなお仕事を?言いたかねえなあ…。
どうして?いいじゃない。
笑うだろ?おめえたち。
笑わないよ別に。
刺繍…。
何?言ったろう。
刺繍だよ!あっ…。
ほら笑った。
だから言いたくなかったんだよ。
ごめんなさい。
でもちょっと意外でしたから…。
昔から器用だからな父さんは。
それで取られたの?お金。
取られてない。
第一そんなお金ないし…。
でも取られた子は何人もいるみたい。
ともみ族のチンピラと付き合ってるらしいよ。
暴走族?うん。
そいでとにかくいっぱいお金いるらしいよ。
(文治)五代お前のじいさんムショ帰りだってな。
(ともみ)人殺しだってよそいつのじじい。
(克美)気ぃつけな〜。
(文治)怖えな。
(舞)からかったりするとやばいよ。
(文治)何が?おいじいさんに言っとけ。
ムショ帰りなんて怖くねえってな。
おい行くぞ。
珠子…。
何?本当なの?何が?人殺し…。
本当だったら…どうかした?いや別に。
知らないのはもう町子だけだよこの学校で。
普通はね…。
何?普通だったら人殺しをして刑務所に入ってた人間が出てきたらみんな怖がるもんでしょ?前科者だからって。
それが買い物に行くとね顔見知りの人がみんなゴダケンさん帰ったんですねって愛想よく言うのよ。
まるでなんか長い旅行から帰ってきたみたい。
ゴダケンっておじいさんの事?そうそう。
五代謙三だから「ゴダケン」。
ゴダケンさんゴダケンさんってなんかみんなに好かれてるみたい。
ねえどんな事件だったの?おじいさんが人を殺したって。
よく知らないのよ。
お父さんに聞いてみて。
聞いたよ。
そしたらおじいさんに聞けって。
聞けるわけないじゃん。
今夜も晩ご飯いらないって…遠慮でもしてるのかしらね〜。
何食べてんだろう?毎晩。

(店内の音楽)同じ味だよあいつの作ったのと。
(中藤慎一)フフッ…ただの卵の味ですよ。
いや違う。
どこが?ん?フフ…。
気持ちがさ…あいつには心があった。
慎ちゃんもそれ受け継いでるよ。
そりゃどうも。
おじさん昨日うちの親父の墓参り行ってくれたんですね。
ありがとうございます。
いろいろとな思い出す事があったよ墓の前で。
おじさん親父のせいで13年も…。
何言ってんだよ。
筋道が違うよその話は。
でも気をつけてくださいよ。
連中おじさんが帰ってきたの知ってますから。
そうだろうね。
それにしても疋田の奴そんなに偉くなったとはなあ。
最近他にも気になる事があるんですよ。
なんだい?前原さんところのお店…あるでしょ?パチンコ屋。
おお。
昨日会ったよ。
この前あそこになんか様子のおかしい客がいましてね。
それで急に暴れ出したりするから前原さん仕方なく交番に突きだしたんですよ。
そしたらその男覚せい剤やってたんですよ。
ほう…。
どうも後ろに疋田組がいるらしいんですよ。
昔となんにも変わっちゃいねえんだなあ…。
じゃすみんで飲んでます。
キャーッ!キャーッ!キャーッ!ああっ…!嫌…!大丈夫か?そろそろ着くからな。
うあっ!うああっ!あーっ!違う!ヒイッ!ヒイッ!ヒイッ!どうなさいました?スカート切りだ。
違うんです…違うんですよ…違うんですよ!ああっ…ああっ!違う…違うんですよ!ああっ!ああっ!ああっ!違うんですよ…!大丈夫か?さあ事務所行って傷の手当てしよう。
あっそれ私が…。
今日は私がやらせてもらいます。
その手どうしたんですか?いやなにちょっと包丁でね。
花好きなんですか?花というより土から生えてるものがね。
この花はばあさんが大事にしてる花だろ?ばあさんなんて言わないで。
まだきれいなんですから。
この花の名前なんていったっけ?千日紅。
ほう千日の紅か…。
きれいな名前だ。
タバコを吸ってもいいかい?よくないけどいいわ。
それはありがとう。
お前さんはばあさんと仲がよかったのかい?だからばあさんって言わないでって言ったでしょ。
だってお前のおばあちゃんだろうが。
私はグランマって呼んでます。
あいつはそんなに肉体美じゃないよ。
えっ?あっ違う。
違うの。
グラマーじゃなくてグランマ。
グランドマザーの事です。
おう。
それじゃあ俺はグランファって事になるか。
グランドパパだからグランパでしょ。
そうかグランパか。
あの…グランマとは仲が悪かったんですか?そんな事はないよ。
えっでもグランマは…。
あのね自分ではなんにもしてないつもりでもそいつがいるだけでいろんな問題が起こる。
そういう人間もいてね。
どうやら私はそういう人種らしい。
昔からばあさんには迷惑のかけっぱなしだった。
うんざりしたんだろう。
今にお前さんもそう思うようになるよ。
そんな事は…ないと思いますけど。
それなら嬉しいけどね。
へえ〜ちゃんとやってんじゃん。
ふ〜ん。
さすが美術部!うまいじゃん。
(舞)この絵は夏目漱石にどう関係あんの?ハハハハハ!ねえ聞いてる?前科もののクソじじい元気?
(舞)人の殺し方なんか教えてもらってんの?こうやってさグサッてやるんだよ。
(舞)やりそう!あいつ普通じゃないから。
(カンナ)ねえ絶対普通じゃないから。
(克美)カンナあげよっか?あっいるいるいるいる!いくよ?いくよ?
(カンナ)うんうん!はい。
(3人)落ちちゃった〜!ハハハハハハ!うるせえんだよ!調子乗んじゃねえよ。
ぶっ殺されてえのか?ああ?てめえらの3匹や4匹ひねり潰すのわけねえんだよ。
やってやろうか?命いらねえのか!てめえら!オラ!
(町子)珠子?本当にビックリした。
もう言わないでって言ったでしょ。
だってさ…。
誰かの血を引いてるんじゃないの?おじいさんの事?ともみも変だったね。
あれどうしたんだろう?一体。
おじいさん!やあ!仲よし2人組今帰りかい?はい。
一緒に帰ろうか。
何買ったんですか?ん?パンツですか?ズボンですよ。
だからパンツでしょ?ズボンの事。
パンツ?違うよ。
パンツじゃなくてパンツ。
パ…パンツ?ハハハハハ!パンツ。
(立川裕次郎)それでどうしたんだよ?
(山本雄二)であれからまた数学の大山に職員室呼び出されて。
またやられたのかよあいつに。
他の先生もいる前で「だいたいお前なんかが高校行こうってのが間違ってる」とかなんとか…。
お前何黙って聞いてんだよ。
そんな事言ったってさ…。
そんなのぶっ飛ばしゃいいじゃねえかよ!なんだよ!
(徳永宏)お前なんかが高校行こうってのが間違ってるって?間違って教師になった奴が言ってるわけか…。
別の道から帰らない?平気だよ。
(町子)ケンカしないでね。
わかってる。
(町子)あいつらバカなんですから。
子供なんだから。
わかってます。
来た来た!ムショ帰りのじじい!な〜んだただのじじいじゃねえかよ。
(坂下)ケチな人殺しがかっこつけてんじゃねえよ!おやおや。
おじいさん!こんな年寄り相手にケンカでもしたいのかい?お前さんが親分か?看板屋の徳永の息子だろ?話は聞いてるよ。
お前さんのおとっつぁんは昔からよ〜く知ってるんだよ。
一度電話するように言っといてくれ。
ゴダケンが帰ってるからってな。
(立川)ようかっこいいねじいさん!
(坂下)威張んじゃねえよくせえじじいが!やめてよね本当に!やめてるよ。
いじめられるのは私たちなんだから。
やっぱりいじめられてんじゃねえか。
いじめられてます。
ほらね。
何もしないで。
何もしないよ。
本当ね?ともみにも何かしなかった?ともみって?
(ノック)はい。
ちょっといいですか?いいよ。
なんだい?新しいの買ったんだ。
うん。
まあグランマがね電気スタンド持っていっちゃったみたいだからこの間買ったんだ。
あのですね…。
ん?なんかねいじめっ子のともみって子がねちょっと様子が変なの。
それでおじいさんがともみになんかしたんじゃないかななんて思って…。
そんな…。
第一知らないよともみなんていう子。
この間会ったじゃない帰り道で。
顔覚えてないなあ。
どうかしたの?急におとなしくなっていじめをやめたみたいなの。
へえ〜。
なんか心当たりないですか?ないですよ。
ひょっとしてその子なんか怖い目にでも遭ったのかな?怖い目って?例えばね一人でいる時にとても怖い思いをした人間は他人に対してもひどい事が出来なくなるもんだって私はそう思うけどな。
お前もう学校来なくていいよ。
みんなにとって迷惑なんだよお前みたいなのがいると。
だから高校ももう諦めろ。
な?なんだよお前その態度。
ええ?なんとか言えよお前!
(机を蹴る音)
(悲鳴)やあ。
どうしたんですか?散歩に来て通りかかったんだよ。
あれ?仲よしの町子さんは?用があって先に帰ったんです。
一緒に帰ろうか。
パンツ似合ってますねブルゾンも。
ありがとう。
窓ガラスひどいね。
あああれは3年生の男子が…。
そんなに荒れてんのかい?この学校。
ううん。
初めてあんなの。
ふ〜ん。
結構去年の…。
あれも校内暴力の一人だなこの間も会った。
立川裕次郎。
徳永の一の子分でケンカ強いの。
ふ〜ん。
(立川)ムショ帰りのじじいが若作りなんかしやがってよでけえツラすんじゃねえよ!そりゃっ!うわっ!うっ!いっ…イテテテテ!痛い!いっ…!ムショ帰りに毒づくなんていい度胸だな。
殺される覚悟はあるのかい?やめてくれ…。
この手にちょいと力が入ると脳に血が行かなくなってアッパッパにある。
それでいいか?
(立川)あっ…頭ボーッとしてきた…。
そうかいそうかい。
このまま死んじまいな。
やめて!おじいちゃんやめて!
(咳)もうつまらねえ暴力はやめておきな。
わかったか?は…はい。
やるんなら死んでもいいという気でやれ。
もうしません。
本当だな?はい。
仲間にもそう言っときな。
はい。
(咳)お前大丈夫かよ?絶対復讐しに来るわ。
そうだろうね。
それが狙いだよ。
殺されるわよ。
そうかもしれないね。
そうかもしれないって…怖くないんですか?そりゃ怖いよ。
ったくもう…何考えてるんですか!?なんだろう?あれ。
ありゃりゃ…一難去ってまた一難か。
(河野)五代謙三さんですか?そうだがあんたは知らねえな。
(河野)かわいいお嬢さんですね。
お孫さん?先にうちに入ってな。
あんたの名を聞いてるんだよ。
河野といいましてね疋田の兄貴に世話になっています。
そっちは?これは名前はどうでもいい奴で。
ほう名前は「どうでもいい奴」。
変わった名前だね。
おい篠あいさつしろ。
疋田組の若いもんで篠です。
でなんのご用です?疋田の兄貴が五代さんには貸しがあるっていうんです。
貸しは返してもらいてえと兄貴怒ってましてね…。
なんにも借りた覚えはねえけどな。
(篠)なんだと!?このじじい。
ムショから出てきたらぶっ殺してやる。
…なんて兄貴が物騒な事を言いますんでねまあまあ一度会って話してみたらとなだめてるわけで。
ぶっ殺してやる?
(篠)組長がそう言ってるんですよ。
ありがてえな。
「ぶっ殺してやる」か…。
(河野)なんだと?やってもらおうじゃねえか。
(河野)そう伝えりゃいいんですか?兄貴に。
わかりがいいね。
そういう事だよ。
なんだと!?この…!それじゃ近いうちにまた寄せてもらいますんで。
なんだいたのか。
大丈夫なの?また来るって言ってたじゃない。
大丈夫だよ。
お前さんたちには迷惑はかけない。
警察に知らせたほうがいいんじゃない?おいおい警察は勘弁してくれよ。
ぶっ殺すなんて言われて嬉しいだなんて冗談にもならない事言って…!だから冗談じゃないのよ。
えっ?いいからいいから。
さあ入ろう。
だって物騒でしょうがないじゃない。
珠子だって何されるかわからないのよ。
(恵一)そんなに嫌いなのか?親父の事。
(千恵子)そんな事言ってないわよ。
いい人だしどっちかっていえば好きな人ですよ。
(恵一)だったら仲よく暮らせばいいじゃないか。
やっていけるのかい?こんなんで。
さっきまで結構お客さんいたんですよ。
それならいいけどね。
そういえば疋田のとこの子分も1時間ほど前に来ましたよ。
なんの用で?みかじめ料払えって。
ここへも来るのか。
まあ結構ショバ代だと思って払ってる店が多いんですよ。
うちは払わないってわかってるんだけど時々嫌がらせに来るんですよ。
代が替わってもちっとも変わらねえな奴ら。
中藤源吉の店に火つけやがってあいつら。
おじさんその話はやめましょうよ。
僕も古傷が痛みますから。
そうだったな。
慎ちゃんもひと頃暴れてた。
みかじめ料取り立てるほうだったな。
いやだからその話はやめましょうって。
だけどあん時俺はおめえの親父見殺しにした。
おじさんちょっと飲み過ぎですよ。
いや…。
助けられたはずだ。
中にいるんだよおめえの親父が!助けなくっちゃよ!やばいよこれは!バカ野郎!離せこの野郎!源吉!離せ!おじさんが危ないって!いやちょっと待って!たった一人の親友を俺は助ける事が出来なかった。
おじさん今夜もう帰ったほうがいいですよ。
そう邪険にするな。
(中藤)でももう酒はおしまいです。
いいですね。
そうかいもう駄目かい?駄目です。
頑固だな。
あの親父の息子ですから。
これから始まるんだよね?そうそう黄金時代から始まってこっちにきて…。
あっかわいい!あっちょっとこれやだあちょっと。
大丈夫だよ。
(電話)あっ電話だ。
(電話)ちょっと待っててね。
うん。
なんだろう?えっ?神社ですね。
あっ…すぐ行きます。
(犬の鳴き声)
(立川)なめたまねしやがってよ。
俺らに勝てると思ってるのか?勝てるわけねえと思うよ。
こっちは酔ってるしおめえだけならともかくこんだけいたんじゃなあ。
やっちまえ立川。
それより俺をケガさせたり殺したりしたらおめえさんたちみんな警察に捕まるよ。
そうすると校内暴力もなくなって結構だがけれどもおめえたちの将来はめちゃめちゃだ。
それが心配だな。
(立川)人の事よりてめえの心配しな!いやーっ!あー!バカ何するのよ!バカ!バカ!みんな死んじまえ!今警察が来るんだからね!みんな警察に捕まっちまえ!なんだてめえ!
(立川)お前警察に電話なんかしやがったのか!?そうよ私がしたのよ!
(パトカーのサイレン)ほら来た!みんな捕まっちまえばいいんだ!早く逃げろ!バカ!早く逃げちまえ!早く逃げちまえ!あ…町子さんもか?大丈夫?ケガしてない?大丈夫だよ。
パトカーが来ると面倒だからわしらも逃げようか。
なんで?なんで?いいから。
早く逃げよう逃げよう。
(パトカーのサイレン)いや…ひざ崩したらどうだ?
(徳永)はあ…。
(立川)すいません。
(舌打ち)なんだよ。
どうしたの?その顔は。
(徳永)ちょっと2人でやり合って。
やり合ったってケンカしたわけ?こいつが謝りに行こうって言うんで…。
ほう…。
それはまた意外な。
それで殴り合いになって。
近頃珍しいな。
殴り合いをするほど仲のいい友達なんて。
あの…。
ゆうべは本当にすいませんでした。
本気で言ってるのかい?はい本気です。
ゆんべの今日だ。
なぜ謝る気になったんだろうって誰でも思う。
よかったらわけを教えてくんねえか?五代さんに絡む気なんてもともとなかったんです。
成り行きで…すいません。
あんたは謝りたくねえんじゃねえのかい?いえあの…すいませんでした。
ほう…立派だね。
親父にも正直に話して相談したんです今朝。
徳永猛。
昔から知ってるがいい男だよ。
親父が昔の不良はもっと正々堂々としてたって。
不良だったんですこいつの親父。
知ってるよ。
年寄り一人に大勢でかかっていくなんて男のクズだとか言われました。
あんたの親父は昔一人で上級生5人相手にやった事があった。
ケンカには負けたけどな。
それ以来おとなしくなったのは相手の5人組だった。
(徳永)聞いた事ないですその話。
そこがいいとこだよあの男の。
立派なケーキ頂いて。
どうぞ。
はい。
すいません。
紅茶でよかったかな?はい。
ありがとう。
どうぞ。
すいません。
はい。
ところで学校の先生たち丸腰だろ?武器も持ってねえ。
先生には手を出してないですよ僕ら。
じゃあ窓壊しだけかい?先生が出来ない生徒をしつこくいびるもんだから…。
それはよくないな。
けどそれでガラス割るのかい?わかるけどな気持ちは。
やれやれってけしかけたい気もするね。
だけどガラス危ねえな割ったりしたら。
好きな女の子ケガしたりして。
よしいいぞ。
そのとおり。
はいごめんなさいよ。
やあおかえり。
あ…おかえりなさいはこっちのせりふだったわね。
上がったら?あんたのうちだ。
ええ今…。
グランマ!あ…。
おかえり!はいただいま。
何してるの?こんなとこで。
いやいきなりばったり会っちゃって。
びっくりしてもう…。
電話くれたら迎えに行ったのに。
欲しいものがあってね急に思い立ったのよ。
あらお義母さんおかえりなさい。
はいひと晩厄介になりますよ。
ひと晩なんて言わないで。
なんか派手にやったそうですね。
神社の境内で。
俺の事かい?来る途中一心堂で聞きました。
仕方なかったの。
私も一緒だったから知ってる。
相変わらずですね。
あんたも変わらんね。
白髪ないね。
染めてんのかい?ありますよ白髪。
(千恵子)白髪私のほうが多いんですよお義母さんより。
会社はうまくいってるかい?今度ゆっくり話すよ。
なんか難しそうだな。
これねちょっと早いんだけど…正月の草津温泉の宿泊券。
往復の汽車の切符も入ってる。
いやそんな事お義父さん…ねえ?これご一行様2名になってるけど。
あのね今度の正月は2人で行ってもらって私と珠子は2人で留守番させてもらいたい。
でもグランマは?いや私は名古屋です。
いやだけどこれ…。
いいじゃねえかそうさせてくれよ。
なっ?えっ?そうよ。
たまには2人だけで仲よくしてきたら?ケンカばっかりしてないで。
珠子!父さんと珠子はどうするの?実はちょっと面白い企画があるんです。
へえなんですか?それはまだ言えないんです。
私ね本当はあまり好きじゃないの。
正月だけのいい家族ごっこなんて。
珠子!なんだそのものの言い方は。
まあまあ。
とにかくそういうわけだから。
今度の正月はぜひとも2人だけで行ってきてほしい。
でも悪いわ。
いいんだよ。
そうですか?けど父さんこれ買うお金どうしたの?親に金の出どころなんか聞くもんじゃない。
心配するな。
(恵一)考えてみると俺たち変だな。
何が?俺には君が何に悩んでいるのかわからないし君も俺が何を悩んでるのか知らない。
それでもなんとかやっていってる。
昔のあの頃の事覚えてるか?親父なんか感じてそれで2人に旅行に行けって言ったんじゃないか?ねえグランマ。
なんですか?おじいちゃんはなぜ人を殺すような事をしたの?さあね。
おじいちゃんに聞いたら?そんな事言わないで教えて。
どうしてなの?昔バブルの時代っていうのがあったの知ってるでしょ?うん。
習った。
地上げ屋って知ってる?地上げ屋?暴力団みたいなものよ。
人の土地を安い値段で取り上げて高い値段で売るの。
へえ…。
おじいちゃんはそいつらに会社を潰されて…。
けどそれだけじゃ済まなかったんだ。
あの人の親友の源吉っていう人は地上げに抵抗してたんだけど息子もちょっとグレてね暴力団に出入りしてたの。
ゴタゴタがあって…ある日とうとう放火されたんだ。
そのじゃすみんって店。
あの人の見てる前でその友達が焼け死んだの。
殺されたって事だね。
ひどい…。
あの人がそのままおとなしくしてるわけがないから。
復讐?殴り込んだんだたった一人で。
待てコラ!野郎!待てコラ!うわーっ!
(銃声)
(疋田隆三)貴様〜!やめろ!ああっ…!ああ…!野郎!どけ!ああ…!クソ〜!この野郎!うらぁ〜っ!ああ〜!ああ〜!
(ガラスが割れる音)組長!組長早く!いけ〜っ!結局ヤクザが2人死んだわけ。
まったくあんな無茶してよく殺されなかったもんだよ。
グランマはそういう人の事をどう思ってるの?あきれてる。
一緒に暮らせないの?難しいねああいう人とやっていくのは。
じゃあ明日また名古屋に行っちゃうの?そのつもりだよ。
このうちには私の場所がないもの。
(徳永猛)やっぱりいいねえ五代さんの字は。
最近はみんなパソコンだろ?物好きだねえ手書きで宛名なんて。
いやこの会社はね年賀状の宛名は絶対手書きでやってるんです。
去年までうちの社員にやらせてたんだけどいまいち駄目でね。
いいのかね?こんなもんで。
何をおっしゃる!最高ですよ。
今朝サンプル持っていったらねすっごく評判よかったですよ。
それは嬉しいね。
こんにちは。
おっいらっしゃい。
珠子さんだね?ゆっくり遊んでいってください。
どう?うまくいってる?グランパ。
おや?とうとうグランパになったのかい?私は。
いいでしょ?グランパって呼んでも。
嬉しいけどなんかこそばゆいな。
いいにおい。
少し墨すっていかねえか?いいよ。
はい。
あれ徳永君のお父さんでしょ?昔5人を相手にケンカしたっていう。
立ち聞きしたな?この間の話。
優しそうな人だね。
あのね優しい人ほど本当は怖いんだよ。
グランパみたいに?私はあれですよ。
ただいつもニコニコ。
嘘ばっかり!こんにちは。
おっおかえり。
五代お手伝いか?遊んでるだけ。
お茶しに行かないか?うーんちょっと考えときます。
(扉の開閉音)「五代」だって。
偉そうに。
いいじゃないか親友みたいで。
親友じゃありません。
友達でもありません。
何よあんな悪ガキ。
そう言うなよ。
頭もよさそうだし顔もいいよ。
私帰るから。
お茶しに行かないのか?グランパとの明日のデート忘れるなよ!グランパ本当にいいの?この高そうな服!もちろんいいに決まってるさ。
いろいろ見てごらん。
これなんかとてもよくお似合いだと思いますけど。
よかったらご試着なさってみますか?着てみなさいよ。
こちらになります。
(戸の開く音)
(千恵子)じゃあ珠ちゃんあとお願いしますね。
任せといて。
元日まで遊んで2日には帰ってくるから。
何回同じ事言うの?じゃあ…いってきます。
いってきます。
さあ支度をして元旦はホテルだ我々は。
えっだってまだドレス届いてないよ。
ホテルに直接届けるように言ってある。
私2日に友達に会うんだけど…。
心配するな。
2日の朝に戻ってくるんだから。
(男性)あっどうも。
相変わらず仲よしだね。
いやいや…。
きれいなお嬢様お連れになって今日は。
誤解しないでよ。
孫娘。
えっ?ちっとも知らなかったな。
かわいいね。
(女性)本当にお孫さんなのかしら?
(男性)知らなかったですね。
(女性)きれいね。

(ピアノ)相変わらずだねえ。
古くから知り合いのピアノ弾きの柳田さん。
孫娘の珠子です。
(柳田光義)ああ…。
ゆっくり楽しんでいってくださいね。
行こうか。
お腹すいたろ?
(中藤)こんにちは。
おう一人かい?ええ。
きれいだなぁ。
珠子ちゃんでしょ?会った事あるよな?ええなんだかお目見えに…いえお目にかかった事が…。
シャンパン飲んでみる?駄目だよ。
飲むまねだけ。
(柳田)ゴダケンさんなんか1曲歌ってよ。
えっ?はい。
えっ!?グランパ歌えるの?
(ピアノ)「LulullaluluHusha‐Bye」「Dreamoftheangelswayuphigh」「Lulullaluludon’tyoucry」「Mamawon’tgoaway」「Sleepinmyarmswhileyoustillcan」「Childhoodisbutaday」「Evenwhenyou’reagreatbigman」「Mamawon’tgoaway」「Mamawon’tgoaway」
(拍手)あっ…五代恵一と五代千恵子。
五代千恵子さん急にきれいになったみたい。
前からきれいだよ五代のお母さん。
私早く大人になりたい。
嫌でもなるよ大人に。
でも私大人になりたくない。
(徳永)嫌でもなるよ大人に。
うん…。
こんにちは。
(女性)こんにちは。
ただいま。
あれ?うわっ…!ああごめんごめん。
屋根裏入るとこがここしかないんでね。
屋根裏って何?いいもの見せてあげよう。
上がっておいで。
何?なんなの?一体。
わあ〜面白い屋根裏って。
四角いところは天井板だから踏んだら落ちるよ。
気をつけてついておいで。
何があるの?いいから黙ってついておいで。
うん…。
なあに?嘘だあ!?嘘じゃないよ。
いくら入ってるの?2億円あったけどだいぶ使った。
けどまだ1億以上あるよ。
どうしたの!?このお金。
あとで教えてやるよ。
お父さんもお母さんも知らないんでしょ?うん誰も知らない。
なんで私に教えたの?私に万一の事があったらこのままになっちまうからさ。
グランパに万一の事があったらどうなるの?全部お前さんのものだよ。
そんな…!グランマにはあげないの?ばあさんの口座にはちゃんとそれなりに振り込んである。
あとは珠子のもの。
そんな事言われても…。
まあじっくり考えな。
誰にも言うんじゃないよ。
行こうか。
先に行けるか?うん。
気をつけてな。
悪い奴らがね武器の密輸で儲けた金をかっぱらったんだよ。
盗んだわけね?盗んだんじゃないよ。
会社を潰された仕返しだ。
バレたら殺されるじゃない!顔は見られてない。
でももしバレたらどうなるの?殺されるだろうね。
やだそんなの!大丈夫だよ。
絶対にバレっこないから。
(ため息)
(疋田)なんだ?ありゃ。
(河野)ゴダケンの孫ですね。
(疋田)ふーん…。
あんな孫がいるとはな。
ようゴダケンさん久しぶりだな。
なんか用かい?あんたにちょっと話があるんだよ。
俺のほうは別に用はねえよ。
そう言わねえでよちょっと付き合ってくれよ。
どこか行くかい?そうこなくちゃ。
大変…グランパが殺される…。
大変だよ!お父さんの会社に電話しなくちゃ!待ってよ待ってよ。
よーく考えてから…。
そんな事言ってたら殺されちゃうよグランパ。
まさかそんな…。
前からグランパを狙ってるのよ。
殺されちゃうよ!珠子?
(電話)ん?あっ…。
(電話)「大丈夫だからもう寝ててくれ」今どこ?おじいちゃん。
「じゃすみんに着いたとこだよ」「疋田の野郎に高級クラブに連れていかれてね久しぶりだ昔の事は水に流して手打ちにしねえかって散々飲まされて…」大丈夫なんだろうね?「ちょっと酔いをさましてから帰るから…」「いいからもう休んでくれ」「心配させて悪かった。
じゃあな」じゃすみんからだ。
何もなかったって。
ああ…よかった。
はあ…。
もう1杯水飲みますか?ああもらおう。
おじさんこの前のあのお金…。
なんだい?金って。
僕がいいって言ってるのにおじさん親父の供養だって言ってすごい大金僕に預けたじゃないですか。
預けたんじゃねえよ。
あれはお前さんの親父から預かった金だ。
お前さんのもんだよ。
今日の事ってあのお金となんか絡んでるんじゃないですか?関係ねえよ。
余計な心配するな。
はあ…飲みすぎた。
水もう1杯おくれ。
ああお腹すいた…。
本当お腹すいた…。
やばい…。
どうしよう。
逃げよう!どうして?いいから逃げる!キャッ!キャーッ!
(カジ)よーし。
(町子と珠子の悲鳴)おとなしくしてろよ。
嫌…!嫌!よしわかったわかった。
歩けよ。
しっかり歩けよ。
階段階段。
ほれ。
はいよいしょ…。
嫌ー…。
大丈夫だ大丈夫だ。
ほれ。
うわー!やめてよ。
やめて!
(河野)縛っとけ。
(カジ)はい。
(カジ)ちょっと立ってて。
うわー!はいはい座るんだよ。
ここに椅子があるからな。
よーし…。
うっ!嫌!やめて!
(珠子と町子の悲鳴)嫌っ!大丈夫大丈夫大丈夫。
はいよしよしよし。
嫌ーっ!何やってんだ!いや別に…。
大丈夫だよ。
うっ!嫌ーっ!
(カジ)ごめんごめんごめんな。
ごめんごめん…。
フフ…ごめんごめんごめん…。
(疋田)ゴダケンの孫娘はどっちだ?
(河野)これです。
(疋田)まったく何度電話しても嫁さんが出るばかりで話になんねえんだよ。
ゴダケンがいねえんだよ!あんた五代のじいさん知ってるだろ?その人は知りません!会った事ないから。
知ってます!何回も会ったから。
バカ!よーし。
じゃあな五代のじいさんを捜し出して例の金をここに持ってくるように言ってくれるかい?例の金ってどんな金ですか?子供には関係ねえ!いいか?警察や誰かに喋ったら友達の命がな危ない事になる。
町子言われたとおりにして。
グランパは多分商店街のどこかにいる。
どこにもいなかったら夕方には一度帰ってくるから家の前で待ってて。
いいね?例の金そう言うんだよ。
おい誰かついてってやれ。
はいわかりました。
この人は駄目!何言ってんだよ。
なんかやったのか?いや何も別に…。
やりました!スカートの中に手を入れました!バカ野郎!すいません…。
篠!お前マサ連れて行ってこい。
(篠)わかりました。
ああそれから帰りに弁当買ってこい。
(マサ)へい。
町子私のかばんとかスケッチブックお願い。
わかった。
よし。
行くぞほら。
ったく…ゴダケンの野郎どこ行きやがったんだバカタレが!
(恵一)なんだそんなとこにいたのか?ええ。
電話があったんだろ?町子さんち泊まるって。
(千恵子)町子さんからはね。
珠子じゃなくて。
親父はじゃすみんのマスターんちに泊まるって事だったし。
変な電話もあったし…。
なんかあったんです。
きっと。
(恵一)携帯にかけてみりゃあいいじゃないか。
いえ…珠子からかかってくるの待ってます。
私待つのは慣れてるから。
ああ…。
チキショウ…来やがらねえなあ。
カジ。
はい。
お前ばっかり食ってねえであの子にもやったらどうだ。
食わないんですよ…。
(車の走行音)車…誰の?
(車のドアの開閉音)来た!来たぞ!バカ!いつまで食ってんだよ!
(カジ)はい!
(疋田)絵美!
(河野)あの野郎…絵美さんをさらってきやがった。
(カジ)あれ娘さんですか?組長の。
(疋田)クソッ…!
(篠)あっ機関銃持ってる!
(河野)違う。
あれは自動小銃だ。
(カジ)どっちでも同じようなもんじゃないですか。
どうするんですか?やばいじゃないですか。
(疋田)おい気をつけろ!撃ってくるぞ!えっ!?やばいやばい…!
(銃声)おーい疋田さんよ。
孫を返しておくれ。
じじい…。
撃つなー!撃つなー!撃たねえよ。
だから孫を返しておくれ。
返さねえとお嬢さんがどうなるかわからないよ。
絵美を離せ!まず孫を離しなさい。
チクショウ…!卑怯な野郎だ。
徳永君…。
ああ立川君も。
おいで珠子さん。
娘を離せ!孫が先だよ。
おいで。
ゆっくりとな。
(荒い息)もう大丈夫だ。
離してやってくれ。
ごめんなお嬢さん。
もう行っていいよ。
(疋田絵美)クソじじい。
おーい!疋田さんよ。
こんな事はもうこれっきりにしてくれねえか?チキショウ…!やっぱり銃を隠してやがったな。
隠してたんじゃねえ。
あり場所知ってただけだ。
これは元に戻しておくから忘れてくれねえか?そうじゃねえとややこしい事になるよ。
シャブの事もネタすっかりわかってるんだ。
わかったよバカ野郎!そろそろまともな仕事で金稼ぎな。
クソじじい!いつか殺してやるからな。
サングラスの男がピストル持ってるの。
大丈夫だよ。
慎一が狙ってるから。
腕前はオリンピック級だ。
もう1発ぶっ放しますか?やめとこう。
あんまり派手にやらねえほうがいい。
よし。
じゃあみんな車乗れ。
(立川)俺1回でいいから撃ってみたかったな。
子供のおもちゃじゃないぞ。
チェッ!都合のいい時だけ大人扱いしてさ。
(徳永)ブーブー言わねえで早く乗れよ。
きっつ…。
あの女暴れやがって。
手ぇ噛まれちったよ俺。
ご苦労だったな。
ありがとう。
徳永君もな。
(徳永)よかったな五代。
ケガしなくて。
ありがとうグランパ。
おお。
元はといえば私のせいで起きた事だ。
怖い思いをさせてすまなかったな。
あいつら仕返しに来ますかね?来ねえだろう。
どうせ自滅するよ奴ら。
(男の子の声)…誰か助けて!誰かー!誰かー!助けてー!
(携帯電話)もしもし?えっ?えっ…えっ!?どうしたの?大変…帰らなきゃ!ごめんなさい!グランパ…?グランパどうしたの?眠っちゃ駄目だよ。
起きなさいよグランパ。
もう聞こえないわ。
(中藤)グランパは川で溺れた女の子を助けようとして…。
(すすり泣き)
(読経)
(読経)
(読経)兄妹で遊んでた5つの女の子が川に落っこっちゃったらしくて…。
それで散歩してたおじさんが助けようと思って飛び込んだんだ。
(中藤)あの冷静なおじさんが着物着たまま飛び込んだらしくて…。
女の子は助かったんだけどおじさんそのまま…。
そこにいた人の話によるとなんだか「さようなら」って手振ってるみたいだったって。
だいぶ経ってから消防団の人がおじさんを助け上げたらしいんだけどその時はもう…。
グランパは死にたかったんだと思う。
(恵一)どうしてそう思う?わからない。
でもグランパは死にたかったんだと私は思う。
(恵一)だけど珠子囹圄って言葉覚えてるな?刑務所の事。
(恵一)あの言葉を中学生の俺に教えたのはおじいちゃん…珠子のグランパだった。
どこで生きようがこの世は囹圄だ。
人は皆生まれた時から捕らわれの身だって親父はそう言った。
ただその捕らわれた場所を住みやすいところにするかどうかは人の努力次第だって…。
親父はその牢屋の中を少しだけきれいにしたかったんだと思う。
一周忌のセレモニーが終わったら珠子がいなくなったっていうからそんならここに違いないと思って。
一人でいたかったの。
グランパの最後の場所で。
わかってる。
みんなまだいる?大人たちは酒飲んでグランパの話してるよ。
乗る?うん。
行くよ。
うん。

(謙三の声)おーい珠子さんや。
あれ忘れるなよ。
あの屋根裏の…。
忘れないよグランパの事は全部。
何?なんでもない。

今夜の…
「ありのままの姿見せるのよ」
『アナ雪』旋風で知名度を上げた彼女は今年…
決まったの?
(男性)決まりました!うわ〜!
(拍手)
ついに
そこで…
自身の得意曲で
迎え撃つのは…
「Youarealwaysgonnabe」「あなた」「薄紅」「わたしは自由」
(一同)うわ〜!
大波乱の結末に!!
『仕分け∞』に
2014年総決算これ以上間違ったら出ていくよね。
(剛)もう出ていく。
2014/12/06(土) 14:35〜16:25
ABCテレビ1
追悼・菅原文太さん 最後の主演映画「わたしのグランパ」[字]

先日亡くなられた国民的俳優・菅原文太さん。「仁義なき戦い」「トラック野郎」などで活躍された菅原文太さんを偲んで、最後の主演作『わたしのグランパ』を放送します。

詳細情報
◇番組内容
刑務所を出所し13年ぶりに帰ってきた五代謙三(菅原文太)。地元の商店街の人たちは謙三を温かく迎え、謙三の存在は様々に影響を与えた。五代家の一人娘・珠子へのいじめはなくなり、不良グループによる校内暴力も収まった。また、珠子の両親のギクシャクした関係も改善されていく…。そんな中、謙三の社会復帰と時を同じくして、珠子の家の前をヤクザがうろつくようになる。それは13年前の事件と関係していた…。
◇出演者
菅原文太、石原さとみ、浅野忠信、平田満、宮崎美子、波乃久里子、伊武雅刀
◇原作
筒井康隆『わたしのグランパ』(文藝春秋刊)
◇監督
東陽一
◇脚本
東陽一

ジャンル :
映画 – 邦画
福祉 – 文字(字幕)

映像 : 1080i(1125i)、アスペクト比16:9 パンベクトルなし
映像
音声 : 2/0モード(ステレオ)
日本語
サンプリングレート : 48kHz

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