きょうの料理 和食の知恵を食卓に「合わせだしで 茶碗蒸し・根菜汁」 2014.11.18


(テーマ音楽)
(拍手)さあ皆さんこんにちは。
(生徒一同)こんにちは。
今日から2日間食卓を豊かにする和食の知恵を藤田貴子さんと一緒に勉強してまいりましょう。
教えて頂きます。
よろしくお願いします。
よろしくお願いいたします。
(生徒一同)よろしくお願いします。
去年の12月に和食が世界無形文化遺産に登録されました。
間もなく1年がたつわけですがやはり関心というのが高まっているなっていうのを感じますね。
そうですよね。
和食は四季折々のその時々の美しい旬をお料理に盛り込んでおりますので人気が出るわけですね。
そうですよね。
今日はその和食の知恵を習いたいという皆さんにもお越し頂いています。
どうぞ皆さんよろしくお願いいたします。
(生徒一同)お願いいたします。
皆さんの中には子育て中という方もいらっしゃると思います。
是非次世代にまた和食っていうのを伝えていってもらいたいなという気もしますね。
そうですね日本人ならではのよさをまた次の世代にお子様にもしっかりおいしいものを作っていってあげて下さい。
さあそれでは早速始めてまいりましょう。
まずは和食の基本「だし」ですね。
ええ。
こちらに3種類のだしを用意してもらいました。
和食の基本といえば何といっても「だし」。
用意した3種類のだしの味を比べてもらいます。
まずは1番から。
何のだしか分かるでしょうか?
どうですか?どうでした?
(拍手)ご名答。
1回目でもうご名答。
正解です。
1番のだしはこちら「かつおだし」だったんですね。
そうですね。
かつおはいい香りを感じると思いますので今皆様味見した時にほんのりかつおの香りでもうぴんときたんだと思います。
1番は「かつおだし」でした。
ではちょっと色の薄い2番のだしは?
どうでしょう?どうでしょう?笑顔になりましたがお分かりになりました?はいご名答です。
そうなんです2番のだしは「昆布だし」。
海の深い感じの味わいが感じられたと思います。
それでは3番目にいってみましょう。
かつお昆布ときたら…さあ最後3番のだしはちょっと難しいですよ
では3番目のだし皆さん味見お願いします。
どうでしょうか?お願いします。
「煮干し」う〜ん…。
もう一方ぐらい伺っていきましょうか。
野菜の根菜とかでとっただしなのかなって思うんです。
じゃあ藤田さん正解を。
はい。
かつおと昆布の合わせだしなんですね。
こちらでした。
こちらですね。
3番はちょっと複雑な味。
かつおと昆布の合わせだしだったんです
お昆布とかつお節は持ってるうまみ成分が違いますので。
イノシン酸とグルタミン酸という違ううまみ成分で合わさってるのでおいしく感じるんですね。
1足す1は2になるわけではなくてお昆布とおかかで何倍にもおいしさが広がっていくんです。
ああそういうところを組み合わせるのがやっぱりこの和食の知恵というところなんでしょうね。
しっかりとしたおだしをとっていると調味料も少なくてすみますしそれから油分も少なくてすむんですね。
ですのでカロリーも抑えられてそれで世界でも人気になっているのかなとも思いますね。
幅広い料理に使えるかつおと昆布の合わせだし。
基本的なとり方を教えてもらいましょう
それではかつおと昆布のだしの作り方を教えて頂きます。
まずですねお昆布をお水につけて頂いて。
これから冬ですので一晩ぐらいつけといて頂くとよろしいと思います。
もし時間がなかったら最低30分はつけといて頂きたいところです。
じわっとうまみをそこで引き出しておきます。
鍋肌に泡がつきましたらばお昆布は取り出して下さい。
ぬめりが出たり色がついてしまったりしますので。
そしてこの昆布水を今度は沸騰間際まで火にかけていきます。
今度はかつお節を入れるんですけれどもお鍋に対流が起きる少しぐらい前。
もしグラグラに沸いてしまったら差し水をしますね。
これぐらいまで対流してきましたらばかつお節を入れていきます。
ここでグラグラせずに火を弱めて頂いて。
ここで今弱火にするんですね。
弱火で5分ほど静かに煮ておきます。
上品なだしをとる時にはこれでもうサッとこしてしまうんですけれども今日はご家庭で使いやすいおだしという事でここで5分ぐらい煮たあと火を止めて。
こちらが…。
5分弱火で煮て頂いてそれをかつお節が沈むまで置いといたものです。
そしてこしていきますね。
はい。
う〜んもういい香りがしてきますね。
そうですね。
やはり日本人でよかったって思うのがこのかつおと昆布のおだしのいい香りですよね。
はいこちらがおだしです。
これでもう完成という事ですね。
そうです。
かつおと昆布の合わせだしを存分に楽しめる茶碗蒸し「南禅寺蒸し」の作り方を教わります
だしの香りを生かしたお料理にしましょうね。
はい。
まずこちらの卵割りほぐして頂いたところにこのだしを入れていきます。
こちらのだしにはみりんとうす口しょうゆが入ります。
こちらのだしなんですが必ず人肌に冷ましておいて下さい。
冷たいだしですと卵とのなじみがよくないんですね。
ですので人肌に冷ましておきます。
逆に熱々のだしですと卵に火が入ってしまいますよね。
こちらにだしを加えていきます。
これも少しずつ入れていくんですか?ええよく溶き伸ばしますね。
こちらの卵地なんですけれども冷蔵庫で3時間ほどねかせておくと不思議と舌触りがよくなります。
続いては具中に入れるものですね。
こちらは鶏肉とえびを用意してあります。
鶏肉はこのように5mmぐらいの厚さに切って頂いて酒塩してあります。
そしてこちらのえびは背ワタを抜いて殻をむいてあります。
お酒を軽くふっておいて下さい。
ここに入りますのがお豆腐です。
お豆腐?お豆腐ですはい。
茶碗蒸しにお豆腐ですか?お豆腐が入ると舌触りがスルリといいというのとあとボリュームアップしてくれるんですね。
何よりも利点は具が沈まないというところです。
きれいなえびなんかも赤く上に載ったように仕上がりますのでお豆腐を使っていきます。
これは「南禅寺蒸し」と言いまして京都の南禅寺付近のお水がおいしいのでお豆腐が有名なんですね。
お豆腐が入った茶碗蒸しの事を「南禅寺蒸し」と言います。
そして…。
お豆腐を入れた器に卵地を張っていきます。
そして鶏肉が入ります。
豆腐の上にこう置いて。
沈めて頂いてもいいしちょっと具材を見せるようにして頂いてもよろしいですね。
そしてえびが入ります。
立派なえびが上に載って。
これで蒸していきましょうね。
はい。
最初は強火で1〜2分ほど。
それから中火と弱火の間にして12〜13分ほど火を通していきます。
そしてふたなんですけれども今日はふたのついてある茶碗蒸し専用の器ではございませんので水蒸気が中に入らないようにこうして布巾をかけておくんですね。
そしてふたは軽〜く切っておいて下さい。
あんまり切りますと庫内の温度が下がってしまいますので軽く切っておきます。
さあこの蒸している間に次はあん作りですね。
上にかけるあんを作っていきましょう。
今日はぎんあんといっておしょうゆであんまり色をつけないあんなんですけれども。
おだしが温まりだしたらばここにお塩。
そしてみりんと入れていきます。
数滴垂らして。
ここでよく「ダマにしてしまう」というお声を聞きますけれども慣れない方は一回火から外して頂いて。
ここにとろみを入れていきます。
今日は茶碗蒸しの上にかかるので結構しっかりめに作って頂いて結構です。
もうとろみが出てきましたね。
ここでしっかりと火を通して。
かたくり粉に火を通していきますね。
とろ〜っとしっかりと。
とろ〜りとこれぐらいしっかりとつけています。
そしてこちらが茶碗蒸し蒸し終わったものです。
わ〜いやほんとに沈まず。
う〜ん。
(生徒)きれい。
ねえ〜。
こうしてあんをかけるともし万が一失敗してすが入ってしまったと思ってもごまかしがきくのです。
(笑い声)そしてみつばを散らして。
(生徒)おいしそう。
う〜ん。
香りづけに柚子を添えていきますね。
それからこのあんがかかってるとこれからの真冬に向かって寒い時期には冷めにくいという利点があります。
そうですね。
それからあと舌触りがスルリとなりますよね。
これで完成です。
出来上がりです。
「南禅寺蒸し」の完成です。
(拍手)
かつおと昆布のだしの上品な風味が楽しめる「南禅寺蒸し」。
具は豆腐に載せるので沈まずに見た目も華やかです
とろみをつけただしのあんをかければ冷めにくいうえすが立っても目立ちません
ちょっと申し訳ないんですが皆さんお先に頂きます。
はいどうぞ。
いただきま〜す。
あ〜舌触りがとろ〜っと。
(笑い声)すみません皆さんお先に頂いちゃって。
やっぱりこのとろ〜っとした口当たりですね。
おだしもいいふうに。
ふわっと広がりますね。
ふわっとくるんです。
あ〜ごちそうさまでした。
ちゃんとしたおだしをとるとこのよさがありますね。
ふわっと広がる。
日本人でよかったなという感じが。
思う瞬間ですね。
材料のおさらいです。
絹ごし豆腐で口当たり滑らかに。
今回はえびと鶏肉を使いましたが具はお好みで。
かつおと昆布の合わせだしを覚えて是非作ってみて下さい
さあ続いてはかつおと昆布で作った合わせだしよりも簡単に出来るだしを教えて頂きます。
はい。
もうつけとくだけという簡単すぎちゃうおだしです。
まずお昆布厚手のもの選んで頂いてそれから干ししいたけどんこと呼ばれているものですね。
それを一晩水につけとくだけでこのおだしがとれるんです。
皆さん見えてますか?ごめんなさい。
こういう状態です。
昆布と干ししいたけなので精進料理にも使って頂けます。
使い切れないなと思ったら冷凍する事もできますので。
それではこのおだしを使ったお料理教えて頂きましょう。
「根菜汁」をお教えいたしますね。
素朴で力強い昆布と干ししいたけのだしで「根菜汁」を作ります
お鍋にもうこれは火がかかっていますね。
お〜。
こちらのお鍋に今大根にんじんれんこんが炒め合わされています。
まずお野菜を炒め合わせる前に油を温めてせん切りのしょうがを軽く香りが出る程度に炒めて下さい。
2〜3回ふたを開けてはお鍋の中をこうして回して下さい。
こうする事によってお野菜の甘みがじっくりと引き出されてくるんですね。
お野菜が10分ほど蒸し炒め終わりましたらばここにこんにゃくを入れていきます。
こんにゃくはこちら5mmぐらいに切りまして2〜3分お湯で湯がいてあります。
こんにゃく臭さをとりますね。
そうしましたら続けて鶏肉が入ります。
鶏肉こちらはお塩あててあります。
鶏肉が入りました。
ここで鶏肉の表面に火を入れたいんですね。
広げましたらしばらく待って。
でまたさっくりと混ぜていきます。
このように鶏肉の表面に火が入りましたらばそこにお酒をふって。
お酒が入っています。
おしょうゆが入ります。
これは鶏肉にかけるようにして頂いて。
ここで軽く鶏肉に下味を付ける。
それから全体に香ばしさを出すように炒めて下さい。
そして全体をさっくり混ぜ合わせたらばここにだしを入れていきますね。
先ほどの昆布としいたけのつけておいただしです。
お昆布も一緒に入れて頂いて結構です。
そしてしいたけは軸を取って召し上がりやすいサイズにお切り下さい。
これもだしを出す時に使ったしいたけですね。
はい。
ここで出来上がってもし時間があったら少し冷ましておくとこのお野菜にぐ〜っとおだしの味が入っていきますので。
すぐ頂くのではなくやっぱり少し時間をおかせる方がいいんですか?そうなんです。
そうやって時間をおいとくと時間が味を育ててくれますから皆様何か煮物をしてもちょっと一味足りなかったかなとか今日今一歩だったかなって思うのは少し時間をおいておく事によってお料理が調味料とかだしとなじんでくれるんですね。
そうすると体にスーッと入っていく。
それから食材にもスーッと入っていって。
ちょっと自分がお料理上手になったかなっていうお味になります。
昔の日本のお母さんがやってたお仕事を見ると何かをやりながらこっちのお三度をしたりまた何かをやりながらっていろいろな事をやっているんだけれども別にここにすごく手を加えているわけではないんです。
それがちょっとずつちょっとずつ味に反映されてきますから。
ああ。
工夫っていうふうに思ってないものが今で考えると…。
そうですよね。
日本の知恵なのかもしれないですよね。
そうでしたね。
そろそろお昆布を引き上げますね。
お昆布は温まりだしたら引き上げて下さい。
お味見してみますね。
はい。
うん。
昆布の甘いお味が出ております。
塩としょうゆで少し…。
お味を付けました。
これで「根菜汁」完成です。
(拍手)
これからの季節にぴったり。
具だくさんの「根菜汁」が出来上がりました
干ししいたけと昆布の合わせだしのうまみに鶏肉と蒸し炒めした野菜のうまみが加わり素朴で奥深い味わいになりました
ではいただきます。
どうぞ。
う〜ん。
あっ優しいお味ですねこちらはね。
お野菜の味も出てますししいたけの香りがいいですね。
そうですよね。
お野菜も10分炒め煮をした効果が出てますでしょうか?うんうん。
甘いですね。
うん。
これがやっぱり蒸し炒め…。
蒸し炒めをした事によって野菜本来の風味がぐっと閉じ込められてるんですね。
強い味はしないですけれどしっかりとその持つ味というのが出てるんですね。
風味が残ってますね。
う〜ん。
ごちそうさまでした。
皆さんもこのあと是非味わって頂きたいと思います。
材料のおさらいです。
昆布と干ししいたけのだしは水につけておくだけ。
旬の根菜類は蒸らしながら炒めるのがポイントです。
是非お試し下さい

さあそれでは皆さんも基本のだしを使った料理に挑戦です。
だしをとるのは初めてという人もいたようですがやってみると意外と簡単。
うまくいっているようです
鍋肌でしょうゆを焦がすようにして。
いい香りが。
どうでした?今作ってみて実際に。
もうすごいやっぱりだしの香りがふわっと。
甘い香りがっていうか深みがやっぱりありますね。
今おだしはだしパックでいつも使ってしまうので。
今日ちゃんとだしの味を覚えて帰って下さい。
はい。
夫のためにおいしく作れるように頑張りたいです。
きゃ〜ラブリー!今は便利な時代ですけれども本来はだしをこのようにとるんだとか手間のかかる事などを今の時代だからこそ伝えていきたいなと思います。
4歳の息子がいるんですけど離乳食の時から頑張っておだしでしてきたんです。
そしたら健康的になってくれたのでこれからも続けていこうと思いました。
まあすばらしい。
日本人のちゃんと味覚を伝えてらっしゃってね。
今改めて見直されている和食の知恵。
基本の合わせだしを使って自分たちで作った「南禅寺蒸し」と「根菜汁」
いただきます。
皆さんお味はいかがでしょうか?
ああほんとだ。
う〜ん。
おいしい?ほっこりします。
忘れないうちに一度はやってみようと。
はい。
で娘に伝授して覚えておいてもらおうっていう。
鼻にふっと抜ける感じでだしの香りがすごく味わいを深めている感じがしました。
具だくさんで体が温まるので冬に是非作ってみたいなと思いました。
お代わり2杯目です。
みんな2杯目です。
藤田さん今日は和食の基本だしのとり方を教えて頂きました。
しっかりとしたおだしをとれるようになるといつもの食卓がもうワンランクアップ。
上質なものに変わっていくと思うんですね。
それこそやはり日本の文化の深さを食卓に持っていくという事になるとつながると思いますので是非ともなさってみて下さい。
また明日もよろしくお願いします。
こちらこそ。
明日もお楽しみに。

(テーマ音楽)2014/11/18(火) 21:00〜21:25
NHKEテレ1大阪
きょうの料理 和食の知恵を食卓に「合わせだしで 茶碗蒸し・根菜汁」[字]

家庭の食卓が豊かになる和食の知恵を2日間にわたり紹介。初日は「合わせだし」。かつおと昆布、干ししいたけと昆布を合わせただしのとり方、だしを生かした料理を紹介。

詳細情報
番組内容
かつおや昆布、干ししいたけなどのだしをとる食材は、単体で使うよりも、組み合わせて使うことでうまみが何倍にも増す。かつおと昆布を合わせた基本の合わせだしは、昆布は水から、かつおは沸かしてから加えるのが基本。とっただしで、豆腐を加えた茶碗蒸し「南禅寺蒸し」の作り方を紹介する。昆布と干ししいたけの合わせだしは、水につけておくだけ。かつおよりも素朴で力強いだしになる。とっただしで紹介するのは「根菜汁」。
出演者
【講師】日本料理教室主宰…藤田貴子,【司会】一柳亜矢子

ジャンル :
情報/ワイドショー – グルメ・料理
趣味/教育 – その他

映像 : 1080i(1125i)、アスペクト比16:9 パンベクトルなし
音声 : 2/0モード(ステレオ)
サンプリングレート : 48kHz

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