(テーマ音楽)
(江守徹)ベルギーのフランドル地方のほとんどの都市には中央の広場に鐘楼が見られます。
ベルギーとフランス合わせて56の鐘楼が世界遺産に登録されています。
ベルギーの各都市は13世紀から15世紀にかけ交易によって大いに発展しました。
その象徴が市民たちによって造られた鐘楼です。
最上部にはカリヨンという組鐘があり時を告げる役割を担ってきました。
カリヨンは人の手で鳴らすこともできますが通常はこんな機械仕掛けで鳴らされます。
カリヨンの語源はフランス語の3/3に由来し15分おきに鳴ることを意味しました。
人々の目覚めから城門を閉じるまで鐘の音は町の生活のリズムを刻んできたのです。
鐘楼は初め教会に属していましたが交易で栄えた時代には市民の手で町の広場に造られるようになりました。
ブリュージュやゲントの鐘楼もそうして造られたものです。
鐘楼は市民が力を持ち始めた都市の象徴となったのです。
フランドル地方でカリヨンの町として知られているメッヘレン。
この鐘楼も13世紀に建てられました。
78もの鐘を組み合わせたこのカリヨンはフランドル地方でも最大のものです。
町には1922年創立の王立カリヨンスクールがあります。
世界で唯一のカリヨンの学校です。
子供から老人まで演奏を習っています。
最近は外国からも生徒が来るようになりました。
皆中世の響きカリヨンの音色にひかれているのです。
塔は自由のシンボルでした。
塔の上で鳴り響くカリヨンの音は聖職者だけのものではありませんでした。
町に暮らすすべての人々のために鐘は鳴らされました。
カリヨンの音によって町は初めて市民による自治を達成したのです。
校長のヨー・ハーゼンさんは世界でも数少ないカリヨン奏者です。
メッヘレンの町にも月に何度か鐘の音を響かせます。
(カリヨンの音)カリヨンの演奏はこう見えてもなかなか難しいとハーゼンさんは語っています。
それぞれの鐘には複雑な残響があるのでどうやって澄んだ音を出すのかが難しいというのです。
中世から幾百年の時を経ても変わることのないカリヨンの音色が町に広がっていきます。
2014/12/24(水) 04:15〜04:20
NHK総合1・神戸
シリーズ世界遺産100「フランドル地方の鐘楼〜ベルギー〜」[字]
中世の音色 カリヨン ▽文化遺産 1999年登録 【語り】江守徹 【音楽】久石譲
詳細情報
番組内容
中世の音色 カリヨン ▽文化遺産 1999年登録 【語り】江守徹 【音楽】久石譲
出演者
【語り】江守徹
音楽
【音楽】久石譲
ジャンル :
ドキュメンタリー/教養 – 歴史・紀行
ドキュメンタリー/教養 – カルチャー・伝統文化
ドキュメンタリー/教養 – 自然・動物・環境
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