報道特集【秘密保護法▽蔵王と蛾】 2014.12.06


この冬一番の寒気が流れ込んだ日本列島。
日本海側を中心に、広い範囲で大雪となっている。
新潟市内では私のひざ下およそ30cmの積雪を記録しています。
車のご覧のとおり、雪ですっぽりと覆われています。
新潟市では昨日夜から平野部でもまとまった雪が降り、12月としては5年ぶりに積雪が30cmを超えた。
サッカー・J1リーグの最終戦が予定されていたが、スタジアムのピッチにも雪が。
朝から並んでいたサポーターもいる中、新潟では初めて雪による試合の中止が決まった。
青森県でも住民が除雪に追われた。
青森市では朝から雪が降り続いています。
上の方で雪が詰まってしまったために、このように側溝から水があふれて、下まで流れている状況です。
除雪が一斉に行われたため、雪を流す流雪溝が詰まり、付近が冠水する被害も出た。
午後3時現在、青森市で62cm、五所川原市で43cmなど津軽地方を中心に平年の7倍ほどの積雪となっている。
名古屋栄です。
先ほどから雪が降り始めました。
歩いている人も防寒対策をしっかりとしています。
一方、太平洋側でも、名古屋市では今朝から雪がちらつき始め、平年より14日早い初雪を観測した。
こうした中、徳島県吉野川市の高越山で山頂付近にある寺に向かっていた住職ら2人が心肺停止の状態で見つかった。
2人は、高越寺の住職、高埜茂洋さんと無職の守本正夫さん。
昨日、山のふもとから車で寺に向かう途中で雪で脱輪したという電話を最後に行方不明になっていて、今朝、寺の駐車場の雪の上に倒れているのが見つかった。
警察などが2人の救出作業を行っているが、雪のため難航している。
日本海側の雪は広い範囲で明日の昼頃まで続く見込みで、夕方までに予想される雪の量は北陸で60cm、東北日本海側で50cmなどとなっている。
気象庁は雪崩や交通への影響に注意を呼びかけている。
大雪に見舞われている方々、くれぐれも今後の情報にご注意ください。
総選挙の選挙運動もままならないのではと心配になりますが、続いてはその選挙関係のニュースです。
今月14日に投開票日を迎える衆議院選挙ですが公示後最初の週末を迎えた。
与野党とも無党派層の支持を取りつけようと必死の訴えが続いています。
この地域の名物は、もしかしたら阪神タイガースかもしれない。
来年は、和田監督が頑張ってリーグ優勝、日本シリーズ、優勝すれば、このワダノミクスとアベノミクスを合わせれば、大変な経済効果があるんじゃないかなと。
景気の回復がなかなか実感できないでしょ、うなずく人は多いですね、ここで。
賃金上がったけれども、物価の方も上がっているんです。
物価を追い越していく、これを進めるのが公明党の連立政権なんですよ、皆さん。
一方、野党側は、アベノミクスは格差を拡大させているなどと反論した。
安倍政権になって格差が広がってしまって、いわゆる中間層と言われる人たちがどんどん、低所得者になっていってしまう。
まず働く人たちの賃金を安定をさせる、収入を安定させる。
自民党だけで300を超える、公明党を合わせると350議席だ。
これは475名のうち350まで占めてしまったら、もう、誰も安倍政権の暴走を止めることはできません。
我々は是は是、非は非で与党の言うことでいいことであれば後押しをして、引っ張り上げていくこういう精神であります。
安倍首相はこの道しかない、こう言っていますが、この道は危ない。
国民の民意を無視した暴走の2年間だったのではないでしょうか。
本当に強い者が生き残ればいいという考え方のもとで政治が進められておりますから、野党が一体となって本当に国民の生活が第一という理想に向かった政治を実現したい。
安倍強権政権、これをこのまま続けると、私は大変なことになる、大変危機感を持っています。
この政治をもし自民党、公明党に多数の議席を与えれば、この、これまでの強権政治が続く、そのように思っています。
野党だって与党だっていいんじゃないですか。
皆さんの問題を解決する、これこそが本当の政党・政治家の役割ではないんでしょうか。
今日未明、神戸市の30階建てのマンションの部屋で火事があり、住人の24歳の女性が死亡した。
また女性の母親が意識不明の重体、11歳の弟がヤケドを負った。
午前1時半頃、神戸市兵庫区の30階建てのマンションで、自宅から炎が上がっていると通報があった。
消防が駆けつけ、火は2時間後に消し止められたが、15階の一室、70平方メートルが全焼した。
この火事で、住人の宮崎靖子さんが死亡、母親の律子さんが意識不明の重体。
また弟の智生君が顔にヤケドを負った。
現場は、JR兵庫駅前のビルやマンションが建ち並ぶ一角で、火が出た際、住人およそ100人が避難した。
警察は実況見分を行って、出火原因を調べている。
中国共産党は、前の最高指導部のメンバーだった周永康氏の党籍はく奪を決定した。
周氏は逮捕されることになる。
共産党機関紙は反腐敗活動の成果だと強調している。
中国共産党は昨日、権力の乱用や収賄など重大な党規違反があったとしておととしまで中央政治局常務委員だった周永康氏の党籍はく奪を決定した。
これを受けて、中国の最高人民検察院は周氏を逮捕する方針を固めた。
中国共産党機関紙の「人民日報」は腐敗を断固取り締まり、党の規則を厳しくするとの見出しをつけた社説を掲載、腐敗という悪性腫瘍を取り除くことが必要で、例外はないと法治の徹底をアピールしている。
一方で、共産党内での身勝手な行動は決して許されない、派閥をつくることに断固反対すると反対勢力による抵抗を牽制していて、今回の決定の背景に、権力闘争があることをうかがわせている。
今朝、甲府市の中央道インターチェンジで暴力団員が乗った車が銃で撃たれ、暴力団幹部ら2人が重軽傷を負った。
今日午前7時30分頃、中央道の甲府南ICから高速道路に入ろうとした暴力団幹部が乗った乗用車が前方の車に行く手を阻まれ停まった。
その直後に、前の車から数人の男が降り、10発以上発砲し、逃走した。
この銃撃で、暴力団幹部1人が左足に銃弾を受け重傷、もう1人が銃弾が胸をかすり、軽傷を負った。
その数分後、近くのパーキングエリアで男らが乗り捨てたと見られる乗用車が見つかった。
警察では暴力団幹部を狙った発砲事件と見て、殺人未遂などの疑いで捜査している。
国の機密を漏らした公務員らに厳罰を科す特定秘密保護法の成立から今日で1年。
来週10日の施行を前に、これに反対する弁護士や市民団体が集会を開き、法の廃止を訴えた。
集会では国民の知る権利が奪われ、市民活動が萎縮するなどと法の施行に反対する声が相次いだ。
特定秘密保護法は、防衛省、外務省など19の行政機関が防衛・外交・スパイ防止・テロ防止の4分野で秘密を指定。
これを漏らした公務員らに最高で懲役10年を科すもの。
また、秘密を入手しようとそそのかしたと見なされた民間人も、処罰対象となるおそれがある。
政府は、秘密指定が適正かどうか厳格にチェックするとしているが、恣意的な運用が懸念されている。
作業員の男性が意識不明の重体。
午後1時過ぎ、東京・千代田区のビルの解体工事現場で工事中に壁が倒れ、人が下敷きになっていると通報があった。
この事故で、23歳の作業員の男性が意識不明の重体。
警視庁によると男性は5階建てのビルの4階部分で壁の解体作業中に、縦3m、横2.5mのコンクリートの壁の下敷きになったということで、警視庁が事故の原因を詳しく調べている。
西アフリカでのエボラ出血熱対策として、防護服2万着を送るため、自衛隊機がガーナへと出発した。
政府は防護服70万着の支援を表明しているが、残りについては民間機で運ばれ、ガーナから先、流行国への輸送は国連機関が担う。
現地で医療活動に当たる国境なき医師団によると、リベリアなどでは隔離施設や輸送手段が不足し、医療体制そのものの崩壊が深刻で国際社会にさらなる支援を求めている。
「特集」です。
国民の間で大きな論議を呼んでいる特定秘密保護法が4日後の12月10日から施行されます。
つまり法律として私たちの生活に具体的に関わってくることになります。
これまで指摘されてきた課題は解決されているのでしょうか。
去年11月、東京都内で行われた特定秘密保護法案の廃止を求める集会。
会場には先日、亡くなったあの人の姿があった。
こういう法律が出てくるなんてことは、私のようなバカでも考えもしていなかった。
戦後初めてでしょう。
「仁義なき戦い」や「トラック野郎」など、昭和の映画界の最盛期を支えた名俳優、菅原文太さん。
東日本大震災の翌年に俳優業引退した菅原さんは、その後、脱原発を呼びかける活動や沖縄県知事選で辺野古への基地移設に反対する候補者の応援演説に参加するなど、社会的な活動に力を入れてきた。
集会への参加を呼びかけたジャーナリストの鳥越俊太郎氏は、菅原さんについてこう話す。
今の日本の政治状況に対する危機感があったんだと思うんですね。
その中の1つとして、特定秘密保護法があったので、その後の集団的自衛権の問題とか、それから原発の問題とか、日本の社会がかなり荒れてしまっている、命を粗末にするようになってる、そういうことに対する危機感があって、単なる口先じゃなくて、文太さんの心の本当の奥底から出てくる思いがそうさせたんだと僕は思っていますね。
去年12月、委員会での強行採決などを経て成立した特定秘密保護法。
特定秘密保護法とは、安全保障などに関する情報を特定秘密に指定し、情報を漏らした公務員らに厳罰を科すという法律。
運用基準によると、特定秘密には防衛・外交・スパイ行為・テロ防止の4分野55項目が該当。
特定秘密を漏らした公務員らは、10年以下の懲役刑。
漏らすように働きかけた者は5年以下の懲役刑となる。
10日に施行される特定秘密保護法。
施行直前の官僚たちはどんな様子なのか、現役のキャリア官僚に聞いた。
若杉冽氏、これはペンネームで、東大法学部卒で霞が関の省庁に勤務するキャリア官僚という以外プロフィールは明らかにしていない。
去年、原発をめぐる政治家と官僚、電力業界の癒着の構造をリアルに描いた「原発ホワイトアウト」を出版。
霞が関に大きな衝撃を与えた人物。
その若杉氏が昨日、新たに「東京ブラックアウト」を出版した。
原発再稼働に動く電力業界と官庁、原子力規制委員会までもが原発を維持しようとする筋書きの小説。
なぜこの時期に、これを出版しようと思われたんですか?奇しくも12月10日から特定秘密保護法が施行されるという時期で、その法律施行の直前の出版ということも何か意味があるのかなと。
ということは、施行前だからこの小説は出せたけれども、施行されるとちょっとこういうことは書きにくいという?若杉さん、ご自分で危ないと思われたことあります?若杉氏は、法律の施行を前に周辺の職員たちにある変化を感じていると言う。
各省庁の職員らに対しては、適性評価が行われる。
特定秘密を取り扱っても問題がない人物かどうかを確認するもので、これが、その質問票。
国籍が変わっていた場合は、前の国籍についても聞き、家賃を滞納したことがあるかなども問う。
精神疾患を持っていた場合、病院名や医師名を書かなければならない。
家族や同居人に関する質問もある。
適性評価というやつですね。
今、霞が関のキャリア官僚の中ではもうこれ、既にやられてるんですか?ただ一般的に言うと、職場ではこういうことというのはかなりみんなヒソヒソ話をするような感じで広がっちゃっているわけですね?NPO情報公開クリアリングハウスの三木由希子理事長。
市民の立場で情報公開に取り組む三木さんは秘密保護法の問題点について、指摘し続けてきた。
大体こんな感じで分かれていくのかなと。
三木さんが内閣官房などに確認したところによると、現在の制度で、秘密とされているものはおおよそこのような種類に分けられていて、そのうち防衛秘密は、ほとんどが特定秘密に移行すると言う。
そのほかのものは、特定秘密と各省庁が内部ルールで秘密に指定するものに振り分けられると言う。
三木さんは、この振り分けが適切に行われるかどうか危惧している。
両方の動きを見ていかないと、実際に政府の秘密が適切なものかどうかは、それは実際は判断がなかなか難しいということになると思います。
それは、これまでにも秘密の指定について疑問に思えるものがあったから。
例えば2004年、沖縄国際大学にアメリカ軍のヘリが墜落した後、川口外務大臣とパウエル国務長官が電話会談した内容についての文書。
例えばこういうやつですね。
これは、極秘・無期限で…。
情報公開請求で入手する前までは無期限の極秘扱いとなっていたことがわかった。
しかしこれは、電話会談が行われたその日に報道機関に既に公表されていた内容だった。
法律の施行後、特定秘密の指定が安易に行われないか、また、それを市民の目でチェックしていくことが難しくなっていくのではと三木さんは懸念している。
秘密を守るためには秘密があることの端緒を与えないというのが大事だというのはこれが実は政府の一貫した立場なんですよね。
秘密を守るために秘密と非公開が広がるという一面はあるので、非常に情報公開がこの先、この法律を受けてどういうふうに変わっていくのかというのは、それはよく気をつけて見ていかないといけないと思ってるんです。
特定秘密法というのは、これはまさに工作員とか、テロリスト、スパイを相手にしてますから、国民は全くこれは基本的に関係ないんですよ。
これは施行してみればわかりますよ。
報道がそれで抑圧される、そんな例があったら、私は辞めますよ。
そんな例があったら。
一般の国民や報道が抑圧されることはないと強調する安倍総理。
一方、法律の専門家からは、こんな指摘も出ている。
警視庁公安部は過激派組織イスラム国に戦闘員として加わるためシリアへの渡航を企てたとして今年10月、北海道大学の男子学生らに対する強制捜査を行った。
同行取材を計画していたフリージャーナリストの自宅も捜索を受けた。
このとき適用されたのは、多くの法律家が適用された例を聞いたことがないと言う刑法の私戦予備及び陰謀容疑だった。
特定秘密保護法の運用について意見を聞くため政府が設置した情報保全諮問会議のメンバー、清水勉弁護士はこう指摘する。
何か政治的な局面のときに、逸脱した運用がされないかということになれば、それは保障されませんし、刑法の私戦予備・陰謀というものは明治以降適用されたことはない条文ですけれども、これは我々、法律実務家では考えたことがないような展開ですので、そういったことが秘密保護法で起こらないという保証はないと思っています。
こうした懸念は払拭できるのか。
10月14日、特定秘密保護法の運用基準が閣議決定された。
情報保全諮問会議やパブリックコメントに寄せられた意見も踏まえ、運用基準について隠ぺい目的の指定の禁止、チェック機関の設置など、適正を確保するための仕組みを、整備をしたということであります。
このことを今後とも国民の皆さんに丁寧に説明をして懸念を払拭していきたいと思います。
この運用基準では、報道・取材の自由に十分に配慮すること、法令違反の隠ぺいを目的として特定秘密を指定してはならないことが明記されている。
また、特定秘密を取り扱う人を対象に行う適性評価に当たっては、プライバシーの保護に十分配慮するよう記すなど、現場における運用の様々なルールを定めている。
さらに、特定秘密の指定が適切に行われているかなどを監視するため、政府内に、内閣保全監視委員会や独立公文書管理監が置かれるほか、衆議院と参議院にもそれぞれ情報監視審査会が設置される。
政府はこうした仕組みによって特定秘密保護法の運用は厳格にチェックできるとしている。
では、国会による政府の監視は機能するのだろうか。
この法律が適切に運用されているか審査を行う部屋が今、国会内につくられようとしている。
そこで行われているのは、特別な工事だと言う。
情報監視審査会の特別な部屋というのは、とにかく情報の漏えいを防ぐために、こういった携帯の電波ですとか、音声の漏れをシャットアウトするための特別の工事が施されています。
一般的にこういった部屋をシールドルームと呼びます。
盗聴器が仕掛けられることを防ぐだけでなく、パソコン端末からの微弱な電波を外部から読み取られないためにも、国内最高水準のシールドルームが必要だと言う。
都内の機器製造会社に一般的なシールドルームを見せてもらった。
シールドルームの性能を見るために、このラジオを持ち込んでみたいと思います。
今はこうやってはっきりとラジオの音聞こえていますね。
これを中に行くと、もうシールドルームに一歩踏み込んだだけで、相当ラジオ聞きづらくなります。
そして、さらに中に入ります。
今、扉を閉めました。
もう完全にラジオが聞き取れません。
雑音だけです。
これまでシールドルームは、電機メーカーの研究現場や医療施設などで使われてきた。
しかし最近は、情報管理の徹底を求める企業からの注文が相次いでいる。
需要が増えていると、何年ぐらい前からとか?ここ5年ぐらいだと思います。
世の中に無線LANというものができてから、圧倒的にそういう保持ということが必要になってきますので、その辺は、各企業さんとも随分神経質に対策されていると思いますよ。
国会のシールドルームはどんなものになるのか。
建設は極秘裏に進められている。
衆参両院は工事内容や予算額だけでなく、国会内のどこにつくるのかも答えられないとしている。
秘密をチェックする機関の部屋の場所がどこにあるか公表できない。
秘密であるというのは、何か笑えないジョークのような状況なわけですけれども、我々が独自に取材をした結果、衆議院側のシールドルーム、これはそちらの建物につくられることがわかりました。
取材に応じたある国会議員は、衆議院分の工事予算はおよそ7000万円と聞いていると話した。
この情報監視審査会、実際に審査が始まっても、内容は極秘。
秘密会形式で行われ、議事録も公開されない。
法律の専門家の立場から、秘密保護法の問題点を指摘してきた元慶応大学の講師、南部氏は政府への勧告に強制力がないためチェックにも限界があると話す。
VTRに登場しました清水弁護士です。
現時点でもこの法律については秘密の範囲が漠然としていて広過ぎるとそう懸念を示しているわけなんです。
こうした疑問について番組では内閣官房の中にあります特定秘密保護法施行準備室というところに質問状を送りまして、回答を受け取りました。
その内容がこちらです。
秘密の範囲が広がることはないということなんですけれども果たしてどうなんでしょうか。
例えば、情報監視審査会ですけれども、本来、開かれた場所であるはずの国会の中にごく限られた人しか近づけない部屋ができる。
しかも、現在に至るまで場所だけじゃなくて工事予算も明らかにされていないというのは、これは秘密が秘密を呼んでいると言っていいんじゃないでしょうか。
一体国会というのは誰のものかという気がするんですけどね。
私は霞が関のこの本を書いた現職のキャリア官僚の若杉さんという人に会ったんですが非常にナーバスな息苦しい感じの中でインタビューを行ったんですね。
言うまでもなく、秘密の多い社会というのは息苦しい社会なわけですよね。
歴史を振り返ってみますと、さっきおっしゃったように、秘密というのは秘密を呼ぶんですね。
だからどんどん拡大してきたということを踏まえると、非常にこの法律、大事な法律なのでこの法律の有り様をぜひとも皆さん、考えていただきたいというふうに思います。
続いての特集は、スキーシーズンを迎えた山形・蔵王の森からです。
蔵王の冬のシンボル、樹氷は年明けの2月頃に一番の見頃を迎えます。
ところが今、蔵王の森に異変が起きていて、樹氷への影響が心配されています。
一体、何が起きているんでしょうか現場の取材から、人と自然の関わりを考えました。
山形県蔵王。
1500mを超える山々が連なり、豊かな緑が広がる。
しかし、今、蔵王の森に異変が起こっている。
蔵王の地蔵山付近です。
こちらでは樹氷のライトアップも行われ、数多くの観光客を集めるエリアなんですが、ご覧のように、アオモリトドマツの葉が激しく枯れ落ちてしまっています。
この森を形づくるアオモリトドマツは常緑の針葉樹。
本来は、葉が落ちるはずはないが、茶色く変色したり、ほとんど枯れてしまったように見える木もある。
蔵王を代表する観光の目玉、雪の芸術・樹氷。
樹氷はこのアオモリトドマツの森につくられる。
複雑な形をした巨大な白い塊は、アイスモンスターとも呼ばれ、樹氷が一面に並ぶ雄大な景色は見る人を圧倒する。
厳しい寒さと積雪。
蔵王特有の自然環境が生み出す樹氷は世界的にも極めて珍しい現象とされている。
アオモリトドマツの木が万が一枯れるようなことになれば、いつものような樹氷が見られず、観光面での影響は深刻なものになると不安の声も広がっている。
ちょっと寂しいですよね。
蔵王といえば、あのモンスターが有名ですからね。
時期的に冬だけ、ましてや世界的にも珍しい樹氷ですから、非常に心配はしているところなんですよ。
蔵王の山岳インストラクター、志鎌節郎さん。
志鎌さんはおよそ50年にわたり蔵王を見続け、カメラに収めてきた。
1年間の間に、どこの季節に来ても外れがない。
蔵王には四季折々の美しさがあるが、志鎌さんは、やはり樹氷は特別だと話す。
それがうまくできているということは、今年も何となく気分がいいなという。
中に入ると、幻想的ですし、まず別世界に来たような感じになるかなと。
山頂に近い亜高山帯には、厳しい環境に耐えられるアオモリトドマツが一面に自生している。
冬に日本海側から吹きつける冷たい湿った風の水分は蔵王の山で温度が0度以下なのに凍らない、過冷却という状態になる。
この水分が小さく細いアオモリトドマツの葉にぶつかると衝撃で瞬間的に凍りつき、きめ細かな結晶が生まれる。
その結晶が無数に積み重なることで複雑な形をした、巨大な樹氷が生まれる。
アオモリトドマツだからこそできる樹氷。
そのアオモリトドマツの異変は去年の秋から始まっていた。
これは去年8月に撮影された写真。
そのわずか2カ月後…志鎌さんも去年の10月、山を登りアオモリトドマツの異変に気づいたと話す。
え〜こんなこともあるんだっていう感じはしましたね。
普通だと深緑色に見えるはずなんですけど、それが真っ茶色という、全体的に赤っぽくなっているという。
一体、何が起きていたのか。
山形県の蔵王で広がっていた森の異変。
一体、何が起きているのだろうか。
異変が起きている現場を、森の専門家と歩いてみると…こちらですか?これかなあ。
そうですね、丸々と太ってますね。
見つかったのは、小さなイモムシだった。
これ、どんなもんでしょう、6mmぐらいでしょうか。
小さいですね。
こう話すのは、山梨県森林総合研究所の大澤正嗣さん。
この小さなイモムシは、トウヒツヅリヒメハマキというガの幼虫だと言う。
このガは、北海道から本州の亜高山帯に広く生息し、成虫でも体長はわずか1cmほど。
一円玉よりも小さいガだが、このガの幼虫が爆発的に大発生です。
この小さいガが、これだけ森を食い荒らしてしまうということですよね?はい、1つ1つは小さくても、ものすごく数が増えれば、そういうことになりますね。
幼虫は、針葉樹の細い葉の中に入って内側から食べ始める。
そして、葉を糸でつづって、巣のようなものをつくる。
全体を見て、茶色いところがポツポツ見えると思うんですけれどもこれがトウヒツヅリヒメハマキがつづって食べたところなんですね。
極めて小さいガの幼虫だが、過去に山梨県で大発生し、最大50haもの針葉樹林が枯れる被害も出ている。
大澤さんは、その当時からこのガの研究を続けている。
幼虫は土に潜ってサナギで冬を越すとされている。
しかし、雪をかぶった葉の下にも、まだ幼虫の姿が。
この寒い中で凍らずに、すごいですね。
樹氷の森が枯れるようなことになれば地域経済への影響ははかり知れない。
事態を重く見た国や山形県は、合同の対策会議を開いた。
しかし…害虫を駆除するための薬剤散布も難しいとされた。
生態系に影響を与え、かえって環境が悪化しかねないから。
こう話すのは、対策会議のメンバー森林総合研究所の磯野昌弘さん。
磯野さんは、トウヒツヅリヒメハマキのほかのガとは違う、やっかいな特徴を指摘する。
13年前に、このガによって極めて深刻な被害が出た現場を訪ねた。
山梨県の富士山麓。
森の再生に取り組む清藤城宏さんに最も被害が大きかった場所を案内してもらった。
2001年から2002年に、全部真っ赤になっちゃった。
この場所には、かつては一面に常緑針葉樹、シラビソの林が広がっていた。
しかし、すべて伐採されてしまったトウヒツヅリヒメハマキの幼虫に葉を食べ尽くされ、枯れてしまったから。
上空から見た現場。
赤く囲った部分が伐採されたエリア。
これは、当時の写真。
奥に見える茶色に変色した林が被害に遭った場所。
本来は冬でも葉が落ちないシラビソだが、ご覧のように、立ち枯れた状態のようになった。
清藤さんは、被害がここまで拡大した原因はこの林が、戦後一斉に植林された人工林だったからだと考えている。
幸い被害は3年で終息したが、清藤さんは今、自然に近い森に戻す活動を続けている。
針葉樹を間伐した場所に、様々な種類の広葉樹を植えている。
これで2007年に植えて、これだけになった。
取り組みを始めて7年、広葉樹の木はまだ大きくは育っていない。
しかし清藤さんは、人が手をかけることで少しでも早く森を再生したいと話す。
また同じ一つの樹種だと、被害があったときに虫害があった、あるいは病害が発生したときに一面にやられる。
自然のような複雑な森に持っていかないといけないなと、そこが一番難しいところですよね。
ガの大量発生を抑えるヒントは、自然の中にあった。
トウヒツヅリヒメハマキとは別のガから見えてきた不思議なメカニズム。
街灯に群がっているのは、体長5cmほどのマイマイガと呼ばれるガ。
今年の夏、山形県内の各地で大量に発生した。
街の至るところに、大量の卵も産みつけられた。
やばいですよ、生活してられないです、うわ〜。
ペットボトルだから、このままポイッて。
一気に来年になっちゃって、こういうのがふ化してしまうからやっぱりやれることは今のうちやっておかないとと思って。
来年、再来年も続くとなると、想像しただけでも大変なことになるなって。
マイマイガの大量発生は、今年山形だけでなく、岐阜や愛知、長野、富山など全国各地で起きた。
その中に奇妙な現象が見られた場所があった。
世界遺産に登録された合掌造りの集落で知られる岐阜県白川村では、去年からマイマイガが大量発生していた。
しかし今年6月、集落から車で5分ほどの山の中で鉄塔の点検作業に当たっていた男性が見たのは…これがここで撮った写真ですね。
木の幹で死んでいた大量のマイマイガの幼虫だった。
これはまた、違うところで撮ったやつですけど、こんな感じで。
これも死んでるんですか?全部死んでます。
ここだけじゃなく、この辺の明るい木はほとんどでしたね。
一体、何が起きたのか。
国土交通省の自然環境アドバイザーを務める大森清孝さんは、ウイルスに感染したことによる大量死に間違いないと話す。
マイマイガに感染するウイルスはマイマイガだけに感染します。
ほかのガには感染しないです。
ほかの昆虫にも感染しないです。
このウイルスは、森の中に普通に存在しているが、マイマイガが大量発生すると固体同士が接触する割合が高まるため、感染が拡大し、大量死が起こると考えられている。
そして蔵王の森を食い荒らしたトウヒツヅリヒメハマキ。
このガにも、天敵といえる細菌がある。
富士山麓で調べたときには、どうも病気で死んでいるんじゃないかと。
トウヒツヅリヒメハマキは地中でサナギになり越冬するが、細菌に感染すると、春になっても成虫になれず、死んでしまう。
大澤さんは、富士山麓の大量発生が終息した原因の1つに、この細菌が関係していた可能性を指摘する。
土の中であればどこにでもいると思っていいと思いますね。
この蔵王でも、そういった菌はいる可能性はある?はい、十分あると思います。
さらに蔵王では、被害に遭った木の周りで小さなハチが多数見つかっている。
このハチは、ガの幼虫に卵を産みつける寄生バチの仲間。
寄生されたガの幼虫は栄養を奪われ死んでしまう。
10月に東北森林管理局が行った調査では、一度は葉がほとんどなくなったアオモリトドマツの木から新しい芽が出ていることが確認された。
自然の森の強さに、関係者からは安堵の声が漏れた。
そういう意味では、また来年、こういう芽が出てくれば木も再生していくじゃないかと期待しているところであります。
年間120万人もの観光客が訪れる蔵王。
樹氷は例年2月頃に最盛期を迎え、ロープウエーの中から見ることができるほか、スキーコースも樹氷原の中を縫うようにつくられている。
夜にはライトアップを見に多くの人が訪れる。
しかし皮肉にも、ガの被害が最も大きかったのはライトアップなどが行われる山頂付近のエリアだった。
先月中旬、山岳インストラクターの志鎌さんと山頂付近の被害現場を訪れた。
志鎌さんは、今回の被害がなぜ最も観光客を集めるエリアで起きたのか、そこが気になると話す。
少しずつ人間の力が加わってたのかな。
それがここの部分の木が弱くなった理由の1つなのかな。
人間があまり入り込むと、自然というのはすごくもろいものだよということを示唆してるのかなと。
そんな感じはしますね。
蔵王の豊かな自然をこれからも守っていくため、今回のガの大量発生を自然と人間の関わり方を考えるきっかけにしてほしいと志鎌さんは話す。
これまでいろんな意味で、蔵王というのは人間が変えた部分もあると思うんですよ。
これからは、ちょっと一歩後ろに退いたような形で、それでもう一回、見つめ直しながら蔵王というのも見ていければ、もっともっと、よい部分も見えてくるのかなと思います。
取材に当たったテレビユー山形の高木記者です。
これから樹氷を楽しめるというシーズンを前に地元の方も心配されているんじゃないかなと思うんですが、ガの被害が特に顕著なところは、何か特徴があるんでしょうか?まず、こちらをご覧ください。
この赤く囲んでいるところが、今回最も被害が大きかったエリアです。
ロープウエーの駅があったり、樹氷のライトアップが行われるエリアなんですが、今回のガの被害と直接的な因果関係はわかっていません。
ただ、樹氷は地域の非常に重要な観光資源ですので、一度立ち止まって、自然としっかりと向き合って、観光面と自然保護の両立を図っていかなければ、そういった声も地元では上がり始めています。
今日、蔵王ではスキー場開きも行われたんですけれどもスキーを楽しみながらも、自然を気にかけて、目を向けていくそういった視点がこれから必要になってくると思います。
結局、この冬は樹氷は見られるんですか、大丈夫ですか?実際葉っぱが落ちて枝だけになっても雪はつきますので、おそらく今年も樹氷はできると思います。
そこで今年の状況なんですけれども、被害のエリアは拡大はしていないとい報告されています。
ただ被害に遭った木は非常に弱っていますので、蔵王には、まだたくさんのガの幼虫がいるという報告も上がっています。
今年の春に芽吹いた芽が食べられるというような、今年はそういった状況にもなっていますので、行政側では、今後も継続して監視を続けていくことになっています。
高木さん、今、VTR見ていていろんなことを考えさせられたんですけれども例えば、ガの被害に遭ったのは植林された人工林1種類だけだという、それでだめだというんで、もっと複雑ないろんな木が交ざった、広葉樹と針葉樹が混ざった森を復元していくみたいな試みがされているというのは、すごく示唆に富んでるというか人間の手の届かないような、もとの自然の大きな摂理といいますか、そういうものにもうちょっと配慮しようみたいな、非常に深く感じたんですけれどもね。
ご苦労さまでした。
この後はスポーツです。
サッカーのJリーグは今日が最終節。
2冠を目指すガンバ大阪は徳島に勝てば9年ぶりの優勝となる。
得失点差で優位に立ち、勝てばほぼ優勝が決まるガンバ大阪。
相手は今シーズンホームで1勝もしていない徳島だが、ゴールを割ることができず、前半をスコアレスで終える。
一方、得失点差7で追いかける2位の浦和。
日本代表のアギーレ監督も見守る中、前半2分だった。
槙野が先制のヘディングシュート。
1点リードで前半を折り返す。
このまま引き分ければ浦和に逆転優勝を許してしまうガンバ。
再三ゴールに迫るも、1点が遠い。
一方の浦和。
8年ぶりの優勝が見えてきた後半27分だった。
同点ゴールを許すと、試合終了間際にも得点され、痛恨の敗戦。
そしてガンバは、引き分けで勝ち点1を獲得し9年ぶり2度目の優勝。
昇格1年目でナビスコカップに続き、タイトルを手にした。
引き分け以上で残留が決まる清水か、勝利が絶対条件の大宮か、J1残留争い。
試合が動いたのは前半21分。
大宮・金澤が今シーズン初ゴール。
J1残留へ大きな先制点を挙げる。
一方、清水は甲府の攻撃を何とかしのぎ、前半を0−0で折り返す。
後半5分にも追加点を挙げ、2−0で快勝した大宮。
清水の結果を待つ。
清水は最後まで甲府にゴールを許さず引き分けで試合終了。
J1残留を決めたのは清水。
大宮は10年目にして初の降格となった。
続いて花園から世界へ。
全国高校ラグビーの組み合わせが決まった。
全国から51校が集まり、ナンバーワンを争う冬の風物詩、高校ラグビー。
初日は8試合。
花園で大輪の花を咲かすのはどの学校か、高校ラグビーは27日開幕。
ダブルスで行われた日韓女子ゴルフ対抗戦第1ラウンド。
上田桃子・原江里菜ペアは5つのバーディーを奪うなど世界ナンバーワンゴルファー、パク・インビのペアと互角の戦いを見せる。
そして上田・原ペアの勝利をかけた18番…わずかに届かず、この組は引き分け日本、明日のシングルスで逆転優勝を狙う。
今週、流行語大賞の発表がありまして大賞は集団的自衛権とダメよ〜ダメダメでした。
ダメよ〜、ダメダメって聞いたとき何で今さら森進一さんの歌が話題になっちゃうんだろうと思ったんですけど、違うんですね。
僕らの世代、みんな森進一ですよね「年上の人」知ってます?キョトンとしちゃいますよね。
あと壁ドンというのも、食べ物か何かだと思ったら、違うんですね。
丼じゃないです。
どういうシチュエーションなの?ドンと手をついて告白するんですよ。
2014/12/06(土) 17:30〜18:50
MBS毎日放送
報道特集[字]【秘密保護法▽蔵王と蛾】

まもなく施行される秘密保護法。残された問題点とは?▽蔵王の山頂で蛾の幼虫が大量発生、常緑樹が枯れた。樹氷への影響はあるのか?

詳細情報
番組内容
【秘密保護法まもなく施行】
12月10日に施行される秘密保護法。特定秘密の漏えい防止を目的としているが、秘密の拡大解釈や取材の自由が奪われるのではとの懸念が消えない。あらためて法律の問題点を整理する。【蛾が大量発生樹氷は大丈夫?】、
樹氷で有名な蔵王で異変が起きている。蛾の幼虫が大量発生し、山頂付近の常緑針葉樹の葉を食い荒らしているのだ。大量発生の原因は?樹氷は大丈夫か?
出演者
【キャスター】
金平茂紀(TBSテレビ報道局)
日下部正樹(TBSテレビ報道局)

小林悠(TBSテレビアナウンサー)
林みなほ(TBSテレビアナウンサー)
制作
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ジャンル :
ニュース/報道 – 特集・ドキュメント
ドキュメンタリー/教養 – 社会・時事
福祉 – 文字(字幕)

映像 : 1080i(1125i)、アスペクト比16:9 パンベクトルなし
音声 : 2/0モード(ステレオ)
サンプリングレート : 48kHz

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