(サブロー)はーい。
皆さん。
こちら今日から織田家の家臣になる。
(光秀)明智光秀にございます。
(勝家)何故顔を隠されておるのじゃ?
(光秀)肺を患っておりますので病をうつさぬようにと。
(サブロー)まあまあ。
細かいことは置いといて。
光秀君上洛のためのいい案を持ってきてくれました。
(森)いい案?
(サブロー)足利義昭さんっていう人を紹介してくれるんだって。
(勝家)な…何ですと!?
(勝家)十三代将軍足利義輝公の弟君ではございませぬか。
(光秀)義昭さまは以前より将軍になることを切に望んでおり自分を擁立し上洛してくれる大名を探しておられます。
(半兵衛)将軍後継者を擁しての上洛。
(半兵衛)大義名分になりますな。
(サブロー)そういうこと。
うん?どういうこと?
(半兵衛)織田家上洛の目的は京に上り当家の力を全国に知らしめること。
しかし京に入るためには朝廷の了承が必要。
(サブロー)勝手に上洛しちゃいけないんだ?
(半兵衛)ですから足利義昭さまを擁立することで朝廷から上洛の許可が得られるというわけにございます。
(サブロー)なるほどね。
義昭さんがパスポートってことか。
(藤吉郎)これで堂々と上洛できるのですな?
(利家)念願かないましたな。
殿。
(成政)早く上洛いたしましょう。
(サブロー)それでは織田家のみんな京都に行きたいか?
(一同)おおー!
(サブロー)ファイアー!
(恒興)お待ちください!一つ問題が。
(サブロー)問題?
(恒興)お作法にございます。
お初にぎょ。
うっ。
ぐっ。
うっ。
(森)「お初に御意を得ます」です。
うっ。
うっ。
ど…どーん!
(丹羽)難しい言葉故舌が回らんようじゃ。
(恒興)しっかりしてくだされ。
殿。
そんなこと言われたって難し過ぎるよ。
俺には無理!
(丹羽)何をおっしゃいます?
(勝家)身なりにも重々お気を付けくだされ?さっぱりとした奇麗な身なりで行かねばなりませぬぞ?顔面毛むくじゃらの人に言われたくないけどね。
(藤吉郎)まず髪を切られてはいかがでしょう?
(恒興)ではさかやきということでよろしいですな?さかやきって?
(藤吉郎)これにございます。
嫌だ。
絶対嫌!だってつるつるじゃん!しかしつるつるの方が清潔です。
(森)つるつるは涼しゅうございますぞ?特に夏場は。
(勝家)やはりつるつるしかござりませぬ。
(丹羽)織田家のため何とぞつるつるに。
つるつるつるつるってうっさいよ。
っていうか俺ずっと黙ってたけど。
森りんのその髪形マジあり得ないと思ってるからね。
(森)そ…そんな。
だいたい森りん以外誰もさかやきにしてねえじゃん。
みんなだって心ん中であり得ないって思ってんだろ?
(森)皆の衆?
(恒興)しかし殿はさかやきがお似合いです。
これをご覧くだされ。
うん。
絵師に描かせた完成予想図でございます。
(勝家)何とりりしいお姿。
(藤吉郎)これであれば朝廷も納得。
(森)さあさあ。
殿もこちらへ。
絶対俺はやんねえからな!
(一同)あっ。
と…殿。
殿。
これも織田家のためか。
あばよ。
髪の毛。
(帰蝶)うつけ。
気を落とすでない。
髪などいかようでもよいではないか?帰蝶。
(帰蝶)たとえお主がどんな姿でもたとえさかやきでも。
フフッ。
(帰蝶)わらわはお主のことを…。
今笑ったよね?いや。
いいや。
笑った。
「フフフ」っていう悪意に満ちた笑い声が聞こえた。
っつうか普通逆だろ?夫にはいつまでもふさふさでいてほしいもんじゃねえのかよ?ひりひりする故日差しには気を付けよ?うるさいよ!つうか何でみんな俺のことさかやきにしたがんだよ?そんなにさかやきが嫌なら常にきちんとした身なりでいることじゃな。
こういうところも。
あっ。
かようなものを着ておるから小言を言われるのじゃ。
ああー。
やっぱつるつるにしなきゃ駄目かなぁ?
(光秀)サブロー。
礼儀作法を指摘されたのか?うん。
(光秀)案ずることはないぞ?えっ?都会だなぁ。
ビー玉?この時代にもあったんだ。
(店主)そりゃビードロ言いまして。
今京ではやりの南蛮渡来の品ですわ。
お侍さんどこの国の方で?尾張です。
一応織田信長やってます。
(店主)えっ?でも今こっそり入れ替わってるんですけどね。
(光秀)お初に御意を得ます。
織田尾張守信長にございます。
(男性)足利義昭征夷大将軍を任命せしむべし。
(義昭)ハハハ。
余が将軍になれたのは全てそちのおかげじゃ。
(勝家)いったいどうやってお作法を?
(森)さあ。
(義昭)信長。
余はそちを父と呼ぶことにした。
父?俺が!?
(細川)感謝の印として信長さまの子になると申しておるのです。
いや。
こんな大きな子供は…。
違うか!ハハハ。
ハハハ。
(一同)ハハハ。
ハハハ。
アハハ。
アハハ。
(義昭)アッハハハ!
(一同)ハハハ。
(義昭)アハハ。
信長は面白いことを申すのう。
ハハハ。
であればそちを副将軍に任ず。
(義昭)これからは副将軍として足利の世をつくるためしかと働くのじゃ。
あのう。
義昭さんはどんな世の中をつくりたいんですか?
(光秀)お言葉が過ぎまするぞ。
(義昭)ああ。
構わん。
余がつくりたいのは日の本全ての大名が足利に忠義を尽くし働く。
そんな世の中じゃ。
そちは副将軍として余の傍らに置いてやる。
だから…。
お断りします。
(義昭)今何と申した?誰か一人のための世の中とかってそういうの何か違う気がするんですよね。
何だと?俺みんなのための世の中つくりたいんです。
戦なんかなくしてみんなが笑って暮らせる。
そういう世の中を。
そちが世をつくるじゃと?ハハハ。
ざ…ざれ言を。
ざれ言じゃありません。
結構マジで思ってます。
だから副将軍にはなれません。
俺天下取るんで。
天下を取るじゃと?はい!取りまーす!天下。
(市)兄上。
ああー。
おいっちゃん。
久しぶり。
元気だった?
(市)はい。
兄上もお元気そうで。
おいっちゃんに会いたくて京都の帰りに寄っちゃった。
(市・サブロー)フフフ。
あっ。
はい。
これ。
(市)うん?京都土産。
(市)奇麗。
ありがとうございます。
ビードロっていうんだって。
(市)ビードロ?ビードロ。
(長政)信長殿。
ああー!長政君。
ニーハオ。
・「人間だいたい80年」
(勝家)殿!人間は50年にございます!・
(鼻歌)
(森)何と素晴らしい舞。
涙でよく見えぬ。
(丹羽)動きが独特過ぎる。
・
(鼻歌)
(長政)おう!・
(鼻歌)
(長政)おう!
(沢彦)副将軍を断るなど。
やはりあの場所はあなたさまにこそふさわしい。
(光秀)沢彦。
うかつなことを申すな。
(沢彦)はっ。
(市)恒興。
市はお前を信じてよかったなと思うておるぞ。
お市さまが幸せそうで何よりでございます。
(市)市には大切な人がたくさんおるからな。
長政殿。
兄上。
姉上。
それに…。
恒興も。
あっ。
もったいないお言葉。
(市)こんな幸せがずっとずっと続くとよいな。
(恒興)大丈夫です。
いつまでも続きます。
そうじゃな。
(長政)副将軍を断った!?よろしかったのですか?うん。
俺さみんなと約束したんだよね。
みんなが幸せになれる世の中をつくるって。
身分とか立場とか関係なくてみんなが好きなように勉強したり仕事したり遊んだり。
子供のころからずっと見てきた当たり前の景色をさ俺は今のこの国でつくりたいんだ。
(長政)さすがは信長殿。
大きな夢をお持ちじゃ。
フフッ。
でもまっこれはみんなが教えてくれた夢なんだけどね。
はっ?人がくれた夢だからこそすげえ頑張んなきゃって。
そう思うんだよね。
フフフ。
フフッ。
そのお気持ち分かります。
わしもこの近江を豊かな国にしたい。
民の願いに応えたい。
そう思うております。
いいね。
やっぱり正解だったな。
正解?長政君がおいっちゃんと結婚してくれて。
これからもしっかり守ってあげてね。
もちろんです。
さあ。
あっ。
乾杯。
(義昭)まっこと気分が悪いわ。
あやつの目を見ていると妙に胸が騒ぐのじゃ。
いつか余の脅威になり得るかもしれんとな。
(帰蝶)あれは何色じゃ?赤。
(帰蝶)これは?黄色。
色はしかと映っているようじゃな。
では何故このような品のない色の着物を買ってきた!?えー?めっちゃカワイイじゃん。
かわいくない!そんな言い方すんなよ。
せっかく京都で買ってきたんだからさ。
お主のような団子と犬の違いも分からぬような男に使いを頼んだわらわがバカだった。
さすがにその違いは分かるよ?食べられるか食べられないかだよね?ハァー。
わらわは淡い色のものを買ってこいと申したのに!もう機嫌直せよ。
ああ。
そうだ。
ジャーン。
京都土産。
おいっちゃんとお揃いね。
ふーん。
ビードロっていうんだって。
うーん。
ではまあ許してやるとするか。
よかった。
・
(森)殿!殿!どうしたの?
(森)お…鬼が来ましたぞ!鬼!?
(丹羽)あのように鬼の姿をした男初めて見たぞ。
嘘だ。
鬼なんかいるわけないでしょ?
(森)いいや。
あれは人ではござらん。
体が鬼に取りつかれし男にございます。
またまた。
んなわけないでしょ?今は勝家殿が相手をしておりますが。
殿。
お気を付けを。
恒ちゃんまでビビらせ過ぎ。
鬼なんていないの。
鬼ってのはね…。
・
(勝家)うわー!鬼じゃ。
ああ。
鬼じゃ鬼じゃ。
ああー!これは。
うん。
鬼だね。
お昼ご飯どうする?・
(松永)てめえが織田信長か?
(松永)俺は松永弾正。
鬼の生まれ変わりよ。
・あっ。
それって。
(松永)こいつはな天に認められた男だけが授かる紋章よ。
(森)南無!
(松永)信じられねえって面してんな。
(森)南無南無南無南無!
(松永)だがなこいつは正真正銘俺の体に刻まれてんだよ!
(森)南無南無南無南無…!
(松永)南無南無南無南無うるせえな!じじい!すっこんでろ!
(森)ひいー。
(松永)どうした?信長。
お前は鬼の化身であるこの俺に逆らえんのか?どうなんだ?ああ?やくざ?
(松永)はっ?それって入れ墨ですよね?松永さんってもしかして?
(松永)まさか織田信長が未来人だったとはなぁ。
松永さんいつから来たんですか?
(松永)2005年。
お前は?2014年です。
案外近いな。
だったらそんなに世の中変わってねえだろ?ああ。
強いて言うなら。
あっ。
『いいとも!』終わりました。
『いいとも!』が!?タモさんどうしてんだよ?っていうかあれだろ?おもいッきり人生相談する方のやつだろ?どっちも終わりました。
マジかよ?世の中変わるな。
はい。
しかしあれですね。
よくできた小指ですね。
お前何小指ないこと大前提に話してんだよ?えっ?やくざでも小指ある人いるんですか?今どき指詰めなんてはやらねえんだよ。
俺たちのころのトレンドはなホチキスでまぶたをバチン…。
いいっす!そういうえぐい話勘弁です。
情けねえな。
そんなんで戦国生きていけんのかよ?まあ何とか。
戦国は天国よ。
てめえの腕一本でのし上がれて強いやつだけが生き残る。
最高の世界だと思わないか?はあ。
それで。
そのう。
本日はどういったご用件で?織田家に恩を売りに来た。
恩?お前ら全国指名手配受けてるぜ。
指名手配?
(松永)逆心織田信長を討伐せよ。
足利義昭のやつ全国の大名にそんな書状ばらまいてるぞ。
どういうこと?
(松永)武田や上杉。
名だたる武将に織田をつぶせって指示出してんだ。
何でそんなこと?
(松永)お前義昭の前で大口たたいたそうだな?《取りまーす!天下》
(藤吉郎)もしこれで各地の大名がこの書状に従ったら。
(松永)全国の大名を敵に回すことになる。
お前らおしまいだ。
殿。
いかがなさいますか?
(一同)殿。
殿。
殿。
殿。
殿。
殿。
殿。
(松永)信長よ戦するんなら手伝うぞ?
(丹羽)なりませぬ。
戦などすれば義昭公の思うつぼ。
(松永)武士が情けねえこと言ってんじゃねえや!信長よ天下取りてえんなら戦え。
義昭なんぞにビビってんじゃねえぞ!
(勝家)殿に向かって何じゃ!?その態度は!文句あんのか?やんのか?こら!いいかげんにせぬか!
(恒興)殿。
これは今までの戦とは訳が違います。
当主としてここでのご判断を見誤ってはなりませぬ。
・
(家臣)殿!浅井長政殿が殿にお目通りしたいと。
長政君が?長政君とこにもこの書状届いてんだ。
(長政)早急に朝倉と同盟を結んでくだされ。
えっ?
(長政)朝倉家当主朝倉義景殿はわが父久政と旧知の仲。
朝倉が織田を討つと決めれば父は必ず朝倉に加勢いたします。
(丹羽)もしそのようなことになれば。
間違いなく織田は滅ぼされましょう。
(長政)浅井朝倉が動けばそれに伴い越中飛騨も呼応し織田領への道は開かれてしまいます。
さすれば大軍武田上杉がそれに続き織田に総攻撃を仕掛けるはずです。
浅井と朝倉が手を組むのだけは何としても避けねばなりませぬ。
(長政)幸いこの書状が届いたことを父はいまだ知りませぬ。
父が動く前に何としても同盟を。
(藤吉郎)しかしどうやって?
(森)天下を狙う朝倉にとってわれわれは敵国じゃ。
(丹羽)断られるのは目に見えておる。
(勝家)こうなったら戦しかあるまい。
浅井が動く前に朝倉を攻めましょうぞ!
(成政)そのとおり!先手必勝じゃ!
(一同)そうじゃ。
(森)そんなことをしてみろ!他国も一気に動きだすぞ!
(勝家)それがどうした?もののふならば戦って潔く散るべきじゃ!
(丹羽)アホを申すな!織田が生き残る道を模索すべきじゃ!
(勝家)黙らっしゃい!臆して敵の後手に回るよりましじゃ!戦以外にこの状況を打開する手はなしじゃ!のう?
(一同)そうじゃ!
(長政)手はありまする。
(長政)わしが朝倉との仲立ちをいたします。
長政君。
(長政)わしはこれより越前へ出向き朝倉義景殿に会ってまいります。
そこで必ずや信長殿との会見の了承を取り付けてみせまする。
織田が生き残る道はもはやそれしかないかと。
(森)殿!ここは長政殿にお頼みいたしましょう!
(半兵衛)そのとおりです。
朝倉は長政殿にお任せしわれらはわれらのできることを。
できること?書状が送られた国に同盟を申し入れるのです。
光秀殿は書状を取り消すよう義昭公をいさめてきてくださらぬか?ミッチー。
頼むね。
長政君。
よろしくお願いします。
(長政)お任せくだされ。
(松永)信長よいくら頑張っても織田はもう終わるぞ?俺はここで失礼する。
命があったらまたどっかで会おうや。
フッ。
まあ命があったらな。
(市)長政殿!長政殿!
(侍女)走ってはなりませぬ。
転んだりでもしたら。
・
(久政)お市。
アハハ。
いかがした?実は…。
(長政)本日は朝倉義景殿にお願いの儀があり参上つかまつりました。
(義景)うん。
(長政)織田信長に会っていただきたい。
(長政)織田との同盟をご検討願いたい。
(義景)朝倉にとって織田は宿敵。
何故同盟など?
(長政)信長殿は天下太平の世を心より願っております。
今ここで死なせてしまうにはあまりに惜しい男。
わしはあの方をお守りしたい。
この長政の願い何とぞお聞き入れくだされ!
(細川)お断りいたす。
(光秀)わずかで構いませぬ。
どうか公方さまにお目通りを。
(細川)お引き取りくだされ。
(光秀)そこをどうか。
(細川)明智殿。
義昭公は誠に織田をつぶすつもりです。
(細川)織田と心中してはなりませぬ。
よいですな?
(勝家)駄目であったか。
(光秀)力になれず申し訳ござらん。
・
(利家)殿!
(利家)大変です!
(森)各国より同盟は結ばぬという断りの文が。
(半兵衛)どこも幕府を敵に回したくないのでしょう。
(勝家)くそ。
皆われわれを敵と思うておるということか!?ああ!・
(藤吉郎)殿。
長政殿が。
(藤吉郎)おそらく朝倉の会見の結果かと。
(恒興)して朝倉は何と?
(長政)会見には了承していただきました。
ああ。
(一同)ああ。
ありがとう!長政君。
ホントにありがとう!
(長政)しかし朝倉義景殿はわしに免じて了承してくださったにすぎませぬ。
えっ?朝倉に同盟を結ぶ気などみじんもありません。
(森)そ…そんな。
じゃあどうすれば?
(長政)説得するのです。
同盟を結べるよう何としても朝倉義景殿を説き伏せるのです。
(長政)よろしいですか?信長殿。
この会見こそが織田家存亡最後の望み。
これをしくじればもう道はございませぬ。
(長政)越前金ヶ崎城にて朝倉義景殿がお待ちしております。
すぐにご準備のほどを。
(恒興)殿!しっかりしてくだされ!今がどのようなときか分かっておいでですか!?この同盟がほごとなれば織田はもう終わりなのですぞ?ためらう暇などはございませぬ!殿がやるしかないのですぞ!・
(ゆき)帰蝶さま。
(帰蝶)何じゃ?
(ゆき)お暇を頂いてもよろしいでしょうか?
(ゆき)国の母が病に伏しておりそのお見舞いをと。
それはいかぬな。
親孝行してまいれ。
(ゆき)ありがとうございます。
(帰蝶)ゆき。
(ゆき)はい。
(帰蝶)その前に縫い物を教えてくれぬか?
(久政)お主にはずいぶん助けられたな。
全て順調に動いておる。
後はお主の申すとおりに。
(藤吉郎)お役に立てて光栄の至り。
・義景さま。
信長にお会いするとお聞きいたしましたが誠でございますか?
(義景)お前は何も心案ずることはない。
これまでどおり侍女として織田に潜んでおれ。
はい。
(義景)ああ。
それとお前が信長から盗みだした異国の書。
この城に読める者はおらなかった。
いま一度読み方使い方を調べてまいれ。
(ゆき)はい。
(義景)待て。
・
(足音)俺のせいでこんなことになるなんて。
もし朝倉さんとの会見失敗したら。
何情けないことを言うておる!今までもかような窮地を何度もしのいできたであろう?信行殿との戦のときも今川とのときも美濃を落としたときも何度も何度も乗り越えてきたではないか。
何度も何度も皆を守ってきたではないか。
今お主が弱気になってどうする?皆お主だけが頼りなのじゃ。
民も家臣も。
そして…。
わらわも。
直しておいたぞ!痛え。
男ならしかと勝負してまいれ!
(恒興)《殿がやるしかないのですぞ!》
(帰蝶)《男ならしかと勝負してまいれ!》
(帰蝶)《皆お主だけが頼りなのじゃ》
(勝家)殿。
そろそろ参りましょう。
あっ。
ちょっと待って!俺成功させるから。
朝倉さんとの同盟絶対結んでみせるから。
(森)殿。
俺のせいで不安な思いさせてごめんね。
ふがいない当主でホントにごめん。
でも俺頑張るから。
みんなのこと何があっても導いてみせるから。
殿。
たとえ殿がどのような選択をなさろうともたとえこの先に何があろうともわれわれのすべきことは一つです。
殿を信じお守りする。
それだけです。
恒ちゃん。
そうですぞ。
殿。
この勝家が付いております。
(森)殿は一人ではございませぬ。
(丹羽)皆で力を合わせこの窮地を乗り越えましょうぞ。
(利家)それがしは殿にどこまでもついていきます。
(成政)わしもです。
みんな。
殿はわれらの明かりなのです。
夜道を進むとき明かりがなければ道を見失ってしまうように殿がいなければわれわれは前には進めませぬ。
だからどうか強くあってください。
さあ案ずることは何もありませぬ。
殿の後ろには常にわれらが付いております。
みんな。
ありがとう。
ハァー。
行こう!
(一同)おう!
(久政)本日織田が金ヶ崎に向かうそうじゃなぁ?
(長政)はっ?
(久政)そうか。
思惑どおりじゃ。
(長政)思惑どおり?
(久政)皆の者!これより浅井は朝倉と共に織田を討つ!
(一同)はっ!
(久政)金ヶ崎で挟み撃ちにしてくれるわ。
金ヶ崎は海に挟まれた狭い丘。
何も知らずにやって来た織田軍を前から朝倉後方からわれわれが追撃。
(久政)さすれば織田は袋のねずみじゃ。
(長政)しかし朝倉は会見を。
(久政)義景殿は織田をおびき寄せるために了承したまでじゃ。
わしの策略どおりにな。
お主が一人で越前へ行っておったことわしが知らぬとでも思うたか?まあよい。
これでもう織田は終わりじゃ。
(長政)父上!なりませぬ。
織田は同盟国。
かような…。
同盟などあってないようなもの!
(家臣)織田にもう先はない!
(家臣)殿!ご覚悟を!
(一同)殿。
ご決断を。
殿。
殿。
殿。
殿。
ご決断を!
(久政)長政。
お主が織田を討つのだ。
それは…。
できません。
信長殿を討つなどわしにはできません!
(久政)浅井を導けぬ者など当主の器にあらず!浅井家当主としてわれらが生き残る道を選べ。
(ほら貝)
(久政)長政。
決断せよ。
わしは…。
できませぬ。
(久政)お主はわが子の命を犠牲にしてまで織田に付くと申すか?わが子?お市はお主の子を身ごもっておるのじゃぞ?《実はやや子が》
(久政)今は火急のとき故お市には黙らせておいた。
市に子が。
(久政)織田側に付けばわれらも他国から狙われることになる。
それでよいのか?お主の手で守るのじゃ。
愛すべきわが子の命を。
(恒興)あと一刻ほどで金ヶ崎城に到着いたします。
うん。
・
(家臣)申し上げます。
近江のお市さまよりお見舞いの品が。
おいっちゃんから?うん?これは何ですか?
(恒興)さあ。
(丹羽)小豆?
(勝家)きっとお市さまも今日の会見を応援しておるのでしょう。
でも何で小豆?・
(重矩)大変にございます!
(重矩)朝倉軍が挙兵いたしました!
(勝家)何!?
(義景)狙うは信長の首じゃ。
よいな?
(一同)おう!
(勝家)何故朝倉が挙兵を!?
(森)そうじゃ。
会見は?会見はどうなっておる?
(重矩)朝倉軍1万2,000の軍勢でこちらに進軍中との由。
1万2,000じゃと?
(丹羽)数が違い過ぎる。
(勝家)くそ。
撤退じゃ!撤退。
引き返すぞ。
殿。
うん。
これは!?《京都土産》
(市)《奇麗》《ありがとうございます》恒ちゃん!何やってんだよ?早く逃げないと!お市さま。
恒ちゃん!
(森)何をしておられる?早くお逃げくだされ!
(勝家)恒興!
(丹羽)撤退じゃ!来た道を引き返すぞ!
(一同)はっ。
なりませぬ!
(丹羽)どうした?恒興。
(恒興)引き返してはなりませぬ!なぜじゃ!?
(恒興)あの袋は両端がひもで結ばれビードロが中に閉じ込められていた。
(勝家)何が言いたいんじゃ!?
(恒興)これは暗示!われらは袋のねずみ。
(勝家)袋のねずみ?
(恒興)今引き返せば挟み撃ちに遭います。
挟み撃ちじゃと?
(森)いったい誰に!?それは…。
浅井です。
(恒興)浅井がわれわれを裏切ったのです。
きっとお市さまはそのことを知らせるためにわれわれにこれを。
嘘だ。
長政君が裏切るなんて。
嘘に決まってんだろ。
(恒興)しかしそうとしか考えられませぬ!嘘だよ!裏切るわけないって!・
(成政)殿!どけ!浅井が8,000の軍勢を引き連れこちらに向かって進軍中です。
《これからもしっかり守ってあげてね》《おいっちゃんのこと》
(長政)信長殿。
お許しくだされ。
(勝家)おのれ。
長政め。
謀りおったな!
(恒興)とにかく今は逃げることを考えましょう。
(光秀)しかし金ヶ崎は海に挟まれた狭い丘。
前方に朝倉後方に浅井となればわれわれの退路はもうありませぬ。
こうなれば戦うしかあるまい!
(森)勝てるわけがない!
(勝家)やらねばつぶされてしまうぞ!殿。
峠を越えお逃げください。
少数なら朽木の谷を越え退却も可能。
(恒興)殿だけでも早くお逃げください。
殿!長政君が裏切るなんて。
嘘だ。
(長政)《この近江を豊かな国にしたい》《民の願いに応えたい》何かの間違いだって。
絶対間違いだって。
(勝家)殿。
いいかげん目を覚ましてくだされ。
われわれは浅井に裏切られたのです!長政君が裏切るわけないよ。
そんなわけないって!・
(家臣)帰蝶さま!大変にございます!
(家臣)殿が…。
(森)殿!浅井がそこまで来てます!
(重矩)殿。
早くお逃げください。
(一同)殿。
殿。
殿。
殿。
殿。
殿。
殿。
(恒興)お逃げください。
(恒興)殿がいなければわれわれは前には進めませぬ。
殿さえいれば織田家はまたやり直せます。
織田家のためわれわれのためどうか生きてください。
死んではなりませぬ!生きて。
生きて帰るのです。
(森)帰蝶さまじゃ。
(勝家)殿。
帰蝶さまが殿が無事に帰ることを願っておるのですぞ!分かった。
(恒興)皆の者。
今こそ織田家家臣として命を賭するとき。
必ずや殿をお守りするぞ。
よいな?
(一同)おう!
(勝家)しんがりはいかがする?最後に敵を食い止める役目が必要じゃ。
しんがりはこの恒興が務めます。
皆は殿を連れて早くお逃げくだされ!
(藤吉郎)何をおっしゃいます?恒興殿。
殿をお連れするのが恒興殿の務め。
しんがりはこの木下藤吉郎にお任せあれ。
(勝家)猿。
(藤吉郎)この藤吉郎殿のために命を捨てること誠に本懐の至り。
何とぞこの猿めにしんがりを。
猿君。
必ず生きて帰ってきてね。
はい。
(恒興)殿。
行きましょう。
みんな絶対に死なないでくれ!頼む!
(一同)はっ!
(久政)《もし織田が裏切りを感づいたらいかがする?》
(藤吉郎)《信長は必ず逃げる》《そのときはわしがしんがりを名乗り出て共に背後から攻めましょう》《さすれば織田は確実に滅びます》死ぬのはお前だ。
信長。
(長政)よいか?信長を逃すな!
(一同)おう!2014/11/17(月) 21:00〜21:54
関西テレビ1
信長協奏曲 #06[字]【毎回泣けると大好評!家族で見れる月9戦国エンタテイメント】
「オニが城にやって来た!全国指名手配の書状」高校生がタイムスリップしてまさかの織田信長に!話題騒然、笑って泣いて歴史の勉強にもなる!!大爆笑・小栗旬vs古田新太
詳細情報
番組内容
サブロー(小栗旬)の居城に明智光秀(小栗旬・二役)が家臣になるとやって来た。光秀は他の家臣たちに信長だと悟られぬよう覆面姿で、彼の手土産は上洛の良案だった。足利義昭(堀部圭亮)を将軍と擁立するという大義名分をもって織田の上洛を朝廷に了承させようと言うのだ。竹中半兵衛(藤木直人)もこの策を認めたため、家臣一同了承。しかし池田恒興(向井理)が問題点を指摘。それは織田の人々が京での作法を知らないこと。
番組内容2
さっそくサブローは家臣たちと作法を学ぼうとするが上手くいかない。すると、光秀が妙案を持ちかけた。
京に上った織田勢だが、サブローはのんきに街でお買い物。義昭とともにみかどと対面したのは、覆面を取って信長に戻った光秀だった。思い通りに征夷大将軍をみかどから拝命した義昭は、光秀と再度“信長”を入れ替わったサブローに副将軍を任命する。だがサブローは断り、さらには自分が天下を獲ると宣言した。
京からの
番組内容3
帰り道、サブローたちは市(水原希子)が嫁いだ浅井長政(高橋一生)の小谷城に立ち寄ってから自身の城へと帰った。
サブローが帰蝶(柴咲コウ)に京土産を渡していると、家臣たちが鬼が来たと騒ぎだす。サブローがのぞきにいくと、背中に鬼を背負った松永弾正久秀(古田新太)がいた。松永は義昭が信長を討伐するよう全国の大名に布令を出したと教える。サブローは念願の上洛を果たしたものの義昭の怒りを買ってしまったのだ。
出演者
サブロー/織田信長(一人二役): 小栗旬
帰蝶: 柴咲コウ
池田恒興: 向井理
前田犬千代: 藤ヶ谷太輔(Kis−My−Ft2)
ゆき: 夏帆
段蔵: 早乙女太一
竹中半兵衛: 藤木直人
徳川家康: 濱田岳
柴田勝家: