人類により地球はこんなにも変わってしまった。
地球に穴を掘りすぎた結果…。
(増田)何してんの何してんの?
(池上)ほらわかります?
(あき)どんどんどんどん倒れてった…。
あー!
(優木)怖い。
もうすぐ開かれる国際会議。
そこで我々車の展示場で突然地面が陥没した。
次々と合計8台の車が穴に落ちてしまった。
建物が次々とのみ込まれていった。
ごく普通の住宅街。
ここに信じられないほど巨大な穴が。
穴にのみ込まれて3人が行方不明になったという。
突如それがこちら。
幅5メートル長さはなんと1.2キロメートルに及ぶ巨大な亀裂。
巨大地震があったわけでもないのにある日突然発見されたという。
みるみるうちになんの変哲もない湖の風景。
しかしこのあと目を疑うような現象が起こる。
(優木)ん?なんか…。
わかります?ほらほらほら…。
(優木)あれ?右の方なんかおかしい。
(あき)あっあっ!どんどんどんどん倒れてった…。
あー!
(優木)倒れちゃった。
突如地球にあいた穴や巨大なひび割れ。
このような現象はアメリカのフロリダ州だけでも2万か所以上も確認されている。
いつどこで起きるのか予測するのは非常に難しい。
あなたが今いるその場所も安全とは言い切れない。
いとも簡単に例えば資源の採掘や地下鉄工事など穴を掘った事で地下に空洞が出来たり…。
建物などで地下水の流れが変えられて土砂が削り取られ地面が陥没したと考えられている。
そのくらいで巨大な穴があくほどそもそもその原因にも人類が関係。
(優木)怖い!
(あき)怖い。
原因は酸性雨。
酸性の雨。
大気汚染によって空気中に例えば硫黄酸化物とかそういうものによってそれが雨になって降ると酸性の雨が降るわけですよね。
イメージというとねその結果何が起きるかというと地層に浸透してですねこの下の岩岩盤。
これをどんどん溶かしちゃうんですね。
それをどんどん溶かしてしまいますとここがなんらかのきっかけで例えば地震などで揺れるとこれが全部ボコッと崩れてしまってこんな事まで起きるんだという事なんですね。
それからその酸性雨でいいますとよくあるのが公園の銅像などにですねこの目の下に泣いたみたいに白いのが出てるでしょ。
西郷さんが泣いてるように見えるでしょ。
泣いてるわけじゃなくて酸性の雨で銅がさびてあんな風に白くなってるわけですよ。
だから本当の意味の…本当の意味の涙ですね。
そのとおりですね。
更にいえば例えば東ヨーロッパで経済があんまり発達してなかった時代にですね石炭でエネルギーを供給していたもんですから大気汚染が随分進んだんですね。
ものすごい大気汚染物質が西ヨーロッパに風で流されてきてそれが雨になって降るという事によってヨーロッパの森林が次々に姿を消していったり。
あるいは酸性の雨が降る事によって湖がすっかり酸性化しちゃって魚がすめなくなるというような事があってこれをね中和しなければいけないってその湖にあとから石灰をまいたりしてね酸性雨対策をやったりという事をやってますね。
続いては地球はこんなに変わった。
かつて世界4位の広さ東北地方がすっぽり入るほどの湖でまさに海のようにたっぷりと水をたたえていたアラル海。
それが今地球が暖かくなったから蒸発するというわけではなく…。
37年前はこんなに大きかったのに…。
たった37年でほとんど空っぽ。
もともと水のあった場所は今や砂漠に。
湖のそばで生きていた動物もほとんど見られなくなってしまった。
主な原因は人類が湖に流れ込む水を奪ったから干上がったのだ。
人類による環境破壊は自らに返ってきた。
もともとアラル海は塩分濃度が高かったため干上がった事により塩が露出。
風で舞った塩や土を住民が大量に吸い込み気管支炎や腎臓病などが発生しているという。
世界最大の熱帯雨林アマゾンを30年前から現在まで撮影した衛星写真がある。
緑色の濃い部分が森色の薄い部分が伐採された跡。
人類がどんどん伐採してきた様子がわかる。
このペースでいけばあと50年でアマゾン全域が砂漠になるという。
現在砂漠は陸地のおよそ4分の1を占めている。
今この瞬間もこれはその理由は森林伐採の他に家畜の放牧のしすぎで草木が食べ尽くされている事も大きいという。
20年前まではごく普通の川だった。
ところが今では信じられない光景が広がっている。
川を埋め尽くす白い物体。
これは泡の固まり。
工場や家庭から出る排水が自然の川をあり得ない姿に変えたのだ。
同じような光景は世界各地で確認されている。
ご覧のように中国にあるごく普通の海水浴場。
一面緑色のものに覆われてしまった。
排水が原因で大量の藻が異常発生したと考えられている。
更に中国沿岸では汚染によってそれを餌にして大量発生したのが…。
(リポーター)うわー!近年毎年のように日本沿岸に押し寄せるようになった。
日本でよくニュースになる生き物といえば…。
閑静な住宅街に突然現れる
(男性)危ない危ない…!人を襲う事件も多く中には死者が出た事も。
これは本来イノシシのすむ場所を人類が開発して住むようになった事が大きな原因といわれている。
人類が地球の生態系を狂わせたといえばこんな出来事も。
海岸を埋め尽くしているのは…。
その数なんと原因とされたのは潜水艦が発する超音波によってクジラやイルカが方向感覚を失い座礁したとみられている。
この事実を認めたアメリカ海軍は今後5年間で2000万頭が方向感覚を失うなど異常行動をする恐れがあると試算している。
最近地球の気候変動って言葉聞いた事あるでしょうか。
どうも地球の気候が大きく変わりつつある。
そこで今日はですね人の手によって地球がどう変わってしまったのかという点について過去と現在を見比べてみようと思うんですね。
皆さんは人の手によって地球が変わった事というと何を思い浮かべますか?森がどんどんなくなっていろんなところにビルが建ったりとか。
田舎がなくなってるみたいな事ですかね。
(増田)あと空気がね…空気が汚れてるとか。
氷河が溶けているとかいう事でしょうかね。
昔私が子どもの時は雪…冬ですけども2階から出入りしてたんですよ。
今はそんな2階から出入りしないんですよ。
よく新潟の人もそうおっしゃいますよね。
日本海沿岸昔は大変な大雪だったけど最近あんまり雪が積もらないよねって言い方していますよね。
人間の手によって地球環境が破壊されてるとよく聞きますよね。
でも最近はねえっこんな事まで起きてるの?という事が実はいくつもあるんです。
人類が繁栄した事で地球が変わってしまった。
(雷鳴)私たちはどうするべきなのか。
その対策を話し合う国際会議が来月開かれる。
池上彰ならではの視点でまさに今そこにある人類そして地球の危機について考える。
地球の変化といえばよく聞くのが日本も昔はコンクリートが少なく地面は土。
今よりずっと自然に囲まれていた。
しかし60年代に入ると高層ビルが立ち並び道路は舗装され街の景色は様変わり。
では実際昔は涼しかった?もしかして気のせい?映像で比べてみると一目瞭然。
これは地球の温度変化を表したもの。
現在まで一気に早回しで見てみると…。
2度以上気温が上がっているところも。
暑い地域では太陽の熱で目玉焼きが作れるほど。
このままなんの対策もしないでいると今後100年で最大4.8度気温が上がると予測されている。
気温上昇によって青い海が広がるシドニーの観光地では…。
海があり得ない色に染まった。
まるで血の海のよう。
海水温の上昇で微生物が異常繁殖した結果だという。
更に色とりどりのサンゴ礁は…。
真っ白に。
世界各地で何万年もの間溶ける事のなかった氷河が…。
消えた。
これによってすみかを追われたのは動物たち。
シロクマはすむべき場所を求めて別の氷へ移動。
国際機関の調査によると最長で680キロもの長距離を泳ぐ事を強いられ多くの子グマが疲れ切って溺れ死んだという。
一年のほとんどの期間を氷の上で生活するセイウチも居場所をなくして浜辺に密集。
すむ場所を失ったアザラシが北海道まで流れ一部ですみついている。
この映像ももはや珍しくもない。
そんな温暖化の原因は石油や石炭などを燃やすと発生する二酸化炭素。
そう思っているあなた…。
温暖化の原因としてよくいわれるのが排出しすぎた二酸化炭素などが太陽の熱を逃がさずにどんどん地球を暖めるいわゆる温室効果。
この温室効果をより一層高めるものとは?二酸化炭素よりも温室効果が高いガスというのがあるんですがなんだかわかりますか?
(鶴太郎)はい。
はいさすがですね。
牛の…。
牛のゲップでしたか?牛のゲップって見た事ありますか?ちょっと夕食時の方もいらっしゃるかもしれませんが。
失礼します。
(優木)可愛らしいですけどね。
(ゲップ)牛って一度食べては口まで戻してまたそこでかんで胃に戻してっていう事を繰り返してる。
この時にゲップが出る。
これがですね二酸化炭素の25倍の温室効果があるといわれてるんですね。
(鶴太郎)そんなですか。
えー!2割も?はい。
でも牛って昔からいますよね。
そうです。
急に最近その問題になってきたわけですか?つまりみんなが牛肉を食べるようになって…。
(鶴太郎)食用にするため。
はい。
牛がどんどん増えてきた。
増やしたから。
(優木)人のせいですよね。
牛に責任を押し付けるのは悪いですよね。
それだけ牛を増やしたのは人間だ。
だからこのゲップを減らす実は研究が行われてましてね。
メタンガスが出ないような薬を一緒に食べさせればいいんじゃないかっていう研究が行われてます。
これ意外に日本はその部分で研究はかなり進んでるというのがあってですね。
これを一緒にやる事によってかなりメタンガスが減らせるかなという事はあるというわけですね。
更にですね今年の夏ですけどこのメタンガスが原因で奇妙な現象が起きたんです。
こちらご覧ください。
メタンガスで地球がこんな状態に。
ここはシベリアの大草原。
いきなりこんなものが。
これは噴火の跡ではない。
その大きさはどういう事かっていいますと…。
ガスだけで?シベリアっていうのはメタンガスが永久凍土つまりずっと凍りついてるんでこの中にね閉じ込められていっぱいあるんですよ。
(鶴太郎)ほう。
で最近…。
そうすると永久凍土が溶けちゃいますと封じ込められていたメタンガスが外に噴き出してくるんです。
で噴き出してこのガスが一挙に抜けた事によって穴が出来た。
じゃあこれってあっちこっち穴あくんじゃないですか?
(優木)これからねまだまだたくさん…。
これからますます起きる可能性があるわけですね。
更にいえばメタンガスというのは温室効果がものすごくあるわけでしょ。
これがどんどん外に出てくると地球の温暖化が急速に進むわけですよ。
つまり温暖化が進んだ事によって更に急速に進む危険性があるというわけなんですね。
温暖化により海面が上昇してしまい沈む国もあるという話は聞いた事ありますよね。
100年後には完全に水没するといわれるイタリアのベネチアではたびたび市街地が浸水。
そこでこんな対策を考えた。
高潮の時自動的に浮かび上がり浸水を防ぐゲートを考えた。
モルディブでは海面上昇の危機を世界にアピールするため政府が海の中で閣議を開催。
100年後には日本の砂浜の9割が水没すると予測されている。
中にはちょっと違う理由で沈む島もある。
そこにも人類の身勝手さが関係していた。
それが満潮時にはひざ近くまで海の水が来てしまう。
ツバルではこれが当たり前の日常。
あと20年で国が丸ごと沈んでしまうといわれている。
増田さんその…いうたら北極海の氷が溶けても海水は増えないっていうのわかりますね?小学校の時やりませんでした?ビーカーに水を入れて氷が浮かんでますよね。
その氷が溶けても水面は増えないでしょ。
(増田)そうですね。
(優木)体積が一緒。
南極の場合は南極大陸に氷がたまってますからそれが溶けていけば当然海水が増えて海面が上がるとよく一般的にいわれますが。
もちろんそれもありますがもう1つ理由があるんですよ。
温暖化が進むと海面が上昇する。
(優木)雨がたくさん降る…。
なんだと思います?海水温の上昇ですよね。
そのとおりです。
温度が上がると膨張するでしょ。
そう。
よく氷が溶けて海面が上昇するといいますが…。
水は温度が高くなると体積が増える性質があります。
海面が上昇するのはこの影響が大きいのです。
先ほどのツバルがそのいい例になるわけですけれども。
でも渡辺さんもう1つ理由があるんですがご存じですか?ではないんです。
ツバルがこうやって海に沈んでしまうかもしれないって事が世界的に有名になったために危機に陥っているという。
えっ…。
ちょっと今のうち人々が移住して島が沈んでって…。
え?え?全然わからないです。
今のうちに移住する?見にいくって事でしょ?見にいくから…。
そうなんです。
観光客がたくさん増えちゃって…。
もともとサンゴ礁の上にかろうじて人が住んでいるという状態だったんですけど。
それこそ…。
そのためには土地を埋め立てなければいけない。
どこかから土砂を持ってきて埋め立てるという事になるもんですから土が削られたりしてしまって地盤が更に弱くなって沈みかけようとしていると。
(増田)えー!誰か教えてあげなかったの?っていう。
戦争などで住む場所を追われる人たち難民っていいますよね。
これは環境の変化によって難民が生まれる環境難民という人たちがこうやって出始めてるんですね。
地球上にはその環境難民になる可能性のある人が数億人いるだろうといわれていると。
(宇賀)数億人。
はい。
今年8月には南太平洋のタロ島で島民全員の移住が決定。
今後も水没する島は増えていく事が予想されています。
ここは熱帯魚屋さんではない。
今やタマゾン川と呼ばれるほど熱帯の魚が繁殖。
温暖化や生活排水の流入で水温が高く人の手によって放流された熱帯魚がすみついているのだ。
生態系が狂ったといえばこんな話も。
フグの70倍もの強い毒を持つといわれる魚ソウシハギ。
これまで日本では沖縄などでしか見られなかったが…。
最近では知らずに食べてしまう事故が心配されている。
更に今年流行したウイルスを媒介する蚊の生息域が拡大しているため感染リスクが増加しているという。
更に恐るべきはマラリア。
世界では一日3000人以上が死亡している。
主に熱帯地域にすむ蚊が媒介するため現在日本では海外で感染した人が持ち込むケースのみ。
しかし温暖化によって蚊の生息域が北上しているため感染の拡大が懸念されているのだ。
人類によって変わり果てた地球。
だからこそ人類がなんとかしなければ…。
温暖化によって心配されている感染症の拡大。
ここで当然こういういろんな病気が出てくればですねそのためのいろんな薬。
予防薬ですとか治療薬とかいうのがいろいろ必要になってくるわけですが。
そういう薬の宝庫といわれているところがあるんですよ世界には。
つまりまだ見付かってないけど将来人間にとってとっても有効な薬が存在するのではないかといわれている地区があるんですが。
そう。
アマゾンの熱帯雨林にはまだまだ人間が見付ける事が出来ないようなさまざまな植物があるといわれてますよね。
そこにそういう未知の植物から新たな薬が作れるのではないかといって世界中のさまざまな関係者専門家がアマゾンでいろんなものを採取しているんですよ。
例えば植物の成分を使う化粧品。
随分いろんなものが出来ているでしょ。
それからもともと抗生物質のペニシリンってアオカビですよね。
たまたまうっかりアオカビが生えちゃったら細菌が増えてない。
このアオカビが細菌を止めてるんだって事がわかってペニシリンって見付かったんですけど。
それだけじゃないですよね。
ヤナギの樹皮からアスピリンが作られている。
それから八角って中華料理の材料あるでしょ。
あれからタミフルが作られてるんですよね。
こういう風にいろんな植物から新しい薬が生まれるんじゃないかといわれてるんですが環境破壊が進んでアマゾンでもどんどん森林が伐採されているでしょ。
(優木)砂漠化してるっていってましたよね。
どんどん温暖化が進むと人間が気が付かないところでいろんな植物が死んでしまったりすると人間にとって将来とても役に立つ植物あるいは動物が人知れず姿を消しているという可能性があるわけですよね。
人間が作り出した環境悪化は人間がある程度は元に戻さなきゃいけないんじゃないですかね。
そういう事ですよね。
だからこそそこで来月開催されるのがCOP20。
世界各国が集まって温暖化対策を話し合います。
COPといえば20年近く前に京都でも開かれましたよね。
日本は2012年までに温室効果ガスを6パーセント削減すると世界に約束。
あの約束守れたのかどうか知っていますか?どうなったんですか?日本は。
(優木)相当難しいっていう…。
日本はもともと少なかったのでそこから6パーってすごいきついっていう話…。
きついきついってずっと言われてましたよね。
結果どうだったかって意外にあんまりニュースになってないですよね。
(優木)すごい。
6パーセントどころか8.2パーセント削減に成功しました。
超過して削減に成功しました。
よくご存じですね。
どうなんだろう?本当に減らせたのか…。
減らすのにいろんなやり方があったんですね。
もちろん二酸化炭素を減らす事がいいでしょ。
減らす事以外に自分のとこでは減らせなかった分よその国で減らした部分を権利として買ってきて。
お金を払って買ってきて自分の国で減らしたものとして計算するっていうやり方…抜け道があってですね日本はそれで世界から随分いろいろ買ったんですよ。
あるいは森林を整備すれば森林っていうと二酸化炭素を吸収するからこれも二酸化炭素を減らした事になるよっていってこれで日本はかなり稼いだんですね。
ところがね一番の理由は…。
2008年のリーマンショックで経済が不況になっちゃったでしょ。
生産活動が激減した結果二酸化炭素をあまり出さなくなって結果的にこれを達成してしまった。
達成してしまったっていう言い方変かもしれませんが。
景気が低迷し生産活動が少なくなった事で皮肉にも目標を達成したのです。
しかし3年前の福島第一原発事故以降は火力発電が増えたため二酸化炭素の排出量も増加しているといいます。
では間もなく開かれる必ずニュースになるのでぜひ知っておこう。
来月にある会議でもそれぞれの国が削減目標というのを全部出す事になってるんです。
ただしこれはまだ義務付けっていう事にはなってないんですね。
これだけ減らしますよという努力目標をとりあえず出すだけ。
また来年の会議に向けて今度はこれをどうすればみんなが必ず守りますという義務付けをする事が出来るのかという事になるんですね。
こちらです。
今世界の二酸化炭素排出量一番多いのは中国。
そしてアメリカインドロシアそして日本はこちらという事になるんですね。
つまり一番本気になって二酸化炭素を減らしてくれなければいけないのはこの辺と。
(優木)中国アメリカ。
…という事になるわけですよね。
しかししかし確かに今中国は経済がどんどん発展してるから二酸化炭素が出るという事がある一方で…。
世界のさまざまな先進国の工場が中国に出来てるわけですよね。
本来それぞれの国で出すはずの二酸化炭素が中国で出るようになってるともいえるわけですよね。
世界各国の工場が集まっちゃってるから。
いろんな世界各国の企業が考えていかなくちゃいけない。
それをどうやって減らすのかと。
これが実は大きな課題になるというわけですよね。
中国の態度っていうのは変わってきてたりするんですか?最近ね。
前はねそもそも世界中でこんなに二酸化炭素を出したのは先進国じゃないかと。
そのあと遅れて経済が発展し始めた国が二酸化炭素を出し始めたらお前たち出すなって言われるのは先進国のエゴだと。
先進国が出した。
そっちが責任だろうと言ってたんですけどやっぱりさすがにこれだけ大きな経済力になりますと中国の責任って事をいろいろ言われるもんですから中国も一応取り組みましょうという姿勢は示すようになってきているんですが…。
これまで温暖化対策にあまり乗り気でなかった中国とアメリカですが先週行われた首脳会談で両国は温室効果ガスの排出量を減らしていくと発表しました。
それがどこまで本気なのかというところをこれから見ていかなければいけないだろうという事ですね。
やっぱり中国アメリカを巻き込むのは簡単ではないですけどやっぱり巻き込みつつこんな…日本にはこんないい製品がありますよと。
これだったらこれだけ削減出来ますよと。
そういう…やっぱり取り組みをして日本とすればやっぱり一挙両得を狙って頑張っていくっていうのが世界に貢献する道じゃないのかなと思います。
日本でも石炭火力発電っていうのあるんですけど日本の石炭火力というのは非常に性能がよくなっていて中国の火力発電に比べて同じ石炭を材料にしていても二酸化炭素の排出量がはるかに少ないんですね。
そういう先進技術を向こうに導入していくっていうのが1つのやり方ですね。
あるいは出てくる二酸化炭素を地下に埋めてしまおうなんていう計画もあります。
地下に封じ込めてしまおう。
あるいは海底にそれを封じ込めようなんていう考え方があるんですね。
工場から二酸化炭素を回収しまして地中や海底に埋めたらどうかという事になるんですかね。
特に海なら二酸化炭素を入れても漏れ出してもそんなに影響がないんじゃないのって思う一方で海に二酸化炭素が大量に出ると海の酸性化という事が起きてしまうと今度は魚に影響があるわけでしょ。
海がおかしくなってしまうという考え方もあってなかなか難しいんですが二酸化炭素をなんとか地中あるいは海中に封じ込めるという技術開発が今行われてます。
更にいえばねそもそも二酸化炭素を全く出さない自動車っていうのは日本が開発してるわけですから。
これが広がるだけでも随分違うという。
それ以外のさまざまなところで日本の環境技術っていうのはあるわけでこれがビジネスになっていくという事を考えなければいけないんだろうと思いますね。
温暖化ストップさせるには電気を使わないようにするとかエネルギーを少しずつでも減らすっていう一人ひとりの取り組みが大切だといわれてますけどそれだけではやっぱり実はごくわずか。
ある種の精神論になっちゃうんですね。
産業界全体で減らすような産業構造全体を変えていかなければいけないという部分があります。
ただしそういう世論を作るためにも一人ひとりが二酸化炭素を減らす行動を取っていく事もまた大切だろうっていう事ですね。
環境には関係ないのかもしれないんですけど…。
マナー的にも…マナー的にも。
はい?
(増田)オナラの方ですか。
ゲップとオナラはやめましょう。
はい。
無理のない範囲でという事ですね。
このあと今池上彰が注目。
そしてどうしても伝えたいニュース。
今池上彰が注目そしてどうしても伝えたいニュースは…。
日本の円安そして株価が上がったカラクリ。
今日本が円安でつい先日は株価がドーンと上がったと大きなニュースになりましたよね。
ちょっととっつきにくそうな池上彰はどういう事を考えなぜ注目したのか?なぜか。
それは一方日本は量的緩和を増やしたという事があるんですが。
さあじゃあそもそもよく聞くのは金融緩和という言葉。
利子を下げるなどお金を借りやすくし世の中にお金が回るようにして経済を活発にさせようというもの。
この金融緩和の1つの方法がお金そのものの量を増やして世の中にたくさん出回らせる事でみんなにお金を使ってもらおうという政策。
リーマンショック以降景気が悪かったしかし最近景気が回復したので量的緩和をやめますと発表。
ここが池上彰のだんだん景気がよくなってきました。
そうですよね。
インフレになってしまうとアメリカ経済にとっては決していい事ではない。
そこでアメリカはこの量的緩和をこれからやめますよと宣言をしたわけですね。
やめるっていう事はさあどういう事か。
今までみたいにドルはたくさん出回らないんだ。
みんながそう思った事で…。
結果的にドルの人気が上がる。
ドル高になる。
ドル高になるって事は逆にいえば日本の円は…。
(宇賀)安くなる。
はい。
そうですね。
その円安なんですね。
この円安がまず起きたんです。
これだけじゃないです。
そうですよね。
円安で自動車など大手輸出企業の業績がアップ。
その株を世界中の投資家が買うから株価がアップ。
これぐらいの事はなんとなくわかりますよね。
しかし今回は更なる注目ポイントが。
アメリカが量的緩和をやめると発表した翌日…。
お金を増やす量的緩和を拡大して円の量をもっともっと増やすと発表したのです。
量が増えれば円の価値は低くなるので更に円安が加速。
こうして株価が跳ね上がったのです。
それが国民が納めた年金保険料は株や国債などで運用されています。
日本銀行が量的緩和の拡大を発表したまさに同じ日。
年金を運用する機関は持っていた国債30兆円分を売って代わりに株を買う事にすると発表したのです。
池上彰はそこに注目。
この年金基金の莫大なお金が株式市場に投入されますよっていう事がわかればさあ投資家は安心して日本の株を買う事が出来るでしょ。
これだけのお金がどっと入ってくるからだよという形ででも逆にいうと国債30兆円もこれから売りに出るわけでしょ。
っていう事は…。
そもそもこの年金の積み立て運用資金にまだ国債が残ってるわけですからその国債の値段が下がっちゃったらどうですか?意味ないですよね。
そうですよね。
そしたら日銀がですね国債を30兆円更に買いますよといいました。
(宇賀)え?たまたま?うん。
こっちに関係なく日銀はやるわけですよね。
日本銀行と年金を運用する機関はそれぞれ独立性を保つ事が必要とされていますが今回はたまたま日本銀行が国債30兆円を買う事になったので大量の売り出しによる国債価格の急落という危機に陥らずに済んだという事なのです。
これについて麻生財務大臣は…。
(記者)ありませんか?タイミング合ってる事に…。
30兆円売りますよといったらこちらが30兆円買いますと。
これはたまたまだそうです。
世の中にそんな偶然あると思います?ないと思うんですけど。
偶然だそうです。
はい。
(宇賀)本当ですか?いやいや…。
今回の事はあくまで偶然だといいます。
たまたまだという事にしないといけないっていう事なんですかね。
そうなんですね。
ありがとうございました。
このあとは『報道ステーション』です。
2014/11/17(月) 21:00〜21:54
ABCテレビ1
ここがポイント!!池上彰解説塾[字]
温暖化に異常気象など、急速に進む環境破壊を池上流に考える!今地球はおかしなことになっているのか?その対処法とは!?
詳細情報
◇番組内容
来月から始まる、COP20・国連気候変動枠組条約締約国会議。主に温暖化について話し合われるこの会議を前に、地球環境について池上彰が改めて解説します。突然地面が陥没する「シンクホール」や「生物の生息地の変化」など、様々な問題を考えます!
◇出演者
【ニュース解説】池上彰
【進行】宇賀なつみ(テレビ朝日アナウンサー)
【ゲスト】あき竹城・片岡鶴太郎・北村晴男・増田英彦(ますだおかだ)・優木まおみ・渡辺裕太
◇おしらせ
☆番組HP
http://www.tv-asahi.co.jp/ikegami/
ジャンル :
ニュース/報道 – 特集・ドキュメント
ニュース/報道 – 解説
ドキュメンタリー/教養 – 社会・時事
映像 : 1080i(1125i)、アスペクト比16:9 パンベクトルなし
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