幻解!超常ファイル「妖精写真事件 ロンドン心霊ブーム Part2」 2014.12.06


皆さんは妖精を見た事がありますか?私は…。
多分見た事がないと思います…。
多分ですよ…。
多分見た事がないと思います!ねえちょっと待って!一体何なの!?あ〜…。
少女の前に突如現れた…この写真に…発表したのは…有名作家を惑わせた…闇がいざなう不可思議な謎。
光が導く検証と真相。
栗山千明があなたと共に幻を解き明かしていきます。
今から100年ほど前のイギリス・ロンドン。
「霊媒」と呼ばれる人たちによる不思議な心霊ブームが起きていた。
手を触れずに物体を動かす…霊媒の生体エネルギーを物質化する…こうした心霊現象は当時一流の科学者も霊の存在を認めるほどの騒ぎとなった。
ところがタネや仕掛けを熟知するマジシャンたちに…事件が起きたのはそんな時代である。
イギリスで人気の雑誌「ストランド・マガジン」に衝撃的な写真が掲載される。
偶然撮影に成功した妖精たち。
少女の足元にいるのは…少女の膝に飛び乗ろうとした瞬間だ。
イギリスはいにしえからの妖精伝説に満ちた国。
撮影したのはコティングリー村に住むエルシー・ライトとそのいとこフランシス・グリフィス。
2人の少女はこれまでも裏庭の小川で妖精たちを目撃していたという。
エルシーは「妖精の写真が撮りたい」と父親からカメラを借りフランシスと2人きりで森に入っていった。
そして妖精写真の撮影に成功したのだという。
写真は発表されるやいなや本物かトリックかを巡って大騒動となる。
なぜならこの写真を公表したのが…。
あの「シャーロック・ホームズ」の生みの親として既に世界的な名声を得ていた作家…。
4か月後ドイルは更に少女たちが追加撮影した写真を公表。
やぶの木の葉の上に立ち少女に花を差し出す妖精。
ドイルは妖精の出現を「事件」と語りこのような主張を発表した。
つまりドイルはこれらの妖精を本物と認めたのである。
一体なぜなのか?そこには心霊ブームのさなか未知の世界に次第に引かれていくドイルの数奇な人生があった。
敬けんなカトリック教徒の家に生まれる。
エディンバラ大学の医学部で最新の科学を学んだドイルは…そして仕事のかたわら書いていた…「死後約3時間だな」。
犯罪の現場を注意深く観察し膨大な化学の知識を基に分析。
鮮やかに真実を浮かび上がらせる近代的な名探偵は大衆のヒーローとなった。
ドイルはホームズにこう言わせている。
それがホームズ流のものの考え方だった。
作者ドイルも同じである。
心霊現象に対してまず事実関係を押さえる事から始めた。
ドイルが初めて心霊現象を体験したのは26歳の時。
友人に誘われ参加した降霊会で霊との交信を目撃するのである。
参加者が手をのせたテーブルが霊がやって来るとひとりでに動く。
日本でいう「コックリさん」のようなもの。
当時語られていた心霊現象の仕組みは死後の世界からやって来る霊が現世の霊媒を介してメッセージを伝え物理的現象を起こすものとされた。
この死後の世界についてドイルは論理的にありえないと考えたのだ。
心霊現象研究協会「SPR」に入会。
心霊現象の正体を見極めようと膨大な資料を手に入れ自分自身で検証を始めたのである。
このころ心霊現象の証拠として世間をにぎわせていたものがあった。
普通に撮ったはずの写真に他界したはずの人物が写る。
当時写真に写ったものは実在すると考えられた時代。
人々は世間に流布する心霊写真を霊魂と死後の世界を証明するものと捉えていた。
そしてドイルも膨大な資料を調べるうちに心霊現象にのめり込んでいく。
論理的に説明できない現象が世界各地で起きている事に心揺れたのだ。
心霊現象を論理的に解き明かそうとしたのにかえって説明できない世界に引かれていくドイル。
そして55歳の時転機が訪れる。
(砲撃音)科学技術によって強力になった兵器が戦場に登場。
巨大な戦争の死者は…物質文明の発展は世界を絶望へと導いた。
嘆き悲しむ遺族たちは願っていた。
そんな人々に心痛めたドイルは決意を固める。
61歳のドイルは……と絶望する人たちに伝える事こそ救いになるのだからと。
ドイル晩年の貴重なインタビュー映像。
そして妖精写真と出会ったのだ。
妖精写真を入手したドイルはそれでも最初は「トリックがあるのではないか」と疑った。
ここに地元出身のイギリス児童文学研究家が収集したコナン・ドイルの貴重な品が保管されている。
ドイルが入手し調査した妖精写真。
まさに本物のガラス原板である。
ドイルはこの原板を大手写真用品メーカーに持ち込み徹底した調査を依頼。
しかし二重露出など撮影後に加工された形跡は見つからなかった。
ならば撮影の時点で細工があるはずだ。
世間は少女たちに疑いの目を向けた。
しかしドイルは少女たちを疑おうとはせず世間の好奇心から守り続けた。
そしてこう宣言したのである。
絶望的なこの世とは全く異なる清く美しい世界が実在する。
妖精写真はそれを証明するものだと。
事件に詳しいプライス氏はドイルの純粋さについてこう語る。
「シャーロック・ホームズ」の作品にはたくさんの「悪」が現れますよね。
ところがドイルは現実社会に生きながらも人の心のなかの「悪」特に子どもの「悪意」については甘く見ようとしていました。
死後の世界の啓もうに力を尽くした晩年だった。
やがてドイルの死から時間を経て妖精写真を撮った女性の一人が告白した。
自分たちを気遣ってくれたドイルに応えたのか。
コナン・ドイルと妖精写真から見えてくる…翻訳家で幻想文学を研究している風間賢二さんにお話を伺っていきます。
まあコナン・ドイルは眼科医という事で最先端の知識を持ってたと思うんですけどもそれでもあの妖精写真というものを信じたのはどうしてなんでしょうか?そうですね…。
幽霊を見たりとかですね妖精でもいいですけれどもそういったスーパーナチュラルな存在を見るというのは目玉のせいだと。
ところがそのカメラはレンズですので主観が入らない。
客観的にそこに映し出しているものしか写らない。
プリントできないという事で「カメラはうそをつかない」というのがありましたね。
逆に写真を信じたって事ですね。
そうですね。
そもそも妖精というのは一体何かと言いますといろいろと説はあるんですけど……というふうに考えられていましてだからドイルは…当時その妖精を見る事ができるというのは少女に限られているという言い伝えがありまして大人がそれを見る事ができないのは汚れた心目が濁っているという事で見えないわけで少女が「見た」と言ってるんだからそれはもう真実に違いないと。
うそを言うはずがないと。
そうですね。
振り返ってみるとコナン・ドイルもそうですけど私たちももちろんですが「二面性」ってみんなあるのかなっていうのはすごく思いました。
信じたいっていう気持ちと解明したいうそじゃないかとか。
そうですね。
人間って意識と無意識の二面性を持っていますよね。
はい。
19世紀というのは科学なんかいろいろ発展していてですね経済的にも発展してという事で物質主義ですね「物の方が大切だ」みたいな心がないがしろにされがちな時代だったわけですけれどもそれが噴出して妖精であったり心霊主義であったりというようなかたちに具体的に出てきたりもしたわけですね。
なるほど。
2014/12/06(土) 22:30〜22:50
NHK総合1・神戸
幻解!超常ファイル「妖精写真事件 ロンドン心霊ブーム Part2」[字]

妖精は実在した!?世界衝撃!妖精と美少女5枚の写真。名探偵ホームズの作者コナン・ドイルはなぜ“本物”と宣言した?貴重な証拠が日本・関東に?事件の真相を徹底追究!

詳細情報
番組内容
森の中、美少女とたわむれる小さく美しい妖精たち。20世紀初頭にイギリス・コティングリー村で撮影された5枚の謎の写真は、世界中に衝撃を与えた。これを本物と訴えたのが「シャーロック・ホームズ」の作者コナン・ドイルだったことが、さらに話題を呼んだ。妖精は実在するのか?トリックか?なぜ論理的な名探偵の生みの親が、妖精実在を主張するのか?カギをにぎる貴重な証拠は、なぜか日本・関東に!?事件の真相を徹底追究!
出演者
【司会】栗山千明,【ゲスト】翻訳家、幻想文学研究家…風間賢二,【語り】中田譲治

ジャンル :
ドキュメンタリー/教養 – 自然・動物・環境
ドキュメンタリー/教養 – 宇宙・科学・医学
アニメ/特撮 – その他

映像 : 1080i(1125i)、アスペクト比16:9 パンベクトルなし
音声 : 2/0モード(ステレオ)
サンプリングレート : 48kHz

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