NY外為:円安、一時120円台…7年4カ月ぶり

毎日新聞 2014年12月04日 23時39分(最終更新 12月05日 01時58分)

1ドル=120円台をつけた円相場を示すモニター=東京都港区の外為どっとコムで2014年12月4日午後11時19分、小関勉撮影
1ドル=120円台をつけた円相場を示すモニター=東京都港区の外為どっとコムで2014年12月4日午後11時19分、小関勉撮影

 【ワシントン清水憲司】4日のニューヨーク外国為替市場で円相場が一時、1ドル=120円台前半に下落した。120円台は2007年7月以来、約7年4カ月ぶりの円安水準。日銀が10月末に追加金融緩和に踏み切ってから円安が急ピッチで進み、円相場は10月末の110円台から1カ月あまりで10円程度も下落した。市場では一段の円安を見込む声が出ている。

 4日は、欧州中央銀行(ECB)のドラギ総裁が理事会後の記者会見で、追加の金融緩和に関し、「準備を加速させた」と説明した。これを受けて、ユーロがドルに対して売られ、連動して円もドルに対して売られ、120円台に下落した。これに先立つ東京市場でも円安が進み、円相場は119円台で推移していた。

 堅調な米国経済を背景として、市場では「米連邦準備制度理事会(FRB)が早期に利上げし、米国と日本の金利差がさらに広がる」との見方が強まり、円安を加速させている。金利上昇が見込めるドルを買って、円を売る動きが広がっているためだ。日本国内の主要メディアが4日、衆院選の世論調査で「自民党が300議席を超す勢い」と報じ、日銀の大規模な金融緩和が維持されるとの見通しが広がったことも拍車をかけた。

 円相場は13年1月時点で1ドル=80円台だったが、日銀が昨年4月に大規模な金融緩和を導入したことなどから円安が進んだ。

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