はやぶさ2:飛行順調 太陽電池パネルなど正常動作を確認
毎日新聞 2014年12月03日 20時41分(最終更新 12月03日 20時59分)
三菱重工業と宇宙航空研究開発機構(JAXA)は3日午後、小惑星探査機「はやぶさ2」を載せた主力ロケットH2A26号機の打ち上げに成功した。H2Aの打ち上げ成功は2005年の7号機から20回連続。分離されたはやぶさ2は予定の軌道に入り、太陽電池パネルなどが正常に動作することが確認された。はやぶさ2プロジェクトの総責任者、国中均・JAXA教授はこの日の記者会見で「今日、小さな船で宇宙の大海原に乗り出した。厳しい運用が予想されるが、慎重かつ挑戦的に取り組みたい」と述べた。
H2Aは午後1時22分に鹿児島県の種子島宇宙センターから打ち上げられ、同3時9分過ぎに太平洋上空ではやぶさ2を分離した。はやぶさ2は順調に飛行しており、太陽電池パネルの展開▽姿勢維持に不可欠な太陽の捕捉▽安定姿勢の維持−−が確認された。
はやぶさ2は、世界で初めて小惑星の微粒子を持ち帰った「はやぶさ」の後継機。生命のもととされる水や有機物を含む小惑星「1999JU3」を目指し、物質を持ち帰ることを目指す。18年夏に目的地に到着し、20年末に地球に帰還する。往復の航行距離は約52億キロ。新たに開発された小惑星表面に人工的にクレーター(くぼ地)を作る衝突装置で、小惑星内部の物質採取に挑む。
相乗りしていた超小型探査機「プロキオン」や超小型衛星「しんえん2」など3基の分離も確認された。【大場あい、津島史人】