10月華やかに開幕した「東京国際映画祭」。
(歓声)そのオープニングに登場したのはハリウッドからのスペシャルゲスト。
ヒット映画を連発するディズニー・アニメーション・スタジオの製作者たちです。
・「ありのままの」記録的な大ヒットとなった「アナと雪の女王」に続く最新作をひっ提げて東京にやって来ました。
タイトルは…実は日本から着想を得た作品です。
こんにちは。
君は誰?私はベイマックス。
ロボット作りの天才少年ヒロがケア・ロボットベイマックスと出会い成長していく感動アドベンチャーです。
いいぞベイマックス!うん!ディズニー・アニメーションの製作総指揮を務める…今世界の映画界で最も注目されている一人です。
現在ディズニーそしてピクサーで作品作りを率い映画界に旋風を巻き起こしています。
ラセターさんはCGアニメーションの歴史を作ったパイオニア。
(ウッディ)やった!バズ飛んでるぜ!ピクサーで監督を務めた史上初の長編CGアニメーション「トイ・ストーリー」。
その後も数々の人気アニメーションを生み出してきました。
ディズニーの「アナと雪の女王」では製作総指揮を務め記録的な大ヒットに導きました。
これまで秘密のベールに包まれてきたその創作の現場。
今回世界で初めて長期密着取材が許され作品作りの舞台裏にカメラが入りました。
最新の技術で生み出される驚くべき映像。
(空気が漏れる音)映画全体の舵取りを行い500人ものスタッフと共に作品を作り上げていくのが製作総指揮のラセターさんです。
国境を越え人々の心を魅了する映画はどのようにして生み出されるのでしょうか?ラセターさんとディズニー・アニメーション。
その創作の秘密を今夜はたっぷりとお伝えします。
映画の都ハリウッドに程近い…その一角に魔法の映画を生み出す場所があります。
90年を超える歴史を持つ…カメラの持ち込みが固く禁じられているこのスタジオに今回初めて長期の密着取材が許されました。
ここで働くスタッフはおよそ800人。
常に3本ほどの長編アニメーション映画が3〜4年がかりで製作され1年に1本の割合で公開されています。
そしてこちらが新作「ベイマックス」の製作現場です。
映画の舞台となるのはサンフランシスコと東京をミックスしたような架空の都市「サンフランソウキョウ」。
この街に暮らす14歳の少年ヒロはロボット作りの天才。
幼い時に両親を亡くし兄・タダシに支えられて生きてきました。
しかしある日タダシは謎の爆発事故で命を落としてしまいます。
傷つき心を閉ざしたヒロの前に現れたのがベイマックス。
タダシが開発した人を癒やすケア・ロボットでした。
やがて元気を取り戻したヒロがベイマックスと共に兄の死の謎を追っていくという物語です。
スタジオでは11月の全米公開に向けて急ピッチで映画作りが進められていました。
8年前からこのスタジオで全てのアニメーション映画の製作総指揮を務めているジョン・ラセターさん57歳。
いでたちはいつもご覧のようなアロハシャツです。
この日はあるシーンの試写に顔を出しました。
ラセターさんは自分の意見を言うだけでなくスタッフからアイデアを求めます。
立場や仕事の内容にかかわらず誰もが対等にアイデアを出し合う。
それがラセターさんの映画作りの現場です。
世界的大ヒットを連発してきたラセターさん。
ヒット映画には3つの要素が欠かせないと言います。
そのように世界を作る事が大事です。
ではまずは魅力的なキャラクター作りの秘密から見ていきましょう。
この映画の重要なキャラクター…何よりも愛らしさを追求したといいます。
今回監督たちは映画作りのリサーチのために日本を訪れあちこち写真を撮影して回りました。
その時ベイマックスの顔のヒントとなるものに出会いました。
出来上がったベイマックスの基本デザインがこちら。
真っ白で柔らかく表情はまばたきしかしないというロボットです。
こうして生み出されたキャラクターに命を吹き込み見た事もない映像を作り出すのがこのスタジオの真骨頂。
さまざまな技術を持ったスタッフが関わっていきます。
「アナと雪の女王」で見てみると…。
最初は手描きの絵から始まり大きく12の工程を経て映像が完成していきます。
一体どんな作業をしているのか現場に潜入してみましょう。
映像作りは「ストーリー・アーティスト」と呼ばれる人たちの仕事から始まります。
完成した脚本をもとにシーンを絵にしていくのです。
この絵を並べセリフや音楽をつけたものが「ストーリー・リール」です。
絵は大まかですがこれがそのあとの映像作りの重要な土台となります。
(電車の音)「ベイマックス!」。
3次元のアニメーションいわゆる3DCGではコンピューター上に立体的なキャラクターとそのキャラクターが動く空間を作成します。
いわばコンピューターの中に俳優と撮影用のセットを用意するのです。
そのキャラクターの体や表情の基本的な動きを決めるのが「リギング・アーティスト」と呼ばれる人たちです。
こちらは骨と筋肉の動きをプログラミングしたソフト。
中でも表情を作るこのソフトには最新の技術が盛り込まれています。
1か所を動かすと周りの筋肉が自然に連動するためより人間らしい表情が作れるようになったといいます。
動きの基本が決まると「アニメーター」が演技をつけていきます。
自らキャラクターの動きを演じそれを参考にします。
こうして作ったのがこのカット。
まぶたや目の細かい動きで主人公の気持ちを表現しています。
続いては「レイアウト・アーティスト」。
実写映画で言うカメラマンです。
こちらがコンピューター上で使われるカメラ。
これを自在に動かしアングルやサイズを変えながら撮影していきます。
例えば床に倒れているヒロが強力な磁力で持ち上げられていくシーン。
カメラは前に進みながら吸い上げられていくヒロの真下に入り込みます。
するとこんな映像に。
映像の雰囲気をガラリと変える重要な仕事が「ライティング」照明です。
画面の中の光を操る仕事です。
モデルとなった東京の街角にはさまざまな光があふれています。
それを参考に街灯や窓明かりなど光源によって違う光の色みを一つずつ作っていきます。
今回の映画では湿気や大気の状態を入力できる新しいソフトを開発。
水たまりの反射やにじんだ明かりなどよりリアルに表現できるようになりました。
この日照明チームの試写にラセターさんの姿がありました。
各チームは仕事の途中経過を頻繁に試写しては修正を重ねていきます。
続いては映像の細部を作り込むこだわりのチームを3つご紹介しましょう。
こちらは「エフェクト・アーティスト」。
爆発水の泡などの特殊効果が仕事です。
炎は長さ角度色も形も自由自在です。
こちらは「テクニカル・アニメーター」。
生地のしわや膨らみ髪の毛などの表面の質感を自然に作り込むのが仕事です。
ベイマックスでは空気で膨らんでいる質感にこだわりました。
そしてこちらの女性は「ルック・アーティスト」。
デザインされた大道具や小道具をリアルに仕上げるスペシャリストです。
この日は日本で撮影してきた写真を参考にすし屋の立体看板を作り込んでいました。
3週間後製作途中の映像を見せてもらいました。
一瞬のリアリティーが映画を左右するとスタッフたちは皆信じています。
最後にディズニーならではの伝統の技をご紹介しましょう。
次々と出される意見を聞き線を書き加えているのは手描きのアニメーターです。
ディズニーではこれまで手描きの名作を描いてきたベテランアニメーターをCGアニメーションの現場で大事にしています。
手描きの名手が絵についてさまざまな助言をするのです。
その一人…歴代の名作アニメーションに携わってきました。
「アナと雪の女王」ではアニメーターチームのスーパーバイザーを務めました。
手描きの名手を大事にするのはラセターさんの方針。
そこにアニメーションについての揺るがぬ信念があります。
ラセターさんはディズニーと並ぶ世界的なアニメーション・スタジオピクサーの映画作りも統括しています。
そこのオフィスに思わぬものがありました。
「となりのトトロ」に登場するネコバスです。
彼が尊敬してやまない宮崎駿監督。
特に大好きなのが「となりのトトロ」。
初めてスタジオジブリを訪ねた時宮崎監督が作っていたのが「となりのトトロ」でした。
(鳴き声)
(サツキ)メイ私たち風になってる!
(メイ)うん!それからは来日する度に宮崎監督の元を訪ねています。
「ネコバスの停留所はどこにあるんですか」って。
4月。
ディズニー・スタジオの一室で重要な話し合いが行われていました。
場所はストーリー・ルーム。
こここそスタジオの中枢部。
限られた人しか入れない極秘の部屋です。
ここでプロデューサー監督脚本家ストーリー・アーティストらが映画の脚本を延々練り上げるのです。
これは映画のストーリーをシーンごとに並べたボード。
緑は脚本が固まり映像の制作が始まっている場面。
黄色はまだストーリーを検討中の場面です。
映画の冒頭部分の脚本がいまだに出来上がっていませんでした。
そのため映像は全体の3割ほどしか完成していません。
異例の事態です。
この日スタッフが集まり試写が行われました。
修正された脚本が出来上がると手描きの絵をつなぎ合わせ全体の流れを検討します。
これが7回目の試写でした。
試写が終わるとストーリー・ルームで重要な会議が行われます。
通称「ノート・セッション」。
この会議がディズニー・アニメーションを成功に導いてきた最大の秘密です。
監督プロデューサーなどこの映画の主要スタッフだけではなく別の映画のスタッフも参加するのが特徴です。
誰もが立場や役職に関係なく物語を面白くするための意見を自由に言い合う会議。
ラセターさんが8年前に導入しました。
今回の「ベイマックス」では最愛の兄タダシを助けられなかったヒロがその罪悪感を克服して人間的な成長を遂げる事が作品のテーマに据えられていました。
監督のクリス・ウィリアムズさんが語ったのは兄を救う事ができなかったヒロの罪悪感。
しかし…。
そもそもタダシが火の中に飛び込む事も崇高さを感じないんですよね。
やがて黙って意見を聞いていたラセターさんが口を開きました。
延々と続く果てしない議論。
この徹底した議論を経てディズニー作品は生み出されていきます。
記録的な大ヒットとなった「アナと雪の女王」もそうでした。
・「ありのままで」この作品はもともとヒロインと冷たい雪の女王との争いを描いた古典的なストーリーでした。
しかしラセターさんたちは議論を重ねた結果それを過酷な運命に立ち向かう姉妹の愛の物語に変えていったのです。
ラセターさんは女性の監督に加え作詞・作曲を担当した女性のソングライターの意見をどんどん取り入れたといいます。
象徴的だったのがこのシーン。
(アナ)すぐにキスして。
早く早く。
(ハンス)落ち着いて。
心が凍りそうなの。
それを解かせるのは真実の愛だけ。
愛する人とのキス…。
王子のキスで凍りそうな心を解かそうとするアナ。
ところが…。
ああアナ君を心から愛する人がいればな。
えっ…?王子は直前でキスをやめ実は悪玉だった事が示されます。
うまくいくわけないわよ。
いいやもううまくいったさ。
愛する人とのキス…。
この「キスをさせない」という大転換は女性の観客の感情をさまざまな形で揺さぶりました。
従来のディズニー作品のパターンを打ち破るような物語は幅広い観客に受け入れられアカデミー賞の長編アニメーション賞にも輝きました。
・「少しも寒くないわ」「ベイマックス」のストーリー会議は場所を移して更に続けられました。
気持ちをリフレッシュするのがねらいです。
スタッフたちはそれぞれ意見を述べますがなかなか結論が出ません。
その時ずっと黙って聞いていたラセターさんが口を開きました。
ラセターさんのひと言で暗礁に乗り上げていた会議が動きだしストーリー作りが前に進み始めました。
スタジオのあるロサンゼルスからおよそ500キロ。
ラセターさんはどんなに多忙でも休日は必ず自宅で過ごします。
妻ナンシーさんと5人の子供たちとの時間は何よりの安らぎだといいます。
自宅の敷地にはぶどう畑があり自分たちの手でワインも造っています。
この自宅の庭にはラセターさんが愛してやまないものがあります。
蒸気機関車。
ディズニーの大先輩から譲り受けた蒸気機関車を修復して走れるようにしました。
もちろん自ら運転をします。
機械なのに人間のような息遣いを感じさせる蒸気機関車。
ラセターさんが敬愛するある人物も蒸気機関車が大好きだったといいます。
その人の写真が飾ってありました。
ディズニー・アニメーション・スタジオの創始者ウォルト・ディズニー。
彼に導かれてラセターさんはアニメーションの世界に飛び込んだのです。
(口笛)幼い頃からディズニー・アニメーションのとりこだったラセターさん。
10代の頃にはディズニー・スタジオで働くと心に決めていたといいます。
その後芸術大学で4年間みっちりとアニメーションを学び22歳の時晴れてアニメーターとしてディズニーに入社を果たしました。
当時ラセターさんが撮影したスタジオの映像です。
ラセターさんは手描きを極めたベテランアニメーターの薫陶を受けながらいくつかの作品に携わりました。
彼が一枚一枚描き込んだ…ディズニーの伝統に触れながらアニメーターとして着実に腕を磨いていきました。
そんな彼が転機を迎えたのは24歳の時。
友人が見せてくれた新作映画に衝撃を受けます。
そこには実写と合成された最新のコンピューター・グラフィックスがふんだんに使われていたのです。
ラセターさんは思いました。
「この技術を使って新しいアニメーションを作りたい」。
当時ディズニーのアニメーション・スタジオは創始者のウォルトが亡くなって16年。
映画の製作本数も減り保守的になっていた経営陣はラセターさんの提案に耳を傾けようとはしませんでした。
ある日こんな通告を受けました。
衝撃的な出来事でした。
失意の日々を送る26歳のラセターさんの元に「一緒にやらないか?」と声をかけてきた人物がいました。
CGアニメーションの先駆者の一人エド・キャットムルさんでした。
キャットムルさんの元でラセターさんはCGアニメーションの短編作りに没頭します。
3年後完成したのが電気スタンドの親子を描いた物語です。
無機物の電気スタンドに人間の感情が宿っているかのような作品は映像関係者の間で評判となります。
この年ラセターさんとキャットムルさんたちは小さな会社を立ち上げていました。
名前は「PIXAR」。
そこに投資家として加わっていたのがAppleComputerの創始者スティーブ・ジョブズさん。
経営方針の違いから会社を追われたばかりでした。
ピクサーという場と力強い仲間を得たラセターさんは34歳の時初の長編作品の監督に挑みます。
ラセターさんとスタッフたちはキャラクターの人形を作る事から始め3DCGの新しい表現を開拓していきます。
同時に魅力的なストーリー作りに没頭します。
テーマはいつかは飽きられて遊ばれなくなるというおもちゃの心情。
おもちゃにどんな人格を与えるか。
どうすれば魅力的なストーリーになるか。
来る日も来る日も議論は続きました。
スタッフたちはそれぞれの担当を超えて議論に加わりアイデアを出し合いストーリーを練り上げました。
そして製作開始から4年映画は完成の日を迎えます。
参ったな。
誕生パーティーを今日やるって?あ〜!正直に言って。
やった!バズ飛んでるぜ!1995年「トイ・ストーリー」は世界中で大ヒットを記録。
ラセターさんはアカデミー賞特別業績賞を受賞しました。
その後もラセターさん率いるピクサーのチームは3DCGを駆使して次々とヒット作を生み出していきます。
(ニモ)パパ大好き。
(マーリン)パパもだよニモ。
同時にラセターさんは魅力あふれる映画を作るための環境作りに力を注ぎました。
オフィスの中心に大きなカフェを設けました。
会社らしくない楽しげな空気を作るためです。
ワクワクする新しい発想を歓迎する雰囲気。
クリエイターの自由を何より大切にする会社である事をこの空間は象徴しています。
中にはここまで凝る人も。
この小部屋はアニメーターが空調設備の調整をするための空間を人を招待する隠れ家に改造したものだといいます。
会社を解雇されながらどん底からはい上がり世界的なヒットメーカーとなったラセターさん。
2006年彼のもとに驚くべき依頼が舞い込みます。
ディズニーから現場のトップとして映画作りを率いてほしいと言われたのです。
屈辱の解雇から23年後の事でした。
盟友エド・キャットムルさんが新社長に就任。
ラセターさんはピクサーディズニー双方でアニメーション作りの統括責任者を務める事になりました。
しかし当時のディズニーは深刻な状態に陥っていました。
アニメーション部門はCG化への転換がうまくいかず閉鎖するという声さえ上がっていたのです。
映画作りは経営陣主導で製作現場は活力を失っていました。
ラセターさんはピクサーで培ったやり方をディズニーにも持ち込みます。
他の映画のスタッフも交えたストーリー作りの会議。
自由にものが言える雰囲気作り。
そしてスタッフたちに繰り返し語りました。
その後ディズニーはCGアニメーションで見事な復活を遂げます。
90年前に出来た老舗のスタジオが世界でも最先端の映像作品を作る場所に生まれ変わったのです。
映画の公開までおよそ7か月。
新作「ベイマックス」の製作は佳境を迎えていました。
脚本を作るストーリーチームは物語を練り直す作業に明け暮れていました。
およそ500人に上るCGの制作スタッフたちも連日新しいシーンと格闘していました。
最後の最後まで映画を魅力的にしようと粘り抜くスタッフたち。
ラセターさんがよみがえらせたこのスタジオの伝統です。
映画の追い込み時期ラセターさんは特に気になるシーンの試写にだけ立ち合います。
この日見に来たのは兄の死に打ちひしがれているヒロがベイマックスと初めて心を通わせる場面です。
戸惑う気持ちとハグされた瞬間の心地よさ。
ヒロの微妙な心の動きをもっと丁寧に描いた方がいいと伝えたのです。
ラセターさんは仕上げは任せてその場を去りました。
初めて主役2人の心が通い合う重要な場面。
全てはスタッフに託されました。
ハグされ頭をなでられた時のヒロの感情の変化をどう表現するか。
アニメーターのカブランさんはそれを瞳の動きとまばたきで表そうと考えました。
そして頭をなでられる直前ヒロの視線が一瞬ベイマックスの手を追いかけます。
ヒロがその手を受け入れようとしている事を表すためです。
視線が動くベストのタイミングを探して試行錯誤が続きます。
髪の毛などの質感を担当するテクニカル・アニメーターのレインさんは更に繊細な作業に取り組んでいました。
ベイマックスと触れているヒロの髪の毛を一本一本動かそうとしていたのです。
髪の毛を柔らく動かす事でベイマックスと触れ合っている実感を浮かび上がらせようと考えました。
延々と続く気の遠くなるような作業。
スタッフ一人一人が細かな部分にまでこだわり抜くのは目指す高みがあるからです。
ラセターさんが映画作りで何より大事にしているものを教えてくれました。
ハリウッドで最高の栄誉と言われるアカデミー賞のオスカー像。
しかし彼が大切にしている宝物はそれではありません。
ボロボロになった「トイ・ストーリー」の主人公ウッディの人形。
肌身離さず遊んでくれた6歳の子供が壊れてもずっと捨てられず新しいウッディ人形を買ってもらった機会に持ってきてくれたものだといいます。
コンピューターの中で作られた架空のキャラクターが映画を見た子供たちの中で本当の友達になる。
そんな魔法のような映画が必ず生まれると信じてスタッフたちは一瞬の映像にこだわり続けるのです。
そして映画はついに完成の日を迎えました。
この日ハリウッドの有名劇場にスタッフが集まり披露試写会が行われました。
長い間苦労を共にしたスタッフたちが家族を伴いドレスアップして訪れました。
ラセターさんはこんないでたちで現れました。
(拍手)上映を前に全スタッフに語りかけます。
(拍手)シーンのワンカットワンカットにスタッフの思いが凝縮されています。
そしてラセターさんがスタッフを信じて託したハグのシーンはこんなふうに仕上がりました。
(歓声と拍手)「ベイマックス」は無事ゴールにたどりつきました。
(拍手)ロビーのあちこちに映画の完成を喜び合う人々の輪が出来ていました。
一瞬の映像に限りない情熱を注ぎ込んだスタッフたち。
自分を信じ仲間の力を信じそして映画が生まれました。
2014/12/07(日) 00:50〜02:05
NHK総合1・神戸
魔法の映画はこうして生まれる〜ジョン・ラセターとディズニー・アニメーション〜[字][再]
「アナと雪の女王」を生んだディズニー・アニメーション・スタジオの舞台裏に世界初の長期密着。最新作「ベイマックス」の現場を追い、創作の秘密に迫る。語り:有村架純
詳細情報
番組内容
91年の歴史を誇り、「アナと雪の女王」を生み出したディズニー・アニメーション・スタジオ。その作品作りを率いるのが、「アニメーションを変えた男」ジョン・ラセター氏だ。秘密のベールに包まれてきた制作現場に世界で初めて長期密着!最新作「ベイマックス」の現場を追い、創作の秘密に迫る。極秘のストーリー作りの会議や驚きの映像作りのドラマ!「アナ雪」の製作秘話もたっぷりと紹介。【語り】有村架純
出演者
【語り】有村架純,【声】玄田哲章,河本邦弘,梅津秀行,中村秀利,宗矢樹頼,樫井笙人,七緒はるひ,幸田夏穂
ジャンル :
ドキュメンタリー/教養 – カルチャー・伝統文化
アニメ/特撮 – 海外アニメ
映画 – アニメ
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