(テーマ音楽)皆さんの毎日の健康のために。
「きょうの健康」です。
この2日間はこちら「睡眠12箇条」という事で今年厚生労働省から公表された「健康づくりのための睡眠指針」について紹介しています。
そのポイントをまとめたのがこちらです。
内容は大きく3つのブロックに分かれています。
まず緑のところが知っておきたい基本的知識。
そして青のところがライフステージ別の睡眠の注意。
そしてピンクのところが眠れなくなった時の対処についてなんです。
昨日は上の緑のところ6箇条までお伝えした訳です。
今日は残りの2つのブロックについてお伝えしていきます。
テーマはこちら。
今日も専門家をお迎えしております。
分かりやすく教えて頂きましょう。
ご紹介致します。
ご専門は精神神経科特に睡眠障害の研究と診療を行っていらっしゃいます。
また内山さんは今回の睡眠指針の作成にあたり検討委員会の座長として取りまとめに当たられました。
どうぞよろしくお願い致します。
昨日は睡眠と生活習慣病の関係について詳しく伺いましたが2つ目のブロックですね。
7条から9条についてまず今日はお話を始めて頂きましょうか。
ではまず第7条です。
やはり夜更かしはよくないんでしょうか?若い人が夜更かしを続けていますとだんだん体内時計がずれてきます。
このために起きる事がなかなか困難になって起きなければいけない時刻に起きられないという事からだんだんに登校がうまくできなくなったりという事が起こって甚大な問題を引き起こす事が知られています。
また起きられたとしてもやはり夜更かし続けてますと特に午前中の能率とかこういったものが低下してきて気持ちの面でも少しやる気がなくなってきたりとかこういった事が考えられますので是非お子さんに関してはこういった事に注意をしてあげる事が大切かと思います。
では続いて第8条です。
見ていきましょう。
勤労世代というと働き盛りのイメージでどうしても睡眠がうまくとれないとか十分に寝る時間がとれないとかそういう事起こりがちですよね。
勤務体制の都合とかあるいは責任が出てくるとかこういった事でうまく休めなくなってくる事が分かっていてもある訳です。
特にこういった世代の場合には元気で意欲的な世代なのでなんとか睡眠不足でもやり通そうと思う方も多い訳です。
徹夜しちゃったりする人もいますね。
ただそうやって無理をしてますと一つには作業能率が低下してミスが増えると。
ひどい場合には事故につながったりする事もあるので大注意という事になります。
また作業能率が悪くなってきますとだんだん仕事が遅くまでかかるようになってしまう。
そうするとおうちに帰るのも遅くなって睡眠をとる時間もだんだん減ってきて睡眠不足が更に進むという悪循環が起こってくる事があるんです。
なるべくもちろん避けたい訳ですがどうしても睡眠不足が続いてしまったと。
なんとかしたいという時はどうでしょう?応急処置としては大体午後の早い時間帯に短い昼寝をする。
つまり1時とかそのくらいあるいはお昼休みに30分ぐらいの昼寝をするとよいといわれています。
これは仕事に対して仕事にこの眠気が影響しないようにするというそういった意味での応急処置であります。
応急処置として短い昼寝を工夫すると。
平日とても忙しくて睡眠不足だったので週末は本当にそれを解消するためにゆっくり寝ようという考え方もありますがこれはどうなんですか?若い人たちはおっしゃって頂いたようにゆっくり眠るという事ができて早めに睡眠不足解消できるんですが年を取ってくるとだんだんに長〜く寝ているっていうのがなかなかできなくなってきます。
そういった事でやっぱり解消するのに時間がかかるようになってきます。
長く寝られるのは若者の特権か。
そうなんですね。
お休みの日でもそういった事になりますね。
あと睡眠不足が慢性的に長く続いていた場合には回復に時間がかかるという事はいくつかの報告から明らかになってます。
ですから1日2日でこれを回復してというようなこういった計画を立てずにきちんと睡眠時間を確保すると。
大体大人ですと6から8時間くらいといわれてますからこの6時間を割らないようにという事でうまく工夫をして頂くのが大切かと思います。
睡眠不足にならないようにしなきゃいけないという事ですね。
では続いて第9条です。
熟年世代といいますと…どうでしょう?私ぐらい?これは数字で定義できないようなところがあって一旦定年を迎えて仕事から離れた人。
あるいは仕事が楽になった人。
あるいは子育てが終わって時間的なゆとりが出来た女性。
こういった人たちが当てはまるかと思います。
ちなみに年を取っていてもバリバリ仕事をしている人たちはむしろ勤労世代として考えて頂くのがいいかと思います。
先ほどの8条にあった勤労世代ですね。
そうですね。
…という事でこちら9条にありますのは朝晩メリハリという事なんですね。
これはどういう事ですか?これはちょうど仕事から解放されると昼間自由に時間ができる訳ですね。
ただこの昼間を昼間らしく活動的に過ごさないとつまり仕事をしてる時と同じように過ごさないと夜が夜らしく休めない。
つまり睡眠が安定しなくなってくるという事なんです。
ですから夜を安定させていい睡眠をとるために昼間の活動というものを非常に注意して頂く事が大切になるかと思います。
それから9条には昼間に適度な運動とあります。
これが強調されてるのはどういう事でしょうか?これは昼間に運動を習慣づけている人たちは睡眠が安定しているあるいは夜中に目が覚めにくいというこんなデータがあります。
こんな事でどんな運動がいいかというと無理をせずに毎日続けられるような運動を習慣化していくという事が大切になってくるかと思います。
よく激しい運動したらその分よく眠れるんじゃないかという勘違いをされる方もいるんですが過激な運動をして激しく体を疲れさせたりしますとかえって体が目覚めてしまって睡眠を妨げる可能性もあるのでここは注意が必要です。
習慣が大切という事ですね。
はい。
では残る3つの項目は不眠になってしまった人への注意事項なんですね。
見ていきましょう。
まず第10条。
まず最初のところに関係して横になっても眠れない時間帯が私たちには誰にでもあるという事をちょっとお示ししたいと思います。
これは睡眠不足にさせた若い男の人を1日以上にわたって眠気を調べています。
横になってどのくらい眠れるかという事を調べてるんですがちょうどこの人はいつも24時ころ0時ころに眠っている人ですがちょうどその3時間くらい前にすごく眠りにつきにくい時間帯があるという事です。
へえ〜!ちょうどいつも眠りにつく自然に眠りにつく3時間くらい前の時間帯のところで目がさえてきてしまうという不思議な現象が皆さん認められるんです。
これは一例を挙げますと「明日旅行だから早く起きなくちゃ」という事で2〜3時間早く床につくと眠れなかったという経験誰にでもあると思うんです。
これは緊張したからというよりも眠りにくい時間帯に床についちゃったと。
眠たくないのに眠りにくい時間帯に床についたという事が原因な訳です。
ですからちゃんと体が眠くなってきた眠気を感じてから床に入って眠るというのが寝つきのよさを安定化させるのに重要になってくる訳です。
そして10条にはもう一つ書いてありまして起きる時刻を一定にする。
遅らせてはいけないという事ありますね。
やはり寝つきというものを確保するのに夜に何かするよりも実は朝きちんと起きて太陽の光を浴びて体内時計をきちんと調整していくと。
起きる時刻を規則的にしていく事が夜の眠くなってくる時間この時刻を安定化させるのに一番重要だという事な訳です。
こういった事をやって頂きますと夜が自然に安定化してくるという事になるかと思います。
では続いて11条です。
どういう事でしょう?経験した事のないような何かすごいひどい睡眠の状態。
こういった事でよく眠れないこの背景には原因として治療が必要な睡眠の病気が隠れている事があります。
例えばここにありますように睡眠時無呼吸症候群。
これ日中に眠くなりますね。
むずむず脚症候群などがここに含まれてくるかと思います。
また歯ぎしりなどで何となく朝の不調感がある人もいらっしゃるかと思います。
こういった激しいいびきとかあるいは朝脚のむずむず感やぴくつきなどがあるとこれで睡眠が不安定になる事によって朝休息感が得られなかったり日中眠くなったりとかこういった事が出てくるので非常に注意が大切かと思います。
ただ睡眠時無呼吸症候群などは自分ではなかなか気付きにくいですよね。
ですからこういった場合には何か調子が悪いとか朝妙に口が乾くとかこういった事を感じた場合には家族の方とかに確認してもらう事も非常に大切な事になってきます。
時間としては長く寝たはずなのに日中非常に眠くてしょうがないというような事が感じられたらこれ疑った方がいいですね。
頻度の高い病気ですので疑ってみるのがいいかと思います。
では次ですか。
はい。
第12条です。
これは眠れないという事で悩み始めて苦しみ始めると非常に相談しても分かってもらえないという感じが強いんです。
これはその時眠れてない人にとってはなかなかよく分からない問題だからです。
ですから眠れないというのを一人で解決しようと思って悩まないでむしろ専門家に相談して誰か他人に相談する事によっていいアイデアも出てくる事がありますので一人で悩まないで相談して下さいという事になってくる訳です。
またこれがなかなかひどい場合にはお薬での治療とかこういった事も出てくる訳です。
不眠の治療としてはどんなお薬を使うんでしょうか?不眠で非常に悩んでいてつらいとかあるいはそのせいで日中とても調子が悪い場合にはお薬を使った治療も必要になってきます。
こうしたお薬いくつかあるようですね。
このベンゾジアゼピン受容体作動薬というのが今一番多く使われているお薬ですがこれは脳全体に対して脳の活動を鎮めるような働きによって眠りをもたらすお薬です。
またメラトニン受容体作動薬というのは何かというとこれは体内時計に働きかけて体を夜の休息状態にもたらしてこれによって眠りをもたらすお薬です。
また最近出たオレキシン受容体拮抗薬というのはこれは私たちの頭の中には目を覚ましておくために必要な神経系統があるんですがこちらのスイッチを切るような形で眠りやすくして眠りを安定させるといったお薬になります。
こうしたお薬いくつか種類がありますが副作用というのは何か注意しておくべき事はありますか?ベンゾジアゼピン受容体作動薬についてお話ししますとまず適切なのみ方をしないと朝に残ったりとかこういった事が出てくる。
あるいは脱力が出たりして転びやすくなる。
こんな事があるのと同時に変な時刻にのんで起きていると記憶が抜けたりするのでよくこの服薬について医師と相談してよく細かく相談しながら服薬をして頂くのが大切になるかと思います。
のんでてどんな様子なのか量が多いのか少ないのとかのむ時間とかよく相談しなきゃいけませんね。
自己判断で多くしたり少なくしたりというよりもきちんと相談しながらやっていくのが大切だと思います。
よい睡眠をとるためのポイント12箇条にわたっていろいろと教えてきて頂きましたが眠りで悩みがあればやはり専門家に相談するという事が大事ですね。
そうですね。
一人で悩まないというのがとても大切な事だと思います。
また一人でいろんな情報を得ようとしてもいろいろ誤った情報とかいろんなうわさのような情報も出てますのでこの12箇条のような医学的な根拠を基にしてまとめたものこういったものを目を通して頂けたら非常にいいかなと思います。
また調子が悪いなと思ったら誰か相談して解決していって頂きたいと思います。
眠れない眠れない眠れないとずっと悩んでないでちょっと相談に出かけてみるとヒントが得られるかもしれませんね。
皆さんもどうぞこの12箇条思い出して頂きたいと思います。
どうもお話ありがとうございました。
(2人)ありがとうございました。
2014/12/23(火) 13:35〜13:50
NHKEテレ1大阪
きょうの健康 睡眠12箇条「眠れないあなたに」[解][字]
「睡眠12箇条」の後半の6箇条には、ライフステージ別の睡眠の注意と、眠れないときの原因や対処についての項目が記されている。それぞれのポイントを詳しく紹介。
詳細情報
番組内容
良い睡眠のための注意点は、ライフスタイルや世代によって異なる。「睡眠12箇条」の後半の7、8、9条には、若年世代、勤労世代、熟年世代など、ライフステージ別に特に注意したいポイントが記されている。10条は、眠れなくなったときの対処、11、12条は専門医を受診したほうが良いと思われるサインについて。また、場合によっては薬物治療が必要になるが、どんな薬が使われるのか、薬の注意点も合わせて紹介する。
出演者
【講師】日本大学教授…内山真,【キャスター】濱中博久,久田直子
ジャンル :
情報/ワイドショー – 健康・医療
福祉 – 高齢者
趣味/教育 – 生涯教育・資格
映像 : 1080i(1125i)、アスペクト比16:9 パンベクトルなし
音声 : 2/0モード(ステレオ)
日本語
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