(テーマ音楽)
(江守徹)第2次世界大戦で町は壊滅。
しかし古いいわれを持つ野バラが再生し人々に希望を与えました。
1,000年を超す歴史をもつドイツ北西部のヒルデスハイム。
第2次大戦の大きな戦禍を克服した町です。
春から夏にかけて町じゅうは色とりどりのバラであふれます。
ヒルデスハイムはバラの伝説をもつ町なのです。
町の人々が誇る世界遺産の大聖堂です。
872年の創建ですが聖堂内には当時の美術品が数多く残っています。
このシャンデリアは「聖書」に書かれた天国のエルサレムを表しています。
最後の審判のあと罪のない者が住む世界です。
キリストの円柱は高さ4.7mのブロンズ製。
キリストが起こした奇跡が下から上へらせん状に浮き彫りにされています。
12人の弟子に迫害を予告するキリスト。
病人に手を差し伸べ病を治しています。
聖堂の中庭に生い茂る野バラの木。
高さが15mもあるこの木は世界で最も長生きしている野バラだといわれています。
大聖堂ができる以前からこの場所で花を咲かせていたと伝えられています。
この野バラには古い伝説があります。
昔時の国王が狩りの最中に聖マリアの毛髪が入っている聖遺物を無くしてしまいます。
従者が捜し回ったところ森の中の野バラの木にぶら下がっているのを見つけました。
王は神に感謝しその野バラの場所に聖堂を建てたというのです。
1945年3月。
この野バラに大きな危機が訪れます。
町は空襲を受け大聖堂も壊滅的な被害を被ったのです。
バラの木もがれきに埋まりました。
聖堂の再建は不可能だと誰もが思いました。
その時廃虚の中から野バラが芽を出し花を咲かせました。
バラに希望を与えられた人々は大聖堂を再建し町を復興させたのです。
今も大聖堂のバラは決められた世話人が手入れし大切に守られています。
戦後町の人々の間に新しい言い伝えが生まれました。
バラが元気なら町も元気だ。
バラに花が咲き生い茂るなら町も花咲き栄えると。
この町で大聖堂のバラの花が咲くことはニュースです。
地元の新聞は毎年花の記事を大きく取り上げています。
市民にとっては町の繁栄につながる重要なことです。
毎年市民はバラの花が咲くのを待っているのです。
記事にするのは当然ですよ。
廃虚の町がバラの芽生えとともに復活して美しい町となりました。
大聖堂のバラが咲けば町も花咲き栄えるだろう。
ヒルデスハイムに戦禍を越えて新しい伝説が生まれたのです。
さあ皆さんお待ちかね!2014/12/07(日) 04:25〜04:30
NHK総合1・神戸
シリーズ世界遺産100「ヒルデスハイムの大聖堂〜ドイツ〜」[字]
バラの伝説 ▽文化遺産 【語り】江守徹 【テーマ音楽】久石譲
詳細情報
番組内容
バラの伝説 ▽文化遺産 【語り】江守徹 【テーマ音楽】久石譲
出演者
【語り】江守徹
音楽
【テーマ音楽】久石譲
ジャンル :
ドキュメンタリー/教養 – 歴史・紀行
ドキュメンタリー/教養 – カルチャー・伝統文化
ドキュメンタリー/教養 – 自然・動物・環境
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音声 : 2/0モード(ステレオ)
サンプリングレート : 48kHz
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