も一度まんぷく!「ごちそうさん」ダイジェスト一挙放送! 第5週〜第9週 2014.12.23


・「突然偶然それとも必然?」・「始まりは気付かぬうちに」・「予報通りいかない模様」・「そんな時こそ微笑みを」
(悠太郎)あなたとは結婚できません。
(め以子)…そうですか。

(イク)め以子。
どうしたんだい?私が川に落ちちゃって…。
川?
(大五)おい。
お前いつからそういう事になってたんだよ?やめてよお父ちゃん。
(大五)コソコソ恩を仇で返しやがってよ!やめてってば!別に何もないし。
私断られたんだから。
断られた?私とは結婚できないんだって。
手前うちの娘に文句あるってのか?そういう事やありません。
(大五)でけえしよ!おつむも空っぽかもしんねえけどな!まっすぐだし明るいし飯炊かせりゃうめえし!お前にそこまでコケにされる筋合いねえってんだよ!おっしゃるとおりやと思います。
どういう了見だこの野郎!やめてよお父ちゃん!お願いだからもう…。
(大五)出てけ。
今すぐ出てけ!お父ちゃん!そのいまいましい面二度とさらすんじゃねえぞ!
(クマ)何かご事情があるんじゃないですかねえ。
もういいよクマさん。

(室井)悠さんどうしたの?その荷物。
でも何で断っちゃったの?亜貴子ちゃん?僕と結婚するいうんは女の人にとってせんでええような苦労をする事でしかないんですよ。
だから結婚なんてしなくともええくらいに考えてたんです。
私ちゃんと言ったのよ自分の気持ち。
お見合い途中でほごにして走ってって勢い余って川に落ちちゃってさ。
そこまでして。
そこまでしてプロポーズしたのによ。
「お断りします」よ。
(桜子)私通天閣に文句言ってやる!
(民子)私も行く!向こうにだって選ぶ権利はあるし。
選ぶ…権利は…。
(桜子)男なんていくらでもいるんだから!うん!
(泣き声)
(近藤)あれ?お前今日弁当は?ない。
えっ?ないもんはない。
(倒れる音)
悠太郎の学生服を返しにイクが帝大を訪れると…
ああ近藤さん。
あの…西門さんは?今日休みなんですよ。
風邪ひいたみたいで。
ああ…。
実はうちの子が求婚して断られたんです。
えっ?断ったんすかあいつ。
お互い脈があると思ってたんだけどね。
それもしかしたらお嬢さんのためじゃないですかね。
(イク)だから悠太郎さんのご家族っていうのはどうも複雑でね。
そんなややこしいところにあんたを連れて帰るのは忍びなかったんじゃないかって。
悠太郎さんめ以子の事大事に思ってくれてたんじゃない?
風邪で倒れた悠太郎が室井の下宿先にいる事を知っため以子
来てくれたんだ!これ。
うん?米?一番要るかと思って。
じゃあ。
あっ僕これからお医者呼びに行くからちょっと悠さん見ててよ。
えっ?室井さん!熱…。
(米をとぐ音)
(卵を溶く音)
(包丁で刻む音)
(笑い声)
(戸が開く音)室井さん…。
ここに置いたら帰りますから。
何でおるんですか?風邪をひいたのは私が川に落ちたせいですから。
あの!夢を…見てたんです。
夢?よそ見して歩いてたら沼に落ちてまうんです。
そこが納豆の沼なんです。
何で納豆…?もうあかん。
このまま納豆の中で息絶えるんやと思った時あなたがやって来るんです。
はあ…。
降りてきて「もう大丈夫だから」って言うと納豆を吸い上げるように食べ始めるんです。
それこそ妖怪みたいに。
妖怪…。
そこで笑って目ぇが覚めて。
あなたがいたんです。
僕を助けてくれたあなたがそこにいたんです。
だからあんなにびっくりしてた訳ですか。
私のせいでまかり間違って死なれたら寝覚めが悪いんで来ただけですから。
おかゆ適当に食べて下さいね。
あの余ったお米は…。
アホなんかホンマに!あなたとおったらどんなとこでも平気や。
いつでも笑ってられるってそういう話をしてんねや!けど助けてくれ言うんはそこにあなたを引きずり込む事になるから。
つらい目ぇにも遭わせるかもしれんから。
それでもええかって聞いてるんです。
私と一緒に…なりたいって事ですか?大好きなんです!あなたの食べてるの。
あなたを一生食べさせる権利を僕に下さい!よろしく…お願いします。

(トラ)
大丈夫。
夢じゃないよ
痛い。
ウフッアハハ…。
(笑い声)よろしくお願いします。
(イク)誰だい?今の客。
(タマ)見合いの紹介頼んでるみたいですよ。
えっ?お父ちゃん!うん?何でまた見合いなんか。
だってよめ以子に早くいい相手見つけてやんねえとよ。
きっと袖にされた事がつらくておかしくなりかけてんだよ。
お父ちゃ〜ん。
・「今日の賄いな〜に?」お前この子見て何にも感じねえのか?
(ドアが開く音)いらっしゃいませ。
(イク)悠太郎さん。
大将お話があって来ました。
こっちはねえよ帰れ!お嬢さんを僕に下さい!
(一同)あっ!ふざけんじゃねえよ!手前この間は要らねえっつっただろうがよ!僕の家はややこしくて僕は今まで家庭の幸せみたいなものは諦めてたんです。
だけどこの家に来てこんな家ええなって。
こんな僕でもお嬢さんといれば幸せになれる気がするんです。
だから。
(大五)おい!手前が幸せになりてえからうちの娘よこせだ?そんな了見あるかよ!決してそういう…。
手前はめ以子を幸せにするために何するんだっつう話だよ!お父ちゃん何でそこまで反対するの!お父ちゃんだって西門さんの事気に入ってたじゃない!ポークチャップあがり!スープ運んでもらったり階段直してもらったりありがてえありがてえって言ってたじゃない!別に頼んだ訳じゃねえよ!あっそう。
(山本)めいちゃん!賄い持ってく?いい!
(たたく音)どないしたんですか?駆け落ちしましょう!駆け落ち?私の事好きじゃないんでしょ!何でそういう事になるんですか!?め以子!悠太郎さんは学校もあるんだよ。
少しは相手の事も考えなさい。
でも…。
お父さんが許してくれはるように考えますから。
少し待ってて下さい。
…はい。
夏休み
おはようございます。
カツオ節かいてくれるかい?えっ?お母ちゃ〜ん代わって。
あんたお姑さんにそれ言うの?えっ?
(イク)悠太郎さんの事待ってる間にさあんたにもやるべき事が山ほどあるんじゃないの?はい。
板目に沿って拭く。
はい。
はい。

そうそう。
主婦って疲れんのよ
はいどうぞ。
要らねえ。
何で?
(クマ)この暑さですからね。
食欲が落ちてんですよ。
毎年この時期はこうですよ。
そうだっけ?頑張ってね。
家族の体調に合わせて食欲を出させるようにするのが主婦の腕の見せどころだよ。
暑気払いにおいしいみそ汁作ってさしあげたら旦那さんも結婚許して下さるかもしれませんよ。
(ドアが開く音)お帰り。
悠太郎さん。
大将お話があります。
お父ちゃんもう賄い食べた?大将さえよければ僕はここから仕事に通おうかと思てます。
僕がこちらで就職するという前提でもう一度お考え願えないでしょうか?駄目!絶対駄目です!そんなこっちで就職なんて何考えてんですか!お母さんのくれた夢はどうなるんですか!それは今ええですから。
お父ちゃん。
西門さんはね火事に巻き込まれてお母さんを亡くしてるの。
だから自分の手で大阪を安全な街にしたいって。
その夢は西門さんなの。
西門さんの生きてきた全てなの。
この人の夢は私の夢だから。
そんな大層な夢を女一人のために変えちまう奴なんぞ俺は信用できないね!お父ちゃん!どうしても一緒になりてえんだったらもういい出てけ!勘当だよ。
そのかわり二度とうちの敷居またぐなよ。
お父ちゃん!
(新井)いい青年だって気に入ってたじゃないか。
あいつ…どんどん変わっていくんですよ。
ただの食いしん坊がおむすび作って弁当作って。
どんどん大人になって。
「そいつの夢は私の夢」だなんていっぱしの女みてえな口きくようになって。
ほれてたら何だってしちまうじゃないですか。
それこそどんなつらい事だってやるだろうし。
アハハハハッ。
それをお前さんが言うかね。
無一文のお前さんの夢を自分の夢と思ってやってきてくれた人が1人いるじゃないか。
彼女が苦労してきたところはた〜くさん見たけれど不幸に見えた事は一度もなかったよ。
(照生)姉ちゃん何だよこれ。
何だ?これ。
がわがわ。
がわがわ?漁師さんのお料理で食べる時にがわがわって音がするからがわがわっていうんだって。
おいしい?まあ食える。
お父ちゃん。
私さ頑張るから。
いろいろ大変な事もあるかもしれないし。
私頼りないかもしれないけどちゃんと相手の事見て御飯作るから。
絶対に幸せになってみせるから。
だから…大阪行かせてくれないかな?たすきと前掛け持ってこい。
えっ?何やってんの?
(照生)鶏のフォン作ってるんだよ。
ふ〜ん。
(大五)鶏ガラを熱湯にくぐらせて霜降りにする。
まあ大きめのボウルとザルに入れて上から熱湯をかけるっつう方法もあるわな。
家庭ではその方がやりやすいかもしれねえな。

(大五)俺よお前に何もいいもんやれなかったからよ。
上出来なおつむも男好きのする見かけも。
何もよ。
だからせめて最高の旦那をと思ってたんだけどお前勝手に見つけてきたしよ。
俺がお前にやれるもんはもうこんなもんくらいなもんだよ。
私さちっさい頃からホントに毎日毎日朝起きるのが楽しみだったの。
寝てる間にね食べる夢見るの。
…で夢から起きたらその御飯がホントにあるの。
こんな子ほかにいるのかなって思う。
私みたいに幸せな子…そうそういないと思うよ。
今度はガキにお前がそうしてやってくれ。

(足音)何してるんですか?こんな時間に。
あなたをさらいに行こうと思たんです。
さ…さらう?そうです。
もういいんです。
そんな事しなくたって。
あ…けどせっかくなのでもう一回言ってもらえますか?お断りします。
これくらい?
(イク)うんこのくらいでいいの?大事にするんだよ。
うん。
かくして私は無事め以子と一緒に西門の家に参る事とあいなりました
お父さん。
絶対にお嬢さんを幸せにしますから。
食うだけはたらふく食わせてやってくれよ。
それでほとんど大丈夫だからよ。
もうちょっといい事言ってよ。
言ったじゃねえかよ。
一番大事な事をよ。
もういいよ。
お父ちゃんお母ちゃん。
テルクマさん山本さんタマちゃん!18年間ごちそうさまでした!おう仲良くやれよ!うん!
(悠太郎)うちの実家の話なんですけど。
(め以子)何度も聞いたって。
一番上のお姉さんは出戻りでお母さんは後妻さんで実の子どもはいなくて末の妹さんは女学生で引っ込み思案でお姉さんとお母さんが折り合いが悪いんでしょ?ホンマに分かってる?大丈夫だって。
うちの父親の事はまだちゃんと言うてなかったですよね。
亡くなられたんでしょ?まあ…うん。
ただいま戻りました。
(足音)
(和枝)お帰りやす悠太郎さん。
この方がお手紙の。
ええ。
ついぞお返事は頂けなかった手紙の方です。
お名前は?あっめ以子と申します。
よろしくお願いしますお母様。
一番上の姉の和枝いいます。
すいません私。
貫禄あるいう事にしときましょか。
どうぞ狭い所ですけど。
失礼します。
母の静です。
お母さん。
うちはお静さんでええさかいな。
…で妹の希子です。
よろしゅうお願い致します。
こちらこそよろしく。
ご実家洋食屋さんなんやて?はい。
私の父の料理は世界一です。
ほなお台所お任せしてええんかいな。
えっ…任せて下さるんですか?世界一の洋食屋さんのいとはんがどんなお食事作りはるんか楽しみやわ。
頑張ります!
(和枝)ええええ。
今日は疲れたやろ。
おなごしがやるさかい。
おなごし?女中の事や。
このぬか漬けもやっといてあげるから。
ああいやそんな。
明日から大変やから今日はゆっくり休まはって。
優しいお姉さんじゃない。
りんとしていてすてきだし。
絶対何かたくらんどる。
(トラ)
すいません。
孫が悠太郎さんより先に玄関から上がって。
お母さんと間違えてすいません
えっ?えっ!?おはようございます。
悠太郎さんガスじゃないの!?はい。
言ってよ。
(静)おはようさん。
おはようございます。
朝から御飯炊いてんの?おひつの中ゆんべのあるで?あっ!すいません。
まきで炊くのに慣れてなくて。
何で朝からおぬくなん?おぬく?
(静)あったかい御飯の事。
ここは夜に1回だけ炊くんや。
(和枝)何であんさん一緒に食べはんの?あんさん女中やろう?嫁ですけど。
西門にはな1年間は籍入れへん。
お披露目はせえへんいうしきたりがおます。
せやからかわいそうやけど当分は女中扱いしかできゃしまへんねわ。
はあ…。
(静)これおうちのおむし?えっ?あ…おみそ?はい。
いろいろ持ってきたんで。
何や変わった味やねえ。
辛い。
東京ではこれが世界一でっか。
め以子気付いとくれ。
水が…
えっ?ぬか床変なんですけど!おなごしに任せましたさかい間違えたんかもしれまへんなあ。
おなごしさんがそんな間違いするんでしょうか?するんやねえ。
そんな事ある訳ないやん。
和枝ちゃんごっつい料理うまいで。
わざとって事ですか?鈍い子ぉやなああんた。
私…何かしましたっけ?あの人はなそもそも悠太郎さんの縁談は自分が仕切るつもりやってん。
自慢の弟に持参金のたんまりついたええとこのいとはんをな。
それがいきなり恋女房連れて戻ってきて。
おもろい訳あれへんやんか。
あんたが何をどうしたかて認める気ぃなんかないと思うで。
はい皆さん新人の西門悠太郎君です。
東京帝国大学工学部建築学科の卒業で専門は鉄筋コンクリート構造です。
大村宗介さん。
学校の図面を引かせたら右に出るもんはおらんという優秀な技手さんや。
しばらくは彼と一緒に学校を担当して下さい。
よろしくお願いします。
木造?う〜ん何か違うなあ。
初めて大阪の市場に向かっため以子
大安売りが始まりま〜す!ここにあるもんぜ〜んぶ半値やで!洋食だったら…。
すいませ〜ん!もも100匁〜!もも100匁下さい!あと骨も下さい!おねえちゃんが使うの?はい!メンチカツお待たせしました〜。
ええ匂いやな〜。
おいしい〜。
お肉苦手?
(静)猫舌やねんこの子。
じゃあちょっと切っておくね。
その方が食べやすいと思うから。
よいしょ。
お姉さんのもお切りしましょうか?
(静)か…和枝ちゃん。
ここは西門の家だす。
嫁に入るという事は家風に染まるいう事です。
台所を継ぐいうんは味を継ぐいう事です。
それを縁もゆかりもない料理作って…。
腕自慢でっか!ふてぶてしいにも程がありますわ!おっしゃってる事は分かりますけどこれはないんじゃないですか?食べ物をこんなに粗末にして!あんさん食べはったら?…えっ?
(和枝)口だけでっか?おいしいです。
まだそこ残ってますよって。
なめはった方がええんと違う?お掃除御苦労さん。
ソースが残ってるからなめろって言うの!でねでね御苦労さんって笑うのよ!根性っていうのがこうこう〜ねじくれて絡まって。
め以子。
ごめん。
ホンマにごめん。
あっあ…頭上げてよ。
私が甘く見てただけだから。
こちらこそごめんなさい。
お姉さん私に西門の家の味教えて下さい。
ほな家から持ってきたもん全部処分してくれはるな?えっ?いろいろ持ってきましたやろ。
みそとかカツオとか梅干しとか。
あれ全部捨ててきてくれはる?分かりました。
あのぬか床も忘れんとな。
あれは卯野の家に伝わってきたもので子どもの頃からずっと世話を…。
それを捨てるんがけじめいうもんだす。
やめて下さい!何でこんなひどい事するんですか!これだけは勘弁して下さいって言ったじゃないですか!だからこそやないの。
あんさんが自分ではよう捨てはらんいうからわてが代わりに捨てたろいうのに。
勘弁してほしいのはこっちやわ。
お姉さん!お姉さんは私の何がそんなに気に食わないんですか!亜貴子ちゃんって知ってる?悠太郎とええ感じやった子ぉでな。
あの子ぉがよかってんわ。
わても悠太郎も。
亜貴子ちゃんとあんさんでは「月とスッポン」。
こんな家出てってやるわよ!残念やわぁ。

仕事中だもんね
結局出ていく事はできず家に戻っため以子ですが…
えっえっ?私の…私の荷物。
実家に送られたんちゃうか?め以子。
どないしたん?もう…やだ。
う…うち戻ったら運送屋に荷物…。
あれ全部。
うん!
(笑い声)何で何で笑うのよ!私がどれだけ…。
せやかてあれ全部姉さん一人でえっちらおっちら運んでたって事やろ。
えらい大層ないけずやなと思て。
アホや。
アホや。
へいお待っとさん。
おおきに。
昆布がよう利いててうまいでしょう。
私だけ違うの?えっ?舌が…。
こっちは昆布でだしが基本なのね。
そんなに違うもんですかね。
ねえどのくらいで東京の味って慣れた?全然気にならんようになったのは半年くらいですかね。
ふ〜ん…。
うんおいしなってる。
うどん屋さんで昆布だしのとり方習ったんです。
やっと人の食べるもんになったわ。
ありがとうございます。
(おなかが鳴る音)どない?うまいで〜。
あっ!ちょっと食うてくかい?結構です。
何遠慮してんねんめ以子!結構です!うん?わいや源太や。
泉源太。
その赤い飯俺にもよこせよ。
じゃあな。
え〜!?父ちゃん死んで母ちゃんの実家行ってんけど家業は人いっぱいでな。
奉公に出されてそれからあっちやこっちや。
お前は?何でこっちに?うん。
こっちの人と一緒になって。
アハハハハハッ!ようもろてくれる人おったなあ。
うるさいなあ。
アハハハハハッ!そうだ。
源ちゃんとこのお肉屋さんにこのぬか壺置かせてもらえない?ええけど。
ホント!?すっごいすっごい助かる。
食べる?ううん。
食べたから。
何でそんなに水?お水おいしくて。
さすが水の都よね。
意味ちょっとちゃうけど。
そうして数日が過ぎ…
(静)め以子さんちょっとこれもお願い…。
のりどうかしたん?あ…いや別に。
(静)はい。
(倒れる音)いやめ以子さん!?絶食したって変わる保証なんてないでしょう。
舌なんて。
空腹は最高の調味料だっていうし。
倒れたら元も子もないやろう。
こんなんじゃ御飯が楽しみになる家なんて作れないじゃない。
私何の役にも立ってないじゃない。
僕もつきあいますよ。
えっ?腹減らして明日の夜どっかうまいもんでも食いに行きましょう。
うん。
そして翌日
ホンマにここでよかったんか?…うん。
一番分かるし違い。
お待っとさん。
はい。
大丈夫か?昆布がメチャクチャ利いてる。
うん!うんうん!ごちそうさん!うれしそうですね。
うれしいよ。
分からなかった事が分かるんだもん。
目の前がバ〜ッて開けたみたい。
これからは私大阪の食べ物もどんどんおいしくなるのよ。
もう楽しみで楽しみで。
あなたはすごいですね。
そうやってどんどん変わっていって。
定吉つぁんおる?お父ちゃ〜ん。
め以子は昆布について更に教えてもらう事にしました
まずはとってもおいしいおだしがとれるようになりたいです。
(定吉)ああ。
それやったらおついがええかな。
おつい?
まず昆布のほこりを布巾で拭き取って。
沸騰直前で昆布を取り出しカツオをパッと入れる。
沸騰したらすぐ火を止めて汁をこして。
塩やしょうゆで味付けをして出来上がり
昆布とカツオの香りがええなあ。
う〜ん。
何や?これ。
おついです。
そんなん分かります。
山出昆布利尻日高。
皆微妙に味わいが違うそうです。
更にそれに合わせるものがカツオ節煮干しあごシイタケ干し貝柱。
各種ご用意しました。
西門家にとって一番のおついを探求しましょう。
アホらし。
お姉さん。
この人らがおいしい言うたんだけ後でもらうわ。
部屋持ってきて。
これ全部?はい。
もう無理。
もう堪忍。
そんな事言わないで。
希子ちゃんは?お姉ちゃんのおついの方がおいしい。
そんなにおいしいの?和枝さんのおついって。
姉さんのというよりかは死んだおふくろのって言うた方がええと思いますけど。
西門の味って事よね。
けど和枝ちゃんは昆布しか使てなかった気ぃするわ。
カツ節とか煮干しとか全然使てなかったんとちゃうかな。
何や?毎日毎日どこにいらしてるのかな〜って。
あいびきや。
へえ〜。
…えっ!?
(大村)合わせ梁の図面あれ一体どういうつもりや?
ある日悠太郎は先輩の大村に呼び出されます
えらい恥かいたわ。
僕の夢は安全な街を造る事なんです。
頑丈な街を。
現実にはお金も人も足りひん訳で。
その中で少しでも夢に近づこうと思うんやったら僕は木造と正面から向かい合うべきなんです。
ほなまあせいぜい頑張ってくれや。
へいお待ち。
おおきに。
何ですか?これ。
(大村)魔法の酒や。
ハハハハハッ。
上等酒に…化けよるんや。
お酒に昆布を入れるとおいしくなる事を知っため以子は
うん!?これ…近づいてる?
それ以来め以子はありとあらゆる試行錯誤を繰り返しまして。
ついにある方法にたどりついたのでございます
どうですか?これ…一緒やで。
どうやったん?昆布にお酒をさっと塗ってそれを小さな小さな火であぶってそれでだしをとったんです。
西門の味やな。
ちい姉ちゃん?おっきい姉ちゃんはおるもんな。
ごちそうさん…でした。
はい!これも頼むわ。
あっはい。
はい。
あ…あの。
うん?和枝さんの恋人ってどんな方なんですか?えっ?毎日あいびきなさってるんでしょ?あんた何?その話。
引け値が出ました!引け値が出ました!谷村製薬75円15銭。

(め以子)株やってるんですね和枝さん。
ここんちはちっこい家作からしか入ってくるもんないさかいな。
和枝ちゃんそれをチビチビ増やしてはるんや。
あの人の恋人はお金やからな。
すごいんですねお姉さん。

(トラ)
大阪に嫁いで1か月和枝に認められようと上方の料理の習得に必死のめ以子でございます
(和枝)何や今日の甘ったるいなあ。
すいません。
お静さんそちらまだお箸つけていらっしゃらないなら取り替えて頂いてもいいですか?人によって味変えてるん?大した手間じゃないですから。
このくらいする嫁もおなごしも山ほどいてます。
自慢気に言うたら恥かきますねん。
…はい。
(大村)小学校やぞ。
こんなもんそないにあったらガキがいたずらして目ぇも当てられん事になるわ。
(悠太郎)そこは教育者の技量に任せるべき範疇ではないでしょうか。
ああ言やこう言う。
赤門かわいげないな。
(藤井)西門君お姉さん来てはるで。
いつも弟がお世話になっておりまして。
これ皆さんで召し上がって下さい。
初ガツオ!?
(銀次)江戸っ子の血が騒ぐやろう。
カツオのたたきにカツオとネギの煮物。
な…何か?初ガツオなんかホンマに食べる人いるんやなと思て。
西には明日には半値になるものをありがたがって高い銭払うアホはおらんのだす。
値段だけの事はありますから。
おいしいんでどんどん食べて下さいね。
はあ〜…みんなもこんなふうに食べてくれたら気持ちがいいのに。
せっかく大枚はたいて買ってきたのに。
えっ?あなたが出したんですか?あ…。
もしかして最近のやたら豪勢なのは…。
姉さんにちゃんともらうもんはもらいって。
大丈夫です。
それに明日は悠太郎さんの初お給料日ですもんね。
これだけしか入ってないんですけど。
うん。
いやせやかて君のお姉さんが。
お恥ずかしい話なんですが弟はすっかりだまされておりまして。
このままだと西門の家は食い潰されてしまいます。
それで姉に給料渡したんですか?普通渡しますか?あれ?あかんかった?
(和枝)これからはひとつきこれでお台所やってくれはりまっか?できる訳ないじゃないですかこんなの!お姉さんはおいしい御飯食べたいとか思わないんですか?銭かけずに世界一おいしい御飯が食べとおす。
お帰りなさい…。
こんなむちゃな話ないでしょう!むちゃでっか?それ…。
食費だって。
こんなに食費絞る必要ないでしょう!食費は一番大事な…。
悠太郎さんのお給料は75円。
そこから学費の借金のかかりが10円。
希子の学校が月3円。
宮城山のタニマチもせなあきまへんし。
何で食費絞って相撲取りのタニマチせなあかんのですか!タニマチ降りた。
でけんようになった言われる事が問題なんだす!200年続いた西門の顔潰す気でっか!?食べ物をケチるのって何か…。
ケチれ言うてへんやん。
うまい事やれ言うてんねん。
例えばやなお前そこに新しい昆布入れとるけどだしとったあとの昆布どないしてんねん。
捨ててるけど?捨てへんねん。
普通そのだしとったあとの昆布をそこに入れたりすんねん。
ぬか床なんかそれで十分やねん。
(定吉)だしとったあとの昆布で作った塩昆布なんやけど。
残りもんをうまい事始末すんのが台所預かってるもんの腕や。
始末?
(定吉)そや。
材料を端から端までうまい事始末して腹に収める。
大阪の料理はな始末の料理や。
更に源太はめ以子にある人物を紹介します
ああ知り合いのじいさんやねんけどな。
料理がごっつうまいんや。
(酉井)何や源太。
(源太)おおおった。
わいの幼なじみで東京からこっち来て始末で苦労してんのや。
どうも。
何ですか?これ。
(酉井)半助や。
ウナギの頭。
ウナギ屋で一盛り3銭で売ってりよるんや。
3銭!?うまい事言うて勉強してもうたらまあ2銭にまではなるな。
(お姐さん)おネギ入れへんの?さっきこれ土手で摘んでた草やがな。
ボンと入れてどや?ハハハハッ。
匂いだけでおいしい。
絶対おいしい。
えらい食い道楽やな。
あっ!あっ!やっと気ぃ付いたか。
すいません。
おいしくて。
まあたんとお食べなはれ。
私知りませんでした。
捨てるようなものでこんなおいしいものが出来るなんて。
ハハッそうか。
こいつは卯野め以子。
今は西門。
(源太)ああせやせや西門め以子。
今日は本当にごちそうさんでした。
このお礼はいつかちゃんとしますんで。
じゃあ。
(源太)ああ。
またいつでも好きな時に来なはれ。
はい。
いやいや。
ああもうあんたの食べっぷりを見とったらこっちの方が幸せになる。
本当にごちそうさんでした。
早速め以子は市場で売り物にならないものを安く譲ってもらいます
この外側の葉って売ってますか?傷んでてさすがに出せんかなって。
全部で10銭でできました。
食べる時に銭の話やめてもらえまっか。
あ…すいません。
それにこんなん始末ちゃいまっせ。
これはただのドケチだす。
これ全部ほうるもんのかき集めですやん。
わてらこれから残飯ばっかり食べさせられるんでっか?
悠太郎にも相談してみたところ…
回想肥をくむと青物市場に野菜を卸しに来た農家が野菜と換えてくれるんです。
そこまでするのかい?め以子
あっうちですか?西門め以子さん宛てなんですが。
えっトマトの水煮。
(イク)「め以子元気に過ごしていますか?お父さんは仕事仕事。
照生はいい加減の毎日。
少し変わった事は店に時々桜子さんや民子さん宮本先生も来て下さるようになった事です。
祝言はいつになりそうですか?お父さんも気にしています」。
お静さんこれ新しいの買われたんですか?私が…肥くみまでしてるのに。
ええやんか〜浴衣一枚くらい。
もう!もう!
(子ども)お母ちゃんどないしたん?もうみんな大っ嫌い!しゃあないんちゃうの?だまされて売られてきた訳でもないんやろ?分かってて来たんやろ?けど…。
これ八百屋のおばはんから。
そんなに困ってんのやったらぬか漬けうまいから売ったらどうやろかって。
うちのおかみさんと話しとったわ。
みんな商売やからな。
お前にタダで物くれてやる訳にはいかんけどいろいろ力になろう思てんねんで。
だんさんに365日うまいもん食わせんのやろ?そんなんでどうすんねん。
これお姉さんが…。
途中で放り出してだらしないにも程があります。
すいません。
あんさん魚島って知ってまっか?鯛がな卵を産みに一斉に寄ってきますのや。
その時期に鯛を親戚やお世話になってる方に配って歩く習慣がありましてな。
その手配をお願いできまっか?無理しないでほっといたらどうですか?あなたがやらんかったら姉さんが自分でやるでしょうし。
そう…よね。
姉さんが言う祝言のしきたりってどう思ってます?信じて…ない。
けど嘘だからって無理やり祝言挙げたところでお姉さんの許しがない限りは西門の親戚とか来てくれないだろうし。
そんなの見たらお父ちゃんだってカンカンだろうし。
お姉さんに認めてもらわない限り何も変わらないのよ。
やるしかないのよ。
32匹15円!?帰って帰って。
ちょっと話だけでも。
忙しいねん。
新鮮な魚いかがですか〜?声がちっこい。
め以子は鯛を工面するため魚屋で働き始めました
すいませ〜ん通りま〜す!
(和枝)あんさんもきちんとしてな。
あんさんもわてと一緒に回るんやで。
えっ?
(和枝)ええ機会だす。
親戚に紹介して回ったるさかい。
一張羅で頼んますで。
わて昔嫁ぎ先で同じような事姑に頼まれましてな。
わては渡された銭では工面でけませんでした。
あんさんみたいに働いてでも工面するのが正解やったのかもしれまへんな。
嫁ぎ先の話をしたんですか?えっ珍しいの?はいかなり。
少しは認めてくれたのかな?だといいですね。
うん。
そして魚島季節のご挨拶の日
あっお姉さん。
え…その格好で行かれるんですか?ごめんなぁ。
急な葬式が入ってもうてなぁ。
行かんとあかんようになりましたんや。
え…じゃあご挨拶は?悪いけどお願いできまっか?私一人でですか?鯛悪なるさかいあんさん行ける所から行っといておくれやす。
頼んましたで。
はい!どちらさんでっか?西門悠太郎の家内でございます。
あんさんみたいな方おるとはうちは聞いとりまへんで。
…えっ?もう頂いてるんで結構だす。
どこ行かはっても同じやと思いますわ。
昨日西門さんとこの和枝さんからいうて魚屋さんから鯛が届いてこの文がついてたみたいです。
(和枝)「悠太郎の連れ帰った東京のおなごが私の言う事を聞かず一人前の嫁として自ら魚島季節のご挨拶をやると言いだしました。
いくら一緒にやろう言うても聞きまへん。
とどめる力のない私をお許し下さいませ」。
見てこれ。
立派やな。
きれいわ〜。
増えてる…。
みんなお返しの鯛やって持ってきはってなぁ。
…あれ?またやられたんか。
この鯛40匹はありそう。
知りません!もういつもいつも私ばっかり!もう!
(静)だ…大丈夫?腐るん?えっ!?「腐っても鯛」いいますねんけど。
わてら腐ってまうん?おいしう食べてくれはらしまへんのかいなあ。
もう〜!師匠〜!師匠師匠師匠。
何や?鯛が…。
鯛が?鯛が大変なんです!鯛が…たい…。
今日食べる分と7日ぐらいたってから食べる分。
それから後に食べる分。
分けたらよろしいのや。
保存する事やな。
この本貸したげよう。
鯛の料理がぎょうさん書いてある。
減ってる?あんたどこ行ってたん?鯛減ってます?三味線教ぇてる子ぉの置屋に持ってったりしてんけど。
あんまり力になれんでごめんな。
「お父ちゃんお母ちゃん私は元気に過ごしています。
もちろん大阪の慣習や家風になじめない事もありますが悠太郎さんが気配りして下さるので平穏に暮らしています。
けれども祝言は少し待って下さい。
西門家には祝言は1年後というしきたりがあるのです。
余計な心配はしないようお願いします」。
鯛の五色揚げ出しますけどいいですか?こんなとこで何やってはんの?鯛ぎょうさんもろて。
お姉さんも悠太郎さんもすぐ着替えてきて下さい。
わては頂いてきましたさかい。
結構ですわ。
お姉さん。
ご愁傷さまでした。
鯛めし出来ました。
(歓声)うまそうやな。
ええ匂いやな。
ごちそうさんでした。
(静)ごちそうさん。
希子ちゃん何やってるの?鯛の鯛。
忘れとった。
よし。
うちもやろう。
あっそれそれ?ちゃうやん。
何してんの?残った骨でポワソンとったの。
魚のフォン。
…でこれがわたの塩漬け。
隅から隅まで使い切って。
こういうのが始末がええいうねん。
これがホントの始末か。
おいしく食べる方法はあるのよね。
骨もわたも。
人もきっと一緒だよね。
嫌なとこといいとこって見方一つっていうか。
扱い方一つっていうか。
きっとそういうふうにすれば楽しいおうちになるのよね。
私みんなの笑った顔もっと見たい。
ホントに。
みんなの「ごちそうさん」が聞きたい。
「父上様母上様め以子さんからの手紙が届いたと思いますが内容は全部嘘です。
め以子さんは嘘だと承知の上で女中待遇に甘んじてくれています。
無理難題にもめげず明るく過ごしています。
ひたすら料理の腕を磨き楽しい食卓にすべく日々奮闘してくれています」。
うまい。
「いこじな姉が頭を下げて祝言を挙げてくれと頼んでくる日は遠くないと信じています。
もうしばらく見守って頂きたく存じます」。
毎度ガス屋のヨシムラでございます。
ええとこに来てくれはった。
毎度毎度。
ついた。
ついた。
いや〜!きれいや。
青いんやな。
火が青い。
悠太郎さん何やってはんの?ガスを実際に使うてるところの見学を許す条件でタダで引いてもろたんです。
知らん人がうちに…。
姉さんのお力で西門200年の名に恥じぬ応対をお願いします。
おいしいもん期待してます。
はい頑張ります!
(静)これガスで炊いた御飯?
(め以子)はい。
食べてみて下さい。
うんおいしい。
ガスの見学のお人も案内せんといかんなあ。
お姉さんよかったら実演なさいませんか?
(和枝)見せもんみたいなまねごめんだす。
希子ちゃん今度やって…。
(和枝)希子にそんな恥ずかしい事させんとって。
ほな2人でやろか?そう…ですね。
なんと火加減をこのひねり一つひねり一つでよろしおます。
カラ〜ッと揚がっておいしおすでぇ。
はいお熱いですが。
熱いですよ。
ごめんください。
(悠太郎)ありがとうございます。
僕の今月の給料です。
そんなに取りはんの?僕の小遣いとガス代の見込みなどで10円。
借金の返済分で10円。
更に食費として30円頂きます。
食費そんなに要りはらしまへんやろ。
365日みんなでおいしいものを食べる事をこの家の最優先事項としたいと思います。
ほな姉さんとお静さん必要な分を言うて下さい。
25円。
10円。
そんなに要りまへんやろ。
ほなうちええわ。
えっ?黙って付けで買い物もなしですよ。
分かってますよって。
着道楽は控えまっさ。
何たくらんではりますのんかいなあ。
め以子さんが一所懸命やってはんの見て心入れ替えましたんや。
(倉田)何や。
何ぞあったんかいな?あの非常識な電信柱が来てから私の調子はさんざんですわ。
おっ?
(源太)め以子〜!忘れもんや。
ありがとう。
ごめんね。
肉屋の源太やないか。
天満の商店街のやんちゃ坊主や。
へえ〜。
(トミ)何しましょう?さいでんなあ。
あっあれは?人さんのぬか床預かってますねん。
何でも家に置いとかれへんらしゅうて。
きっつい小姑はんがいはるらしゅうてほかされんねんて。
そんな家出はったらええのに。
わてもそう思いますねんけどなあ。
うちの源太と一緒になったらええって。
(源太)いらっしゃい。
(トミ)源太お帰り。
ただいま。
そうでっか。
め以子さん肉屋の男とええ仲みたいやで。
幼なじみらしいけど話聞いてた?聞いてました。
ほなら大丈夫やね。
ほな。
(源太)女将さんちょっと行ってきます。
(トミ)あいよ。
行ってきま〜す。
ねえ源ちゃん今日はどんな事すんの?
(源太)着いてからのお楽しみや。
黙ってわいについてこい。
いけずやな〜。
師匠。
(酉井)おう。
こんにちは。
ああめ以子さんよう来てくれはった。
梅がいっぱい。
何作ってるんですか?
(酉井)これな梅のジャムや。
あっこれな甘露煮。
みそ漬けがあるやろ。
かす漬けがあるやろ。
もう〜話だけでおいしそうです。
(酉井)え〜?え〜?これな梅仕事の段取り書いといたんや。
あ…ありがとうございます。
梅仕事はよろしいで。
みんなで楽しめる。
はい!希子ちゃんって梅干し苦手でしょ。
目つぶって飲み込んでるじゃない?ねえ一緒にやらない?梅の仕事。
(希子)お姉ちゃんがおれへん時?お姉さんにも手伝ってって言う。
みんなでやりたいの。
せや肉の話。
ガスの人今度肉焼いてくれへんかって言うてたで。
音とか派手やし。
バ〜ッと火ぃの立つやつやってくれへんかって。
どうでしょうねえ肉は。
お肉屋さんに相談してみましょうか?できんの?そんな事。
まあ知らない仲じゃないですから。
ちょっと相談してみますね。
(静)ほな頼むわ。
はいお弁当。
おおきに。
行ってきます。
えっ…何か聞かないの?どうせ答える気ぃないんでしょう?まあ…。
あなたは隠し事ばっかりや。
えっ答えた方がいいの?ホントはずっと怒ってたの?ねっ。
ねえ?
め以子が市場を訪ねるとそこには悠太郎の姿が
ぬか床を預かって頂いている西門悠太郎と申しますが。
妻の幼なじみとおっしゃる方はいらっしゃいますでしょうか?わいやけど。
何しに来たんや?どうも必要以上に妻に親切にして頂いているようですが。
今日を限りに金輪際やめて頂きたい。
あいつがここに来んのはお前のせいやろが!あいつはな四六時中お前の事ばっかり考えとるわ。
そんな嫁はんを何でお前が信じてやれへんのんや!よう言うた!そのとおり!うちの嫁さんはなごっつかわいらしいんや!
(一同)おお〜!んなもん心配なだけや!けんかやめてよ。
何でうれしそうやねん。
だって私何かすごくモテてる人みたいで…。
私のために争わないで。
ねっ。
(笑い声)だんさん悪いけどわしこんなアホタダでくれる言うてものしつけて返すわ。
悠太郎さん!もうここへは来るな。
ええな。
でもぬか床が!失礼しました。
何やこれ。
おもろない事ばっかりやわお母ちゃん。
あの〜お姉さん。
次の日曜日なんですけどみんなで梅の仕事しませんか?分かった。
ありがとうございます!
(トラ)
こうしてめ以子はみんなに声をかけ日曜日には家族で梅の仕事ができる事になったのでございます
ポコッて取れるからね。
あっお姉さん。
待ってたんです。
一緒にやりましょうホジホジ。
希子はよ支度してくれますか?倉田のおじちゃんがお食事招待してくれはったさかい。
はよ着替え。
でもお姉さん。
今日はみんなで梅をって。
急に用が入ったんや。
行くで希子。
うち…ここで梅の仕事したい。
勝手にし。
お…お姉さんお帰りは…。
ええやん。
ややこしいのおらんで気楽や。
ほっとこほっとこ。
その翌朝
希子何かあったんか?
(和枝)希子に縁談があるんだす。
えっ?倉田さんの口利きでな紙問屋の三島のぼんぼんと。
希子は大阪一の紙問屋の若御寮人さんですわ。
ああ〜。
希子はそれでええんか?16の子に嫁に行きたいも行きとないも決められますかいな。
16やったら決められるでしょう。
今までわてが妹らにつけてきた縁に間違いがありましたかいなぁ。
わては痛い目見ましたさかいな。
話は吟味しとります。
私どうしたらいいのかなって。
何であんたがそこで悩むの?希子ちゃんが幸せじゃないと私が幸せじゃないからですかね。
何でそこであんたが幸せやないの?希子ちゃんが幸せになるとだんさんが幸せになるじゃないですか。
だんさんが幸せになると結果的に私が幸せになる訳で。
一人一人の幸せが家族の幸せになると思うからですかね。
師匠?あ〜いや。
いい話やった。
妹自分の気持ちもよく分からないみたいで。
ああそうか。
そやな頭の整理がつかへん時というのは相談相手が要るな。
どやあんたその相手になったげたら。
はい!・
(和枝)同じ事何べん言わせはんの。
あんさんはホンマに不っ細工やなあ。
お姉さんより私の方がうまいと思います。
今何や聞こえましたけど。
教えるのがです。
あきまへん。
どうして?あんさんは西門の人間ちゃいますさかいな。
うちの希子に妙な臭いつけられたら困りますさかいな。
「今日からお弁当の時間に希子ちゃんとお話をしたいと思っています。
結婚したい気持ちしたくない気持ちどれくらいの割合ですか?」。

(希子)「私の気持ちは五分五分です。
希子」。
「結婚したい五分って何ですか?」。
(希子)「お嫁に行く以外ほかの道は考えにくいし」。
ほこりは上から下へ落ちるんどす!
(希子)「家から逃げ出せる唯一の手段やからです」。
「結婚したくない五分は何ですか?」。
(希子)「結婚して楽しく暮らすのはとても難しい事に見えるからです。
私は家族を作るのが怖いです。
結婚が怖いです」。
希子ちゃんってホントはすごく賢いんじゃない?
め以子は女学校に忍び込みました
私なんても〜っとアホでグズだったわよ。
ちい姉ちゃんはもっと自信満々で来たんやと思ってた。
私ならこんな化け物屋敷でも平気やって。
化け物屋敷?うん。
違うわよ。
アホだからな〜んも考えてなかったの。
同じ釜の御飯食べてる人間が心からいがみ合うなんて想像もできなかったの。
希子ちゃん私ねみんなで食べる御飯はおいしくてそれはすご〜く楽しい事だって希子ちゃんに知ってほしいの。
知ってからお嫁に行ってほしいの。
私の勝手な希望なんだけどね。
逃げ出すみたいに行ったら何かあった時また逃げ出したくなるかもしれませんね。
そういう事…そういう事が言いたかったの。
今46になりました。
えっ?うち…結婚するの怖くて…。
ちゃんとやっていける自信ないからお見合いしたくないです。
この人にしょうもない知恵つけられたんか?お姉さんの言ういいお話って何ですか?家柄と財産と話くれはった人に力がある事でんなあ。
えらい仲立ちあっても毛虫みたいに嫌われた人もおるけどなあ。
ほれたはれたが大事な方がだんさんおらんようになって延々ここにいはるのもおかしな話でっしゃろ。
和枝ちゃんが1人になったらかわいそうやからやんか!へばりついて離れへんさかい安心しときや。
ず〜っとこうですから。
みんなで仲良くなんて日は来えへん。
ほな妹さん明日見合い決まったんか?行った先でぱっと幸せになるかもしれないし。
だから今日は元気出してもらおうと好きな物作ろうかなって。
水ナスか?希子ちゃんはエビと水ナスを優しい味に炊いたのが好きなんです。
おおちょっとちょっと。
あんたそれでええんか?旦那さんのうち幸せにすると言うたんと違うんかいな。
できるかできないか分からない事につきあわせるの…。
できるできへんの問題ちゃうのや!やるのや。
大事な事はその覚悟や。
今日の…梅干し。
ああ。
お砂糖とおしょうゆでちょっと煮てみたの。
おいしかった?うん。
食べたかったな。
出来たら嫁ぎ先に…。
届けない。
食べてみたかったらここにいなさい。
ここにいて私のやる事全部見てなさい。
どうやったら御飯が楽しいおうちになるのかどうしたらならないのか。
ちゃんとその目で見て考えてからお嫁に行きなさい。
はい。
私も頑張る。

そしてお見合いの日
末の妹さん。
(和枝)希子ご挨拶は?すんませんあがってもうて。
顔も上げられんみたいです。
何か?このお茶わん危のうおまっせ。
ああ〜!ごめん!替えるね。
ああごめんなさいごめんなさい。
あっ!虫入ってまんがな。
ああ〜アハハハハハッこれもじゃあ替えますね。
熱っ!
(一同)ああ〜!あんさん何やってはんの。
(一同)ああ〜!ああいつもこうなんです。
すいませんホントアハハハハッ。
すんません。
おなごしさん代えはった方がよろしいんちゃいますか?僕の家内でして。
見合いを邪魔しようとするめ以子ですが…
あめ色のちょっと変わったんおまへんか?あめ色?あめ色…。
(戸が閉まる音)えっ?
(見合い相手の父)ほう吉祥でっか。
どうぞおあがりになっておくれやす。
(見合い相手の母)いや〜おいしそうやなあ。
(きしむ音)うわ〜!希子何かあるんか?う…うち…。
うちのようなもんは三島さんのような立派なおうちにはふさわしくないんやないかなと。
ええ子やな希子さん。
(見合い相手の母)今どきこんな控えめなお嬢さんいてはらへんわ。
うちはホンマに何の取り柄も…。
(笑い声)ごめん…なすって。
正蔵はん戻ってきはりましたんでっか?ホンマに何で…。
本日は…。
出てって。
おい父親に向こうて出ていけはないやろう。
ええ?
(見合い相手の母)お亡くなりになられてるって伺ってましたけど?死んだ事になっとりましたんですかいなわて。
早速で何でございますけれども10円貸してもらえまへんやろか。
(2人)はあ!?
(正蔵)いやホント手詰まりでございましてなこれ。
ええ加減に!ああいやいや。
5円でもよろしいわ。
なあちょっと5円。
うおっ…。
(一同)ええ〜!
(寝息)えっ?いやっあれ!あれ何?和枝ちゃんが…。
わてが呼びますかいな。
ほな誰が?あんさんがあの男呼ばはったんか?お父さんって亡くなられてるんですよね?この人の事知ってるんですけど。

ついにめ以子はこの家の本当の歴史をこの家に起こった出来事の核心を知る事になるのでございました

(和枝)ほな呼んできた訳やないんやな?
(め以子)違います!その…相談はしましたけど。
あんさん口出しできるような立場やないやろ!
(静)大体何で知り合うたん?お料理うまいおじいさんがいるってお肉屋さんに紹介されて。
でも私も源ちゃんも師匠がお父さんだなんて全然知らなくて。
名前だって…。
(悠太郎)分かりました。
とにかくもう二度とあの人とは会わんとって下さい。
何でですか?僕らはあの人に捨てられたんです。
あの人はもともと鉱山の技師をしとってほとんど家にはおらん人やった。
家の事はおふくろに任せきりで。
そのおふくろが火事で亡くなったもんやから仕事辞めてこっち戻ってきたんです。
そしたら1年もたたんうちにお静さんを連れてきて。
うちは親切でここに来てあげてんで。
細かい事は後にして下さい。
そんなやさき姉さんが嫁ぎ先から戻ってきたんです。
ほしたらこの人に追い出されそうになってな。
妹らの世話しに来はったって言わはるから。
わて戻ってきましたさかいお引き取り頂いてよろしい…。
後にして下さい!こんな状態が続いてある日突然いきなりおらんようになったんです。
それからもうおやじは死んだと思おうってみんなで決めて。
(希子)あの…。
何や?希子。
お父さんが…。
(正蔵)痛い痛い痛い痛い…。
仏さんに近い人間はもうちょっと優しく扱うもんや。
それ返して下さい。
何でこんな…。
め以子さん。
小遣い5円ほど都合してくれはらへんかな。
え?帰れ!二度と戻ってくんな。
ああ怖っ。
本性はああいう人なんです。
あなたも分かったら…。
違うと思います。
だって師匠お金なんて必要ないもの。
わざと自分が悪者になろうと…。
とにかく!金輪際会わんとって下さい。
嫌です。
昔の事は水に流して受け入れてあげたら…。
無理です!それだけは絶対に無理です。
ちょっと待って下さい。
あなたがどうしても会うというならこの家を出てって頂くしかありませんね。
あんさんのせいで蔵ん中もうちん中もメチャクチャだすけど。
ごめんなさい。
希子ちゃんが謝るような事じゃないでしょ。
(物が落ちる音)やめて下さい!せやかてあんさん出ていきはんのやろ?出ていきませんよ!・
(静)め以子さんお客さんやけど。
…えっどうしたの?
(桜子)駆け落ちしてきたの。
え〜っ!?あの…住む所が見つかるまで2〜3日ごやっかいになれませんか?お泊めしたいのはやまやまなんですけどどうも出ていかはるみたいで。
(桜子室井)えっ!?いや出てかない…。
出ていきませんよ!お荷物2つだけですのん?
(室井桜子)ちょっと…。
軽いどすわ。
ここ置いときまっせ。
待って下さい。
やられた…。
(源太)ここや。
源太が紹介してくれた2人の落ち着き先はうま介という喫茶店
(源太)馬介さ〜ん?どうも〜。
上まだ空いとったら貸したってほしいのやけど。
おうええよ。
私これで。
えっ焼氷は?食べなくていいの?おお…落ち着いたらまた来るから。
(和枝)あんさんどないなつもりや!どき。
どきて!何や心入れ替えはったんでっか?入れ替えてません。
師匠は…。
うちも出てく。
…え?ちい姉ちゃんが出ていくのやったら出てく。
勝手にし!お姉さんちょっと…。
お父さんの事…許してもらえない?あの家の誰もあの人も戻る事なんて望んでないと思いますけど。
私は望んでます。
あなたは西門の人間やないでしょう!…え?私は私なりに一生懸命悠太郎さんやみんながどうしたら楽しくなるかって考えてやってきてる訳なんだけど。
それは感謝してますよ。
今回のこれは違うって言うてるんです。
悠太郎さんが望んでる事をやってるうちはいいけどそれを外れたら駄目ってそういう事!?そんな事言うてないやないですか。
言ってるじゃない!私の判断はいらないって事でしょ?お前は分かんないんだから黙っとけってそういう事でしょ!?突き詰めて言えばそういう事になるかもしれませんね。
よく分かりました。

(泣き声)ちょ…めいちゃん!?どないしたんや?め以子…。
私…離縁する。
とりあえず食べてから考えへん?なあ。
ほ〜れ焼氷やで〜。
焼氷…ですか?
(馬介)せやけど?これコーヒーのシロップかけただけじゃないですか。
焼いたように見えるでしょ?えっ?あれ?見えへん?私もう何で大阪来たのか分かんなくなっちゃった。
じゃあもう離縁しちゃえ!うん?ここでみんなで楽しくやればいいじゃない。
そう…かな?いやあんたなあ。
あんたかて駆け落ちしてきたばっかりやろ。
どないして食うてくつもりなんや?自分たちの食べる分ぐらい何とかなるでしょ。
そうよね働けば。
あんたんちの嫁よりひどい仕事なんてないわよ。
そうよね。
そこでやれたんだもんね。
新しい人生を生きるのよ!心の友よ〜!ちょぼ焼きってかわいい〜!
(桜子)ねえ。
め以子が大阪のおいしいもん食べてないなんてねえ。
私ホントによく我慢したかも。
(桜子)通天閣だけが男じゃないわよ。
何で分かったの?
(調子外れで)・「いのち短かし恋せよおとめ」何なのその歌。
うん?違う?違うわよ。
・「いのち短かし恋せよおとめ」上手!すご〜い!もっかいもっかい歌って。
いえいえ…無理です無理です。
ホントだね。
うん?何が?ああ。
この店絶対はやってないからって話してたの。
へっ?
(源太)馬介さんの前でそういう事言うなや。
だからはやらそうよって話じゃない。
焼氷も河童パンも通天閣パルフェも。
馬介さんのアイデアはすばらしいです。
ただ!名前負けしてる。
だから焼氷をもっと売れるようにしませんか?そういう話やったら。
ええんかいそれで!よし!じゃあ決まり。
め以子後よろしくね。
えっ私一人?おいしくしてよ焼氷。
(ドアが閉まる音)もう〜…。
戻ってこないめ以子の事が心配になった悠太郎は居所を突き止めます
これ何?氷の上にメレンゲを載っけたの。
そこにブランデーをかけて。
わ〜すてき。
ワクワクするね。
いいこれ。
いいよ!ちい姉ちゃんホンマにすごい。
(室井)これで十分生きてけるんじゃない?めいちゃん。
そうよね。
通天閣に頼らなくてもこれだけの腕があれば。
やってけるかどうかは分からないけど…。
楽しい。
(笑い声)
そして数日後
室井幸斎作詞焼氷の歌です!う…歌!?ビラ配りながら歌うの。
誰が?もちろんあなたです。
えっうう…うち!?
(調子外れで)・「氷なのは」
(龍子)もう一回聴いてもらっていいですか?そんな顔しなくていいよ。
あれはあれで結構楽しんでやってるから。
すいません…。
うん。
(源太)おう通天閣。
飯一緒に食わへんか?そちらの方は?わいのこれや。
染丸いうねん。
まあ勘違いは完全に勘違いやと分かってもろた上でや。
お前ちぃとちっちゃすぎへんか?わしには会うな師匠には会うな。
密通でも何でもないのにケツの穴ちっこいにも程があるやろ。
あなたたちと一緒のところを見ました。
楽しそうでした。
あなたたちといた方が彼女も幸せなんやろうし別れて自由にしてやろうと思てます。
話はもうええかな?
(源太)格好つけんなや!分かったふりすんのやめてちゃんとあいつと話し合え!自分の思てる事あいつにぶつけて分かってもらえ!言いましたよ。
(源太)言うてへん。
言いました!お前が言うたんはなただ何があったかいうだけやろ。
これからどうしたいんか腹の底の本音を正直に言え!嫌われないでしょうか。
かなり女々しいうっとうしい話やと思うんですけど。
それであかんかったらもうあかんやろ。
どっしょうもないとこも好いてもらわれへんかったらそんなもんどのみち続かへんわい。

(オルガン)
(調子外れで)・「氷氷氷なのは間違いないのさ」うま介でございます。
もうええはいはい。
(桜子)・「お山に白帽子」みんな耳塞いじゃってさ。
ああ〜!希子ちゃん用に甘い梅干しも作ります。
ああ〜ごめん!熱っ!・「天神橋筋世にも不思議な焼氷」希子ちゃん…希子ちゃん。
さんはい!・「氷氷氷なのは間違いないのさ」・「ところがどうにも噂だと」・「何でも火を吹く氷だと」・「氷のお山に白帽子とけそでとけないもどかしさ」焼氷頂戴。
わても!わても。
はい。
・「熱くて冷たいあの人と」・「甘くて苦い恋の味」・「食べてみはって摩訶不思議」・「寄っておいでな天神橋筋」・「うま介印の焼氷」
(拍手と歓声)
(ドアが開く音)あっすいません…。
僕が父を許せないのは…僕も逃げ出したかったからです。
よかれと思ってやった事が全て裏目裏目に出てしまう。
そんな父に僕は同情してました。
せやけど父はひと言もなく姿を消しました。
見つかった先は別の女性の所でした。
その事実に姉さんとお静さんは怒り罵り合い希子は隅で震えていました。
僕は言うしかありませんでした。
僕が!この家を守る。
そんな中で僕がすがったのは安全な街を造るんだという志と父への憎しみでした。
いつか立派になってこの家を立て直して見返してやるんやと。
そうやって僕はずっと生きてきたんです。
せやけどあなたに会ってゴールは少し違うんやないかって思いだしたんです。
こんな食卓が欲しい。
こんな家庭が欲しいと思い始めました。
相手の幸せを考える事が愛情やと言うならば僕はあなたの手ぇを離すべきなんやと思います。
せやけどそれをしないのは僕は嫌だからです。
あなたは僕が手に入れたたった一つの宝物ですから。
ほかの人に取られやしないかといつもヒヤヒヤしています。
私はこんな掃きだめにいる人間ではないと言いだしはしないかと不安で。
くだらん…ホンマにくだらん人間やと思います。
せやけど僕を…僕を見捨てないで下さい。
悠太郎さんって…バカだったのね。
私の事宝物だなんて思う人ほかにいないし。
バカで子どもで分かろうと思えば合図はいくらでも出てたのにね。
私もバカで…ごめんね。
一人にして…ごめんね。
源ちゃん。
(源太)おう。
一番いいお肉頂戴。
あ?悠太郎さんが今日はビフテキにしようって。
ホンマにいっちゃんええのにするからな。
うん!せやけどよう歌えたな希子。
(希子)ちい姉ちゃんの事考えたら歌えた。
お兄ちゃんもいつか変わるよ。
お父さんの事許せる日ぃが来ると思う。
お姉ちゃん怒ってるよねきっと。
(戸が開く音)お帰り。
よう帰ってきてくれたな。
あの…。
蚊も出てきたさかいはよ閉めて。
疲れ切ったんやと思います。
このお肉ホンマおいしいな。
別れる言うてはったんがいきなり戻ってきはって。
肉出されても喉通りまへんわ。
おやじの事はみんなの気持ちがそろうのを待つって事に話がつきました。
め以子も無理強いはしない。
時々様子を見に行くって事で。
トマト〜!
(源太)め以子。
うん?
(源太)うまい事いっとんのか?最近は。
あちらを立てればこちらが立たず。
でもまあ気長にやるわよ。
氷はいつか解けるもの。
よいしょ。
2014/12/23(火) 10:15〜11:52
NHK総合1・神戸
も一度まんぷく!「ごちそうさん」ダイジェスト一挙放送! 第5週〜第9週[字]

め以子と悠太郎が帰ってきた!連続テレビ小説「ごちそうさん」を第5週から第9週までダイジェストでお送りします。和枝のいけず、夫婦の危機?希子の焼氷の歌。

詳細情報
番組内容
大阪の料理の習得に懸命なめ以子(杏)だが、和枝(キムラ緑子)は認めず、悠太郎(東出昌大)の給料も横取り。源太(和田正人)が師匠と仰ぐ男(近藤正臣)から「始末の精神」を学ぶ中、その男が悠太郎(東出昌大)の父と知り驚くめ以子。父・正蔵に会うことを許さない悠太郎に反発するめ以子はついに家出。頼った馬介(中村靖日)の店で焼氷の改良を試み、希子(高畑充希)の歌にのってめ以子の焼氷は飛ぶように売れる。
出演者
【出演】杏、東出昌大、キムラ緑子、高畑充希、和田正人、井之脇海、吉行和子、原田泰造、財前直見、宮崎美子、近藤正臣 ほか
キーワード1
連続テレビ小説
キーワード2
ごちそうさん

ジャンル :
ドラマ – 国内ドラマ

映像 : 1080i(1125i)、アスペクト比16:9 パンベクトルなし
音声 : 2/0モード(ステレオ)
サンプリングレート : 48kHz

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