くらし☆解説「いま知っておきたいスギ花粉症対策」 2014.11.18


生字幕放送でお伝えします岩渕⇒こんにちは、10時5分です、「くらしきらり解説」。
花粉症に悩まされている方は多いと思いますが、来年の春、花粉はいつもより多くなると予想されている地域もあるということです。
そこできょうは、いま知っておきたいスギ花粉症対策についてお伝えします。
担当は中村幸司解説委員です。
今、花粉症の人、小さい子どもも含めて、私の周りにとっても多いんですが、気になるのはスギ花粉がどれくらい飛ぶかということですが、具体的にどうでしょうか。
中村⇒私もその1人なんですがNPO法人の花粉情報協会によりますと、来年は東日本は、過去10年間の平均の1.5倍ちょっと多いですね。
西日本は、この夏、雨が多かった日が多かったので過去の平均よりも90%くらいとやや少ないと予想されています。
花粉が飛ぶのが2月くらいという感じですが、なぜ、今花粉症対策なんでしょうか。
花粉症の治療法飲み薬や目や鼻につけるものがありますけれどもスギ花粉が飛んでいない、今から知っておいてほしい治療法があるんですね。
それが初期療法そしてもう1つが先月から保険が適用されるようになった、舌下免疫療法と呼ばれるものです。
それぞれどういう治療法なんですか。
それを考えるうえでどうして花粉症になってしまうのかきょうはスギ花粉症を中心に見ていきます。
花粉症の人というのは、体の中でアレルギー反応に関係する細胞にYの字の形をしているような物質が付いてしまうんです。
花粉が体に入ってくるとYの字のところが花粉を覚えていて来たという感じで捕まえるんです。
それをきっかけに細胞からヒスタミンと呼ばれる物質などが出て、これが神経細胞や鼻の血管の細胞の表面にくっついていわばスイッチをオンにするんです。
そうすると、くしゃみや鼻水や鼻づまり涙が出たりという症状があります。
花粉を体の外に追い出そうとしているわけなんですが花粉症の人はこういう作用が強く出てしまうというわけです。
症状の重い人は、本当につらそうですものね。
治療法としては抗ヒスタミン薬を飲むようにしている人が結構いると思うんですけれどもこの薬は、この部分をブロックするということで、症状を抑えているんです。
ブロックしてくれればオフのままということなんですね。
ただ花粉が飛び始めても薬を飲まずに症状を我慢していよいよどうにもならなくなってから薬を飲み始めるということをしている人もいるかもしれませんがそのようなことをするとスイッチがオンになってしまっているので薬を飲んでブロックしようとしても症状が、なかなか治まらなくなってしまうんです。
スイッチがオフにならないわけですね。
そういうことを意識した薬の飲み方が初期療法というものです。
オフになっている早い時期から薬を飲み始めて効果的にブロックしようというものです。
いつから飲み始めるんですか。
抗ヒスタミン薬などは花粉が飛び始めた日、あるいは少しでも症状が出始めたら飲み始める。
それからほかの薬は効果が出るのに時間がかかることなどから、花粉が飛び始めると予想される日の少なくとも1週間から2週間前に飲み始めるというものなんです。
薬によって飲み始める時期が違うんですね。
こうすることで症状が軽く抑えられたりあるいは症状が出る期間が短くなったりということが期待できるんです。
こうした薬を飲めば症状を抑えることはできると思いますが、そもそも花粉症を治すということはできないんでしょうか。
スギ花粉症について根本的な治療法として期待されているものに、舌下免疫療法というものがあります。
これは先月から保険が適用されるようになりました。
この治療を始めるのは、花粉が飛んでいない時期に始めるということになっているんです。
今なら始められるんですね。
早い時期ならいいんですが、まだ大丈夫だということです。
治療法としては、スギ花粉のエキスを舌の裏側、舌の下側にたらすというものでたらしたあとは2分間そのままためておいてあとはそのまま飲み込んでも大丈夫です。
これを毎日1回行う2週間かけて徐々に量を増やしていきます。
2週間以降は一定量のエキスを毎日たらすというやり方です。
これを2年から3年、毎日続けるという治療方法なんです。
2、3年毎日というのは大変そうですが、どれくらい効果があるんですか。
舌下免疫療法を行った人と、行わなかった人の症状の強さの違いを示したものです。
2月、3月、花粉が多い時期ですけれども舌下免疫療法を行った人のほうが低い30%くらい症状がよくなっていますね。
30%ということは、完全によくなるわけではないということですか。
よくなる人がいる一方で全く効かない人がいて平均すると30%くらいなんです。
まだ詳しいデータは出ていないんですがおおむね2割くらいの人は症状がほぼ治まる。
6割くらいの人は症状が軽くなっているなど一定の効果があるということなんです。
ただ全く効果がない人も2割くらいいると専門家は見ています。
効果のある人も始めて1年目のシーズンから効果が表れるという人もいれば1年目のシーズンは効果が出ないで、2年目のシーズンで効果が出る人もいるんです。
2、3年続けたらこれをやめても効果は続くということなんです。
薬から解放される人もいるということですね。
ずっと続けていたら。
そうなると、このあと薬を飲まなくても済むんでしょうか。
何年かして症状が再び出てしまうこともあるんですが一度、舌下免疫療法で効果があった人は、再び始めれば効果の出る人が多いと言われています。
そもそも舌下免疫療法でどうして症状を抑えられるんでしょうか。
そのメカニズムは、まだあまりはっきりしていないんですね。
継続的に体に花粉を入れることで体が花粉に慣れて一連の反応が弱まってくる過剰な反応をしなくなってくると考えられているんです。
副作用はないんですか。
いくつか注意点を見てみたいと思います。
お話ししましたように必ず効果があるわけではないとか2、3年続ける必要があるということをよく理解しておく必要があります。
副作用ですが、口の中がかゆくなるということがあったりアナフィラキシーというショック症状を起こす可能性が少ないと考えられていますがゼロではないです。
それから小さな子どもの効果は確認されていないので保険が適用されるのは12歳以上となっています。
それから個人差もありますので専門の医師に相談することが重要だと思います。
今は、どこの医療機関でも受けられるんですか。
実は、そうではなくてこの薬を処方できる医師というのは、この治療法についての講習を受けるなどした医師に限られているんです。
現在は4000人くらいいるということなんですね。
1か月の薬代は1000円くらいということです。
保険適用で1000円ですね。
自宅でできるので続けやすいのが特徴です。
花粉症の治療方法も、いろいろ進歩してきているんですね。
抗ヒスタミン薬は昔は眠くなるといった副作用がありましたが軽減されています。
点眼薬など、いろいろな治療法がありますから組み合わせることで効果を上げることもできます。
医療機関でよく相談をして、自分に合った治療方法を受けていただきたいと思います。
中村幸司解説委員でした。
次回のテーマです。
担当は、二村伸解説委員です。
ぜひ、ご覧ください。
2014/11/18(火) 10:05〜10:15
NHK総合1・神戸
くらし☆解説「いま知っておきたいスギ花粉症対策」[字]

NHK解説委員…中村幸司,【司会】岩渕梢

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【出演】NHK解説委員…中村幸司,【司会】岩渕梢

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