イギリスの名門…人類の未来を先取ってきた知の殿堂から去年「本当ですか!?」な論文が発表されました。
それは…えっロボットは人間のライバル?今人を支え一緒に働く新たなタイプのロボットが次々に登場。
工場では人とロボットが弱点を補い合って上手に協力。
手術室ではお医者さんの肘にぴったり寄り添い手先の正確な動きをサポート。
私たちの身近な場所にやって来たロボットたち。
共に生きる未来をサキどります!
(2人)おはようございます。
今回のテーマは「ロボット」です。
まずはこちらをご覧下さい。
日本のロボット産業の市場規模を示したものなんです。
今後どんどん増えていって2035年9.7兆円まで拡大すると推計されているんですね。
すごいですね。
20年で10倍以上って事ですよね。
そうなんです。
今日本でロボットといいますと自動車など大きな工場で使う産業用ロボットがほとんどなんですね。
ファクトリーオートメーションとかロボティックスとか聞いてますよ。
そうですよね。
ところが今後…期待されているんです。
日本の課題じゃないですか。
そうなんです。
ロボットがどんな所で活用されているのかその最前線をご覧下さい。
「サキどり」がやって来たのは…13年前夫を亡くして以来一人でこの牧場を切り盛りしています。
飼っている牛は87頭。
朝5時から夜8時まで働きづめの毎日です。
でもそんな菊地さんには強〜い味方がいます。
それは牛がいそいそと入っていくこのゲート。
最新型の…まず回転するスポンジで乳首を入念に洗浄。
そして赤外線センサーで狙いを定めて…。
次々にキャッチ。
一気に牛乳を搾っていきます。
牛たちはこのロボットが大のお気に入り。
24時間いつでも乳が張ればゲートに入り搾ってもらう事ができます。
ロボット導入前全ての牛の搾乳は2時間掛かり。
それを朝晩の2回行うのは一番の重労働だったといいます。
更にロボットは乳房一つ一つから出た生乳の量をチェック。
異常があればすぐに知らせてくれます。
菊地さんはこのロボットのおかげで夫と広げた牧場を一人で守り更に牛を30頭以上増やす事ができました。
決して高くなかったと考えています。
ちなみに菊地さん搾乳ロボットのために一つだけ増えた仕事が。
それは…。
ネコの餌やり。
搾乳ロボットの意外な弱点。
菊地さんネコ警備員を18匹に増強して守っています。
人の嫌がる仕事に進んで取り組むけなげなロボットがいると聞いてやって来たのは新しい薬の開発などを行う研究所です。
いました。
2本の腕を自在に操りつかむ載せるなど絶妙な力加減で50種類以上の実験をこなします。
人と同じように道具を扱えるので新たな器具は必要ありません。
全く同じ操作を何度でも寸分たがわず繰り返す事ができるのがまほろくんの強みです。
実はこのまほろくんによってつらい労働から解放された人たちがいます。
実験で繰り返し行うある単純作業を揶揄した言葉です。
名前の由来はこのピペットという道具。
小さな容器に薬品などの液体を同じ量ずつ入れていくのに使います。
単純ですが神経をすり減らすこの作業。
精度の高いデータを求めて何千回と繰り返す事も珍しくありませんでした。
しかしまほろくんは同じ量の液体を小さな容器の中に次々と正確に落としていきます。
何十時間作業を続けてもへっちゃら。
ありがとうまほろくん!以前からロボットが使われてきた製造業の分野でも新たな発想によるロボットの活用が始まっています。
こちらの工場。
あれ?よく見ると従業員の向かいに座っているのはロボット。
頭と2本の腕を持ち人に似た形をしています。
人と協力して働くために作られたその名も…人とロボットが一緒にモノ作りをしているのです。
この工場で働くロボットは18体全てに名前が付いています。
この子はルーブルくん。
こちらはリラちゃん。
みんな世界各国の通貨の名前です。
その理由はロボットが作っているものに関係しているのですがそれは…。
このロボットが導入されたのは2年前。
国内でも海外の工場に負けない高い生産性を実現するためでした。
このヒト型ロボットは人と一緒に製造ラインに入って働くためロボット以外大がかりな設備投資は要りません。
単純作業はロボットに任せて人は高度な作業に集中的に配置。
従業員1人当たりの生産台数は大幅に増えました。
いや工場っていうイメージはもとよりありましたけれども一緒に働いている訳ですよね。
更にお乳まで搾ってくれている訳ですよね。
そして細川さんメカ好きです。
もうねワクワクしますよね見てて。
いろんなニーズをロボットがちゃんと解決してくれる。
こういう実感ってあります?まあまさに家電はそれでしょうね。
一番身近なロボット君たちです。
もう大好きで大得意。
相当詳しい。
本当にね好きなんですけれども。
もうある意味どうですかね?自動で掃除をしていくなんていうのはね。
そうですね。
機能的にほぼ入ってきましたよね。
目の輝きが違いますね語っている時のね。
キラキラですよ。
もうぶち抜きでやりたいくらい。
でも冒頭にありました論文の中で佐藤さん取って代わられる怖さ。
人の仕事を奪ってしまうんじゃないか。
こういう心配は?ロボットは下働きをするというふうに僕は考えているんです。
あるいは人間的な作業に集中できる訳です。
例えば介護の世界なんかでは本当に一瞬目を離すと非常に危険になる事がある訳ですがそういう時に人間がまばたきもせずに見るというのは非常に困難なんですけれどもロボットはそれができるんですね。
そういう下働きの下支えの上に人間がもっと非常に優しい介護をするというところに集中できると。
でも数字で出てましたよね。
そう私タクシー運転手さんあれを見たら89%もロボット化?90%でしょ?どうしたらいいんですか?タクシーの運転手。
今でも実は福祉タクシーというのがありましてタクシードライバーとしてというよりかはむしろ福祉でその人に貢献するという側面。
優しい声かけをするとかあるいは今日の体調を全体で判断して少し危ない時にはお医者さんに知らせるとか。
そういうところを人間が持ってくという意味で…論文でいろいろな職業何%取って代わられるのかとあるんですね。
でも俳優さんってどういう事なんですか?ゲームの世界なんかはもうやっぱり滑らかな動きしますから。
いや本当そういう意味では監督の指示どおりの動きで…常にきれいですから。
逆に人間としては取って代わられないスキルは何なのかという事を考えなければいけない時代に入ってるって事に?そうですね。
人間的な側面って何だろうっていうのを突き詰めないといけない時代になっていると思います。
人間力が問われると。
細川さん。
いろんな新しいものを身につけないとってとこですね。
ライバルっていう感じじゃないですか?いやだから彼らに出せないものを出さないと。
そこら辺どうしますか?なるほど。
あえてちょっとね。
ただ工場のシーンご紹介しましたけれども協働一緒に働く。
役割分担って事なんですね。
全部ロボットでやらせようと思うと非常にコストもかかるし手間もかかるんですけれども得意技を出し合って…コストもある程度抑えられてしかもかなり多様な作業ができるようになると。
そうすると日本で雇用を守るという事にもつながりますよね。
そうですね。
日本が世界に製品を輸出する時に大事な競争力の源になる。
つまり日本を支える事になると思います。
でもどうして今まではあまりこの協働という考え方は進んでこなかったんですか?今までの工場用のロボットというのは実は柵の中に囲われていて人間とは隔離された環境で大量生産にいそしんでたという側面があるんです。
知らなかったですね。
それはやっぱりあれですか?感電するとかいろいろひょっとしたらケガするかもしれないっていう安全の側面から規制があって。
そうですね。
非常に大きなパワーのあるロボットだと…人は近くに寄らないで下さいって事になったら協働できませんものね。
特にそういう柵については考慮しなくていいですよという事になったので今これが可能になってると。
そういう時代を迎えています。
続いて建設業界の救世主として期待されるロボットたちがスタジオに登場。
いくつかご紹介します。
まずはこちらのロボット。
働きぶりご覧頂きましょうか。
これ8つの吸盤ついているんですね。
その吸盤が壁に吸い付いたり離れたりする事で壁を登っていきます。
音。
(たたく音)えっ何かノックしてますね。
コンコンコンという。
建物の壁の状態を診断してくれるロボットなんですね。
これまでは人が…。
このように直接たたいて壁の傷み具合などを調査していました。
その作業を全てこのロボットがしてくれるという事なんです。
なるほど。
これやっぱり高い構造物になると人がやるの大変ですよね。
これ助かりますよね。
(細川)これは助かりますね。
建設の分野というのは…続いてご紹介するのはこちらです。
蛇の形をしたロボットなんですね。
これ先頭に…分かりますか?カメラがついています。
ほらほら。
分かるかな?皆さ〜んほら映ってるの分かります?映ってる。
そう。
これこのパイプに入れます。
入れますよ。
おお入った。
ぴったり入っていく。
ではお願いします。
おっ1人で入っていく。
入っていきました。
工場の管などありますよね?その中の老朽化を調べられるそういったロボットなんですね。
カーブものともせずにって事ですね。
するするとカーブもクリアーしています。
すごいな。
こんなふうに。
見えます?ここだよ。
いやこれはかなり活躍しそうですね。
石油プラントなんかは本当にパイプの塊ですよね。
そういうもののメンテナンスといいますか状況を把握するという意味で非常に大事なロボットになると思います。
便利になりますね。
ますますね。
でも本当にさまざまなロボット登場しているんですがいくら便利なロボットが登場してもやっぱり私たちが使いこなせないと意味はないですよね。
そのとおり。
という事でロボットと人をつなぐ役割が今重要になっているんです。
「サキどり」がやって来たのは神戸市に3年前に設立された…ここではロボットスーツやロボット義足などを活用。
患者さんたちが日常生活でできる事を増やそうとしています。
こちらの男性が装着しているのは最新式の…ロボットが歩き方の特徴をキャッチ。
膝の曲げ方やリズムを自動的にコントロールします。
難しい階段の上り下りも2か月でここまでできるようになりました。
この男性が使うのは筋電義手と呼ばれるロボット。
上達すればこんな繊細な動きもできます。
このロボットには腕の内側と外側の2か所にセンサーがあります。
内側の筋肉を動かすとセンサーが反応。
手が閉じます。
逆に手を開きたい時は外側の筋肉を動かします。
トレーニングを積めば紙コップのような柔らかいものでもつかめるようになります。
このロボット義手。
実は日本では15年ほど前には実用化が始まっていたにもかかわらず最近まで普及が進んできませんでした。
すばらしい機能の一方で大きな問題があったのです。
それは使い方が分かりにくい事。
せっかく購入しても本人もリハビリの担当者もトレーニング方法が分からずマニュアルもなし。
これではロボット義手の実力を生かす事ができません。
その状況を変えようと立ち上がったのが整形外科医の陳隆明さん。
ロボットと人をつなぐ新たなリハビリが必要だと考えこのセンターを設立しました。
なぜロボットを動かせないのか。
陳さんは自ら原因を調べました。
すると手を失った人の腕は使われない筋肉が硬くなり十分に動かせていない事が分かりました。
そこで陳さんたちが使ったのが鏡。
失った手の上に鏡を置きそこに反対の手の動きを映します。
すると手があるかのように脳が錯覚して次第に筋肉が動き出しました。
陳さんたちはこうしたノウハウを蓄積しマニュアル化。
全国の医療従事者と共有する事でロボット義手などの利用を拡大させていきたいと考えています。
いや作る技術はあるのにそれがうまく使いこなせないもったいない悔しい。
でも新たな試みでどんどん進むんですね。
今になってようやくつなぐ役割というのが。
陳先生がおっしゃってましたけどもっともっとやっぱりロボット化が進むっておっしゃってましたけどもそれと同時にiPS細胞も進んでいくとなるとやっぱ細胞分野の事を考える方とロボットの技術を考える方とどっちがより生活に入ってくるかと考えると楽しみですねこれまた。
更にそれがいずれつながってバイオなロボットが出てくる可能性だってある訳ですよね。
ねえ本当。
これは楽しみなんですけれども佐藤さん技術はあるのに15年前っていうふうにご紹介したんですけれども筋電の義手が。
なぜにこれ後れを取ってるようなイメージもあるんですけれども。
実はロボットの研究というのは1960年代に始まったんですがやっぱり技術開発しなければというので一生懸命やった訳ですね。
それがある程度行き過ぎると一体これ何のために使うんだろうというのがユーザーが分からないようなそういうふうになっちゃうので。
本当に佐藤さんのお話が全部家電メーカーの話じゃないかというぐらいかぶりましたけどもまさに本当そう。
どういうものを使いたいかとかね。
やっぱりオーバースペックにならないようにするとか。
オーバースペックになったとしてもそれを使いこなせるようにしなきゃいけないっていうそこは課題かもしれませんね。
いろんな分野で見られていて。
ロボットの分野についてもそのおそれがなきにしもあらずという事でどういうふうなライフスタイルがありうるのかという事を考えて必要なものをちゃんと作るんだけどそれが社会に定着するためのビジネスモデルだったりあるいは制度だったりあるいは教育だったり啓蒙だったりというものを全体として考えるようなそういうアプローチが今求められているのではないかと思います。
そして片山さん2020年ビッグチャンスですよね。
オリンピックパラリンピックやって来ますね。
世界の目が注がれますよね。
佐藤さんこれ最高のショーケースというか日本にはこれがありますって見せたいですね。
もう是非そう思うんです。
1964年のオリンピックの時は新幹線とかいろんな物は多分見せたと思うんです。
でも多分2020年のオリンピックは物を見せるんではないんだろうと思うんです。
ロボットと一緒にいる事によって新しい生産方式とかあるいは生活のやり方があるんですよという事を見せられればいい。
日本は本当オートメーション化の中で快適に過ごしているんだというこれやっぱり世界の人たちに知ってもらうといういい場なのでこれを分かりやすく子どもたちにも年配の人にも分かってもらえるようになんとかしてほしいなと思いますよね。
常に傍らにロボットがいて一緒に説明しながら。
お友達がいて。
皆さんこちらですよなんて言いながらツアーするっていう。
いいですね。
広がりますよね。
家電俳優としていろんなロボット見てきましたけど…僕が思ってるのは何でもそうなんですけどちょっとやってほしいっていうような。
例えばどんな作業をやってほしいですか?例えばつい本当にこの間思っていたのは自動車をオートで運転するのはいいと。
僕は運転するのが好きだから。
だけど場所に着いて…そしたらこれあるっていうニュースをこの間見ましてこれは多分実用化にはもうなると。
相当僕らが思ってる以上な事はもうできてるはずですよね。
そうなんですよ。
目が開きますよね。
自動車に乗ったら自動車の要素が助けてくれてそれで町を歩けば例えば道が分からなくなったと言えばちゃんと標識にある意味表示してくれるようなそういう機能があってもいいと思うんですね。
もう少し広く地域で実は人間を助けてくれるようなそういうロボットの世界があるというふうに思ってるんです。
だから最終的には僕自身はロボットの格好にはなっていないけれども…ある時には運動不足だって分かってる時には例えば自動車に乗ろうとしたら…というような事もあってもいいんではないか。
アドバイスしてくれる。
「歩こうよ」。
「歩こうよ」っていうのもあっていいんではないか。
それはね乗りたいよってなっちゃう。
さあ片山さん。
片山さんはどんなロボットが欲しいんですか?う〜ん私は自分に足りないものを例えば教えてくれる。
この栄養素足りないよこの野菜とってねとか今日の番組ちょっとかんだからもう一回これ練習しとこうとか。
なるほど。
そんなロボットいいかななんて。
先生ロボットみたいな。
はい。
カビラさんは?僕も先生ロボットで例えば本田選手のブレ球はこういうふうに蹴っているとか森重選手のディフェンスはこういうふうにって全部コーチングしてくれるような教えてくれるフィールドで。
専門的な。
はい。
うわ〜夢は広がる。
データ詰まってるからね。
という事で選曲はロボットは仲間です。
LORDEの「TEAM」。
2014/12/07(日) 08:25〜08:57
NHK総合1・神戸
サキどり↑「ヒトとロボット 共生時代がやってきた」[字]
ニッポン期待のロボット産業。市場拡大のカギを握るのが農業や医療など新たな分野での活用だ。その最前線の動きを伝え、ロボットが暮らしを豊かにする可能性をサキどる。
詳細情報
番組内容
ものづくりの国ニッポンの未来を担うと期待されるロボット産業。市場拡大のカギを握るのが、従来型の産業用ロボット「以外」の分野の発展だ。農業や医療など様々な分野でロボットの導入が加速している。一方、産業用ロボット分野も「人と協力して作業をする」という次世代型のロボットが登場して、製造現場に変革をもたらしつつある。各分野の最前線の動きを伝え、ロボットと共生することで暮らしが豊かになる可能性をサキどる。
出演者
【ゲスト】細川茂樹,佐藤知正,【キャスター】ジョン・カビラ,片山千恵子
ジャンル :
情報/ワイドショー – その他
ニュース/報道 – 経済・市況
バラエティ – その他
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音声 : 2/0モード(ステレオ)
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