日曜美術館 アートシーン ▽“ボストン美術館 ミレー”展 ほか 2014.12.07


広大な大地を背に岩に腰を下ろした羊飼いの少女。
糸を紡ぎながら家畜の世話をする農村のありふれた光景です。
「どうして私を描いているの?」と問いかけているような素朴な心情が伝わってきます。
19世紀フランス農民を描き続けたミレー生誕200年を記念した展覧会です。
若きミレーは肖像画家として歩み始めます。
しかし注文は少なく貧しい生活を続けながら絵を描き続けました。
35歳の時新天地を求めて家族と共にパリ郊外にあるバルビゾン村へ移り住みます。
農村の豊かな自然の中で1枚の絵を描き上げます。
代表作…力強く大地を踏み締め労働に励むたくましい農夫の姿。
農家の出身であるミレーは深い共感のまなざしで仕事に打ち込む農民の姿を描きました。
ミレーは高い教養を身につけていました。
「旧約聖書」の1節をモチーフに大作に挑みます。
地主のボアズが身分の低い女性ルツを結婚相手に選び農場に連れてきた場面。
地主の告白に動揺が広がっていきます。
この作品のために50枚もデッサンを重ね完璧な構図を研究しました。
よき父親でもあったミレーは家族の日常を度々絵にしました。
妻が幼い娘に編み物を教えるほほ笑ましい光景です。
6年後に描かれた同じタイトルの作品。
増えた編み針の数が娘の成長を物語っています。
絵は日々の生活の大切な記録でもありました。
最晩年農村の四季をテーマにした連作に取り組みます。
病に倒れ未完に終わりましたが60歳で亡くなるまで労働の尊さを描き続けました。
もしも電気信号を使って他人の体を操作できたら…。
電気で筋肉を操る実験を試みるシンガポール出身のチョイ・カファイ。
人間の体は可能性に満ちた最古のテクノロジーだと考えています。
狂言師野村萬斎を総合アドバイザーに迎え体とアートの新しい表現を探る作品が世界各地から集まりました。
演劇ユニットによる音と映像で体感するアトラクションです。
映像の人物が演じているのはパントマイムかダンスの振り付けでしょうか?近づいてみると…。
「その割には結構ぬれててちょっと滑る感じで歩くのもちょっと気を付けなきゃいけないっていう感じだったんですけど。
そしたら…」。
「だから10分ぐらいたつまではそのまま待ってたんですねスマホ見たりしながら。
でも…」。
視覚と聴覚を切り離す事でふとした動作がおかしく見えてきます。
ブラジルの現代美術家エルネスト・ネト。
布を使ったインスタレーションです。
アマゾンの原住民に伝わる大蛇を祭って踊り明かす儀式に着想を得ています。
曲がりくねった道。
果てしなく続くような感覚に襲われます。
イスラエルの振り付け師ノア・エシュコルの作品「ウォール・カーペット」。
工場から集めた布のはぎれをコラージュしています。
色彩の調和が心地よいリズムを生み出します。
模写を通して日本画の可能性を探究する荒井経。
模写は絵の真実に近づく行為と語る荒井。
近代日本画を切り開いた狩野芳崖の絵を再現する過程で西洋の絵の具が使われている事を明らかにしました。
その研究から創作が生まれます。
江戸時代に西洋からもたらされたプルシャンブルーという顔料。
その美しさを引き立てた風景。
偶然出来るにじみやむらに細かく筆を加えて架空の景色を生み出しています。
切手や葉書などを素材にした作品で知られる太田三郎の展覧会です。
切手に刻まれているのは戦争で親を亡くした人々の顔。
切手は未来にメッセージを発信するツール。
伝えていく事の大切さを静かに訴えています。
東日本大震災のあとに制作した「漂着絵葉書」。
地元岡山の写真を泥水に浸して乾燥させ貼り合わせました。
災害への危機感と失いたくない風景への思いが込められています。
四国に伝わる巡礼の道お遍路。
土佐の仏教文化を通してその風景を体感します。
お遍路はゆくさきざきで仏像に迎えられる祈りの道。
高知県須崎市の集落で守られてきた「大日如来像」。
若々しい表情は鎌倉時代の仏師運慶の長男湛慶によるものとされています。
手の形は一切の煩悩を捨てる強い意志を表しています。
平安時代に造られたとされる「十一面観音」。
いつでも世の中を救えるように下界の全てを見守っています。
韓国の現代美術作家ヂョン・ヨンドゥの世界です。
車の中から映画を鑑賞する…スクリーンに上映されているのは車に乗った観客。
自分自身が映画の主人公になってしまうという作品です。
がれきや廃棄物が積まれた小道。
え〜落ちそう何か。
特殊なゴーグルを通して見えているのは…美しい自然の風景。
進行方向や体の向きに合わせて風景も動きます。
実際にあるものと見たいもの。
そのギャップを考察する実験作です。
2014/12/07(日) 09:45〜10:00
NHKEテレ1大阪
日曜美術館 アートシーン ▽“ボストン美術館 ミレー”展 ほか[字]

「ボストン美術館 ミレー展」(三菱一号館美術館 10月17日〜1月12日)ほか、展覧会情報

詳細情報
番組内容
「ボストン美術館 ミレー展」(三菱一号館美術館 10月17日〜1月12日)ほか、展覧会情報
出演者
【司会】井浦新,伊東敏恵

ジャンル :
趣味/教育 – 音楽・美術・工芸
ドキュメンタリー/教養 – カルチャー・伝統文化
情報/ワイドショー – その他

映像 : 1080i(1125i)、アスペクト比16:9 パンベクトルなし
音声 : 2/0モード(ステレオ)
サンプリングレート : 48kHz

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