年末年始に帰省したら必ず親に確認しよう。将来の介護で後悔しないために聞いておくべき3つのこと
みなさん、こんにちは!
ユリカモメ病院の新人ナースの山下リコです。
あなたは最近実家に帰省していますか?
もし、あなたが実家から離れて暮らしているのであれば、年末年始などの帰省のタイミングは「親に会えるタイミング」。
実はこれから先、親に会えるタイミングって、あなたが思うよりずっと少ないかもしれないって知ってましたか?
たとえば、あなたが社会人で仕事が忙しい場合、実家へはたまにしか帰れない方が多いでしょう。
私の知り合いは、1年のうち「お盆」と「正月」の時しか帰っていないと言っていましたが、それって、よく考えると、1年にたった2回しか親に会えないわけなので、10年のうちで20回しか会えないことになるんですね・・・。
そして、親にとっての10年というのは、肉体的にも精神的にもどんどん老けていく10年なので、久々に親に会うと「あれっ、こんなに老けていたかな・・・」と感じるケースがあったり、あなたがよかれと思ってプレゼントした旅行なんかも、実際には体力が厳しくて、十分楽しめないこともあるんです。
だから、親孝行をするなら、絶対に早いうちが良いんです!
年末年始やお盆休みなどの長期休暇で久々に帰省する方は、このことを覚えておいてくださいね。
さて、そんな親に関する話題で、どうしても避けられないのが「介護」の話題。
今は元気なあなたの親も、将来ずっと元気とは限りません。
年齢を重ねれば重ねるほど、いつ、何が起きるかわからないんです。
だから、親が元気な時こそ、将来の介護に関して考えておきましょう。
特に、親と離れて暮らしている方は、これから先、親に会える回数も限られているので、今からでも少しずつ準備をしておいた方が良いです。
それは親のためでもあり、あなたのためでもあるんです。
というわけで、今回は、「親に聞いておきたい3つのこと」というタイトルで、年末年始の帰省のタイミングだからこそ親に確認しておきたいことをまとめてみました。
将来の「介護準備マニュアル」にもなりますので、ぜひチェックしてくださいね。
確認しておきたいこと その1
親の「かかりつけ医」はいるか?
親の将来を考えると、あなたが一緒に暮らしてあげるのがベストなのですが、仕事の関係などでそうはいかない場合も多いと思います。
もし、あなたが実家から離れて暮らしている場合には、遠隔地から親をサポートしましょう。
その際、重要なのは、親の健康状態にできるだけ気を遣うこと。
・・・とはいえ、親によっては子供に心配をかけさせまいと、自分の健康状態を隠すケースもあります。
なので、親の健康状態をきちんと知るためには、第三者の協力が必要なんです。
そこでオススメしたいのが、病院と一緒になって、親の健康をチェックすることです。
たとえば、「健康診断」を定期的に受けてもらったり、「かかりつけ医」を教えてもらい、何か変わったことがあった場合に連携がとれるようにします。
そのため、実家に帰省した際は以下の二つを確認してください。
- 「最近、健康診断を受けたか?」を確認する
- 「今のかかりつけ医は誰か?」を確認する
もし、親が健康診断を受けているのであれば、可能であればその診断結果を見せてもらいましょう。
また、もし一緒に病院に行くことがあれば、かかりつけ医と顔を合わせておきましょう。
万が一、親が意識不明になって倒れた場合、処置をおこなうには同意書へのサインが必要になります。
その際、かかりつけ医があなたの連絡先を知っていれば、いざという時の連携もスムーズです。
また、かかりつけ医から、親の病歴などを共有してもらうことで、親が将来的にかかる可能性のある病気を知ることもできます。
元気な親ほど、健康診断を定期的に受けてもらった方が良い
親は、今は健康でも、いつどんなことで身体が悪くなるかは分かりません。
そして、病気もせず、ずっと健康だった親ほど、「自分はまだまだ元気!」と言って、健康診断を受けない傾向にあるようです。
また、そういう親は、自分の体調が悪くなっても、隠そうとします。
だから、健康診断は定期的に受けてもらうようにしてください。
健康診断を受けてもらう理由は、自分の身体の状態を客観的に知ってもらうことでもあります。
高齢になると、ちょっとした気の緩みで、寝たきりになってしまうケースもあるので、注意しましょう。
●寝たきりになる原因トップ5
1位 脳卒中(24.1%)
2位 認知症(20.5%)
3位 高齢による衰弱・老衰(13.1%)
4位 関節疾患(10.9%)
5位 骨折・転倒(9.3%)
寝たきりになる原因1位の「脳卒中」ですが、これは高血圧が原因で発症することが多いため、高血圧の予防が大事です。
高血圧を予防するためには生活習慣を見直す必要があり、「飲みすぎ」、「喫煙」、「運動不足」、「肥満」といった原因をつぶしていく必要があります。
もしもの時のために「救急情報シート」を作成しておく
親が倒れた時のために、「救急情報シート」を作成しておいてもらうのも良いでしょう。
「救急情報シート」は「名前や住所」「緊急時の連絡先」「持病」「かかりつけの医療機関」などを記入しておくことで、有事の際、周りの人から迅速にサポートをしてもらうためのシートです。
もし、親が一人暮らしなら、たとえば冷蔵庫の扉など、分かりやすいところに常に貼ってもらうようにすれば、救急隊員などが駆けつけた時にもチェックしてもらえるでしょう。
確認しておきたいこと その2
近所で仲の良い人はいるか?
親が高齢になってくると「認知症」の不安も出てきます。
認知症とは、さまざまな原因で脳の細胞の働きが悪くなることで、記憶や判断力の低下が起こる症状を指します。
認知症がひどくなると、子供であるあなたのことを他人と感じるようになったり、街を意味なく徘徊するようになります。
また、知覚や嗅覚などの感覚が低下すると、料理の味付けなどが上手にできなくなるため、料理の味が変わったりもします。
そうなると、たとえば、いつも美味しかった母親の卵焼きが食べれなくなる可能性があるんです。
そうならないためには、認知症を早期に発見し、早くから治療を開始する必要があります。
実は認知症の中には、脳外科的な処置で劇的に良くなる場合や、甲状腺ホルモン異常の場合は、内科的な治療で改善するケースがあるからです。
そのほか、普段服用している薬が原因となるケースもあり、その場合は、薬の服用をやめるか調整すれば改善します。
ただ、それらの治療も、早期に開始しないと意味がないため、認知症の症状が出始めたタイミングを知ることが大事です。
とはいえ、実家から離れている場合は、親の行動をずっとチェックできません。
そのため、次のような対策を練ると良いでしょう。
- 「近所で仲の良い人がいるかどうか?」を確認する
- 「行きつけのお店があるかどうか?」を確認する
自分がおかしくなったかどうかは自分では判断できませんから、親をよく知る周りの人に、親の様子を定期的に確認することが大事です。
近所で仲が良い人がいるのであれば、帰省時の挨拶を兼ねて、さりげなく親の様子を聞いたりすると良いでしょう。
「遠くの親戚より近くの他人」という言葉もあります。
親の近くにいる方と仲良くなっておくことは、いざというときのために大切です。
親には定期的に電話しよう!
あなたから親に定期的に電話をすることもオススメです。
たとえ年に数回しか会えなくても、電話であれば、いつでもやりとりできますよね。
親は子供の声が聞けるだけでも幸せなんです。
LINEなどの便利なメッセンジャーアプリもありますが、あなたの声を聞いてもらう意味で、積極的に電話をしましょう。
そして、その際、記憶障害が起きていないかを確認するため、少し昔の話題を話に出したりすると良いでしょう。
また、同じことを何度も話していないか?ということもチェックしておきましょう。
もし、「あれ、また同じことを話してる・・・」という場合は、認知症の恐れがあるかもしれません。
「アルツハイマー型認知症」について
認知症の中には「アルツハイマー型認知症」という病気もあります。
「アルツハイマー」というのは、認知症を引き起こす病気の一つで、脳の神経細胞が変性することで脳が萎縮し、段々と痴呆が出る病気のことです。
脳が萎縮すると、元々1,400グラムあった脳の重量が、800グラムほどになるともいわれています。
この減った重量の中には、記憶を司る物質なども含まれているため、痴呆につながるんです。
アルツハイマーには「若年性アルツハイマー」という種類もあり、これは45歳以上の方がかかる病気で、けっして高齢の方だけにかかる病気ではありません。
そのため、親が高齢じゃないからといって、安心するのは危ないのです。
世の中には、若年性アルツハイマーにかかった親と暮らす人たちもいます。
ここで、先日テレビでも紹介されていた「若年性アルツハイマーの母と生きる」というブログを紹介したいと思います。
このブログはフリーアナウンサーの陽子さんが、若年性アルツハイマー型認知症にかかったお母さんと一緒に、10年以上病気と向き合ってきた日々が綴られたブログです。
とても心を打つ内容なので、すべての人に読んでもらいたいです。
それは・・・小さな物忘れからはじまりました。
母を襲った若年性アルツハイマー病。
たとえボケても母は母。
大好きな母ドキドキ。子育てを終えて、これからのんびり過ごせるというタイミングで始まった母の物忘れ。
当時、55歳。パートを辞めて、カラオケスクールに通ったり、ジムに通ったりと趣味の活動を広げてみたものの、物忘れは一向に良くならず、娘に付き添われ「ものわすれ外来」を受診し、アルツハイマー型の“軽度認知障害・MCI”と診断された。
治療薬がないこと、進行することが医師から伝えられた。
あの日の帰り道に2人で大泣きしてからもう10年。。。
母は現在、父と別居し、娘・陽子のマンションで暮らしている。
要介護3。
重度のアルツハイマー型認知症へと進行。毎日泣いたり笑ったり、本当に大変だよ介護は・・・
でも、もう少し一緒にいようね。娘・陽子が闘病日記を書き綴ります。
引用元:若年性アルツハイマーの母と生きる
確認しておきたいこと その3
「家系図」はあるか?
親が倒れると、親戚の方にも連絡する必要があります。
普段連絡をとっているのであれば問題はないのですが、もし、ほとんど連絡をとらないという方は、親戚のリストをつくっておくと良いでしょう。
「家系図」というと大袈裟かもしれませんが、誰とどういう関係なのか?を知っておくことは大事です。
どんな親戚がいるかを知っておけば、有事の際、親戚を語った詐欺に遭うこともありません。
親が倒れてからでは遅いので、帰省時に、親戚の情報について聞いておくと良いでしょう。
いかがでしょうか?
自分の親を守るためにも、年末年始に帰省した際には、今回ご紹介した三つのことを確認してみてくださいね。
あ、そうそう、最近では「見守り家電」という、親が元気かどうかを確認してくれる家電が人気のようです。
例えば、ポットの見守り家電なら、1日2回ポットの使用状況をメールでお知らせしてくれたりします。
こういった家電を親にプレゼントするのも良いですね。
私、今回の記事で、なんだか、年末年始は両親に優しくしたいな・・・って思いました。
そうね。
社会人になったら、今度は子供が親に恩返しする番だからね。
でも、実家に戻るたび、うちのお父さんは「彼氏はまだか、彼氏はまだか」ってうるさくて・・・。
だからあまり実家に帰りたくない気持ちもあって・・・。
あら~、じゃあ、中村君に頼んで、一緒に帰ればいいじゃない。
ほ・・・ほわわわわわわ!!!
な、中村君とはそういうのじゃ・・・ない・・・です・・・。
ウフフ。
あら~、そうなの~。
ま、どちらにしても、リコちゃんに恋人ができたら、きっとお父さん泣いちゃうわよ~。
へっ!?
な、なんでですか?
「彼氏作れ」といいつつ、本当は娘に彼氏なんて作ってほしくないのが、父親の本音よ。
だって、「父親は娘に永遠に片思い」って言葉もあるんだから。
「父親は娘に永遠に片思い」・・・。
だから、実家に戻ったときは、肩くらい揉んであげてね。
はい・・・!
今、介護の世界ではたくさんのナースが頑張っています。
看護師の求人サイト「ナースフル」では、介護施設で働きたいナースの求人も特集されています。介護の現場では人手不足が深刻なんです。
そんな介護の業界は、今もっとも医療技術の進化がめざましい業界でもあります。
たとえば、介護を助けるロボットなども、続々開発されているんです。
人口における高齢者の割合がどんどん増えていく中(2014年現在、65歳以上の人は、全人口の1/4にも達しています)、介護をする側の負担を減らすことも課題になっています。