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笑うポルノ、ヌケるコメディ
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2006/05/13 ~ 2006/06/02
男優帝国・東映のピンキーバイオレンスと、女優王国・日活のロマン・ポルノとが、お笑い頂上決戦で火花を散らし、そこに他社ピンクも参入しての大乱戦!
『エロ将軍と二十一人の愛妾』や『性と愛のコリーダ』などの注目の対戦カードを含む、見逃せない17作品。
『エロ将軍と二十一人の愛妾』-
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公開:
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1972年
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監督:
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鈴木則文
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主演:
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池玲子、渡辺やよい、三原葉子、女屋実和子
当初のタイトルには「エロ」はついていなかったのを、現タイトルにしたのは、やはり岡田茂撮影所長の一言。にっかつにも出来ない、ましてや東宝には絶対出来ない、東映という会社のカラーが見事に出たエピソード。本編も、まったくエピソード負けしていない大傑作である。
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『性と愛のコリーダ』-
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公開:
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1977年
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監督:
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小沼勝
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主演:
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八城夏子、小川亜佐美、坂本長利、本田博太郎、宮井えりな、片桐夕子、谷ナオミ
谷ナオミが本人を演じる、この「メタロマンポルノ」の怪作は、全編パロディの連続。にっかつロマンポルノは70分前後の作品が主流だが、この作品の86分は「ロマンポルノ大作」と称されたという、ウソのようなホントの話。鬼才小沼勝の撮った数少ないコメディの珍品。
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『温泉みみず芸者』-
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公開:
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1971年
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監督:
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鈴木則文
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主演:
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池玲子、松井康子、杉本美樹、女屋実和子
ピンク路線に舵をきった東映京都撮影所長(当時)岡田茂みずからが命名した、このあまりにも分かりやすすぎる(?)映画タイトルを、実際の映画にまでもっていくには、鈴木則文のメガホンしかありえない!隠れた巨匠ソクブンのキツーイ一発を受けとめよ。
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『花と蛇』-
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公開:
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1973年
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監督:
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小沼勝
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主演:
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谷ナオミ、坂本長利、石津康彦、藤ひろ子、あべ聖、八代康二、高橋明
団鬼六の原作を得て繰り広げられるSMプレイの世界。マザコン男と「女王」谷ナオミを主人公にして、原作を戯画化した小沼ワールドの勝利。「僕の映画では劇場で観客が笑っているのをみたのは、これだけ」という小沼監督の談話を、今こそ確認しよう。
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『玉割り人ゆき』-
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公開:
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1975年
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監督:
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牧口雄二
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主演:
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潤ますみ、森崎由紀、大下哲夫、川谷拓三
昭和初期の京都島原の遊郭を舞台に、娼妓にセックステクニックを教え込む「玉割り人」を生業とするゆきの物語。とりたてて「お笑い」の要素はないものの、随所に見られる極端な暴力描写は、東映ピンク路線の破天荒な勢いを感じさせて、それはそれでおかしいのである。
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『喜劇 特出しヒモ天国』-
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公開:
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1975年
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監督:
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森崎東
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主演:
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山城新伍、池玲子、芹明香、カルーセル麻紀、絵沢萠子、川谷拓三、殿山泰司
森崎東が東映に残した唯一の珍品。京都のストリップ劇場を舞台にした、森崎流の、強い女とか弱い男の「女生きてます」物語。なぜだかカメオ出演の、名和宏、渡瀬恒彦、深作欣二、工藤栄一という東映オールスターズの面々にも注目!
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『徳川女刑罰絵巻 牛裂きの刑』-
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公開:
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1976年
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監督:
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牧口雄二
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主演:
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風戸佑介、内村レナ、汐路章、岩尾正隆、川谷拓三
この作品もまた、エロというよりはグロの祭典。キリシタン弾圧や遊郭からの足抜けを口実として繰り広げられる拷問の数々。女優陣より男優陣がにぎやかな東映ピンク路線を象徴するかのように、拓ボンが責めまくられ、汐路が犯しまくる!
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『嗚呼!!花の応援団』-
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公開:
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1976年
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監督:
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曽根中生
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主演:
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今井均、香田修、深見博、宮下順子、水原ゆう紀
ケンカにゃ強いが女にゃダラシないという、この極度に「東映的」などおくまんの同名原作を得て、にっかつのエース曽根中生はいかにこれと渡り合ったのか?翌年には坂口安吾原作の『不連続殺人事件』をもものする曽根の、これは異文化へのチャレンジ編なのか。
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『大奥浮世風呂』-
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公開:
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1977年
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監督:
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関本郁夫
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主演:
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松田暎子、ひろみ麻耶、渡辺とく子、風戸佑介、汐路章、志賀勝
東映お得意の大奥エロス物。集団プレイ、怪僧の暗躍、同性愛などが入り乱れる大奥を、悪党面の志賀勝が泳ぎまわる。この手の男優を投入できるのが東映ピンク路線の強み。加藤泰映画でおなじみの汐路章も、東映ピンク路線では、さらに異様にスケールアップして観客に迫る!
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『Mr. ジレンマン 色情狂い』-
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公開:
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1979年
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監督:
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小沼勝
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主演:
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柄本明、橘雪子、朝霧友香、高田純次、ベンガル、小川亜佐美
小沼勝が『性と愛のコリーダ』に続いて放つドタバタ喜劇の傑作。柄本明演じる小市民的サラリーマンが「スーパーマン願望」を抱いて、Mr.ジレンマンに変身するに至るが…。笠太郎の漫画を原作に、このマンガ的世界を高田純次やベンガルなどの助演陣が高らかにサポート。
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『朝はダメよ!』-
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公開:
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1980年
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監督:
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根岸吉太郎
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主演:
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鹿沼えり、江崎和代、大崎裕子、小松方正、堀礼文
鹿沼えり演じる、自由奔放なセックスを追及するキャリアウーマンを皮肉った、根岸吉太郎の第6作。女優王国であったロマンポルノにっかつの考えそうなヒロイン像を、鹿沼えりが好演している。
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『快楽学園 禁じられた遊び』-
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公開:
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1980年
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監督:
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神代辰巳
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主演:
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太田あや子、北原理絵、宮下順子、小川亜佐美、山科ゆり、江角英
数ある神代辰巳の名作群の中に埋没しがちだが、後期にっかつロマンポルノを代表する傑作のひとつ。ひさうちみちおの漫画を原作とした本作での神代演出は、スピーディかつドラスティックで、停滞感やアンニュイにあふれるいつもの神代調とは異なる、新生面を見せた異色作。
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『キャバレー日記』-
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公開:
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1982年
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監督:
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根岸吉太郎
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主演:
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竹井みどり、伊藤克信、上田耕一、北見俊之、青山恭子
78年デビューの根岸吉太郎のにっかつロマンポルノ最後の作品。軍隊調で売上向上にいそしむキャバレー店の日常を、ドライなタッチで活写する。「滑舌の悪い」伊藤克信演じるキャバレー店員の怪演がみどころ。
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『(本)噂のストリッパー』-
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公開:
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1982年
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監督:
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森田芳光
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主演:
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岡本かおり、三崎奈美、宮脇康之、太田あや子、上野淳
往年の人気子役「ケーキ屋ケンちゃん」こと宮脇康之が、童顔のままにロマンポルノに初出演。純朴青年がアイドル派ストリッパーに寄せるシリアスな思いを、しかし森田芳光が撮るとスッと交わして軽味を帯びる、異色青春ポルノ。
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『神田川淫乱戦争』-
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公開:
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1983年
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監督:
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黒沢清
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主演:
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麻生うさぎ、浅野真琴、岸野萌圓、沢木ミミ、森太達也、周防正行
『School Days』や『しがらみ学園』などの自主制作映画で名を馳せていた学生監督、黒沢清の、輝かしき商業映画デビュー作。助監督に、水谷俊之、周防正行、塩田明彦の3名が名を連ねているのも、歴史を感じさせる。神田川をはさんだ2つの家を舞台にアナーキーな物語が炸裂する。
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『痴漢電車 下着検札』-
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公開:
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1984年
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監督:
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滝田洋二郎
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主演:
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竹村裕佳、風かおる、雅セリナ、木村和美、螢雪次郎、中山光男、竹中ナオト、周知安
滝田洋二郎の初期の代表作「痴漢電車」シリーズから、竹中直人の怪演もなつかしい本作(後に『痴漢電車 朝の悦しみ』に改題)は、「マルタの鷹」よろしく、とある「お宝」の奪い合いを軸に展開するのだが…。チープさの魅力炸裂の一編。
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『変態家族・兄貴の嫁さん』-
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公開:
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1984年
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監督:
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周防正行
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主演:
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風かおる、山地美貴、麻生うさぎ、大杉漣、下元史朗
小津の映画世界を舞台にポルノを作るという発想に、当時の映画ファン達は、度肝を抜かれると同時に「あぁ、その手もアリだ」と思ったものだった。スタジオシステムの崩壊なくしては出てこなかった新たな才能の登場の予感は、数年後の『Shall weダンス?』で証明されたというべきか。
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上映予定作品一覧(全17本)
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2006/05/13 ~ 2006/06/02
『エロ将軍と二十一人の愛妾』
『性と愛のコリーダ』
『温泉みみず芸者』
『花と蛇』
『玉割り人ゆき』
『喜劇 特出しヒモ天国』
『徳川女刑罰絵巻 牛裂きの刑』
『嗚呼!!花の応援団』
『大奥浮世風呂』
『Mr. ジレンマン 色情狂い』
『朝はダメよ!』
『快楽学園 禁じられた遊び』
『キャバレー日記』
『(本)噂のストリッパー』
『神田川淫乱戦争』
『痴漢電車 下着検札』
『変態家族・兄貴の嫁さん』
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2014/11/13
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2014/11/08
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2014/10/28
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2014/10/28
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2014/10/20
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2014/10/07
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2014/09/26
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2014/09/22
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2014/09/07
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2014/09/04
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