オイコノミア ぎゅっ!とオイコノミア「経済学で“断捨離”しよう!」 2014.12.23


(テーマ音楽)「又吉捨てられないギャラリー」。
こんにちは。
こんにちは。
又吉さんこれ何なんですか?これはですね僕の捨てたくても捨てられないモノを集めたギャラリーなんですよ。
へ〜。
これは古着屋で見つけて買ったんですけどかぶってみるとこれをかぶっていいタイミングが一つもなかったと。
そうでしょうね。
はい。
「ぎゅっと!オイコノミア」。
これまでに放送したテーマをぎゅっと一本に濃縮してお送りします。
今回のテーマは「捨てる」。
経済学を使えばなかなか捨てられなかったモノが次々と捨てられ断捨離ができるというのですが…又吉さん大丈夫?カバンも全然捨てれないんですよ。
これなんて上京する時に持ってきたカバンですね。
もう絶対使わないでしょう多分。
もう使わないですね。
これは靴ですね。
靴なんですけど高校3年生の時に結構高かったんですよ。
これは僕が22歳ぐらいの時買ったソファーで。
え〜これが10年以上は使っている僕のソファーです。
捨てられません。
自宅には他にも捨てられないモノがあるんです。
いろいろな過去のネタ帳やノートが入っている箱ですね。
まあ眼鏡関係があったりだとか…。
これ何ですか?これは山姥セットですね。
こう…。
こうかぶってこれをこう持つわけですね。
結構怖いですね。
アハハハ!山姥になると。
又吉さんこんなにたくさんのモノ持ってらっしゃいますけど実は私もそういう捨てられないモノ持ってきたんですよ。
先生もあるんですね。
あるんですよ。
こういう3.5インチのフロッピーディスクとか。
懐かしいですね。
こういうのもあるんですよ。
何ですか?これは。
誰ですか?これ。
私ですよ。
えっ!?横にいるの妻なんですけど。
何のTシャツなんですか?これ。
22年前奥様とロサンゼルスのテーマパークで作ったTシャツ。
ちなみに一度も着ていないそうです。
ですよね。
なかなか私たち捨てられないという事はね行動経済学から言ってもそもそも人間というのはモノを捨てられないというふうに考えられてるんですよね。
あっそうなんですか。
はい。
ちょっと実験してみましょうか。
はい。
ここにマグカップがあります。
又吉さんこのマグカッププレゼントします。
実はこれ人がなかなかモノを捨てられない理由を説明する経済学の実験なんです。
どんな実験なんでしょうか?まず2つのグループに分けます。
Aグループに手渡さない状態でマグカップか同じ価値のお金かどちらかもらえる場合お金ならいくらになるか金額を聞きます。
Bグループにはマグカップをプレゼントします。
そしてマグカップの代わりに同じ価値のお金がもらえるならいくらになるか金額を聞きます。
マグカップをもらわない場合ともらう場合で感じる価値にどのような違いが生じるのでしょうか?実際に街の人たちに協力してもらって調べてみました。
まずはカップを見せるだけのAグループから。
(取材者)これ大体いくらぐらいもらえると…?マグカップを見せるだけの…ほんとですか?やった〜!次はマグカップをプレゼントするBグループ。
これですか?え〜?マグカップをプレゼントした…マグカップをプレゼントされたグループの方が100円以上高い価値を感じていました。
こういうの「保有バイアス」の実験なんですよね。
私たちは一度手にしたモノというのはそれに愛着を持ってしまってより高い価値があるというふうに感じるんですね。
それによって人はなかなかモノが手放せなくなるのです。
今ある中でですね買った時高かったからその金額がもったいないんで捨てられないモノはないですか?何の変哲もないこのソファー。
今から10年前売れない時代の又吉さんが3万円以上もつぎ込んで買ったモノなんです。
家賃2万5,000円のとこ住んでたんですよ。
家賃より高かったんですよね。
何もないけどこの3万なんぼのソファーだけは誇れるぞと。
それがもったいなくて捨てられないという気持ちですね。
だけどねそれを持ってても捨ててもそのお金が戻ってこない事には変わりないですよね。
だからいくらかかったかという事はもう判断の基準にしなくていいんですよ。
へ〜。
その買った時に支払ったお金というのは「サンクコスト」というんですよ。
はい。
「覆水盆に返らず」って事ですよね。
今度ソファーを捨てたらどうなるかという事を考えてみましょうよ。
「機会費用」という考え方が大事なんです。
又吉さんがソファーを捨てていたらどんな利益があったのでしょうか。
あのソファー又吉さんの部屋のかなりのスペースとってますよね。
まあ1畳ぐらいですね。
仮に又吉さんが20畳の部屋を毎月10万円の家賃で借りていたとします。
すると1畳分のソファーを置くために毎月家賃の20分の1にあたる5,000円を支払っていた事になります。
もしソファーを捨てていれば毎月の家賃が5,000円安い部屋に住む事もできたのです。
そうすると1年でいくらになりますかね?6万円ぐらいですか。
6万円ですよね。
それで10年間。
60万円。
60万円ですよ。
あのソファーを持ち続けてた機会費用は60万円なんですよ。
へ〜!ちょっと知りたくなかったですね。
ハハハ!この先も持ってると更にどんどん…。
あと10年で全体で120万円になるわけでしょ。
やっぱり捨てます?捨てるかあのソファーがすごいしっくりくる部屋に引っ越すかですね。
アハハハハ!そうはいっても捨てる事って難しいですよね。
同じ悩みを抱える主婦を訪ねて捨てられないモノを見せてもらいました。
こちらは食器棚なんですけど料理本が…いろんなお料理が載ってるので捨てられない。
「捨てた方がいいですよ」と言いたいんですけど僕も捨てれないので。
フフフッ。
そして極めつけのモノが…。
これは…。
あっ!23年前に買ったんですね。
ただこれ結婚が決まって結納する時に着ようと思って買った洋服なんです。
おいくらしたんですか?当時。
15万ぐらいしたんです。
うん捨てなくていいですよ。
このままでは何も捨てられな〜い!捨てるプロを招いて指導してもらいましょう。
失礼します。
こんにちは。
こんにちは。
やましたさんの指導を経済学の視点から見ていきます。
そもそもなんですけど何となくは分かってるんですけど「断捨離」というのはどういう意味なんですか?「私たちの心の中にある執着心を断ってみませんか?捨ててみませんか?離していきませんか?」というそういう教えなんですよね。
「断捨離」はもともと仏教用語。
こちらは結納の時に着られてた思い出の洋服らしいんですけどこういうのはやっぱり捨てれないですよね。
こう思いません?高かったし捨てられない。
まさにそうです。
高かったのはいつ?25年前。
そうでしょ。
今は?今の使用頻度は?ゼロです。
つまり私たちは今のゼロに気が付かず過去の商品価値未来の使用頻度つまり未来の商品価値かもしれませんよね。
それに執着してませんか?という話なんです。
なるほど。
これは経済学の「サンクコスト」。
過去に支払った費用は戻ってこないから考えてもムダ。
気になるようなモノは実はハードルが高いのでこれはずっとずっと後回し。
あっよかった。
じゃあ今日はね空間を限定してみましょうね。
この空間という事でまず空間全体を見るわけですよね。
でねこの空間の中でこの子たちが心地よく暮らせる量はどれだけだろうってまず自分で想定するわけです。
この料理本の何冊かは多分何年も見てないと思うんですね。
場所を決めたらまずは入っているモノを全部出す事から始めます。
そんなすぐ決断できないです私。
私は見えない収納でどれだけモノを入れられるかって考えた時にねマックス7割にしてるんです。
だからここ全体も7割が総量規制。
残り3割はモノの通り道。
これは「機会費用」の考え方。
要る要らないはどうやって?自分でやってくだけ。
いや要ると思うんですこれ。
これも要る。
要ります?ほんとに。
もうこれ13年も前の…でも「すき焼きおでん」なんです。
すき焼きおでんを何か物を見なきゃできないような自分?じゃないですよね。
自分自身に自信を持って!これなくてもいいかな。
じゃあなしで。
はい。
これは随分見てたので…。
それはいつ?子供がちっちゃかった時。
今お子さんは?もう高校生です。
すごい減った。
半分になりましたもんね。
そうですね。
残った本を戻してみると…。
(やました)はいこんな感じ。
あっ!スッキリしましたね。
ここにモノを入れない方がいいって事なんですね。
何を捨てるべきか?サンクコストと機会費用で考えると断捨離もどんどん進み…。
見て下さい!こんなにスッキリ!埋もれていた大切なモノがよみがえってくるのです。
オウビューティフル!どうですかね捨てられそうですか?何か。
ちょっと考えます。
やっぱりソファーですよ。
何かソファーが泣いてるように見えてきましたよ。
普通ね私たち商品とか財というモノ英語で何というか知ってます?「Goods」ですよね。
Goodsですよね。
実は経済学では「Bads」と言われるモノもあるんですよ。
Bads。
悪いモノ。
そう。
Badsというのは誰も欲しがってくれる人がいないと。
だから逆に相手に渡すためにはお金を払ってモノと一緒にお金も払ってあげないと駄目だと。
ふだん私たちがお金を払って手に入れるモノ。
経済学ではこれを「Goods」と呼びます。
逆に相手に渡すのにお金を払うモノを「Bads」と呼びます。
つまり捨てる時にお金がかかるモノです。
粗大ゴミとかはそうですよね。
テレビとか冷蔵庫なんかの家電というのは処分する時にお金がかかる。
かかりますね。
テレビエアコン冷蔵庫洗濯機に対して支払う家電リサイクル料金。
今は家電の購入時に支払う事が多くなっています。
えっ!?大型の冷蔵庫だと4,968円!結構しますねぇ。
この4,968円。
どこでどんなふうに使われるのか考えた事あります?考えた事ないです。
それでは又吉さんが冷蔵庫を処分する場合を考えてみましょう。
まずは小売店にリサイクル料金とは別に「収集・運搬料金」を払って冷蔵庫を引き取ってもらいます。
冷蔵庫は小売店によってメーカー指定の取引所に運ばれ更に振り分けられて最終的にリサイクルプラントに運ばれます。
又吉さんが支払った家電リサイクル料金。
その大部分が使われているのがリサイクルプラントなんです。
一体どんなふうに使われているの?という事で又吉さんによる潜入調査開始!おはようございます。
よろしくお願いします。
よろしくお願いいたします。
冷蔵庫のリサイクルを見てみます。
あの冷蔵庫の満載したトラックが来ておりますけどもこの時期ですと例えば…1か月ぐらいで?1日です。
えっ1日に?1日です。
この工場に運ばれてくる冷蔵庫だけで1日700〜800台!まずは冷蔵庫の前と後ろから同時に大きな部品を外していきます。
全部手作業です。
流れてきました。
部品を外された冷蔵庫。
次なる行き先は…?なに!?冷蔵庫破砕機!中に入っていく冷蔵庫の運命はいかに?うわっすごい!いやほんと数秒で粉々になりましたね。
変わり果てた姿になった冷蔵庫…。
バラバラになった破片から磁石で鉄だけを選別します。
更に鉄以外の金属とプラスチックを分けます。
プラスチックは手前に落とし銅やアルミニウムは奥へと飛ばすスゴ技。
こうして要らなくなった冷蔵庫は30種類の素材ごとに回収されて新しい資源としてよみがえるのです。
冷蔵庫でどれくらいのリサイクル率なんですかね?大体…えっ?残りほぼ15%は燃料。
主にはウレタンなどですけども燃料として活用されてます。
へ〜。
これだけリサイクル見せて頂いたら5,000円近くそれはするやろうなと思いました。
はいおっしゃるとおりです。
実は日本のリサイクル技術は世界最高水準。
海外からも視察が来るほどなのです。
今ねその環境問題の面からいろんな方法でBadsを減らす方法が考えられてますよね。
面白いのはそのBadsというのはずっとBadsのままでなくて技術が変わるとGoodsに変わる事があるんですよ。
へ〜。
例えば入れ歯というのがあるんですよ。
入れ歯?はい。
なんと入れ歯はBadsからGoodsに生まれ変わっているんです。
これまで入れ歯は持ち主が亡くなると使い道がなくて遺族も処分に困ってたんですよね。
でも入れ歯には金銀プラチナパラジウムが含まれてますから入れ歯が数十万〜数百万の資産になる事もあるんですよ。
なるほど。
入れ歯に使われている金やプラチナといった貴金属。
これらの精製技術が進歩した事で入れ歯はBadsからGoodsに。
キラン!技術の進歩でBadsをGoodsに変える事ができるんですが技術は変わんなくてもミスマッチを減らすという事ができるんですね。
例えば又吉さんが要らなくなったモノでもどこかに欲しいと思う人がいるかもしれないじゃないですか。
そしたらGoodsになると。
そう。
その人にとって要らないモノが又吉さんにとって欲しいモノだというケースもあるかもしれない。
そうすると交換できると。
はい。
だけどお互いBadsとGoodsの人を探し出して交換するというのはなかなかマッチさせるの難しいですよね。
そうですね。
だけど今ならねうまくマッチさせる方法というのがインターネット上で作られてるんですよね。
インターネットの物々交換のサイト。
オークションのようにお金で取り引きするのではなく自分のモノと気に入ったモノを交換するんです。
又吉さんも捨てられないモノを登録してみました。
二十歳の時恋人からもらった思い出のコートも果たして交換できるのでしょうか?インターネットの物々交換サイトにいくつか登録してみたので見てみたいと思います。
マイトレードですね。
あっ1個来てますねオファーが。
又吉さんのコートに交換希望のオファーが!相手のモノはどんなモノ?これはこれと交換しようという事ですね。
相手もやっぱりコート!う〜んちょっと似たようなね…。
僕のはファー付いてるんですけどこれは付いてないんですよね。
季節的な事を考えるとねそうですね思い入れプラスその…防寒性ですね。
能力の高さは昔やっぱり感じてるので。
ちょっともうちょっと考えたいですね。
はい。
もう…気が済むまで考えて。
ねぇ。
又吉さん捨てられるようになりましたか?いや〜ちょっと即決はできないですね。
ではねとりあえず私と物々交換でもしませんか?なるほど。
やっぱり先生僕のソファー狙ってたんですね。
違うんですよ。
ソファー違うんですか?何が気になってたんですか?私ねこの変な帽子。
ハハハッ。
帽子ですか?これどうですか?似合いますよ先生。
じゃあやっぱり又吉さんにもらってもらうのはこれでしょうね。
どうですか?このTシャツ僕もねちょっと気になってたんですよ。
なかなか着るタイミングがなさそうですけど。
うんこれで。
はい。
あっお互い似合ってますね。
似合ってますよ。
皆さん親のことを重たいと感じたことはありますか?2014/12/23(火) 00:00〜00:25
NHKEテレ1大阪
オイコノミア ぎゅっ!とオイコノミア「経済学で“断捨離”しよう!」[字][再]

さあ年末。大掃除をしてスッキリと新年を迎えたいもの。ところがモノが捨てられないとお悩みの方も多いはず。でも経済学を使えば、きれいサッパリ断捨離できるはず!!

詳細情報
番組内容
実は又吉さん、モノが捨てられずに困っているという。特に10年以上前に買ったソファ、ぼろぼろで使わなくなっているにも関わらず、当時、奮発して買ったため、愛着があるのだとか。しかし経済学で考えると捨ててしまったほうが得。その分部屋が狭くなってしまうからだ。また、当時は高価だったからといっても、一度支払ったお金はどうしたって戻ってこない。これは経済学でいう「サンクコスト」にあたる。
出演者
【出演】又吉直樹,【解説】大阪大学教授…大竹文雄,【語り】朴ろ美

ジャンル :
情報/ワイドショー – 暮らし・住まい

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音声 : 2/0モード(ステレオ)
サンプリングレート : 48kHz

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