人生デザイン U−29「農業法人 社員」 2014.12.22


(三線)今回のU−29の舞台は…この地で幸せな新婚生活を送る男がいる。
小田哲也さん29歳。
愛する彼女を追いかけてふるさと滋賀県から移住してきた。
就職したのは彼女と同じ…そしてその会社の社長は彼女のお父さんだった!
(宮城)「こういう事です」っていう事で挨拶回りをして…。
職場も一緒なら…。
あ〜もうすまんのう。
食べる前から。
プライベートも一緒。
そして結婚の条件は一人前の経営者になって会社を継ぐ事。
そんな小田さんに社運をかけた一大プロジェクトが任された。
10トンのインゲンを売り込め!愛する妻との生活を守るためこの試練を乗り切る事ができるのか!?小田さんが暮らすのは沖縄本島南部ののどかな農業の町。
出勤時間は朝7時。
待っていたのは…。
(鶏の鳴き声)8,000羽の鶏。
毎朝の卵拾いが小田さんたちの日課となっている。
ここでは鶏は全て放し飼い。
健康な鶏においしい卵を産んでもらうためだ。
(小田)なんかもうちょっと恐る恐るっていうような感じで。
この養鶏場を始めたのが義理の父である宮城社長。
はいおはよう。
こだわりの卵が評判となり1日6,000個が完売する。
地元ではちょっとした有名社長だ。
東京の大学を卒業後沖縄に戻った宮城社長。
地元に産業を作りたいと一代で会社を築き上げた。
今では養鶏以外にも事業を拡大中だ。
沖縄の農業を盛り上げようと有機栽培や無農薬にこだわった野菜を地元の農家から買い付け県内のスーパーや飲食店に販売している。
小田さんは職場で一番の若手だが経営者候補として野菜部門のリーダーを任されている。
あっおはようございます。
午後は契約農家を回り野菜の育ち具合を確認する。
この日訪ねたのはショウガ農家。
出荷直前だったショウガが台風の被害で枯れてしまっていた。
今年は台風が相次ぎ野菜の品薄が続いている。
小田さんは一部切り取って買い取る事にした。
農家も廃棄せずに済みお互い助かった。
滋賀県出身の小田さんが沖縄にやって来たのは5年前。
そのきっかけは…。
どうもただいま。
妻の彩乃さんの存在。
去年結婚し来年子どもが生まれる。
もともとは研究者を目指し大学院でレタスの遺伝子について研究していた小田さん。
実際に農業をやりたいと卒業後ドイツの農場へ留学をした。
その時出会ったのが沖縄出身の彩乃さん。
実家の農園で働くためにスイスに留学していたのだ。
国境を越えて暮らす彩乃さんのハートをつかむため必死にアプローチしたらしい。
(彩乃)開けたら…なかなか凝った事するんだね〜。
コノコノ〜!まだあるけど。
まだあんの!?あるよ〜。
あるよ〜ちゃんと。
ロケットに入った小田君が…っていう顔。
ウフフフ!ヨーロッパ各地を旅行した時に将来を誓った2人。
帰国後実家に戻る彩乃さんを追いかけて小田さんは沖縄へ移住した。
しかし沖縄で待っていたのは彩乃さんのお父さん!結婚の条件は一人前の経営者になる事だった!
(宮城)あそこ行きつつ…突如農園の跡継ぎ候補になった小田さん。
職場では一瞬たりとも気を抜く事ができない。
そして夜になっても…。
週に一度は義理の両親と食事。
楽しい家族の食事の場なんだけど…。
(宮城)あ〜っ!フフフフフ!そして…。
いつの間にか仕事の話しになってしまう。
最初の時は…こりゃ意外と大変だ。
お疲れさまです。
この日宮城社長が野菜の担当者を集めた。
夏場の台風被害を挽回するため冬野菜の販売について緊急で話し合いたいという。
沖縄は冬場他県で品薄になるインゲンの一大産地。
高値での取り引きが期待できるため社長は農家から大量購入を決めていた。
インゲンの出荷が始まるのは1か月後。
それまでに新たな売り先を探さなければならない。
大量にさばくため一番重要な「沖縄県外への売り込み」を託された。
やっぱり…もうかなり不安です。
ハッキリ言って。
早速小田さんが動き出した。
社長が決めたインゲンの購入量は去年の10倍10トン。
およそ1,000万円相当だ。
お世話になります。
私宮城農園の小田ですけれども。
今までのつてを頼りに県外の卸問屋に購入をお願いしてみるものの…。
えっと…少々お待ち下さい。
あっそうですねえっと〜…はい。
ありがとうございま〜す。
「現物なしでは判断できない」と断られてしまった。
(携帯電話をたたむ音)インゲンの出荷は1か月後。
しかしモノが出てから営業したのでは10トンはさばききれない。
経営者には欠かせない営業力。
その手腕が試される!小田さん乗り切れるか?そんな小田さんの収入と支出。
生まれてくる子どものために月々2万5千円貯金している。
そしてこちらが一週間スケジュール。
仕事は週6日だが農業に休みはない。
休日に農家を訪ねる事もある。
唯一の趣味の時間は土曜の夜。
車で片道1時間かけて通う趣味。
それは…。
パスをつなぎ相手陣地までフリスビーを持ち込んで得点を競う。
スポーツ好きの小田さん。
知り合いのいない沖縄で同世代の友達がほしいとこのチームに入った。
小田さんナイスキャッチ!仕事の時より断然生き生きして見えるんですけど!あしたお休み。
(一同)お〜!よし!きょうは飲みに行くか!
(笑い声)
(彩乃)あ〜煙い!インゲンの営業を始めて1週間。
この日は社長の家でバーベキュー。
(宮城)おいしそ〜。
お〜うまいね。
あの〜哲也哲也。
はい。
食事が終わると社長が小田さんを呼び出した。
宮城社長は小田さんのインゲンの営業方法にかなり疑問を感じていたのだ。
売るというのは「農家の代弁者になる」事。
痛いところを突かれてしまった。
フフフ…。
ハハハ…。
そのつもりで自分は動いてます。
「農家の代弁者になる」。
これまで農家の個人的な話を自分から聞いた事がなかった小田さん。
モノがない中でインゲンの魅力を伝えるためにまずは農家に率直に気持ちを聞く事にした。
訪ねたのはインゲン農家の親川さん。
1年前から有機農業を始めた農家だ。
あ〜。
これまで何度も会っていた親川さんだが小田さんにとって初めて聞く話ばかりだった。
ヘヘッ。
小っちゃいがき。
へ〜。
親川さんは自分が作った野菜を孫に食べさせるのが楽しみだという。
完全無農薬を目指しているのも「安心して孫に食べさせたい」という思いからだった。
今も結構…
(親川)連れて来ますよ。
はいはいできないもんねここ。
ちょっと親川さんすみません写真撮っても…。
いいよ。
どこで撮る?え〜と…。
(シャッター音)小田さん何か思いついたみたいだね!OKです。
ありがとうございます。
お疲れさまです。
頑張って。
ありがとうございます。
ハハハハハハ!頑張ります!はい。
できるように。
(親川)はい。
2日後小田さんは東京へ向かった。
全国から一流の野菜が集まる東京。
沖縄のインゲン農家の期待を背負って小田さん勝負をかける。
最初の営業先に選んだのはこちら。
都内を中心に34店舗展開し無農薬や有機栽培の野菜を売っているこの店。
契約が決まれば大口の取引先となる。
ここは何としても良い結果を沖縄に持ち帰りたい!あっこんにちは。
よろしくお願いします。
今回インゲンについてあの〜…できればぜひお願いしたいなと思っておりまして少しここに…。
この日のために小田さんはあるのもを用意していた。
畑で撮った農家さんたちの写真だ。
インゲン作りに込めた思いを伝えるキャッチコピーも考えていた。
農家の思いを必死に伝えた。
ぜひお願いします。
すぐに契約とはならなかったが「サンプルを送ってほしい」と前向きな返事がもらえた。
営業2日目。
この日向かったのは…イタリアンレストラン。
全国から取り寄せたよりすぐりの野菜のみを使ったメニューを売りにしている。
こんにちは。
こんにちは。
どうも。
ありがとうございます。
今日はお時間頂きまして。
あ〜すみません…。
まず上の方で。
はい。
ありがとうございます。
前日の営業で好感触を得た小田さん。
自信を持って話しを進めていくが…。
あのですねかんだ時の…えっとですね…。
料理人にとって一番重要な味や食感の情報が欠けていた。
相手によって求めるものはさまざま。
ここでは用意していたものが全く通用しなかった。
フフフフ。
やっぱりさっき言った事前準備が全然足りてないとは思うんですよホントに。
だから…う〜ん…。
(ため息)「日々頑張らないと」と思います。
小田さんにとって初めて売るという事の難しさを学んだ2日間になった。
沖縄に戻ってきた小田さん。
早速社長に出張の報告をした。
ないんだから…それちゃんと…なあ哲也なあ他にいないもんな。
小田さん結婚で思いがけない人生を歩む事になっちゃったね。
自分のかみさんに対してもだし社長に対してもだし。
ホントに「嫌だなぁ」と思ってもやっぱりそれは自分で決めた事だからその責任はしっかり果たさないとな〜と思います。
運命を受け入れたのは自分自身。
いや〜それにしても幸せそうだね〜。
これからも仲良くね。
私野田ともうします。
2014/12/22(月) 23:25〜23:50
NHKEテレ1大阪
人生デザイン U−29「農業法人 社員」[字][再]

今回の主人公は愛する彼女の故郷、沖縄へと移住した小田哲也さん・29歳。彼を待っていたのは農業法人を経営する彼女の父親と職場でもプライベートでも一緒の生活だった…

詳細情報
番組内容
美しい海とサトウキビ畑が広がる沖縄本島南部の南城市。今回の主人公、小田哲也さん(29)は愛する彼女を追いかけて5年前に移住してきた。就職先は彼女の父親が経営する農業法人。ゆくゆくはこの会社を継ぐ、というのが社長でもある義父から出された結婚の条件だった。この秋、小田さんは県外への野菜の営業という社運をかけた大仕事を任されることになった。売り込みに成功し、義父や農家の期待に応えることができるのか?
出演者
【語り】Mummy−D

ジャンル :
ドキュメンタリー/教養 – 社会・時事

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