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映画評論家町山智浩アメリカ日記



音声ファイルの有料ダウンロード「町山智浩の映画ムダ話」始めました。
今週は『ゴーン・ガール』の復習です。映画を観た後でお聴きください。

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町山智浩の映画解説リストです(構築中)。
現在700本の映画が50音順に整理され、解説へのリンクが貼られています。


町山智浩のWOWOW映画塾がスマホのアプリになりました!
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町山智浩の映画塾2(101〜200)

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集英社WEB連載「町山智浩の深読みシネガイド」



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過去のたまむすび

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ポッドキャスト「町山智浩のアメリカ映画特電」は復活しました!
特電ポッドキャストVol.1〜67
Vol.68〜80
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ぼくとタランティーノと新宿で
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町山智浩『知ってても偉くないUSA語録』(文藝春秋)


『an-an』連載「アメリカのめっちゃスゴい女性たち』が発売されました。
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あらゆる分野で活躍する女性たち55人の逆境との戦いを集めたコラム集です。

2014-12-23 たまむすびで「ジ・インタビュー」

ゼロ・ダーク・サーティ』は、オサマ・ビン・ラディンを追うCIA諜報員を描く実録映画だが、ビンラディンという怪物を追うことでヒロインが怪物と化していく過程を描く。目的を果たした後、ヒロインを襲うのはどうしようもない虚無だ。

『大統領暗殺』はブッシュ暗殺を描くポリティカル・フィクションだが、しょせんブッシュは傀儡であり、その背後にある軍合複合体がアメリカを操っている、だからブッシュを殺したところで意味はない、というシニカルな映画だった。

チーム★アメリカ』では、アメリカの特殊部隊チーム・アメリカが金正日の陰謀と戦うが、金正日を殺してはいない。彼は生きて「また帰ってくるぞ」と言い残して去る。

 そして『ジ・インタビュー』は金正恩暗殺を描いている。金正恩は確かにミサイル持った危険なバカ息子だが、まだブッシュのように他国を侵略したわけでもなく、ビン・ラディンや金正日のようにまだ国際テロで犠牲者を出してはいない。自国民は死なせているとしても。


『ジ・インタビュー』はコメディだが、金正恩を暗殺する行為それ自体には肯定的だ。皮肉られてない。ハッピーエンドになる。

 映画史をみると、ハイドリヒ暗殺を英雄的行為として賛美する映画『暁の7人』など、実際の凶悪な人間の殺害を事後に称賛する映画はあるが、存命中の具体的な誰かの殺害を事前に肯定した映画というのは珍しい。

 うん。「存命中の特定の誰かを殺すことの肯定」が『ジ・インタビュー』を観た後の不快さの正体のようだ。

 とにかく、人はどんなことを言うのも自由だし、どんなにくだらない映画を作る権利も観る権利もある。

 でも、存命中の誰かを名指しして「こいつを殺せ」と言う言論の自由は、そんなに積極的に守るべきなんだろうか? 

 言った者がそれなりのリスクを背負うべきことであって、声高に「言論の自由だ、守れ」などと叫ぶようなことじゃないんじゃないか?

 これを金正恩以外の人、たとえば日本の誰かに置き換えて考えてみよう。

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 ツイッターはもういいやという気分になったので、やめました。