(恒興)偽者のために織田の者が死んでいくのはもう耐えられませぬ。
この城から去ってください。
(恒興)織田から出ていけ!・
(長可)殿!朝倉が2万の兵を浅井に送り込みました。
浅井軍と合流し攻めてくる構えにございます!
(勝家)殿。
朝倉が最後の戦に打って出ましたぞ。
(半兵衛)殿の暗殺に失敗しやつらも決死の覚悟なのでしょう。
(利家)森殿やおゆき殿の敵取りましょうぞ!
(一同)殿。
殿。
殿。
殿。
敵を。
殿。
殿。
(サブロー)この戦もうやめよう。
(サブロー)俺浅井さんと朝倉さんと和睦を結ぼうと思う。
(勝家)和睦!?
(利家)兵力ではわれわれが上回ってるのですぞ?
(サブロー)もう戦する理由なんてないと思うんだ。
戦のきっかけつくった義昭さんもいなくなって武田さんも死んじゃって。
浅井さんも朝倉さんもきっと引くに引けなくなってるんだと思う。
(秀吉)しかし裏切ったのは浅井。
許すべきではありませぬ。
(秀吉)裏切りを許したとあらば他国に示しがつきませぬ。
徹底的に戦うべきです。
(勝家)そうじゃ!多くの仲間たちが浅井朝倉に殺されたのですぞ。
(サブロー)憎しみで戦っちゃ駄目だって。
(サブロー)憎しみは新しい憎しみしか生まないからさ。
傷つけられたから傷つけ返す。
それで大切な人を失っていく。
その繰り返しだよ。
その連鎖を断ち切らなきゃ本当の意味での戦のない世はつくれないと思う。
だから俺たちの手で終わらせよう。
半兵衛さん。
浅井さんのところに行って会見の約束を取り付けてきてくれないかな?
(秀吉)お待ちください。
今の状況で敵国に使者を送るのは危険にございます。
ここは浅井に書状を送った方がよろしいかと。
そうだね。
じゃあ書状の準備を。
(半兵衛)はっ。
みんなの前で勝手なこと言ってごめんね。
これが最後だから。
それまでは信長やらせてくれないかな?これが終わったら出ていくからさ。
(恒興)分かりました。
ありがとね。
恒ちゃん。
(半兵衛)先ほどの秀吉の態度妙ではなかったか?
(重矩)えっ?
(半兵衛)私を浅井に行かせたくないようだった。
(半兵衛)それにやつなら出世のために浅井行きを自ら志願してもおかしくなかったはず。
何か行けぬ訳でもあるのか?
(蜂須賀)おい。
浅井と和睦なんか結ばれてみろ!久政とお前がつながってたのがバレて殺されるぞ!
(秀吉)わめくな。
久政は必ず殺す。
(光秀)出ていく?
(恒興)織田家当主に戻られるご準備を。
失礼いたします。
(沢彦)いかがなさるおつもりで?
(光秀)今わしが信長に戻ってもおそらく家臣たちはついてはこぬだろう。
(光秀)皆あやつのことを心底慕っておる。
(沢彦)いつまで申されておるのです!あなたさまこそが信長さまなのです。
あの男はあなたさまが手にするはずだった全てを意のままにしておるのです。
地位も名誉も家臣たちも。
そして帰蝶さまも。
・
(ノック)ねえ?帰蝶。
(帰蝶)いかがした?うつけ。
(帰蝶)何を黙っておる?あのさ。
ちょっと話があるんだ。
話?うん。
実は俺。
実は俺。
そのう。
俺…。
分かっておる。
えっ?わらわのおにぎりを黙って食べたのであろう?はっ?ハァー。
お主はまっことおにぎりが好きよのう。
これからはお主のことをおにぎりと呼んでしんぜよう。
ああ。
もうごめん!食べたよおにぎり。
だって俺おにぎり大好きだもん。
開き直るのか?このおにぎり。
おにぎりって呼ぶな。
っていうか帰蝶そんなにおにぎり好きなの?じゃあこれから帰蝶のことにぎり飯子ちゃんって呼んであげる。
何だ?その名は。
そんなかわいくない名で呼ぶでない。
痛い痛い。
にぎり飯。
い…。
おにぎり。
痛い痛い痛い痛い痛い痛い。
分かったよ。
にぎり飯子ちゃん。
にぎり飯男でした。
(長政)織田から書状が届いた。
(赤尾)織田はいったい何と?
(長政)われら浅井と和睦を結びたいと。
(長政)わしは。
(赤尾)殿!まさか和睦に応じるおつもりで?
(家臣)なりませぬぞ!
(今井)恐れながら殿!
(今井)それがしせがれを織田に殺されました。
せがれの無念を晴らさずして和睦など承服いたしかねます!
(赤尾)戦で死んでいった者たちの無念を晴らさせてくだされ!
(家臣)戦わせてくだされ。
(一同)殿。
殿。
殿。
(今井)せがれのためにも!
(久政)いかがするつもりじゃ?・
(利家)殿!殿!浅井から書状が届きました。
(成政)おそらく和睦申し入れの返答かと。
(勝家)浅井は何と?和睦結んでくれるって。
(勝家)誠にございますか?
(丹羽)ああ。
よかったですな。
長政君この城に来てくれるってさ。
(利家)これで長きにわたる戦も終わりますね。
・そうですな。
殿。
(一同)よかったですな。
殿。
これで森殿も浮かばれますな。
うん。
やりましたな。
殿。
・
(帰蝶)うつけ。
やはりお主は天に愛されておるのじゃ。
よかったな。
(沢彦)《あなたさまが手に入れるはずだった全てを》《帰蝶さまも》
(長政)これより織田との会見に向かう。
わしはこの和睦をもって織田との因縁を終わらせる。
(赤尾)お待ちください!殿!このままでは今井に面目が立ちませぬ。
どういうことだ?
(赤尾)今井清忠の首にございます。
今井は一命をもって和睦を止めたいと切腹いたしました!
(家臣)今井は命に代えても殿をお止めしたかったのです。
(家臣)その気持ち酌んであげてくだされ。
(家臣)和睦など結んではなりませぬ!何故。
何故このようなことを!
(赤尾)今井の命無駄にしてはなりませぬ。
その思いにどうかお応えくだされ。
久しぶりだね。
長政君。
(長政)ええ。
うれしいよ。
長政君が同じ気持ちでいてくれて。
(長政)信長殿。
この和睦やはり結ぶわけにはまいりませぬ。
えっ?
(長政)われら浅井は最後まで織田と戦います。
何でだよ?
(長政)この戦は多くの犠牲者を生みました。
そうだよ。
だからこそ。
(長政)だからこそ死んでいった家臣たちのためにも引くことはできぬのです。
家臣の命をむげにすることはできません。
ちょっと待ってよ。
憎み合って戦い続けるとかそんなのもうやめようって。
俺たち友達だろ!
(長政)分かってくだされ!信長殿!友ならばどうか分かってくだされ。
同じ国を治める者同士。
時として友情よりも大事なものがありまする。
守らねばならぬものがあるのです。
わしはこの命を懸けて必ずやあなたを討ちまする。
(恒興)いかがされるおつもりですか?あなたに長政殿が討てるのですか?
(恒興)もしできぬのなら今すぐ信長さまをやめるべきだ。
腹を切った者がいた?
(重矩)一命をもって和睦を止めたそうです。
・
(勝家)半兵衛殿。
猿を見掛けませんでしたか?
(半兵衛)いえ。
(丹羽)今後のことを話し合いたいのだが見つからんのじゃ。
(勝家)ごめん。
どこ行ったんじゃ?あいつ。
重矩。
調べてもらいたいことがある。
帰蝶さま。
(帰蝶)ちとよいか?
(恒興)いかがなさいましたか?
(帰蝶)うつけと何があった?
(恒興)それは…。
(帰蝶)もしかしてお主気付いたのか?まさか帰蝶さま。
ご存じなのですか?
(恒興)いったいいつから?延暦寺の一件があったころからな。
(恒興)何故黙っておられるのです?あの者は織田の血も継がぬ素性も分からぬ男なのですぞ?それなのに。
(帰蝶)わらわにとってはあやつが信長なのじゃ。
たとえ織田の血が流れていなくともどこの誰か分からなくともずっとそばにいてくれたあやつこそがわらわにとってたった一人の信長なのじゃ。
帰蝶さま。
(帰蝶)恒興。
うつけはこの城を去るのか?あやつは真実を打ち明けようとしておった。
去る気なのであろう?浅井朝倉との戦が終わったら。
そうか。
(帰蝶)いつかこんな日が来ると思うておった。
(帰蝶)終わりが来るとずっとそう思っておった。
(恒興)あの者と去るおつもりですか?それはない。
うつけは誰にも言わずこの城を去ろうとしておる。
あやつが望まぬのならわらわはここに残る。
そして織田信長の妻としてこれからも務めを果たす。
・
(松永)うわー。
空って広いなぁ。
まるで信長さんの心みたいだ。
それにこの夕日。
まぶしいな。
まるで信長さんみてえだ。
(松永)あっ。
ということは信長さんは地球そのものか?信長さんでっかいにも程がありますよ。
というわけでまた同盟結んでもらえますか?あれ?いたんですか?
(松永)しけた面しやがって。
長政討つのがそんなにつれえか?和睦を結べば戦は終わると思ってました。
友達なのに…。
どうして殺し合わなくちゃいけないんですかね?
(松永)戦国じゃみんないろんなもん抱えて生きてる。
引くに引けねえときもあるし何かを守るために戦うときもある。
命よりも大事なものがあるんだ。
(松永)長政も厳しい選択だったんじゃねえのか?信長よ。
今お前にできんのは長政の思いに応えることだけだ。
それが戦国の友情ってもんだ。
(長政)《友ならばどうか分かってくだされ》あした出陣しよう。
(勝家)誠によろしいのですか?これは俺と長政君との戦いでもあるんだ。
逃げるわけにはいかない。
それに俺のために死んでいったみんなのためにこの戦いだけは俺がやり遂げなきゃいけないんだ。
だから俺は長政君と戦う。
・
(足音)・帰蝶。
俺あした友達を殺しに行くんだ。
・友達に殺されるかもしれないんだ。
でも俺…。
間違えてないよね?・長政君の思いに応えるためには…。
・織田家を守るためにはこれでいいんだよな?
(帰蝶)うつけ。
己を信じるのじゃ。
お主は自分が正しいと思う道を進めばよい。
帰蝶。
いつも背中を押してくれてありがと。
帰蝶が支えてくれたからここまでこれたよ。
今までホントにありがとうね。
当たり前であろう?わらわはお主の妻だからな。
明日はしかと戦ってまいれ。
うつけ。
うん。
分かった。
痛いよ。
みんな。
これが浅井朝倉との最後の戦になる。
必ず生きて戻ってこよう。
この戦俺たちが勝つ。
いくぞ!
(一同)おう!
(久政)織田と交戦中だった朝倉義景殿が自決したそうじゃ。
皆の者!城の守りを固めろ!この戦必ず勝つ!
(一同)おう!
(勝家)この城さえ落とせばわれらの勝ちじゃ。
(丹羽)だが小谷城は堅牢。
どう攻めればよいのじゃ?
(利家)それにお市さまもいまだ城の中。
(成政)まさかやつらお市さまに手を!?
(恒興)それはないでしょう。
きっとご自分の意志で長政殿の傍らにおられるのでしょう。
(勝家)早く助けださねばなるまい。
わしに策がございます。
(勝家)誠か?
(秀吉)小谷城は小丸京極丸本丸からなる城にございます。
現在長政とお市さまは本丸にそして久政は小丸にいます。
まず城攻めの一手として本丸と小丸の中間に位置する京極丸を奪うのです。
さすれば長政と久政は分断され城の守りは一気に弱まりお市さまの救出が可能に。
(丹羽)されど城の中核に位置する京極丸をどう奪う?
(秀吉)闇夜に乗じてこの崖を登ればそこは京極丸の真横。
敵に気付かれずして攻めることができましょう。
(勝家)うん。
なるほど。
さすがは猿じゃ。
(丹羽)その手があったか。
殿。
この羽柴秀吉必ずやお市さまを救出し長政の首を取ってまいります。
何とぞ先鋒をお任せくださいませ。
分かった。
猿君に任せる。
ありがたき幸せ。
いくぞ。
(一同)おう!
(兵士)うわー!ああ!いやー!よーし!火を放て!
(家臣)大殿!京極丸が落とされました!
(久政)何じゃと!?
(家臣)早くお逃げください。
(久政)お前は!?その首もらいに来たぞ。
久政。
(久政)うおっ!うう…。
ううっ。
(蜂須賀)これで片が付いたな。
・
(長政)市。
(長政)城を出ろ。
そなたは信長殿の元へ戻るのだ。
娘たちと達者に暮らしてくれ。
行け。
・
(成政)申し上げます!秀吉殿が浅井久政を討ち取ったとのことです。
(一同)おおー。
よーし。
(成政)現在お市さまの救出に向かっております。
(勝家)猿め。
・殿!長政のいる本丸にも火を放ちました。
(長政)お主も城を出ろ。
(長政)行け!ここまでか。
(長政)市。
なぜここにおる?
(市)市は長政殿と死にます。
その言葉だけで十分じゃ。
わしの分まで生きて娘たちを幸せにしてやってくれ。
(長政)市。
(長政)そなたと過ごした日々は誠に幸せであった。
巡り合ってくれたこと心より感謝しておる。
(長政)市。
もう城を出ろ。
(長政)わしはそなたに生きてほしい。
(市)市もです!
(市)幸せでした。
市も長政殿と生きることができて幸せでした!
(長政)そうか。
(長政)市。
達者でな。
・
(秀吉)お市さま。
火の手が迫ってます。
逃げましょう。
(茶々)母上!
(勝家)お市さま!よくぞご無事で。
おいっちゃん。
ごめんね。
謝ることなどございません。
これが乱世。
戦う定めならそれもしかたがないこと。
それに長政殿も死は覚悟の上。
切腹も本望に違いありません。
だから兄上は謝らないでください。
(勝家)お市さま。
こちらへ。
・姫君さまがお待ちです。
・ようやった…。
俺間違えてたよ。
戦国でもいつの時代でも…。
大事なものは変わらないんだ。
命より大事なものなんて絶対ないんだ。
だから俺…。
長政君助けてくる。
(恒興)お待ちください。
(恒興)私もお供いたします。
長政君!長政君!
(恒興)長政殿!長政君!長政君!
(長政)信長殿。
長政君。
もういい。
もうやめよう。
(長政)この勝負あなたの勝ちだ。
勝ち負けなんてどうだっていいだろう!俺は長政君に死んでほしくないんだよ!
(長政)死んでいった家臣たちが大勢いるんです。
私一人生き残ることなど。
違うよ。
死んでった人の分まで生きるんだ。
生きなきゃ駄目なんだよ!
(長政)信長殿。
あなたとは短い縁であったが実に楽しかった。
(長政)もしもこのような時代でなければわしらはよき友としていられたのでしょうな。
酒を酌み交わし夢を語らい笑い合いながら共に歩んでいけたんでしょうな。
どうかそんな未来をつくってくだされ。
生まれ落ちた場所や家や立場で人が争うことのない未来を。
お…俺には。
俺にはそんな資格…。
わが娘たちがつないでいく命がいつの日かそのような時代と巡り合ってくれることを願っております。
(刺す音)
(長政)くっ。
ううっ。
長政君!しっかり。
しっかりしろ。
しっかり。
介しゃくを。
信長殿の手で決着を。
俺…。
忘れないから。
長政君のこと一生忘れないから。
ありがとう。
恒ちゃん!うわー!
(切る音)うつけ!出掛けるのか?うん。
ちょっと散歩に行こうと思って。
ならばわらわも一緒に。
一人で行ってくる。
そうか。
ねえ?帰蝶。
何じゃ?俺さずっと言ってなかったけど。
大好きだよ。
帰蝶のこと。
未来とかそういうの全部ひっくるめても一番好きだよ。
何を言うかと思えば。
お主が考えておることなど知っておるわ。
そっか。
全部知っておる。
じゃあ行くね。
たかが散歩であろう?うつけは大げさよのう。
フフッ。
それもそうだ。
いってきます。
ああ。
・
(恒興)信長さま。
お話ししたいことが。
(重矩)例の件調べてまいりました。
兄上の仰せの通り浅井家家臣の切腹偽りにございました。
(半兵衛)やはりそうか。
(重矩)切腹を見た者は一人しかおらず。
しかもその男すでに何者かによって殺されておりました。
(半兵衛)それはいつのことだ?秀吉が城にいなかった夜です。
こたびの戦起こしたのは秀吉だ。
秀吉は浅井の家臣を利用し和睦を決裂させるため偽りの切腹を仕立て上げるよう命じた。
そして和睦をつぶし今度はその家臣を闇に葬った。
(重矩)やつは何のために戦を起こしたかったのでしょうか?やつの目的は浅井久政の殺害。
(成政)《秀吉殿が浅井久政を討ち取ったとのことです》
(成政)《現在お市さまの救出に向かっております》やつは京極丸を押さえた後お市さまを助けず真っ先に小丸にいた久政を討った。
お市さま救出はただの口実。
(重矩)しかし何のために久政を?
(半兵衛)金ヶ崎でしんがりを名乗り出たときやはりやつは久政と手を組んでいたのだ。
織田家をつぶすために。
では久政は口封じのために?このことを早く殿にお伝えせねば。
《いやっ!》《くそ!》《とにかく信長やってみます。
お願いします》
(恒興)《一人ではありませぬ》
(森)《一人で行くとは水くさいではありませんか》《信長さま》《献杯!》
(一同)《献杯!》
(一同)《めりーくりすます!》腹減ったな。
何かなかったっけなぁ?いよっと。
うーん。
帰蝶。
(帰蝶)《ハァー。
お主はまっことおにぎりが好きよのう》・
(恒興)何をされているのですか?恒ちゃん。
こんなところで。
思い出してたんだ。
俺の信長生活こっから始まったなぁって。
色々あったな。
嫌なこともたくさんあったしつらいことも山ほどあった。
でもさ…。
すげえ楽しかったな。
かつて私はあなたに言いました。
この池田恒興には夢があると。
織田家がその名を日の本中に知らしめるほどの大きな大名になること。
それが私の夢であり望みでした。
その夢をかなえてくれたのはあなたです。
織田家には縁もゆかりもないあなたがわれわれ家臣を導き命を懸け織田を大きくしてくれた。
だから今度は私があなたの夢をかなえる番です。
恒ちゃん。
いま一度戦のない世を目指してみませぬか?光秀殿もぜひお戻りいただきたいと申しております。
ホントにいいの?偽者だよ?まためちゃくちゃなこと言って困らせるかもよ?構いません。
それでも…。
私がお仕えしたいのはあなたですから。
ホント?はい。
じゃあまたこっから始めてみるかな。
よろしく頼むね。
恒ちゃん。
どこまでもお供いたします。
殿。
(恒興)《私がついていきたいのはあの方にございます!》《今の気持ちであなたさまにお仕えすることはできませぬ》《ついては織田を出て流浪の身となる所存》《どうかお許しを》《一つ頼みたいことがある》
(恒興)《頼み?》《あやつを連れ戻してきてはくれぬか?》《織田信長として》《よろしいのですか?》《織田が天下を取るためにはあやつの力が必要じゃ》・
(足音)
(半兵衛)信長さま。
(一同)おおー。
(勝家・利家)よいしょ。
よいしょ。
そりゃ。
よいしょ。
そりゃ。
よいしょ。
よいしょ。
(勝家)殿。
どちらへ行ってらしたのですか?
(利家)殿も餅つきいたしましょうよ。
(丹羽)早うこちらへ。
(勝家)さあ。
・
(家康)信長さま。
あれ?家康君。
(家康)お久しぶりでございます。
(勝家)家康殿が餅を差し入れてくれたのですぞ。
(家康)それがし三度の飯よりお餅が大好きなのです。
餅も飯だけどね。
(家康)さあみんな!大いにお餅を食べ大いにお餅のように太るのだ!
(一同)おう!
(利家)さすが脱糞大名。
(家康)誰じゃ?それがしの心の傷を。
誰じゃ?まあまあ。
(家康)あんまりじゃ。
俺にもお餅つかせて。
(丹羽)さあさあさあさあ…。
ああ。
ありがとう。
(丹羽)いきますぞ?何かごめんね。
すぐ帰ってきて。
(帰蝶)ただの散歩であろう?どうしてそのようなことを言う?いやー。
いなくなったと思ったかなぁって。
(帰蝶)まったく思っておらん。
だって約束したではないか?わらわを置いて逃げたら承知しないと。
そうだっけ?したではないか。
忘れたのか!?フフッ。
嘘嘘。
覚えてるって。
忘れておったくせに。
俺さ…。
俺が信長になった訳何となく分かった気がするよ。
みんなが託してくれた思いを俺が次の時代につなげる。
それでいつか俺が見てきた平和な世の中をつくる。
みんなの分も。
それが俺が信長になった訳なのかなぁって。
では何としても天下を取らんとな。
そうだね。
よーし。
じゃあ天下取りにいきますか。
(半兵衛)こたびの浅井との戦全て秀吉の謀略によるものでございます。
直ちに捕らえるべきかと。
その必要はない。
(半兵衛)しかし…。
・のう?秀吉。
ええ。
(半兵衛)殿。
この男は殿のお命を。
殿ではない。
知りたいか?
(半兵衛)光秀殿!?
(鯉口を切る音)
(切る音)・違う。
・わしが…。
・織田信長じゃ。
ごめんね。
俺がまた信長やることにして。
(光秀)わしはこれからも明智光秀としてお主を支え続ける。
これからもよろしくね。
ミッチー。
必ず天下を取るのだぞ。
サブロー。
もちろん。
2014/12/22(月) 21:00〜22:09
関西テレビ1
[終]信長協奏曲 #11[字]【最終回15分拡大 友との約束!500年後の未来のために】
「最終回15分拡大SP 友との約束!500年後の未来のために…。夢幻の如く…織田信長として生きた時間」時空を超えた感動の物語ついに完結。涙のラストをお見逃しなく
詳細情報
番組内容
サブロー(小栗旬)は本物の信長でないことを池田恒興(向井理)に知られ、織田家から出て行けと突きつけられる。そんな時、浅井、朝倉軍が合流し、攻めてくるとの報がもたらされた。いざ開戦とはやる家臣たちだが、サブローは両家との和睦を主張。憎しみの連鎖を断ち切りたいと告げるサブローに、家臣たちも納得した。サブローは、竹中半兵衛(藤木直人)を和睦の使者に任命し、浅井と会見の約束を取り付けるよう頼む。
番組内容2
だが、羽柴秀吉(山田孝之)が危険だと遮ったため、書状を送ることに。
軍議後、サブローはこの件が終わったら城を去ると恒興と約束。恒興は、サブローの決意を明智光秀(小栗旬・二役)に報告する。今や家臣たちの信頼はサブローが一身に集めていると語る光秀。すると沢彦(でんでん)は、サブローが去った時こそ実権を取り戻さなくてはならないと諭す。
半兵衛は秀吉に疑念を抱いていた。秀吉は、浅井に通じていることを
番組内容3
伏せたかったのはもちろん、すでに一計を案じている様子。一方、織田の書状が届いた浅井家は揺れる。やはり身内を亡くした家臣たちの恨みは根深かった。それでも会見に応じようとする長政(高橋一生)だが、思いがけない事件が起きてしまう。
サブローは帰蝶(柴咲コウ)に全てを打ち明けようとするが、上手く話すことが出来なかった。そんな中、サブローは同じ思いを持つ友と信じる長政との会見に臨むが…。
出演者
サブロー/織田信長(一人二役): 小栗旬
帰蝶: 柴咲コウ
池田恒興: 向井理
前田犬千代: 藤ヶ谷太輔(Kis−My−Ft2)
ゆき: 夏帆
段蔵: 早乙女太一
竹中半兵衛: 藤木直人
徳川家康: 濱田岳
柴田勝家: